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学生・管理栄養士のための栄養教育論【電子版】

丸山 千寿子 (編)

出版社
文光堂
電子版ISBN
 
電子版発売日
2021/09/27
ページ数
192ページ
 判型
B5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥2,640 (本体¥2,400+税10%)

印刷版ISBN
978-4-8306-6065-8
印刷版発行年月
2021/04
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22 MB以上
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概要

行動科学や社会科学,心理学に裏付けられた栄養教育の実践を,具体的事例を用いて解説.冒頭で2つの事例を挙げ,「栄養教育」の全体像を把握しつつ,続く章では,食に関する行動変容を促すための,行動科学やカウンセリングの理論・技法,栄養教育のマネジメント法を,図表を用い分かりやすく論じる.対象別の栄養管理についても,教育計画の立案から実施および評価までの事例を用い詳説.新ガイドライン,コアカリキュラム準拠.

目次

第1章 栄養教育はどのような人に行うのだろう
 A [事例1]家で食事を与えられていない子ども
  1 この児童はどのように生活しているのだろうか(栄養教育の対象者の背景)
  2 どのような身体的異常が起きているか(医学的診断と栄養診断)
  3 これを改善しなければ何が起こるか(異常のリスクと予防・治療目的)
  4 なぜ,このような状態にあるのか(原因と影響する要因)
  5 予防できなかったのはなぜか(行動に関わる課題の抽出)
  6 どうしたら,改善できるのか(栄養教育計画を立てる)
 B [事例2]複数の生活習慣病を合併した患者
  1 この患者はどのような人だろう(栄養教育の対象となる患者背景)
  2 どのような身体的異常が起きているか(栄養診断)
  3 これを改善しなければ何が起こるか(病態のリスクと治療目的)
  4 なぜ,このような状態にあるのか(原因と影響する要因)
  5 予防・改善できなかったのはなぜか(行動に関わる課題の抽出)
  6 どうしたら,改善できるのか(治療計画を立てる)
 C 栄養教育の目的を確認する─健康教育と栄養教育─
  1 健康教育のなかに位置づけられる栄養教育(一次予防)
   1 健康教育と栄養教育
   2 栄養教育とヘルスプロモーション
   3 一次予防と栄養教育
  2 疾病の治療を担う栄養教育(二次予防,三次予防)

第2章 人はどのように行動しているのだろうか─行動科学の理論とモデル
 A 行動科学がなぜ必要なのか
  1 行動科学とは
  2 理論とモデル,構成概念
  3 行動科学と栄養教育
  4 エコロジカルモデル
 B 個人に焦点をあてると
  1 刺激─反応理論
   1 レスポンデント条件づけ
   2 オペラント条件づけ
  2 ヘルスビリーフモデル
  3 トランスセオレティカルモデル
  4 計画的行動理論
 C 個人間に焦点をあてると
  1 社会的認知理論
   1 社会的認知理論の概要
   2 自己効力感
   3 セルフモニタリング
   4 ソーシャルスキルトレーニング(ロールプレイ)
  2 ソーシャルサポート
   1 ソーシャルネットワークとソーシャルサポート
   2 効果的なソーシャルサポートとは
  3 ストレスマネジメント
   1 ストレスとコーピング
   2 コーピングの方法
 D 組織・地域に焦点をあてると
  1 コミュニティオーガニゼーション
  2 ソーシャルキャピタル
  3 イノベーション普及理論
   1 イノベーションの普及の速さを決定する5つの要因
   2 イノベーション採用者の5つの分類
  4 ソーシャルマーケティング
   1 ソーシャルマーケティングとは
   2 ソーシャルマーケティングの特徴
  5 ヘルスリテラシー
  6 ナッジ
   1 ナッジとは
   2 具体的なナッジ

第3章 栄養教育の進め方
 A 栄養教育の計画とマネジメントの概要を知る
  1 栄養教育の実施において計画を立てる意義
  2 マネジメントサイクル(PDCAサイクル)
  3 プリシード・プロシードモデル
 B 栄養教育の計画を立てる(新規プログラムを立案できる)
  1 実態を把握する
   1 栄養教育の計画を立てるための“実態把握(アセスメント)”とは?
   2 「何を」実態把握(アセスメント)するか?
   3 「どのように」実態把握(アセスメント)するか?
  2 課題の抽出と目標設定
   1 実態把握から課題を抽出する:重要性と実施可能性
   2 抽出した課題から栄養教育計画の目標を設定する
  3 目標達成に求められる期間(目標を達成するための教育に必要な期間・頻度, 時間などを決める)
   1 予防の場合
   2 治療の場合
  4 場所を決める,確保する
   1 実施場所
   2 部屋の確保
   3 機材など設備の準備
  5 教材を選ぶ
   1 アセスメント結果の利用,実態把握
   2 目標栄養素等摂取量
   3 食品に含まれる栄養素等の量と特徴
   4 食べ方
  6 学習形態を決める
   1 個別学習
   2 一斉学習
   3 グループ学習
   4 ICTを活用した学習
  7 媒体を入手する,作成する
   1 媒体の種類と特徴
   2 媒体の入手・作成と活用の留意点
   3 媒体の例
  8 教育の実施者を決める
  9 必要な資源を確保する
  10 計画書を作成する
 C 計画を実施し,評価しよう
  1 なぜ栄養教育計画の評価をするのか?
  2 評価の種類とそれぞれの評価の位置づけは?
   1 形成的評価
   2 総括的評価
   3 経済評価
   4 総合的評価
  3 質の高い評価を行うためには?
   1 評価デザインを選択する
   2 適切な評価手法を選択する:妥当性と信頼性
  4 評価結果をフィードバックする
   1 プログラムの報告と公表

第4章 学習者とどのように対話するか
 A カウンセリングの基本と技法を知る
  1 心理療法・カウンセリングの代表的な理論
   1 精神分析的心理療法
   2 認知行動療法
   3 クライエント中心療法
  2 カウンセリングの基本態度
   1 クライエントの主体性を尊重する
   2 クライエントに対して偏見をもたない
   3 クライエントの個人情報を守る
   4 カウンセラーも見られているという意識をもつ
   5 専門家として関わる
   6 カウンセラー-クライエント間の心的距離を適切に保つ
  3 話を聴き,クライエントと協働して進める技法
   1 基本的コミュニケーションスキルの階層
  4 栄養カウンセリングを始めよう
   1 面接前の準備
   2 ラポールの形成
   3 課題の明確化と目標の共有
  5 面接技術を向上させるには
   1 自分の面接を聴く・観る
   2 自分が自分のカウンセラーになる
   3 柔軟な視点をもつ練習
 B 行動変容理論とカウンセリングマインド,技法を統合した実践
  1 「行動を変えてあげなくては」の気持ちに気づこう
  2 変えようとすることをやめる
  3 動機づけ面接とは
  4 私たちは患者に何を望んでいるのだろう?
  5 その行動が続いているのはなぜなのだろう?
  6 理解した行動の仕組みから具体的で実行可能性の高い目標を設定する
  7 「〇〇しない」ではなく,「〇〇する」目標を立てる
  8 “できなかったとき”より“できたとき”に注目しよう
  9 “行動”を理解しようという姿勢が関係づくりにつながる
  10 アドヒアランス向上にグループの効果を生かす
  11 グループ形式による心理的効果
  12 グループでのやりとりの実際
   1 糖尿病であることの認識や感情を話し合う
   2 セルフケアが困難な場面への対処を学び合う
   3 血糖コントロールの先にある独自の生き方を明らかにする
  13 おわりに

第5章 栄養教育の展開について考察する
 A 予防に焦点をあてた栄養教育(課題と留意点)
  1 妊婦・授乳婦,新生児・乳児
   1 妊婦・授乳婦
   2 新生児・乳児
  2 幼 児
   1 どのように実態を把握するか(アセスメントの内容と方法)
   2 どのように課題を抽出し,目標を設定するか(明確化する際の留意点)
   3 教育計画を策定する際の留意点は何か(期間,時間,回数,学習形態,場所,チームなど)
   4 汎用される既存の教材を紹介し,その教材で何をどこまで教育できるのか
   5 計画を実施し,評価してより良いプログラムにするためにどのような仕組みが必要か
   6 残されている課題は何か
  3 児童・生徒(栄養教諭)
   1 どのように実態を把握するか(アセスメントの内容と方法)
   2 どのように課題を抽出し,目標を設定するか(明確化する際の留意点)
   3 教育計画を策定する際の留意点は何か(期間,時間,回数,学習形態,場所,チームなど)
   4 汎用される既存の教材を紹介し,その教材で何をどこまで教育できるのか
   5 計画を実施し,評価してより良いプログラムにするためにどのような仕組みが必要か
   6 残されている課題は何か
  [事例1]の栄養指導
   1 どのように実態を把握するか(アセスメントの内容と方法)
   2 どのように課題を抽出し,目標を設定するか
   3 栄養教育計画を策定する際の留意点は何か
   4 既存の教材と媒体の工夫
   5 計画を実施し,評価して目標を達成するために,どのような仕組みが必要か
   6 残された課題は何か
  4 成人(地域保健・産業保健)
   1 どのように実態を把握するか
   2 どのように課題を抽出し,目標を設定するか
   3 教育計画を策定する際の留意点は何か
   4 栄養教育に使用する教材
   5 計画を実施し,評価してより良いプログラムにするためにどのような仕組みが必要か
   6 残されている課題は何か
  5 高齢者
   1 どのように実態を把握するか(アセスメントの内容と方法)
   2 どのように課題を抽出し,目標を設定するか(明確化する際の留意点)
   3 教育計画を策定する際の留意点は何か(期間,時間,回数,学習形態,場所,チームなど)
   4 汎用される既存の教材を紹介し,その教材で何をどこまで教育できるのか
   5 計画を実施し,評価してより良いプログラムにするためにどのような仕組みが必要か
   6 残されている課題は何か
  6 外国人
   1 はじめに
   2 外国人患者は多くの不安を抱えている
   3 外国人患者の実態をどのように把握するか
   4 問題点の抽出と目標設定はどのように行うか
   5 教育計画を策定する際の留意点
   6 栄養教育に使用する教材
   7 計画を実施し,評価してより良いプログラムにするためにどのような仕組みが必要か
   8 残されている課題は何か
 B 治療・増悪防止に焦点をあてた栄養教育
  1 障がい者/障がい児(介護)
   1 どのように実態を把握するか(アセスメントの内容と方法)
   2 どのように課題を抽出し,目標を設定するか(明確化する際の留意点)
   3 教育計画を策定する際の留意点は何か(期間,時間,回数,学習形態,場所,チーム)
   4 汎用される既存の教材を紹介し,その教材で何をどこまで教育できるのか
   5 計画を実施し,評価してより良いプログラムにするためにどのような仕組みが必要か
   6 残されている課題は何か
  2 病人(慢性疾患,代謝異常)
   1 どのように実態を把握するか(アセスメントの内容と方法)
   2 どのように課題を抽出し,目標を設定するか(明確化する際の留意点)
   3 教育計画を策定する際の留意点は何か(期間,時間,回数,学習形態,場所,チーム)
   4 汎用される既存の教材を紹介し,その教材で何をどこまで教育できるのか
   5 計画を実施し,評価してより良いプログラムにするためにどのような仕組みが必要か
   6 残されている課題は何か

あとがき
巻末資料 年表
参考文献
索引