救急外来で看護師は何を考え、どう動くのか【電子版】
トリアージから高次搬送・地域連携まで
- 出版社名
- 医学書院
- 発行年月
- 電子版発売日
- ページ数
- 224ページ
- 判型
- A5
- 印刷版ISBN
- 978-4-260-06680-8
- 電子版ISBN
- 978-4-260-66680-0
概要
救急患者に必要な医療を止めずにつなぐための判断の支えとなる一冊
救急患者への対応は搬送される前から始まり、転帰判断までが含まれる。救急隊からの第一報を受けての準備、搬送直後の患者の第一印象による判断、重症患者を見落とさないためのトリアージ、医師やスタッフとの構造化された情報共有、医療的緊急度だけでなく生活背景までとらえた転帰判断など、著者らの経験知に基づいた救急看護を現場感覚で学べる。救命だけではない、患者のその後もとらえた救急看護がここにある。
目次
推薦の序
まえがき
第1部 概論編──看護が主導する初動と連携
Chapter 1 救急対応の全体像(看護の視点)
Chapter 1のねらい──救急対応を「再現可能な動線」としてとらえる
二次救急と三次救急の違い──看護に求められる「機能の違い」を理解する
標準動線──受け入れから方針決定までを「一本の線」でつなぐ
夜間・休日の横断業務──限られた資源の中で医療を成立させる
地域特性と高次搬送の判断──「どこで診るか」を早期に見極める
救急隊との連携──動線の外側をつなぐ
看護師に求められる力
Chapter 2 制度・運用の基礎
Chapter 2のねらい──制度を知り,生活を見据えた転帰を考える
救急外来における「お金と手続き」初動対応
どこまで診て,どこへ送るのか
地域連携と再搬送予防
タイムラインごとの介入──事例を通して
Chapter 3 受け入れ前対応とトリアージ
Chapter 3のねらい──見えない患者を予測し,到着前から治療を始める
電話トリアージ──電話の向こうにある見えない情報を可視化する
リソース管理の3要素──manpower/space/resource
到着直後──MIST/ABCDEアプローチの使いどころ
異常を見つけたら,まずコール──ISBARCにつなげる初動対応
家族看護の具体的なアクション
Chapter 4 検査・画像
Chapter 4のねらい──限られた人員で「止めない検査」を成立させる
採血・血液ガス──「検体の質」が診療の質を決める
画像(X線・CT)──「運ぶこと」が最大のリスクになる場面
12誘導心電図・ベッドサイドエコー──「先回り」で診断を加速させる
Chapter 5 時間外の薬剤対応
Chapter 5のねらい──制約のなかで治療を止めないための実践
状況認識(0~5分)──「薬がない」で止まらないための最初の一手
在庫確認(5~10分)──「何が使えるか」を可視化する
目的の再定義(10~15分)──「薬がない」を乗り越える思考の中核
代替フロー起動(15~25分)──「考える」から「動かす」へ
投与と観察(25~60分)──「投与して終わり」にしないための看護
記録と引き継ぎ(60分~)──「次に迷わせない」ための情報整理
Chapter 6 搬送・転院・退院支援
Chapter 6のねらい──入院リスクを加味して治療場所や方法を点検する
入院によるリスク
転帰を考えるための視点
地域とつなぐための準備
再受診を防ぐ視点
退院支援の実際
下り搬送
搬送・転院・退院支援は一連のプロセス
Chapter 7 安全管理とチーム連携
Chapter 7のねらい──限られた環境で「安全を落とさない」ための仕組み
最少人数でも安全を担保する基本原則
物品・機器管理──「ない・動かない」を起こさない
交代時ハンドオフ──判断をつなぐ
第2部 事例編──7つのCaseから学ぶ救急対応
Case 1 独居高齢者+転倒/帰宅可否の調整
Case 1で学べること
初期評価(0~20分)──医学的緊急度と生活背景を同時にとらえる
検査・処置(30~60分)──骨折の有無とADL低下を確認する
生活背景と在宅サービスの確認(60~90分)──帰宅後の安全を具体的に考える
帰宅可否の判断(90~110分)──支援を組み合わせて安全に帰す
Case 2 出血性ショック/輸血準備と高次搬送
Case 2で学べること
到着前(-10~0分)──情報整理と初期準備
到着~3分──第一印象と初動介入
3~10分──検査動線と高次搬送判断
10~30分──輸血準備と高次搬送依頼
30~60分──輸血の開始と高次搬送
転帰
Case 3 胸痛(急性心筋梗塞疑い)/心電図起点の初期対応と搬送判断
Case 3で学べること
到着前(-10~0分)──ECGを起点に「時間を動かす準備」をする
到着~3分──第一印象で「緊急度」を見抜く
3~10分──ECGで診断の起点を作り,見た瞬間に共有する
10~30分──治療と搬送を同時に進める
30分以降──搬送準備とPCI実施施設への橋渡し
Case 4 施設入所者の誤嚥性肺炎/酸素・吸引・病床確保
Case 4で学べること
到着前(-10~0分)──呼吸状態の悪化を予測し,継続ケアを見据えて準備する
到着0~5分──人手を要すケアでも救急外来が機能するために
5~10分──情報(MIST)が患者と合致するかを確認
10~15分──検査画像と症状から見据える思考の中核
15~30分──病床確保と継続ケアへの移行
30~60分──施設・家族との情報共有と意思決定支援
Case 5 低血糖による意識障害/是正と帰宅判断
Case 5で学べること
到着前(-10~0分)──「まず血糖測定」を成立させる準備
到着~3分──「迷わず血糖測定」にたどり着けるか
3~10分──「測る」から「是正する」へ
10~30分──「治す」から「再発させない」へ
Case 6 発熱+意識変容(敗血症疑い)/検査動線と抗菌薬準備
Case 6で学べること
到着前(-10~0分)──抗菌薬投与までの準備を走らせる
到着直後(0~3分)──ABCDEアプローチと同時並行の初期対応
検査動線(3~10分)──「流れを止めない動線」を作る看護師の役割
抗菌薬投与(10~30分)──「遅らせない」ための最終フェーズ
初期評価(30~60分)──治療効果と安全性を同時に判断する
転帰判断と申し送り──夜間の判断を次につなげる
Case 7 発熱+倦怠感/代替薬での安全確保
Case 7で学べること
状況認識(0~5分)──「薬がない」状況を正しく把握する
在庫確認(5~10分)──正確な情報がすべてを決める
目的の再定義(10~15分)──抗菌薬投与の目的をとらえなおす
代替フロー起動(15~25分)──単なる薬剤変更ではなく,治療を継続できる仕組みを作る
投与と観察(25~60分)──代替治療を安全に成立させる
記録と引き継ぎ(60分~)──判断の背景を次につなぐ
索引