死亡直前と看取りのエビデンス 第2版【電子版】
- 出版社
- 医学書院
- 電子版ISBN
- 978-4-260-65217-9
- 電子版発売日
- 2023/09/04
- ページ数
- 312ページ
- 判型
- B5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥3,740 (本体¥3,400+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-260-05217-7
- 印刷版発行年月
- 2023/08
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概要
「亡くなる過程(natural dying process)を科学する」という視点を国内で初めて提供した書籍の第2版。今改訂では、初版刊行以降の国内外における新たな研究知見をふんだんに盛り込み、著者自身の経験に根差したわかりやすい解説とともに、新たな知見がどのように臨床に役立つのかにも重点が置かれている。「死亡直前と看取り」に携わるすべての医療職者に向けた待望の改訂版、ここに堂々の刊行!
目次
1 死亡までに生じる変化と機序:死亡までに起こること
▪ 死亡が近づくまでのADLと症状の週・月の単位での経過
▪ 死亡がまさに差し迫っている(死亡直前である)ことを示す徴候の概念上の類型
▪ 死亡直前であることを示す徴候のエビデンスに基づく類型:early signとlate sign
▪ 死が近いことを予測する方法(1):徴候がある場合に死亡が生じる可能性を尤度比で表現する
▪ 死が近いことを予測する方法(2):死亡前徴候の組み合わせでスコア化する
▪ 死が近いことを予測する方法(3):死亡前徴候の類型がいくつ出ているかで予測する
▪ バイタルを定期的にとる意味
▪ 急変の頻度と病態
▪ 死亡までの経過のエビデンスを踏まえた説明
▪ 看取りのパンフレットを使った家族の感想
▪ 看取りのパンフレットを使用するうえでの悩み──渡す時期は?
▪ 死亡時に立ち会うことの意味と、耳は聞こえているのかのサイエンス
2 予後の予測:信頼性を持って予後を予測する方法
▪ 家族の悲嘆にも影響する予後予測
▪ 死亡直前に急激に変化するADL
▪ 楽観的になる医師の予測
▪ 「いっそのこと『当たらなくて驚いた!』を予測方法にしてしまったら?」という発想:サプライズクエスチョン
▪ 全身状態・食事・呼吸・むくみ・意識が余命予測の指標
▪ 予後予測評価尺度の開発の歴史
▪ PaP score
▪ PiPS models
▪ PPI(palliative prognostic index)
▪ 具体的な得点の計算方法
▪ PPIの予測精度のエビデンス
▪ 感度・特異度から陽性反応的中度・陰性反応的中度への置き換え
▪ 予測尺度は専門家の臨床的予測を超えるのか?
▪ どの予測尺度がよいのか?
▪ 予後を予測した後どう伝えるのか?
3 輸液:「する? しない?」と輸液の価値
▪ 30年間で様変わりした終末期の輸液の実態
▪ 死亡直前期の輸液はQOLと生命予後に効果がないとの比較試験
▪ real worldでの観察研究
▪ 看護領域での比較試験
▪ 生理学的な研究
▪ スターリングの法則と終末期の水分出納のまとめ
▪ いのちの象徴としての輸液と勧められるケア
▪ 末梢点滴が取れなくても手はある:皮下輸液とPICC
4 鎮静(セデーション):苦痛緩和の最後の手段(last resort)
▪ 歴史的経緯の大筋:こそこそしていることから国際的なガイドラインの策定まで
▪ 鎮静と安楽死との違いに関するオーソドックスな見解:安楽死・自殺幇助・治療中止
▪ 鎮静と安楽死とのグレーゾーンとクリアゾーン
▪ 日本のガイドラインの推移
▪ 調節型鎮静と持続的深い鎮静をプロトコル化するという方向性
▪ 鎮静は寿命を縮める「危ない治療」か?
▪ 国内刑法における鎮静の位置づけ
▪ 鎮静を受ける患者の家族の体験
▪ 鎮静を受ける患者と家族に勧められるケア:家族はなにを望むのか?
▪ 鎮静についてのエビデンスに基づいたパンフレット
▪ 説明のしかた
▪ 鎮静をしないことがよいことなのか?
5 アドバンス・ケア・プランニングと意思決定
▪ アドバンス・ケア・プランニング:依然として模索が続く
▪ 蘇生(1):DNR、DNAR、DNHの意味
▪ 蘇生(2):終末期の蘇生の成功率に関するエビデンス
▪ 蘇生(3):蘇生の意思決定に関するエビデンス
▪ 終末期についての話し合い(EOLd)と患者・家族のQOLの強い関係
▪ 終末期の話をすること、病識(prognostic awareness)、医師-患者関係の複雑な関係
▪ ACPをしてもQOLはよくならない──ACPっぽい課題はACPだけでは解決しない
▪ ACPをしてもQOLはよくならない──そもそも将来のことなんて決められない
▪ 早期からの緩和ケアは、「早期からの終末期の意思決定」?
第2章 死亡前後に生じる苦痛の緩和についてのエビデンス
1 呼吸困難
▪ 呼吸困難という症状──疫学
▪ モルヒネの適応になる病態:なんでもかんでもモルヒネではない
▪ 「モルヒネが効く」という古典的なエビデンス:「死亡直前」ではない患者
▪ 呼吸困難に対するモルヒネの安全性
▪ 「モルヒネは呼吸困難に有効」をゆるがす最近の臨床試験:慢性息苦しさ症候群
▪ オキシコドンは使ってよいか?
▪ 死亡直前の呼吸困難(terminal dyspnea)に対するモルヒネの効果の限界
▪ 「オピオイドを終末期に使用しても生命予後に影響しないのか?」の研究
▪ 呼吸困難の非薬物療法:看護ケアの重要性
▪ 呼吸デバイスの進歩と苦痛緩和:NIVはともかくNHFはどうなのか?
2 せん妄と身の置き所のなさ(terminal restlessness)
▪ 身の置き所のなさ(terminal restlessness)、終末期せん妄(terminal delirium)、精神的苦悶(terminal anguish)
▪ せん妄の診断基準:操作診断の価値と限界
▪ そもそも終末期せん妄は「病気」なのか?
▪ 終末期の幻覚(deathbed vision)と臨死意識、「お迎え体験」
▪ せん妄はつらいのか?:患者の体験
▪ 家族の体験(1):家族の精神的負担と関連するか?
▪ 家族の体験(2):家族はせん妄をどのように体験しているのか?
▪ 家族の体験(3):家族自身はどのような感情を持つか?
▪ 家族の体験(4):家族はせん妄をなんだと思っているのか?
▪ 終末期せん妄における家族のケア(1):家族は医師・看護師になにを求めているのか?
▪ 終末期せん妄における家族のケア(2):パンフレットによる介入研究
▪ 終末期せん妄に対するケア(1):せん妄の改善を目的とした非薬物的ケア
▪ 終末期せん妄に対するケア(2):予防を目的とした非薬物ケア
▪ 終末期せん妄の薬物療法(1):エビデンスのまとめ
▪ 終末期せん妄の薬物療法(2):今のところの妥当な考え方
3 気道分泌:死前喘鳴(ゴロゴロ)
▪ 死前喘鳴(death rattle)から気道分泌亢進へ
▪ 死前喘鳴は苦しくないのか? と自然な死の過程に介入するべきかの議論
▪ 薬物療法:抗コリン薬のエビデンス
▪ 死前喘鳴を「予防する」という考え方
▪ 死前喘鳴に対する家族の体験と希望するケア
▪ パンフレットによる説明の効果
4 パスとアルゴリズム:エビデンスと教訓
▪ 看取りのケアをパス化しようという考え
▪ Liverpool Care Pathway騒動の教訓:国策に取り入れられたが中止に追い込まれる
▪ Liverpool Care Pathway:ランダム化比較試験のエビデンス
▪ comfort order set
▪ comfort order setのエビデンス
▪ 死亡直前期の苦痛に対する薬物療法のアルゴリズム化
▪ 尿道カテーテルは入れるべきか?
第3章 望ましい看取り方についてのエビデンス
1 望ましい看取り方:医師と看護師がするべきこと
▪ 死亡確認前後
▪ ホスピスでの看取りの実際
▪ 家族からみた望ましい看取り方(1):看取り方についての遺族調査
▪ 家族からみた望ましい看取り方(2):医師の説明のしかたについての遺族調査
▪ 家族からみた望ましい看取り方(3):心理学的実験
▪ 望ましい看取り方の文化差
▪ お風呂の話
▪ 間に合うか・間に合わないかのエビデンス
▪ 死亡「後」の話…エンゼルメイク(1):家族に喜ばれるエンゼルメイクと家族の体験
▪ エンゼルメイク(2):手は前に縛るものか?
▪ エンゼルメイク(3):エンゼルメイクをしてもらった家族が家に帰ってから困ること
索引