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論文を正しく読むのはけっこう難しい【電子版】

診療に活かせる解釈のキホンとピットフォール

植田 真一郎 (著)

出版社
医学書院
電子版ISBN
978-4-260-63587-5
電子版発売日
2018/04/16
ページ数
240ページ
 判型
A5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥3,456 (本体¥3,200+税8%)

印刷版ISBN
978-4-260-03587-3
印刷版発行年月
2018/03
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概要

ランダム化比較試験には実に多くのバイアスや交絡因子が潜んでいる。“結果を出す”ために、それらはしばしば適切に処理されない、あるいは確信犯的に除去されない。一方で、臨床研究を行う際の規制は年々厳しさを増している。臨床研究の担い手として、実施する側のジレンマも熟知した著者が、それでもやっぱり見逃せない落とし穴を丁寧に解説。本書を読めば、研究結果を診療で上手に使いこなせるようになる!

目次

第1章 導入
 1 臨床研究の論文を正しく読むことはけっこう難しい
  医学研究論文は正しいのか
  図の提示の仕方で結果の印象が変わる
  臨床研究論文の落とし穴に気づこう
 2 アブストラクトと図の斜め読みはあぶない
  誰が対象なのか,何で評価しているのか
  エビデンスの限界

第2章 RCTと観察研究
 3 RCTこそ信頼できるエビデンス?
  RCTの必要性
 4 観察研究も,RCTも,ある一部分を見ている
  RCTと観察研究の結果が異なるとき
  なぜRCTと観察研究の結果が異なるのか?
  観察研究とRCTの結果が異なる-UKPDSの例
  RCTの弱点
  臨床試験では安全でも……
 5 臨床試験の結果は簡単には患者に適用できない
  治療として確立するにはどのような研究が必要か?
  RCTと観察研究の位置づけ

第3章 臨床試験の結果を適用する
 6 臨床試験の患者は,あなたの外来の患者と同じ?
  HYVETの結果は一般化できるか?
  研究ごとに異なる患者背景
  患者選択除外基準も論文解釈における注目ポイント
 7 RCTも観察研究も,臨床における精密なナビゲーターではない
  臨床試験の規模は年々大きくなっている
  何が長期の臨床研究を妨げているのか
  短期間の試験で結果を得るには
  糖尿病薬を心血管イベントから評価する
  低~中リスク患者に適用できる明瞭な結果を得るのは困難
 8 「用法・用量」に注意しよう
  薬剤開発の過程で行われる数多くの臨床試験の意義
  薬剤の用法・用量はどこからきているのか

第4章 臨床試験のエンドポイントを読む
 9 「打率や防御率で得点を補正」していないか
  エンドポイントは大切なルールである
  「心血管イベント」の多様性と複合エンドポイント
  複合エンドポイントは客観性と重要性が異なる項目で構成されている
 10 エンドポイントの設定では検出力が重視される
  複合エンドポイントは重要なものでは差がつかない?
  腎臓病のアウトカムでも複合エンドポイントが多い
  薬剤の効果が一貫していない
 11 複合エンドポイントではより重篤なイベントが見逃されている?
  複合エンドポイントの落とし穴
  重要なイベントの総数を見るべき
  死亡原因は区別が難しい
 12 同じエンドポイントでも試験によって診断基準が異なる
  エンドポイントの客観性
  治療内容を知っていたらバイアスが発生するかもしれない
  二重盲検法なら大丈夫?
 13 客観性の低いエンドポイントで治療効果を過大評価する
  割り付けの隠匿で起こり得る問題
  不適切な割り付けの隠匿や二重盲検化が行われると……
  それでもPROBE法は必要なのか

第5章 二重盲検法とオープン試験
 14 二重盲検法にも弱点はある
  Efficacyを厳密に評価する
  比較的客観性の低いエンドポイントを治療法の二重盲検試験で評価する
  Effectiveness評価の必要性と用いられるデザイン
 15 治療方針を比較する研究を治験と同様に評価しても意味がない
  ストレプトマイシン研究におけるバイアスの除去
  適切なエンドポイントの評価法
  SPRINTにおける信頼性
 16 二重盲検化の方法の詳細は案外記載されていない
  プラセボ比較試験でも二重盲検が困難な薬剤がある
  二重盲検法の詳細は論文に明記する
  どのように比較すれば信頼性の高い結果を得られるのか
 17 上乗せ試験のメリット・デメリット
  上乗せ試験における落とし穴
  上乗せ試験をプラセボ対照比較試験で行う利点と欠点
  プラセボを用いた上乗せ試験でも問題が生じることがある
 18 非劣性試験は誰のために?
  糖尿病薬の治験の限界とロシグリタゾン問題
  非劣性試験のロジックと解釈
  非劣性試験の正当性
  結局誰のための臨床試験か

第6章 中間解析と早期終了
 19 中間解析の「劇的な効果」は過大評価となっていないか
  臨床試験を早期終了する理由
  早期終了の動機
  JUPITERにおける早期終了
 20 その有意差は「Random high」かもしれない
  Rimonabant臨床試験の早期終了
  CHARMはなぜ早期終了に至らなかったか
  Proof beyond a reasonable doubt
 21 イベント発生数が少ない早期終了試験は要注意
  早期終了試験の結果は過大評価されていないか?
  Random highはイベント数が200以下の試験で起きやすい
 22 早期終了を決定づけたのは一次エンドポイント?
  ASCOT-LLAとCARDSの早期終了
  二次エンドポイントで早期終了したASCOT-BPLA
  SPRINTにおける早期終了
 23 早期終了では長期の治療による影響,副作用が評価できない
  研究の過大評価は誰にどのような不利益をもたらすのか
  治療の安全性と有効性は慎重に,長期にわたり検討する
 24 有益性が過大に,危険性が過小に評価される
  EMPHASIS-HFの背景と概要
  イベントは十分に発生しているものの……
  観察期間への疑問
 25 Intention to treat(ITT)解析の持つ意味
  何を評価したいのか?
  ITT解析を用いる意味

第7章 サブグループ解析
 26 サブグループ解析は患者への結果の適用をより可能にするか
  サブグループ解析の目的は結果の一貫性の証明
  サブグループ解析の落とし穴
 27 サブグループ解析の結果はあくまで探索的なもの
  サブグループ解析は本来探索的なもの
  サブグループ解析のもう1つの存在意義

終章 論文における不適切な記述
 28 結果と結論は必ずしも一致していない-臨床研究論文におけるSPIN
  臨床試験におけるSPIN
  国内第III相試験におけるSPIN
  たとえ有効性は証明されても
  重要な結果は「付録」と別の論文に?

終わりに
索引