Annual Review 神経 2021【電子版】
- 出版社
- 中外医学社
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2021/05/31
- ページ数
- 389ページ
- 判型
- B5判
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥9,680 (本体¥8,800+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-498-32870-9
- 印刷版発行年月
- 2021/05
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概要
目次
1.神経生理
1 Transcranial static magnetic stimulation(tSMS)の基礎と応用〈芝田純也,美馬達哉〉
tSMSの概要
tSMSの作用機序
健常人への脳機能調節作用
今後の展開
2 尾状核細胞の報酬表現 〈網田英敏〉
頭部システムと尾部システム
感覚運動領域・連合領域・情動領域
報酬表現以外の尾状核機能
今後の展望
2.神経病理
1 CGG リピート病(CGG Repeat Disoders)〈村山繁雄,齊藤祐子〉
NOTCH2NLC関連神経核内封入体病白質脳症亜型
眼咽頭遠位型ミオパチー(OPDM)
2 中毒・代謝障害の白質病変の画像と病理〈豊島靖子,岡本浩一郎,小野寺 理,柿田明美〉
薬剤性白質脳症
一酸化炭素中毒,橋中心髄鞘融解,低血糖症
Alexander病(ALXD)
Neuronal intranuclear inclusion disease(NIID)
Adult-onset leukoencephalopathy with axonal spheroids and pigmented glia(ALSP)
3.生化学(分子生物学)
1 iPS 細胞を用いた神経疾患の病態解明と創薬:ドラッグ・リポジショニングによるALS 治療〈高橋愼一,森本 悟,岡野栄之〉
ロピニロール塩酸塩
レチガビン(エゾガビン)
ボスチニブ
2 病原性記憶Th 細胞による難治性炎症疾患の病態形成機構〈木内政宏,平原 潔,中山俊憲〉
病原性記憶Th1細胞
病原性記憶Th2細胞
病原性記憶
Th17細胞
今後の展望
3 補体関連疾患の病態生理update〈木下タロウ〉
補体系の概要
抗C5抗体医薬
抗アセチルコリン受容体抗体
陽性重症筋無力症と抗補体医薬
抗アクアポリン4抗体陽性視神
経脊髄炎スペクトラム障害と抗補体医薬
ギラン・バレー症候群と抗補体医薬
4.画像
1 側頭葉てんかん画像診断の進歩〈曽根大地,松田博史〉
構造MRIの標準プロトコルの確立
新しいMRI撮像技術・シークエンス
核医学画像
解析技術による進歩
今後の展望
2 Glymphatic system ならびにその関連事象のMRI などによる描出〈山本 憲〉
MRIについて
ガドリニウム造影剤の脳組織への沈着現象
内リンパ水腫診断に用いられる遅延造影MRI検査法
髄膜リンパ管のMRIによる描出
拡散強調画像法: 定量的評価
T2値計測法: 定性的手法
Time-SLIP法: 定性的評価
位相分散を用いた可視化法: 定性的手法
位相コントラスト法: 定量的手法
姿勢を変化させてMRIを撮像する方法
水分子をトレーサーとする可視化方法
核医学検査画像・アミロイドPET,CTやリンパ管直接造影など
水についてさらに知見を深めるための読み物
II. 本年の動向
1 脳梗塞急性期のアドレノメデュリン静注療法の確立〈猪原匡史〉
背景
アドレノメデュリンの臨床的位置付け
これまでの非臨床試験および臨床試験の要約
AMFIS試験概要
2 デュシェンヌ型筋ジストロフィーの核酸医薬を用いたエクソン・スキップ治療〈峰岸かつら,青木吉嗣〉
デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する新しい治療法
アンチセンス核酸医薬を用いたエクソン・スキップ治療
ウィルスベクターを用いた治療
ゲノム編集を用いた治療: DMDに対する遺伝子治療の現状
今後の新たな治療薬開発への試み
3 多系統萎縮症におけるオリゴデンドロサイト前駆細胞の役割解明と新規治療法開発〈眞木崇州〉
多系統萎縮症におけるオリゴデンドロサイト前駆細胞の役割
多系統萎縮症におけるその他の細胞種の関与
多系統萎縮症におけるα-シヌクレインの特異性
考察と今後の展望
4 中枢神経障害による神経症状を改善する治療薬の開発〈山下俊英〉
RGMによる再生阻害機構
神経免疫疾患に対する分子標的としてのRGMa
RGMaによる神経細胞死と変性
ヒト化RGMaモノクローナル抗体の開発
5 グリア瘢痕制御による新規中枢神経再生技術に関する研究開発〈岡田誠司〉
グリア瘢痕と線維性瘢痕
反応性アストロサイト
瘢痕形成メカニズムとアストロサイトの表現系
瘢痕形成過程の可逆性と治療への応用
今後の展望
6 自閉スペクトラム症と小脳〈橋本俊顯〉
小脳の形態と機能
小脳の発達
自閉スペクトラム症の症状を示すモデル
自閉スペクトラム症と小脳
7 振戦の定量解析〈酒井克也,石井信之,望月仁志〉
振戦の臨床的な分類と特徴
螺旋を用いた振るえの定量化
今後の展望~スマートフォンアプリケーションとAI診断の臨床への応用
8 Lewy 小体型認知症の臨床診断基準〈小松潤史,山田正仁〉
DLB診断基準のこれまでの変遷
DLB診断基準2017年改訂版
DLB診断基準(2017)の使用上の注意点
DLB診断基準(2017)における指標的バイオマーカー
DLB診断基準の今後の方向性
9 頸椎頸髄疾患の診断に役立つ最新の神経筋解剖〈園生雅弘〉
筋節の記載のルーツ
様々な筋節表と固有手筋の筋節
上肢筋節についての最近の研究
筆者らによる上肢筋節の研究
筋節についてのまとめと筆者の上肢筋節表
皮節について
10 アルツハイマー病とアミロイドβの現在〈小野賢二郎〉
Aβ産生と凝集
Aβオリゴマー
セクレターゼ阻害薬
抗Aβ抗体
11 次世代の先端医療開発: iPS 細胞による再生医療〈菊地哲広,高橋 淳〉
中枢神経系に対する細胞移植治療の歴史
胚性幹細胞(ES)細胞と人工多能性幹細胞(iPS)細胞
iPS細胞治療への課題
本邦でのiPS細胞治療の現状
今後の展望
12 Medical engineering の脳神経外科手術への応用〈森田明夫〉
脳神経外科手術におけるroboticsの導入
手術手技評価・訓練へのmedical engineeringの応用
III. Clinical Topics
1.感染症・炎症疾患
1 新型コロナウイルス感染症と中枢神経系〈下畑享良〉
神経筋症状の頻度
神経筋合併症の臨床像と病態
中枢神経病理所見
2 新型コロナウイルスと脳卒中〈早川幹人〉
COVID-19の脳卒中発症リスク
脳梗塞
脳出血
COVID-19の流行が脳卒中診療に与える影響
COVID-19流行下の脳卒中診療指針
3 日本国内発症PML サーベイランス疫学調査と解析〈三浦義治〉
PMLおよびJCポリオーマウイルスに関する総説
JCポリオーマウイルス
多発性硬化症の疾患修飾薬とPML
PMLの病態とリンパ球
脳画像検査
血清抗JCV抗体
その他の解析
PMLの治療
その他の総説や症例報告
日本国内発症PMLサーベイランス疫学調査と解析
今後の展望
2.脳血管障害
1 主幹脳動脈閉塞例において機械的血栓回収療法の前に,t-PA の投与は必要か?〈木村和美,鈴木健太郎,松丸祐司〉
これまでの後方視的研究
Skip研究
2 NA-1(nerinetide)による脳梗塞超急性期における脳保護療法実現の可能性〈高橋愼一〉
脳梗塞における“脳保護療法”とは何か
興奮性毒性
グルタミン酸仮説に基づく神経保護
NA-1の開発と神経保護作用のメカニズム
NA-1を用いた臨床試験: ENACT試験
脳梗塞超急性期におけるNA-1投与効果: ESCAPE-NA1試験
NA-1投与の実現への課題: FRONTIER試験
3 Tissue-based による一過性脳虚血発作の新・定義〈長谷川泰弘〉
各定義の比較と考え方
新定義で変わるTIA初療
新定義下のTIA診断
臨床試験の転帰評価
今後の展望
4 脳血管攣縮研究の現状と展望〈鈴木秀謙〉
脳血管攣縮(CVS)
微小血管攣縮
微小血栓
静脈還流障害
脳浮腫
今後の動向
3.脳腫瘍
1 膠芽腫に対するtumor treating fields〈荒川芳輝〉
Tumor treating fields(腫瘍交流電場)
再発膠芽腫に対するtumor treating fields
初発膠芽腫に対するtumor treating fields
他疾患に対するtumor treating fields
今後の展望
2 小児悪性脳腫瘍の遺伝子解析〈中野嘉子,市村幸一〉
小児神経膠腫と遺伝子変異
DNAメチル化分類―特にembryonal tumorを中心に―
4.外傷
1 頭部外傷の初期診療: 頭部外傷治療・管理のガイドライン第4 版(2019)を中心に〈和田孝次郎〉
頭部外傷初期診療
2 頭部外傷による遅発性脳障害: 慢性外傷性脳症(CTE)のタウイメージング〈高畑圭輔〉
ボクサー脳症から慢性外傷性脳症(CTE)へ
CTEの臨床症状
どのようなタイプの頭部外傷がCTEを引き起こすか
CTEの神経病理学的所見
CTEの神経病理学的進行度分類(ボストン大)
CTEの臨床診断基準
第1世代タウトレーサーによるタウイメージング
単一症例レベルでの診断に向けて
5.変性疾患
1 ジストニアの病態生理: モデルマウスの神経活動から考察する〈知見聡美,南部 篤〉
DYT1ジストニア
DYT5ジストニア
DYT12ジストニア
今後の展望
2 GGGGCC リピートと神経変性(ALS,FTD)〈森 康治,後藤志帆〉
臨床表現型
神経画像研究と体液バイオマーカー
神経病理
中間長リピートと発症閾値
リピートによる獲得毒性: リピートRNA,DPR
C9orf72変異例におけるRAN翻訳のメカニズム
C9orf72タンパク質の機能障害仮説の融合
6.中毒・代謝疾患
1 ウィルソン病の高精度診断〈松浦晃洋,杵渕 幸〉
Wilson病診療ガイドライン2015
Wilson病の主な検査法と問題点
シンクロトロン放射光による組織銅検出の試み
今後の展望
2 成人型シトルリン血症(CTLN2)の病態と治療法〈矢崎正英〉
シトリン欠損症とCTLN2
CTLN2の病因と病態
CTLN2の臨床的特徴
CTLN2発症前の臨床的特徴
治療
今後の展望
7.脱髄・免疫性疾患
1 自己免疫介在性脳炎のスペクトラム〈飯塚高浩,金澤直美〉
AE診断における臨床的アプローチと新規診断基準
本脳症に関する新しい考え方
抗NMDAR脳炎に関する新しい知見
NORSEをめぐる新しい話題
自己免疫性てんかんをめぐる新しい動き
新規に同定された抗神経抗体
傍腫瘍性抗神経抗体測定時のピットフォール
その他のAEと治療
今後の展望
2 MS/NMO 女性患者への診療アプローチ〈清水優子〉
多発性硬化症(MS),視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)女性患者への診療アプローチの基本
MS合併妊娠について
NMOSD合併妊娠について
抗MOG抗体関連疾患(MOG antibody-associated disease)合併妊娠
8.末梢神経障害
1 免疫介在性ニューロパチーの超微形態学〈小池春樹〉
GBS
CIDP
抗MAG抗体陽性ニューロパチー
血管炎性ニューロパチー
2 RNA 干渉による遺伝性ATTR アミロイドーシス治療〈関島良樹〉
遺伝性ATTRアミロイドーシス
RNA干渉
世界初のsiRNA医薬品であるパチシランの特徴
遺伝性ATTRアミロイドーシス対するパチシランの有効性
野生型ATTRアミロイドーシス
ATTRアミロイドーシスに対する核酸医薬を用いた治療の今後の展望
9.神経筋疾患
1 Non-classical MG〈松尾秀德〉
神経筋接合部を形成するおもなタンパク質とそのシグナル伝達経路
Classical MG: AChR抗体陽性MG
Non-classical MG
今後の展望
2 Ⅰ型脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子治療〈齋藤加代子〉
脊髄性筋萎縮症とは
脊髄性筋萎縮症の原因遺伝子と治療の機序
遺伝子治療とは
脊髄性筋萎縮症における遺伝子治療
カルタヘナ法
コンパニオン診断薬
今後の展望: 早期診断と早期治療開始
10.自律神経疾患
1 自律神経機能調節における前庭系の役割: 宇宙で快適に生きるために―前庭系の可塑的変化〈森田啓之〉
重力酔い
起立性低血圧
筋・骨量調節
今後の展望
2 多様な心理ストレス反応を制御する脳神経回路: 心身相関メカニズムの理解へ〈中村和弘〉
交感神経プレモーターニューロン
視床下部-延髄神経路
大脳皮質-視床下部神経路
前脳の情動神経回路
今後の展望
11.機能性疾患
1 てんかん治療における迷走神経刺激法の機序〈松井 広〉
VNS治療法の現状
VNS治療法発見の経緯
迷走神経信号の求心性経路
VNSの作用機序の解明
今後の展望
2 AMPA 受容体PET の可能性〈阿部弘基 高橋琢哉〉
神経疾患とAMPA受容体機能異常
ヒトでのAMPA機能異常を可視化する: AMPA受容体PETの開発
AMPA受容体PET([11C]K-2)の臨床研究・医師主導治験
[11C]K-2の可能性
12.機能的脳神経外科
1 脊椎・脊髄外科の現状と展望〈中瀬裕之〉
超高齢社会における脊髄外科
医療安全
今後の展望
2 経頭蓋集束超音波による脳機能手術〈阿部圭市,堀澤士朗,堀 大樹,堀 智勝,平 孝臣〉
現在までの経頭蓋集束超音波治療
本態性振戦
パーキンソン病
ジストニア
てんかん
経頭蓋集束超音波最新の動向
経頭蓋集束超音波最新の展望
索引