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NSTのための がん悪液質診療ハンドブック【電子版】

産本 陽平 遠藤 美織(編著)

筑波大学小児外科 竹田綜合病院外科・小児外科筑波大学小児外科/竹田綜合病院栄養科

出版社
中外医学社
電子版ISBN
 
電子版発売日
2026/02/13
ページ数
256ページ
 判型
A5判
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥4,840 (本体¥4,400+税10%)

印刷版ISBN
978-4-498-12204-8
印刷版発行年月
2026/02
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概要


がん悪液質診療の「現場のリアル」を_x000d_

きわめて深刻な全身性の消耗性症候群であるがん悪液質(Cancer Cachexia)はがん患者に「食べても減ってしまう」事態を招き,生命予後や生活の質(QOL)に重大な影響を及ぼすため,栄養・運動・薬物療法などを組み合わせた多職種による包括的な介入が求められている.本書では,「チームアナモレリン」として多職種による支援体制を整え,日々の実践を重ねてきた竹田綜合病院で実際に取り組まれている様々な工夫が記されている.栄養素・カロリーなどの数値だけでなく「食べる」ことへのこだわり重視し,NSTのメンバーとしての各職種の視点から解説した.

目次

目次
  
第1章 がん悪液質の基本知識(総論)
 1.がん悪液質とは何か 〈産本陽平〉
  A 病因と定義
  B 病態生理
 2.悪液質のステージ分類 〈産本陽平〉
  A 前悪液質(pre—cachexia)
  B 悪液質(cachexia)
  C 不応性悪液質(refractory cachexia)
 3.がん悪液質が患者転機に与える影響と治療法の概略 〈産本陽平〉
  A がん悪液質が臨床転機に与える影響
  B がん悪液質の治療総論
  
第2章 がん悪液質に対する集学的アプローチの必要性とその実践
 1.がん悪液質に対する集学的介入の必要性 〈遠藤美織〉
  A 多因子性への対応:なぜ単独の介入では不十分か
  B 集学的介入における多職種の役割と相互作用
 2.チームアナモレリンの構成と運用 〈遠藤美織〉
  A チームアナモレリンの構成
  B チームアナモレリンの運用
  C チームアナモレリンの利点と課題
  
第3章 がん悪液質の評価,診断
 1.悪液質の早期診断のための取り組み 〈香内 綾〉
  A がん悪液質の有病率と早期診断における課題
  B がん悪液質を早期診断するための取り組み
  C 薬剤師を起点としたがん悪液質ケアの多職種連携
 2.各種診断基準 〈佐藤智実〉
  A European Palliative Care Research Collaborative(EPCRC)
  B modified Glasgow Prognostic Score(mGPS)
  C Asian Working Group for Cachexia(AWGC2023基準)
  D 当院での運用について
 3.身体計測と体組成評価 〈塩瀬唯美子〉
  A 各評価方法について
  B 当院における実際の運用
 4.がん悪液質のスクリーニングと評価法 〈佐藤アキ子〉
  A 栄養スクリーニング
  B 栄養アセスメント
  C 血液生化学検査および血液学的検査
  D 当院の栄養相談問診表と運用方法
 5.身体機能評価 〈五十嵐淳平〉
  A 握力測定
  B 6分間歩行テスト
  C 5回立ち上がりテスト
 6.食欲・QOL評価 〈武藤由美〉
  A 悪液質のステージに応じたアセスメントとケア
  B 食欲,QOLアセスメントの実際
  
第4章 栄養療法:悪液質における栄養戦略の重要
 1.悪液質患者で考慮すべき栄養障害 〈神田美里〉
  A がん誘発性体重減少とがん関連性体重減少
  B Protein energy malnutrition(PEM)とサルコペニア
  C 微量栄養素の欠乏
  D 水分・電解質異常
 2.必要栄養量と悪液質の進行度に応じた栄養管理について 〈官野はるか〉
  A 必要栄養量の設定
  B 悪液質ステージ別の栄養管理のポイント
  C NSTチームとチームアナモレリンの連携
 3.経口栄養補助食品(ONS)を「飲み続ける」を支える工夫 〈五十嵐元子〉
  A ONSとは
  B がん悪液質患者におけるONSの役割・効果
  C ONS摂取継続における問題とその対策
  D 官能評価による製品マッピングについて
 4.食べたいを引き出す「おいしさ」の要因 〈宮下朋子〉
  A がん悪液質における摂食障害や食欲不振のメカニズム
  B 「おいしさ」とは何か.脳で感じる多感覚的体験
  C 「おいしさ」を構成する3つの要因
  D 「食べたい」を引き出す実践的な食支援の工夫
  
第5章 薬物療法:アナモレリンを中心とした薬物介入の役割と安全管理
 1.がん悪液質に対する薬物療法について 〈木本真司〉
  A がん悪液質の病態理解と薬物療法の基本
  B がん悪液質に対する薬物療法の臨床応用と今後の展望
 2.アナモレリンの作用機序と臨床適応 〈香内 綾〉
  A アナモレリンの作用機序
  B 臨床試験での効果
  C 臨床適応
  D 用法・用量
 3.投与禁忌と副作用管理 〈香内 綾〉
  A 投与禁忌
  B 副作用の管理
 4.投与判断の実際とPBPMによる多職種支援 〈香内 綾〉
  A 投与判断の実際
  B PBPMを用いた副作用対策
 5.薬薬連携によるがん悪液質支援の実際と展望 〈木本真司〉
  A がん悪液質における薬薬連携の意義
  B 地域での薬薬連携の実際と活用ツール
 6.アナモレリン導入後の早期改善効果と患者予後との関連 〈遠藤美織〉
  研究概要
  
第6章 運動療法:機能維持・改善を目的としたリハビリテーションの役割
 1.悪液質による骨格筋量減少・筋力低下―運動療法の意義について― 〈星 智春〉
  A 悪液質とは
  B がん悪液質における骨格筋量減少・筋力低下のメカニズム
  C がん悪液質に対する運動療法の役割
  D 運動療法の効果
  E 悪液質の進行度に応じた運動療法
 2.がん患者に対するリハビリテーションの診療報酬の現状と課題 〈五十嵐淳平〉
  A がんのリハビリテーションに関連する国内の診療報酬制度の状況   
  B がん患者におけるリハビリテーションと診療報酬制度の課題
  C 当院の取り組みと診療報酬算定の現状
 3.運動療法に関する国際ガイドラインの現状 〈佐藤奈々〉
  A がん悪液質の運動療法に関するガイドライン
  B がん悪液質に対する運動療法の実施指針
 4.実践的な運動療法プロトコルについて 〈小林勇介〉
  A がん悪液質患者に対する運動療法の介入体制
  B 当院における運動療法プロトコル
  C がん悪液質患者の運動療法における現状と課題
 5.アナモレリンと運動療法の併用効果について 〈産本陽平〉
  A がん悪液質患者への運動療法について
  B 研究概要
  
第7章 心理・社会的支援とコミュニケーション
 1.がん悪液質が患者・家族に与える心理的影響 〈泉舘 剛〉
  A 悪液質に由来する精神的苦痛
  B 悪液質の心理的影響に対する介入方法
 2.社会的苦痛へのアプローチ 〈佐藤好治〉
  A 全人的苦痛とは
  B 社会的苦痛への具体的アプローチ
  C 具体的な相談事例とアプローチ
  D 進行がん患者に対する多職種連携の重要性
 3.患者中心のケアを支える「患者力」と「共感力」 〈木本真司〉
  A 医療における共感の実際とエビデンス
  B 「患者力」を育むための医療者の取組み:ECAM(いーかも)モデル
 4.意思決定支援と情報提供の工夫 〈武藤由美〉
  A 意思決定支援に関わるガイドラインとがん患者への応用
  B 意思決定支援における基本的姿勢とそのプロセス
  C 意思決定支援におけるコミュニケーションスキルと段階別対応
  
付 録
 ❶ 栄養相談問診票
 ❷ チームアナモレリン フローチャート
 ❸ 官能評価
 ❹ 栄養剤イノラスを活用したレシピ集
  
索 引