はじめに
本書の特徴と構成
Step1 看護倫理の基礎知識
1 倫理とは何か―看護職の社会的役割と行動規範
倫理とは何か
看護職と倫理
倫理学総論
倫理学の分類
環境倫理学
生命倫理学
人の生殖にかかわる倫理
人の死にかかわる倫理
臓器移植と人工臓器の倫理
人を被験者とした医学研究の倫理
医療倫理学
2 看護倫理とは
看護倫理の基本概念
看護の倫理問題を検討するための看護の基準
多職種による倫理課題の検討
医療者と患者・家族の関係
看護からみた医療における患者の権利
3 患者の権利と擁護
自己決定の尊重
「自己決定権」と「他者危害排除の原則」
告知，インフォームド・コンセントにおける倫理的問題
未成年者の自己決定権とインフォームド・アセント
良質の医療を受ける権利
安楽死と尊厳死
患者の意思に反する処置
守秘義務と個人情報保護
患者を倫理的に守るための注意点
Step2 学内実習に必要な看護倫理
1 学内演習―臨地実習の準備
看護教育カリキュラムにおける「看護倫理」
講義・演習・実習の関係
臨地実習に臨むにあたっての準備
2 看護職の倫理綱領前文
1 看護職は，人間の生命，人間としての尊厳及び権利を尊重する．
2 看護職は，対象となる人々に平等に看護を提供する．
3 看護職は，対象となる人々との間に信頼関係を築き，その信頼関係に基づいて看護を提供する．
4 看護職は，人々の権利を尊重し，人々が自らの意向や価値観にそった選択ができるよう支援する．
5 看護職は，対象となる人々の秘密を保持し，取得した個人情報は適正に取り扱う．
6 看護職は，対象となる人々に不利益や危害が生じているときは，人々を保護し安全を確保する．
7 看護職は，自己の責任と能力を的確に把握し，実施した看護について個人としての責任をもつ．
8 看護職は，常に，個人の責任として継続学習による能力の開発・維持・向上に努める．
9 看護職は，多職種で協働し，よりよい保健・医療・福祉を実現する．
10 看護職は，より質の高い看護を行うために，自らの職務に関する行動基準を設定し，それに基づき行動する．
11 看護職は，研究や実践を通して，専門的知識・技術の創造と開発に努め，看護学の発展に寄与する．
12 看護職は，より質の高い看護を行うため，看護職自身のウェルビーイングの向上に努める．
13 看護職は，常に品位を保持し，看護職に対する社会の人々の信頼を高めるよう努める．
14 看護職は，人々の生命と健康をまもるため，さまざまな問題について，社会正義の考え方をもって社会と責任を共有する．
15 看護職は，専門職組織に所属し，看護の質を高めるための活動に参画し，よりよい社会づくりに貢献する．
16 看護職は，様々な災害支援の担い手と協働し，災害によって影響を受けたすべての人々の生命，健康，生活をまもることに最善を尽くす．
3 領域別にみた看護倫理
■成人看護
■老年看護
■小児看護
■母性看護
■精神看護
■在宅看護
Step3 臨地実習に必要な看護倫理
1 臨地実習を通じての学び
教員および臨地実習指導者の役割
看護学生の役割
報告・連絡・相談の3原則
2 看護計画の評価
看護計画の立案
事例から考える
看護学生の姿勢と態度
3 看護職から学ぶ―ロールモデルと反面教師
ロールモデルの種類
看護職としての規範
4 倫理カンファレンス
倫理カンファレンスとは
倫理カンファレンスの実際
倫理カンファレンスの準備
倫理カンファレンスのなかでの留意点
倫理カンファレンスのまとめ方
事例から考える
5 ICT社会における個人情報の保護
背景とねらい
事例から考える
Step4 看護研究に必要な看護倫理
1 看護研究における倫理
研究における倫理の始まり
研究倫理審査委員会の組織化
研究倫理における審査内容
研究倫理審査申請に必要な書類
研究者の倫理
column
ベビーＭ事件
出自を知る権利
人間としての倫理，道徳
ICN看護師の倫理綱領（2021年）
ナイチンゲール誓詞（誓いの言葉）
エホバの証人無断輸血
「症例報告における患者情報保護に関する指針」
患者の権利に関するWMAリスボン宣言
法律で品位の維持を義務づけられている職業
患者の権利宣言案（1984年10月14日）
信用（＝信頼）のある看護師とはどうあるべきか
スティグマ
ACP
看護職の多様な勤務形態の例
エイジズム
プレパレーション（小児医療）
インフォームド・アセント
児童の権利に関する条約（子どもの権利条約）
プライバシーの保護　蛎﨑奈津子
人工妊娠中絶と倫理的課題
リプロダクティブ・ヘルス
生殖補助医療と倫理的課題
人生の最期を迎える場所
実習時の記録物に関する注意
看護師国家試験過去問題（解答・解説）
看護師国家試験出題基準（令和5年版）対照表
Index