ヘマトロジー3 -悪性リンパ腫に対する新たな治療展開- 第1版【電子版】
- 出版社
- クリニコ出版
- 電子版ISBN
- 978-4-910396-06-4
- 電子版発売日
- 2020/10/26
- ページ数
- 104ページ
- 判型
- B5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥5,720 (本体¥5,200+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-910396-04-0
- 印刷版発行年月
- 2020/11
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概要
現在のリンパ腫治療,患者マネージメントは,リンパ腫の病型分類を基本情報とし,さらに免疫形質や遺伝子異常に基づいた亜分類なども,治療選択に必要な情報となってきました。加えて,臨床的な知見も積み重ねられることで,疾患の進行状況や治療反応性に基づく治療介入も実臨床に導入されつつあります。
本書では,まず特集として、悪性リンパ腫領域の新しい治療展開を軸に,4病型を取り上げました。①ホジキンリンパ腫治療の最前線ー治療反応性を指標とする治療戦略,再発難治例に対する新たな治療選択肢などを解説しています。②マントル細胞リンパ腫ー特異的な染色体転座と免疫形質で規定されるB細胞性リンパ腫ですが,近年のゲノム研究でさらに詳細な亜分類が提唱され,分子標的薬の効果が期待されています。こうした点について解説しています。③濾胞性リンパ腫ー高頻度のリンパ腫ですが,長年治療介入を急がないリンパ腫のひとつでした。限局期/進行期および低腫瘍量/高腫瘍量の判断に基づいて治療選択がなされてきましたが,抗体薬,化学療法の選択肢が加わって,対応が変わりつつあります。こうした点を中心に解説しています。④中枢神経リンパ腫(PCNSL)ーPCNSLは発症部位によって診断される難治性の悪性リンパ腫ですが,リンパ節原発の例と病態に違いがあることが明らかとなってきています。分子病態,基本治療戦略に加えて,PCNSLに対する新しい薬剤として注目される分子標的薬の臨床的効果と導入状況について解説しています。また,免疫療法がこれらの疾患に対して用いられつつあることも,複数の先生が触れています。
また、京都大学の南谷泰仁先生、長崎大学の宮﨑泰司先生、宮崎大学の下田和哉先生による「鼎談」にて、『骨髄性腫瘍の病態はどこまで解明されたか ~現状と今後の展望~』をテーマに、遺伝子プロファイルを知ることの意義が,日常診療においてどのような役割を果たすのかということについて、貴重なお話をいただいています。
その他、再発急性白血病への対応をテーマにした実際の症例報告や、最新のトピックス、知っておくべき最新臨床試験などの情報も取り入れています。
目次
骨髄性腫瘍の病態はどこまで解明されたか ~現状と今後の展望~南谷 泰仁・宮﨑 泰司・下田 和哉
特集 悪性リンパ腫に対する新たな治療展開
1.ホジキンリンパ腫 楠本 茂
2.マントル細胞リンパ腫の分子背景と新規標的治療 冨田 章裕
3.濾胞性リンパ腫 福原 規子
4.原発性中枢神経系リンパ腫の新規治療薬 照井 康仁
トピックス
AYA世代の造血器腫瘍の遺伝子異常と治療戦略 宮脇 零士・石前 峰斉・江口真理子
総説
1.個別化医療時代における骨髄異形成症候群の同種造血幹細胞移植 糸永 英弘
2.造血器腫瘍におけるクリニカルシーケンス 真田 昌
症例 再発急性白血病への対応
1.急性骨髄性白血病 近藤 英生
2.急性リンパ性白血病 木川 崇・多賀 崇
知っておくべき最新臨床試験
FLYER試験 予後不良因子のない未治療びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対するR-CHOP療法4コース vs. 6コースの第III相・非劣性試験 伊豆津宏二