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治療戦略に役立つ

臨床医・病理医のための乳腺病理の見かた・考え方【電子版】

増田 慎三(編集) 堀井 理絵 (編集)

出版社
メジカルビュー社
電子版ISBN
 
電子版発売日
2022/10/25
ページ数
204ページ
 判型
B5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥6,600 (本体¥6,000+税10%)

印刷版ISBN
978-4-7583-1817-4
印刷版発行年月
2022/11
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概要

乳癌の治療薬の開発は目覚しく,治療効果の高い薬剤が次々に臨床で使われるようになっているが,一方で5つのサブタイプそれぞれに治療効果の高い薬剤は異なる。そのため,効果的な治療薬を選択するうえで病理診断はたいへん重要な役割を担っている。安心できる医療を提供するためには,臨床医と病理医が“治療戦略”という同じ方向を向いて病理像を見て/考えることが必須である。
本書では,検査の組合せや病理像に治療戦略を併記して臨床医と病理医の双方の視点から,相互に理解を深められるように重要なポイントをコンパクトに解説する。HER2免疫染色などの古典的な検査方法はもちろんのこと,生検のしかた,病理標本の作成などの「実は知らなかった!」ような基本的な知識から,免疫チェックポイント阻害薬のPD-L1,癌ゲノム医療などの新しい治療法まで豊富に紹介。検査から治療まで,乳腺病理の全貌を理解できる一冊。

目次

I  総論
 1 乳腺画像診断のポイント 〜基本的な診断の流れ,良性・悪性の鑑別〜  [森田孝子]
 2 乳頭異常分泌症の診断〜早期癌の発見動機  [窪田智行]
 3 細胞診/針生検/吸引式組織生検の適応と工夫  [亀井桂太郎]
 【コラム】針生検や穿刺吸引細胞診による癌細胞の播種について  [堀井理絵]
 4 穿刺吸引細胞診,針生検標本の病理診断  [木脇圭一]
 【スペシャルメッセージ】正確な病理診断のために臨床医が心がけること  [高橋將人]
 5 病理検体の取り扱い(針生検検体,手術検体)  [鹿股直樹,牛草 健]
 6 病理診断報告書の読み方 [野嵜 史,増田しのぶ]
 【コラム】癌のマッピングの有用性  [水谷麻紀子]
 【スペシャルメッセージ】病理所見がいかに臨床に役立っているか,患者さんとのコミュニケーションで得た経験  [坂東裕子]
 
II  良性疾患の診断
 1 線維腺腫と葉状腫瘍  [片山彩香]
 【コラム】線維腺腫と葉状腫瘍〜臨床上の鑑別,手術適応について  [玉城研太朗]
 2 乳管内乳頭腫  [三原勇太郎,山口 倫]
 【コラム】乳管内乳頭腫〜臨床上の癌との鑑別,手術適応について,切除方法の工夫  [石飛真人]
 3 嚢胞,腺症および関連病変大  [森昌子]
 4 良性上皮増殖性病変および異型上皮内病変  [村田有也]
 5 腺腫(管状腺腫,授乳性腺腫,乳管腺腫,乳頭部腺腫)  [森谷鈴子]
 
III 悪性疾患の診断
 1 非浸潤性乳管癌/非浸潤性小葉癌  [広田由子]
 【コラム】低リスクDCIS に対する手術省略の可能性  [神林智寿子]
 2 微小浸潤癌  [原田 大]
 3 浸潤性乳管癌  [大迫 智]
 4 浸潤性小葉癌および乳管- 小葉混合癌  [唐 小燕]
 【コラム】浸潤性小葉癌の臨床上の特徴  [安立弥生]
 5 特殊型の浸潤性乳癌 〜 ER 陽性HER2 陰性乳癌の頻度が高いタイプ(管状癌,篩状癌,粘液癌)  [前田一郎]
 【コラム】ER 陽性HER2 陰性例の頻度が高い特殊型の浸潤性乳癌の臨床上の特徴  [井口雅史]
 6 特殊型の浸潤性乳癌〜TNBC の頻度が高いタイプ(化生癌,アポクリン癌,髄様癌,腺様嚢胞癌,分泌癌)  [西村理恵子]
 【コラム】TNBC 〜臨床医の視点から  [中山紗由香,増田紘子]
 
IV Biology評価
 1 浸潤径と組織学的波及度,脈管侵襲  [武井寛幸]
 【コラム】浸潤性乳癌において評価すべき病理組織所見  [堀井理絵]
 2 病理学的グレード分類(組織学的グレード分類,核グレード分類)  [飛田 陽]
 【コラム】臨床医からみた乳癌の予後因子,効果予測因子の多様化  [角舎学行]
 3 ER / PgR   [本間尚子]
 【コラム】ER / PgR 判定の臨床的意義  [原 文堅]
 4 HER2   [堀井理絵]
 【コラム】HER2 の免疫組織化学法 まれな染色パターンについて  [堀井理絵]
 5 抗HER2 療法  [下井辰徳]
 6 Ki67  [ 坂谷貴司]
 7 Ki67の臨床的意義  [徳田恵美,佐治重衡]
 8 腫瘍浸潤リンパ球(TIL)   [清水亜衣]
 【コラム】腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の臨床的意義  [宮下 穣]
 9 PD-L1   [森谷卓也,佐貫史明]
 10 免疫チェックポイント阻害薬  [吉波哲大]
 11 乳房部分切除術と乳頭乳輪温存乳房全切除術の断端診断  [大井恭代]
 【コラム】温存乳房照射の個別化〜省略の可能性  [大住省三]
 【コラム】断端陰性の完全切除を目指した乳房部分切除術 〜術中迅速病理診断の位置づけ  [増田慎三]
 【コラム】乳房再建術の最新情報  [神戸未来]
 12 術前薬物療法の組織学的効果判定  [森 清]
 【コラム】 pCR / Grade 2bの臨床的意義( JBCRG試験などから)  [髙田正泰 ]
 13 リンパ節転移の評価  [桂田由佳]
 【コラム】腋窩リンパ節マネージメントの変遷  [柴田雅央]
 14 遠隔転移巣の確定診断とBiology 評価  [小塚祐司]
 【コラム】治療経過でBiology が変化した場合の治療は  [尾崎由記範]
 
V  多遺伝子アッセイ・がんゲノム医療
 1 遺伝子検査用組織の選択と準備  [杉野弘和,吉田正行]
 2 多遺伝子アッセイ
  Oncotype DX,MammaPrint/ BluePrint,Prosigna(PAM50-ROR),Curebest 95GC Breast  [綱島 亮,直居靖人]
 3 癌遺伝子パネル検査  [多田 寛,石田孝宣]
 【スペシャルメッセージ】若手専門医が描く乳腺診療の将来展望 〜 escalation,de-escalation,個別化〜  [田中希世]
 【スペシャルメッセージ】若手専門医が描く乳腺診療の将来展望 〜 escalation,de-escalation,個別化〜  [塚部昌美]