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ギャンブル障害診療指針――反治療的な疾患モデルから動機モデルへの転換【電子版】

河本 泰信 (著)

よしの病院 院長

出版社
中外医学社
電子版ISBN
 
電子版発売日
2025/06/19
ページ数
170ページ
 判型
A5判
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥3,520 (本体¥3,200+税10%)

印刷版ISBN
978-4-498-22970-9
印刷版発行年月
2025/06
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概要


ギャンブル障害の原因はギャンブルではない.
ギャンブル障害の原因はギャンブルではない――.本書では“赤か黒か”では語り切れないギャンブル障害の複雑な構造の解説に加え,経験豊富な著者の自験例も踏まえた実際の治療における具体的な受け答えも解説し,本疾患に対する深い理解と,実臨床でそのまま使える実践的なテクニックを同時に学べる.日常的に賭博に触れやすい環境がある本邦の精神科医のために,間違いだらけのギャンブル障害診療の本質を紐解き,患者の回復を阻害しないメソッドを徹底解説する一冊.

目次

目 次

序1
CHAPTER 1 疫学調査から見えてくるギャンブル障害の本態
 A.日本はギャンブル依存大国?
 B.調査方法の相違点
  1)対象期間(過去1年/生涯)
  2)調査尺度(SOGS/DSM-5/ICD-11/PPDS)
 C.全国調査における該当者数の推移
 D.自然予後
  1)自然回復率とその意義
  2)5年間の縦断調査
  3)問題ギャンブラーの6割以上は自力改善
  4)自然経過の多様性
CHAPTER 2 病態
 A.モデル(病態仮説)で考えるギャンブル障害
  1)疾患・障害概念の整理
  2)ギャンブル関連概念の整
  3)ギャンブル障害の中核所見をめぐる議
 B.ギャンブル障害を理解するための8つのモデルと中核症状
  1)動機(自己決定理論)モデル
  2)解離モデル
  3)力動モデル
  4)条件反射(学習)モデル 
  5)認知モデル
  6)物質使用障害(嗜癖:アディクション)モデル
  7)社会/環境モデル
  8)内省モデル
 C.モデルの適用法 ― 教条主義/折衷主義/多元主義
CHAPTER 3 診断
 A.症状の組み合わせに焦点を当てたカテゴリー診断
  1)DSM-5
  2)ICD-11
  3)鑑別診断
  4)診断閾値下群の臨床的重要性
  5)臨床的に有用なサブタイプ分類の試み
 B.実害に焦点を当てた多次元診断 
  1)問題ギャンブル概念の提唱
  2)問題ギャンブル概念の欠点とその修正
  3)ギャンブルによる七つの実害
 C.二つの診断方法にそれぞれ対応した介入法
CHAPTER 4 治療
 A.初期介入
  1)ギャンブラーとしての自己同一性の尊重
  2)動機付け面接法の5ステップ
  3)「状態評価/診断」の伝え方
 B.心理社会的治療
  1)認知療法
  2)一般的行動療法
  3)欲望充足法
  4)行動活性化療法(Behavioral Activation:BA)
  5)内観療法
    5-1)伝統的内観療法
    5-2)内観変法 ― 内観的アドバイス
  6)家族カウンセリング
  7)認知行動療法に関する論点
 C.薬物療法
 D.環境療法
  1)入院治療
  2)回復施設
 E.地域資源の活用 103
  1)電話相談などヘルプラインの活用
  2)債務相談(司法書士 / 弁護士)
  3)自助グループ
  4)家族会・家族のための自助グループ
  5)様々なレジャー活動
CHAPTER 5 治療における実際の手順
 A.ステップI 初診面接(あるいはインテーク面接)
  1)「(あなた自身が)一番お困りのことは?」
  2)「その他にお困りのことは?」
  3)「それによる生活への支障は?」
  4)「今回の受診のきっかけは?」
  5)「ご自分では,これはなんのせいだと?」
  6)「ここ(医療機関)で,どんなことをして欲しくて?」
 B.ステップII 「診たて」
  1)質的評価
  2)量的評価
 C.ステップIII 患者への説明と治療契約
  1)診断・診たて・病態をどう説明しますか
  2)治療目標,治療法をどう説明しますか
  3)予想される転帰をどう説明しますか
  4)治療方針の協議(患者・家族・関係者との)をどう進めますか
 D.ステップIV 治療の展開
  1)初診時
  2)維持期に至るまで
  3)維持期以降
CHAPTER 6 病態モデル別治療法
 A.動機モデル
 B.認知モデル 
 C.疾患(病気)モデル
 D.力動モデル
 E.環境モデル
 F.内省モデル
CHAPTER 7 治療予後
 A.治療予後調査の意義
 B.各療法による予後の相違
  1)認知行動療法(CBT)
  2)動機付け面接(MI)の予後
  3)個別フィードバック介入(PFI)
 C.介入形式による予後の相違
  1)対面式介入法
  2)非対面式介入法
 D.予後に影響を与える要因
  1)初期症状の重症度
  2)併存する精神疾患
 E.断ギャンブルとコントロールギャンブル
 F.インターネット型ギャンブルへの転換が経過や予後に与える影響
CHAPTER 8 ギャンブル障害とうつ病
 A.ギャンブル障害と併存精神障害
 B.うつ病がギャンブル障害を誘発するメカニズム
 C.ギャンブル障害とうつ病とに共通する病態と対処法
  1)生育歴からのアプローチ
  2)病的な認知へのアプローチ
 D.ギャンブル障害と自殺問題
 E.統合的アプローチの必要性
CHAPTER 9 高齢者とギャンブル問題
 A.好発年代としての高齢者
 B.高齢者のギャンブル障害の臨床的特徴
  1)症状
  2)ギャンブルと孤独との関連
  3)認知症との関連
 C.診断における留意点
 D.ギャンブル障害の分類
  1)習慣型(癖になってやめられない)
  2)悲嘆型(つらくなるのでやめられない) 
  3)素因型(遅発型)(気になってやめられない
 E.併存精神障害への介入の重要性
CHAPTER 10 ギャンブル障害の予防
 A.従来型の予防策 ― 啓発と排除
 B.発生現場からの早期介入 
  1)オンライン化を利用した介入
  2)負け追い行動はどのように賭け方の変化として現れるのか?
  3)ハイリスクギャンブルの評価基準
  4)負け追い行動のパターンとハイリスクギャンブルとの関連性
  5)フィードバックアラートの内容とタイミング
 C.今後の課題と方向性

 索引