続・摂食障害という生き方 -医療刑務所から見えてくるもの-【電子版】
- 出版社
- 中外医学社
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2018/01/22
- ページ数
- 320ページ
- 判型
- A5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥4,290 (本体¥3,900+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-498-12984-9
- 印刷版発行年月
- 2016/12
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概要
目次
・「摂食障害って治るんですか?」
・治療者として挑戦しがいのある摂食障害
・九州大学病院心療内科について
・『行動制限』を用いた摂食障害治療
・九大心療内科に戻って
ワンポイントメモ1●回避を遮断されることにより、患者は自分自身の心理的問題に向き合い始める
・客観的な結果よりも治療者の主観的な信念がしばしば大事にされている、摂食障害治療の現状
・治療法の改善と治療成績の向上 ─『行動制限を用いた認知行動療法』の完成─
・『行動制限を用いた認知行動療法』という名前について
・治療環境の不都合な変化
・葛藤の日々
・筆者の摂食障害治療の目標は現実離れしたものだったのか?
・なぜ大学をやめて医療刑務所に?
・医療刑務所の見学 ─医療刑務所で摂食障害の治療をする上での大きなアドバンテージ─
・医療刑務所へ
ワンポイントメモ2●『治療技法』と『人間としての治療者』
2章 摂食障害についての筆者の基本的な考え方
・摂食障害とは
・なぜ摂食障害になるのだろうか
・摂食障害の成因としての『回避』
・摂食障害の病型
・「神経性やせ症」と「神経性過食症」の関係と相違点 ─例えば、入院への態度の違い─
・時代による摂食障害の移り変わり
・摂食障害の多面性と多様化─共通理解の難しさ─
・摂食障害の交通整理的な3つの類型
・『行動制限を用いた認知行動療法』の概要
・回避の遮断により、元来の心理的問題を扱うことが可能になる
ワンポイントメモ3●オペラントとは?
3章 北九州医療刑務所における摂食障害患者のプロフィール
・北九州医療刑務所の摂食障害(神経性やせ症)患者のプロフィール
・典型的な経過の2パターン
・医療刑務所の神経性やせ症患者の病態─3つの類型からの考察─
・なぜ摂食障害患者が常習窃盗をするに至るか(仮説)
・摂食障害的アイデンティティが患者の内面を変容させる
・万引きの開始についての診察でのやり取り
4章 北九州医療刑務所における治療と治療成績
・当所における摂食障害治療プログラムの形成過程
・当所の摂食障害治療プログラム
I.オペラント行動療法(栄養摂取プログラムを含む)
II.心を育てる治療
III.チーム医療
・治療結果・予後
5章 常習万引きにより累犯4回の摂食障害患者
・病歴
・3回目の服役における、当所収容中の経過(当所1回目)
・4回目の服役における、当所収容中の経過(当所2回目)
第I期:治療を受け入れるまで
第II期:内省期
ワンポイントメモ4●摂食障害を『アイデンティティ』、『プライド』という側面から見る
ワンポイントメモ5●部分対象関係と全体対象関係
ワンポイントメモ6●オペラント的枠組みと「快感原則」「現実原則」
─行動療法は人間の深い心理や生き方をターゲットとした、高度な治療となりうる─
第III期:刑務所内で生じた人間関係の問題を、治療的に扱う
第IV期:母親との関係を見つめ直す
ワンポイントメモ7●目に見えるものしか実感できない人における、行動制限を用いた治療─その効用と妥当性─
ワンポイントメモ8●行動制限を用いた治療の落とし穴を乗り越えるために─体重増加以外の変化を評価する─
第V期:これからどのように生きていくか
・追加
6章 医療刑務所で見えてきたもの
・当所における「常習窃盗+摂食障害」の患者の殆どが、『中核的摂食障害』である
・顕著な母娘関係の問題を持つ患者たち
・他のタイプの摂食障害患者たち
・重症摂食障害患者の心の問題をどのように扱うか
・摂食障害というアイデンティティ
・重症摂食障害患者へのしばしば見られる不適切な治療(対応)について
7章 万引きを繰り返す摂食障害患者に関する、「収容か治療か問題」
・「病気なのだから、刑務所に収容せずに、刑務所の外で専門的治療をするべきである」という主張について
・刑務所で摂食障害の治療をすることには、むしろ有利な面が小さくない
・「摂食障害+常習万引き」の病態は、「クレプトマニア」の診断基準に当てはまらない
・何度捕まっても、まさか自分が実刑になるとは思っていない人たち
・それでもなぜ「クレプトマニア」という診断を付けるのか?
・常習万引きの起こるメカニズム ─衝動性障害として始まるのではなく、摂食障害の悪化による─
・まとめ
あとがき
索引