心血管内分泌検査から読み解く 降圧薬 俺流処方【電子版】
- 出版社
- 南山堂
- 電子版ISBN
- 978-4-525-98062-7
- 電子版発売日
- 2019/07/29
- ページ数
- 160ページ
- 判型
- B5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥3,960 (本体¥3,600+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-525-24531-3
- 印刷版発行年月
- 2011/11
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概要
目次
A 高血圧症:milieu interieur破綻の病──今日の立ち位置
B 高血圧のテーラーメイド医療への内分泌学的アプローチ
C 高血圧患者における循環調節ホルモン血中濃度測定とその評価
D 循環調節ホルモン血中濃度の高血圧治療への応用
II レニン-アンジオテンシン系とメタボリックドミノ
1 高血圧におけるインスリン抵抗性と臓器障害浦 信行
A IR/高インスリン血症の昇圧/臓器障害の機序
1.IR/高インスリン血症は血圧を上昇させる
2.IR/高インスリン血症は動脈硬化を促進する
B IR/高インスリン血症は実際に臓器障害を増加させる
C IR改善薬は臓器障害を抑制する
D RA系抑制薬はIRやMetSの降圧薬として最適
E ARBは糖尿病の新規発症を抑制する
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
インスリン抵抗性を判断するとき
腎性インスリン抵抗性症候群とは?
2 高血圧におけるレニン・プロレニン濃度(直接的レニン阻害薬) 市原淳弘
A レニンの意味するもの
B プロレニンの意味するもの
C レニン・プロレニン濃度による病態分類
D 直接的レニン阻害薬と(プロ)レニン受容体
1.直接的レニン阻害薬とは?
2.直接的レニン阻害薬の有用性
3.(プロ)レニン受容体とは?
4.直接的レニン阻害薬による(プロ)レニン受容体への影響
E 血漿レニン・プロレニン濃度による降圧薬の使い分け
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
直接的レニン阻害薬の居場所
3 腎保護機能を持つレニン・アンジオテンシン・アルドステロン阻害薬の使い方 佐藤敦久
A ACE阻害薬とARB
1.腎保護のエビデンスの中心はRA系阻害薬:腎保護には「降圧」と「RA系抑制」の両方が重要
2.ACE阻害薬とARBの相違:クラスとしての効果と薬剤間の違いを認識する.すべてのRA系阻害薬は同じではない
3.RA系阻害薬の服用時間:就寝前投与の方が効果は大きい
4.RA系阻害薬の用量調整:耐えうる最大用量まで増量する
5.併用療法の考え方:ACE阻害薬とARBの併用のメリットは明確ではない.アルドステロンブロックが必要
B アルドステロン拮抗薬
1.アルドステロンブレイクスルーの抑制:RA系抑制に少量のアルドステロン拮抗薬追加が必要
2.アルドステロン拮抗薬の使い分け:DM腎症ではエプレレノンは使用できない
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
アルドステロンブレイクスルーとミネラルコルチコイド受容体関連高血圧症を探る
III 肥満メタボリックシンドロームと食塩感受性
4 肥満高血圧における脂肪組織由来各種ホルモンの意義とその治療 益崎裕章
A 肥満合併高血圧症のとらえ方
1.肥満症の中核を占める高血圧症
2.睡眠時無呼吸症候群(SAS)と肥満合併高血圧症
3.アルドステロンと肥満合併高血圧症
B 肥満合併高血圧症における脂肪細胞由来のホルモン・生理活性物質の役割
1.全身の代謝調節における脂肪組織の役割
2.肥満合併高血圧症におけるレプチンの病態的意義
3.肥満合併高血圧症における脂肪組織アンジオテンシノーゲンの病態的意義
4.肥満合併高血圧症におけるアディポネクチンの病態的意義
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
肥満高血圧症の治療に工夫を
5 食塩感受性の診断と降圧薬の選択 下澤達雄
A 食塩感受性に影響する因子
B 食塩感受性はインプリントされるか?
C 食塩感受性の診断
D 薬物療法
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
hANP濃度を測る!
IV 二次性高血圧の診断と治療
6 原発性アルドステロン症とアルドステロン関連高血圧・ミネラルコルチコイド受容体関連高血圧 柴田洋孝
A 原発性アルドステロン症(PA)
1.はじめに:臓器合併症が進みやすいcommonな二次性高血圧
2.PAの概念:PAでは必ずしも低K血症を示さない
3.PAの頻度:アルドステロン/レニン比が診断のすべて!
4.PAの診断
5.「俺流」PA診断アルゴリズム:アラカルトかフルコースか?
6.PAの治療:スピロノラクトンかエプレレノンか?
B アルドステロン関連高血圧:低レニン,高アルドステロン血症はPA以外にも存在する
C MR関連高血圧:正常アルドステロン血症でMR拮抗薬しか効かない高血圧症もある
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
レニン,アルドステロンの絶対値──変わらぬ価値
アルドステロン測定値から腫瘍径はわかる?
アルドステロン分泌と肥満の蜜月関係?
エプレレノン,直接的レニン阻害薬の立ち位置
7 交感神経活動の評価法と中枢性交感神経抑制薬 熊谷裕生
A 交感神経系の仕組み:交感神経亢進が血圧を上昇させる
B 臨床における交感神経活動定量法
1.スペクトル解析
2.ノルエピネフリンスピルオーバー
3.筋肉交感神経活動
C 中枢性交感神経抑制薬の実際
1.クロニジン
2.グアナベンズ(ワイテンス?):これが一番使いやすい
3.α-メチルドパ(アルドメット?):妊婦に使用できるが,立ちくらみに注意
4.モキソニジンとリルメニジン
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
中枢性交換神経抑制薬の真価を問う
8 褐色細胞腫・傍神経節細胞腫とカテコラミン濃度(α遮断薬,β遮断薬) 田辺晶代
A 褐色細胞腫の疫学
B 褐色細胞腫の診断
1.臨床症状:自覚症状がなく本態性高血圧として治療され,偶発腫瘍で発見される例もある
2.一般検査所見:特異的異常所見なし
3.ホルモン検査所見:スクリーニングには随時尿中M,NM(尿中クレアチニン補正値)を用いる
4.画像検査
C 診断アルゴリズム
D 褐色細胞腫の治療:β受容体遮断薬単独投与は禁忌,術前には十分量のα遮断薬を
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
褐色細胞腫を疑うとき
9 妊娠高血圧症 鈴木洋通
A 妊娠高血圧症候群とは
B 血圧値はどのように決定されるか
C 妊娠中の血圧の変動について
D 妊娠高血圧症候群の成因は
1.胎盤の虚血低酸素状態
2.内皮機能障害に関与している因子
E 浮腫は重要でないのか
F 二次性高血圧は隠れていないか
G 妊娠高血圧症候群への対応は
1.どんな人が妊娠高血圧症候群になりやすいか
2.妊娠高血圧症候群は予知可能か
3.薬物治療は
H 授乳中の降圧治療に関して
V CKDを伴った高血圧症
10 微量アルブミン尿の評価と降圧薬の選び方 柏原直樹
A アルブミン尿と蛋白尿
1.微量アルブミン尿:微量アルブミン尿は,「微量」ではない
2.アルブミン尿出現と心血管病の連関メカニズム:内皮障害を共通基盤とする病態である
3.アルブミン尿出現のメカニズム:糸球体高血圧と内皮障害を反映する
4.高血圧治療におけるアルブミン尿,蛋白尿の意義:治療最適化の指標となる
B CKDを伴った高血圧患者の血圧管理
1.厳格な降圧が重要:the lower, the better
2.降圧薬の選択:レニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬が第一選択薬である
3.CKDにおけるRA系阻害薬の使用法:早期から十分量を長期間継続する
C 第二選択薬:少量利尿薬あるいはCa拮抗薬を併用する
私ならこうする!俺流の処方
11 CKDステージとCa拮抗薬の使い分け 林 晃一
A Ca拮抗薬のサブクラス:複数のCaチャネルサブクラスを抑制するCa拮抗薬がある
B 腎微小血管におけるCaチャネル:サブクラスにより局在が異なる
C Ca拮抗薬による糸球体内圧への作用:Ca拮抗薬サブクラスにより反応が異なる
D CKDにおけるCa拮抗薬の位置づけ:CKDステージと顕性蛋白尿の有無が鍵
E CKDにおけるCa拮抗薬サブクラスの役割:T型Ca拮抗薬がベター
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
カルシウム・オン・カルシウムということ
12 CKD/高血圧へのANPの治療応用 向山政志
A ANP,BNPと高血圧:高血圧では血中ANP,BNP濃度は上昇している
B ANP,BNPの作用:ANP,BNPは内因性のACE阻害薬,ARB,抗MR薬である
C 高血圧・心不全におけるANPの治療応用
1.ANPの適用:高血圧緊急症や急性心不全では強力な作用を発揮!
2.ANPの処方:まずは少量から開始し,必要に応じて徐々に増量
3.ANP治療への反応性:BNP高値例ほどNa利尿ペプチド抵抗性が存在し,その解除が大切
4.ループ利尿薬や硝酸薬との使い分け:体液量とGFR,心機能,冠動脈疾患の有無をチェック
DCKDとANP治療:ANPは降圧を超えた腎保護作用を有する
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
ANP製剤を新たな臨床応用へ
VI 心血管障害と高血圧
13 血圧変動と臓器障害,ABPMからみた降圧薬の選び方 苅尾七臣
A 初診で血圧レベルが180mmHg以上:長時間作用型カルシウム拮抗薬(CCB)を
B 心血管ハイリスク高血圧:まずはレニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬
C ABPMでわかる臨床情報:血圧サーカディアンリズムとモーニングサージをチェックする
D 血圧変動・血管硬化型ハイリスク高血圧:RA系阻害薬・CCB併用を検討
E 夜間高血圧・体液貯留型ハイリスク高血圧:RA系阻害薬・少量利尿薬併用
F 治療抵抗性高血圧:3剤併用でも降圧不十分なら,基礎疾患を再検討した上で,アルドステロン拮抗薬
G サーカディアン降圧療法:早朝高血圧には降圧薬を就寝前に投与
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note
24時間にわたる血圧管理を
14 高血圧における血管不全の診断と降圧薬の選び方 野出孝一
A Ca拮抗薬の心血管不全抑制効果:Ca拮抗薬は血管平滑筋不全に有効
B RA系阻害薬:RA系阻害薬はインスリン抵抗性など血管代謝不全にも有効
C β遮断薬の心血管不全抑制効果:カルベジロールには酸化ストレス抑制作用あり
D 併用療法のポイント:血管不全にはCa拮抗薬とARB併用が基本
1.血管不全予防のためのRA系阻害薬
2.薬剤の組み合わせを考える参考になる試験:心血管イベント発生率は,CCB/ACE阻害薬併用例で低い
E 高血圧における血管不全の検査と治療:IMT,PWV,AI,FMDが有用
1.頸動脈エコー
2.PWV(pulse wave velocity,脈波伝播速度)
3.baPWV(brachial-ankle pulse wave velocity)
4.AI(augmentation index)
5.FMD(flow mediated dilation,血流依存性血管拡張反応検査)
私ならこうする!俺流の処方
15 心不全治療におけるACE阻害薬とARBの使い分け 吉村道博
A 心不全におけるホルモンバランス
B ACE阻害薬の必要量について
C ACE阻害薬の使い方とARBやβ遮断薬の使い方との違い
D 心不全におけるACE阻害薬の投与例
E 副作用のはずの「咳」も有用?
F ACE阻害薬の弱点
G 「心不全にACE阻害薬が優れている理由」のまとめ
H 今後,議論すべき課題
1.疾患の差による投与量の問題
2.ACE以外の酵素に対する作用
3.アルドステロン拮抗薬の併用
4.心不全の「治療」と「予防」の違い
私ならこうする!俺流の処方
Editor’s Note 134
レニン-アンジオテンシン系の最大のブロックには?
VII 新しい高血圧治療への展望
16 高血圧遺伝子から見た降圧薬選択は可能か? テーラーメイド医療への展望 勝谷友宏
A 疾患関連遺伝子解析の進歩と現況
B 関連遺伝子の選択と創薬のための着眼点
C 高血圧の疾患感受性遺伝子解析の意義
D 降圧薬治療と遺伝子
私ならこうする!俺流の処方
17 prehypertension(正常高値血圧)の治療はどのようにすべきか? RA系阻害薬による高血圧の発症予防と退行の可能性 篠村裕之 伊藤 裕
A RA系阻害薬による高血圧の発症予防:動物実験成績
B RA系阻害薬による高血圧の発症予防:臨床試験からのエビデンス
C RA系阻害薬による高血圧の退行:動物実験成績
D RA系阻害薬による高血圧の退行:臨床試験からのエビデンス
E prehypertension(正常高値血圧)はどのようにすべきか?
1.糖尿病やCKDを合併しているprehypertensionの場合
2.メタボリックシンドロームを伴うprehypertensionの場合
3.その他のprehypertensionの場合
Editor’s Note 153
カルディオメタボリックメモリーとは?
和文索引
欧文索引