研究的思考法【電子版】
- 出版社
- 三輪書店
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2019/09/16
- ページ数
- 228ページ
- 判型
- A5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥3,300 (本体¥3,000+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-89590-651-7
- 印刷版発行年月
- 2019/02
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- 対応OS
-
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概要
あらゆるコミュニケーションに役立つ 伝えるための思考法
研究上の作法を利用して、自分の考えをクリアーに伝える方法を解説した書。学術文書の基本であるパラグラフ・ライティングの作法に基づき、「最初に意見・主張を示し、後に根拠を述べる」スタイルで伝える意義を解説。さらに、研究法の観点から「根拠となるデータを正しく吟味する方法」を紹介。レポートや論文の文書作成、プレゼンのスライド作成などに対応できる思考法・表現技法を学ぶことができる。つまずきやすいポイントは、例文を使って丁寧に解説。「自分の意見がなぜか人に伝わらない」と感じている人にとって、文章力・プレゼン力アップの第一歩を後押ししてくれる。
目次
第1章 研究的思考法
第1節 研究的思考法とは
研究を教育する立場から
研究的思考法
研究法ではなく研究的思考法
研究=数値データを得ることではない
数値データだけの発表はつまらない
第2節 大事なことを先に伝える
“大事なこと”とは何かを理解する
事実+解説で情報に意味をもたせる
大事なことを先に伝える
本書の構成
コラム 事実の情報そのものが面白い「特別な場合」
コラム 日本人は「大事なことを先に伝える」のが苦手?
第2章 意見伝達の型―パラグラフ・ライティングに学ぶ
第1節 パラグラフの概念
パラグラフ構成のルール
ルール1:1つのパラグラフでは1つのトピック(話題)だけについて論じる
ルール2:パラグラフ内の配置によって,各文に明確な役割分担をもたせる
ルール3:パラグラフの冒頭に,パラグラフにおける意見・主張を書く努力をする
第2節 パラグラフから文書へ
文書におけるパラグラフの役割
読んで実感:パラグラフを作ることの重要性
長い文書の管理
コラム あえて文書にハイライトをつけるならば……
第3節 パラグラフ・リーディング
英文エッセイの構成が短時間で理解できる
センター試験の英文エッセイに挑戦
解説:英文エッセイ
コラム ざっと読む:スキミングとスキャニング
第3章 思考と表現の整理―パラグラフ・ライティングの実践
第1節 大事なことを絞り込む
身近な話題でエッセイを書く
時間的制約の中で書かれる典型的なエッセイ
意見・主張を1つに絞る
関連要素をたくさん書く≠意見・主張
大学生のエッセイ事例から
コラム 1つの発表や論文で言えることは1つ
第2節 大事なことを際立たせる
どっちつかずの意見・主張を避ける
テーマに対する視点を明確にする
根拠をわかりやすく明示する
想いが先走るのを避ける
コラム 想いを伝えることを忘れない
第3節 表現の整理
重要語句・専門用語の統一
文書の中で使用する用語を自分で決める
表現用語の使い分け
表現用語により大きく変わる印象
コラム 簡潔な表現
第4章 科学的根拠―研究法入門
第1節 因果関係の推定
科学的根拠と研究法
相関関係と因果関係
因果関係を推定する:実験法の考え方
第2節 因果関係推定のための事前対策
順序効果
繰り返し測定での注意点
異なる対象者間の比較
何を統制するかで主張が決まる
コラム 大学院生時代の失敗
第3節 平均値の差の検定
検定の意義
統計的仮説検定
ばらつきに左右される平均値
平均値の差の検定における注意点
まとめ:研究法への関心
コラム シングルケース研究
第5章 プレゼンテーション―パラグラフの概念を生かす
第1節 パラグラフの概念の活用方法
スライドをパラグラフの概念に沿って作る
プレゼンテーション全体の構成
構成の自由度が高い導入のスライド
メインボディはパラグラフの概念に忠実に
結論は意見・主張(再掲載)とメッセージで構成
コラム 意見・主張から派生するメッセージ:あえて制約に触れる意味
第2節 わかりにくさの改善
結局何が言いたいの?
意見・主張が明示されていない
提示した情報に基づく意見・主張が自明とは限らない
口頭での説明を過信しすぎている
アニメーション機能の利用により瞬間提示になってしまった
意見・主張が情報に埋もれている
コラム 発表に対するコメントにも配慮を
第3節 スピーチで伝える
質疑への対応
話し言葉と書き言葉
話し言葉の長さ
“間”を挟む
実例:スピーチのための台本作り
コラム 言いよどみのなさすぎるスピーチ
第6章 論文で伝える―データの発表
第1節 データ発表型論文のポイント
データ発表型論文と総説型論文
3つのポイント
ポイント1:なぜ研究するのか
ポイント2:誰に読んでもらうのか
ポイント3:予想した結果が得られたか
大事な情報を言葉にしておく
コラム 書くために読む
第2節 タイトル・要約
タイトルと要約
タイトルの事例
要約のポイント
第3節 目的
目的と考察をセットで考える
遠すぎる総論を書かない
何がわかっていて,何がわかっていないか
「先行研究がない」という主張は慎重に
引用文献が多すぎると感じる場合
引用が不足していると感じる場合
コラム 新規性,独創性が高い論文ほど先行研究をよく調べている
コラム バイブル的な文献を作らない
第4節 方法・結果・考察
方法にも解説の意識が必要
研究対象・手続き・測定内容と分析
結果
考察:仮説が支持された場合
考察:仮説が支持されなかった場合
コラム 有意差に振り回されない
おわりに
索引