重症患者における急性肝不全・急性腎傷害・代謝異常【電子版】
- 出版社
- 中山書店
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2021/10/04
- ページ数
- 312ページ
- 判型
- B5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥11,000 (本体¥10,000+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-521-74334-9
- 印刷版発行年月
- 2018/02
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概要
本書では,対応の遅れが予後を不良とする代表的な病態である急性肝不全,急性腎傷害(AKI),電解質・代謝・酸塩基平衡異常を取り上げ,人工肝補助療法(ALS)や血液浄化療法,薬物療法,栄養管理などの治療法を中心に詳しく解説.
臨床に活かせる最新情報を1冊にまとめた.
目次
1-1 劇症肝炎 (徳田賢太郎)
1 劇症肝炎の定義,診断基準
2 劇症肝炎の成因
3 劇症肝炎発症のメカニズム
4 劇症肝炎の臨床像
5 劇症肝炎の管理
1-2 ウイルス性肝炎 (田村純人)
1 ウイルス性肝炎の疫学
2 ウイルス性肝炎の診断
3 ウイルス性肝炎の臨床症状
4 臨床検査
5 鑑別診断
6 治療
7 肝炎ウイルス感染による肝炎
8 肝炎ウイルス以外のウイルス感染による肝機能障害
1-3 薬物性肝障害 (池田房雄)
1 薬物性肝障害の起因薬物
2 薬物性肝障害の発症機序
3 薬物性肝障害の診断
4 薬物性肝障害の病理所見
5 薬物性肝障害の治療
1-4 術後肝不全 (永山 稔,竹政伊知朗)
1 術後肝不全の病態
2 術後肝不全の定義
3 術後肝不全を予防する対策
4 術後肝不全に対する治療
1-5 肝機能評価 (篠田昌宏,黒田達夫,北川雄光)
1 肝機能に関連する血液検査
2 肝機能評価に用いられる画像検査
3 肝予備能評価法
4 慢性・急性肝不全別の肝機能評価
5 今後の課題
2章 急性肝不全の治療
2-1 急性肝不全に対する薬物療法 (松﨑 孝,森松博史)
1 急性肝不全の分類
2 急性肝不全の診断と治療
3 急性肝不全における臓器別の臨床症状と対処法
4 劇症肝炎の薬物療法:病態からのアプローチ
5 急性肝不全の薬物療法:臓器障害の観点から
2-2 急性肝不全に対する人工肝補助療法(ALS) (今泉 均)
1 ALSの目的
2 on-line HDF,high flow CHDFの役割
3 血漿交換(PE)の役割
4 急性肝不全に対するALSの実際
5 ALSの限界と今後の展望
2-3 急性肝不全に対する肝移植 (篠田昌宏,黒田達夫,北川雄光)
1 急性肝不全に対する肝移植
2 肝移植の実際:症例提示
3 急性肝不全に対するABO血液型不適合成人生体肝移植
4 今後の課題
3章 急性腎傷害の定義・診断
3-1 急性腎傷害(AKI)の定義 (高折佳央梨,内野滋彦)
1 歴史的背景:RIFLE分類,AKIN分類,KDIGO分類
2 sCrおよび尿量によるAKI定義の現状
3 今後の課題
3-2 AKIの病因分類 (松浦 亮,野入英世)
1 AKIの病因
2 腎前性AKI
3 腎性AKI
4 腎後性AKI
3-3 AKIのバイオマーカー (森 潔)
1 代表的なAKIのバイオマーカー
2 バイオマーカーによるAKIの早期診断
3 バイオマーカーによるAKIの重症度および生命予後の予測
4 臨床介入試験へのAKIバイオマーカーの応用
5 今後の課題
3-4 AKI診療ガイドラインのポイント (堀野太郎,寺田典生)
1 日本版AKI診療ガイドライン作成までの経緯
2 各章(CQ)のポイント
4章 急性腎傷害の治療
4-1 AKIに対する血液浄化法の考え方 (森山和広,西田 修)
1 血液浄化法の基礎知識
2 CH(D)Fによるサイトカインの除去
3 CH(D)F中の抗菌薬投与の基本的考え方
4 CH(D)F中の栄養成分の喪失と投与量の基本的考え方
4-2 AKIに対する血液浄化療法の開始と中止 (清水一好,森松博史)
1 現行のガイドライン
2 開始基準
3 中止基準
4-3 AKIに対する血液浄化療法の浄化量 (村田真理絵,長谷川正宇,河原﨑宏雄)
1 血液浄化療法における浄化量とは
2 浄化量とAKIの予後の関係
3 日本における浄化量
4-4 特殊な腎代替療法-小児の血液透析と腹膜透析 (小椋雅夫,石倉健司)
1 小児の特殊性
2 急性血液浄化療法の適応
3 小児における血液透析
4 小児における腹膜透析
4-5 AKI患者の栄養管理 (矢田部智昭)
1 集中治療患者における栄養管理
2 AKI患者の栄養管理
3 集中治療患者における血糖管理
4-6 AKIにおける利尿薬の投与 (土井研人)
1 尿量減少とAKI
2 AKIにおける体液過剰
3 AKIにおける利尿薬投与の是非
4 ループ利尿薬
5 ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP)
4-7 AKIに対する血管作動薬の効果 (小坂順子,森松博史)
1 ドパミン
2 ノルアドレナリン
3 バソプレシン
4-8 小児におけるAKI (綾 邦彦)
1 小児AKIの疫学
2 小児AKIの診断
3 小児AKIの治療
4-9 高齢者におけるAKI (佐々木 環,城所研吾)
1 高齢者におけるAKIの疫学
2 加齢による腎臓の変化
3 高齢者におけるAKIの原因
4 高齢者におけるAKIの診断:AKIの臨床経過の把握
5 高齢者におけるAKIの短期予後と回復後の経過
6 高齢者AKIの治療戦略
7 治療の倫理的側面と問題
8 今後の課題
5章 電解質・代謝異常
5-1 ナトリウム異常 (行岡秀和)
1 低ナトリウム血症(hyponatremia)
2 高ナトリウム血症(hypernatremia)
5-2 カリウム異常 (岡元和文)
1 低カリウム血症(hypokalemia)
2 高カリウム血症(hyperkalemia)
5-3 糖尿病:急性期血糖管理 (松田直之)
1 糖尿病管理の概念
2 糖尿病の定義と診断
3 糖尿病に合併する病態のモニタリング
4 救急・集中治療領域における急性期血糖コントロール
5-4 急性副腎不全(副腎クリーゼ) (江島 豊)
1 副腎と視床下部-下垂体-副腎系
2 糖質コルチコイド(GC)産生と代謝
3 重症疾患時のHPA系
4 炎症に関連するGC作用分子メカニズム
5 副腎不全(AI)の一般的な原因分類
6 重症疾患における副腎不全
7 副腎不全の診断
8 治療
6章 酸塩基平衡異常
6-1 重炭酸アプローチ (小竹良文)
1 酸塩基平衡異常の解釈
2 重炭酸アプローチに基づいた酸塩基平衡の評価法
6-2 base excessアプローチ (井上敬太,内藤慶史,佐和貞治)
1 base excessアプローチ以前の概念
2 base excessアプローチの実際
6-3 Stewartアプローチ (木村 聡,森松博史)
1 概念
2 strong ion difference(SID)
3 ATOT
4 SIDaとSIDe
5 strong ion gap(SIG)
6 pHの決定因子のまとめ