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「志なき医療者は去れ!」岩永勝義、病院経営を語る 増補改訂版【電子版】

尾形 裕也 (著)

出版社
日本看護協会出版会
電子版ISBN
978-4-8180-2814-2
電子版発売日
2024/05/21
ページ数
200ページ
 判型
A5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥3,190 (本体¥2,900+税10%)

印刷版ISBN
978-4-8180-2597-4
印刷版発行年月
2023/08
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概要

病院経営に革命を起こした規格外のリーダー・岩永勝義氏の“語録”から、トップ・マネジメントの極意が見えてくる!
本書は、2009年に刊行した『志なき医療者は去れ! 岩永勝義、病院経営を語る』(発行元:マスブレーン)の増補改訂版。

病院経営に革命を起こした岩永勝義氏(元熊本中央病院院長)を長年に渡って取材した著者が紡ぐ“岩永語録”。その中から「トップ」の極意が見えてきます。
内容は2部構成で、第1部には旧版の内容を収録。第2部では、「岩永後」を受け継いだ熊本中央病院の経営幹部の声から、病院経営の変化や課題を探り、合わせてわが国の医療制度改革の動向も論じています。

「機能分化と連携」「選択と集中」といった岩永氏の病院経営戦略、そしてトップ・マネジメントの精神は、医療制度改革が進む令和の時代にますます輝きを放ちます。病院経営者・管理者に贈る「励ましの書」!
≪本書は第1版第1刷の電子版です≫

目次

第1部 改革―岩永院長時代

第1章 プロローグ
1 何もやることがなくてタイクツだ

第2章 決断
1 熊本中央病院の立地—どこが「中央」病院だ?
2 病院とは何か?
3 熊本中央病院再生の「将来ビジョン」—革命は3人集まれば成就する
4 新たな病院の立地—アクセスの悪いところへ行こう!
5 ミッション—ビジョン—ストラテジー

Box-1 「家庭医」について
Box-2 昭和62年答申の概要
Box-3 医療福祉建築賞:熊本中央病院(1998年)

第3章 転機
1  本当は画家か建築家になりたかった
2  医師を辞めようかと真剣に悩んだ 
3  北米短期留学が転機 —一種の「お遍路さん」

Box-4 文学者夏目漱石の誕生(建築家志望からの転向)
Box-5 アメリカの医療
Box-6 医療サービスの提供のあり方:国際比較

第4章 病院経営
1 「経営」と「運営」—病院は「運営」に過ぎない
   「値決めが経営」
   「自由診療」と「混合診療」という例外
2 機能分化と連携—熊本医療圏(セブン・シスターズ)における挑戦
   病院経営における「入口」と「出口」
   病床過剰の激戦区の中で
3 医療非営利論 — 診療スタッフに利益を上げろなどと言ったことは一度もない
4 明確なポジショニング — ブティックでコンビニと同じものを売っているか?
   戦略の本質は「何をするか」よりも「何をしないか」
   医療機関における戦略的ポジショニング
   組織として生き残るためのスクラップ・アンド・ビルド

Box-7 独立変数と従属変数
Box-8 熊本中央病院におけるカンファレンスの事例

第5章 リーダーシップ
1 リーダーシップの欠如—「リーダー欠乏症候群」?
2 初対面にはガツンと一発先制パンチ — 人を見る眼
3 ストレッチ経営戦略—組織が緩んでいるときには、わざと無理難題をぶつけてみる
4 病院ではESが重要—医者も看護師も来ないような病院に患者が来るか!
   CSとESは相互補完的
   「医療崩壊」の犯人は誰か
5 病院経営は植木とは違う—熊本でうまくいったからといってよそへ移植などできない
   調整型リーダーとカリスマ・リーダー
   リーダーシップの有効性は限定的である
6 組織スタッフから見た岩永院長のリーダーシップ—「岩永病」への感染
7 「岩永後」の熊本中央病院—岩永を打ち倒して行け!

Box-9 マグネット・ホスピタル

第6章 志
1 「志」という「死語」
2 ノブレス・オブリージュ
3 努力せんでええから、結果を出せ
4 「命が地球より重い」などという「世迷い言」

Box-10 社会保険と公費負担
Box-11 医学・医術の限界:「赤ひげ」の言葉

第7章 「岩永語録」
 ちりは積もっても山にはならない
 「患者様」なんて、絶対言うな。医療者と患者が対等の同じ目線で向き合わなければならない
 外来で、注射で治る病気があったら、言ってみろ
 風邪を引いたら、暖かくして休養することが一番だ。医者にかかっても仕方がない。僕はいつもルル3錠飲んで寝ている
 情報は「情」を込めないと、なかなか相手には伝わらない(僕が時々怒鳴ったりするのも、そのためだ)
 重要な情報ほど、裏を取れ
 自分は、畳の上で死ねないような悪いことはしてこなかったつもりだ!
 新人スタッフは、まず一律GIカットにする。「個性の主張」などするのは、百年早い
 「四捨五入」と「見切り発車」の岩永と呼ばれている
 熊本中央病院の「顧客」としては、患者だけではなく、「かかりつけ医」も重要だ

第8章 終わりに
 
8年目のあとがき

第2部 挑戦―「岩永後」の熊本中央病院

第1章 「岩永後」を継ぐ経営陣
1 「岩永後」の院長として―濱田泰之院長が語る病院経営
   岩永院長時代をどう位置付けるか
   後継者の問題
   「岩永後」の変化
   コロナ禍への対応
   岩永院長からのメッセージ
2 看護師に受け継がれる言葉―笹本好里子看護部長が語る「岩永語録」
   岩永院長時代をどう位置付けるか
   看護師から見た岩永院長
   「岩永後」の変化
   「岩永語録」の伝承
3 時代とともに変化する経営―小林秀幸事務部長が語る「改革」
   岩永院長時代をどう位置付けるか
   「岩永後」の変化
   働き方改革を中心とした今後の課題
   基本的なミッション
   岩永院長からのメッセージ

第2章 病院経営の現況
1 熊本中央病院の経営基本データ―直近10年間
2 熊本市におけるポジショニング
   熊本県の地域医療構想
   熊本・上益城構想区域の状況

第3章 近年の医療制度改革の動向と病院経営
1 地域医療構想と病院経営
   地域医療構想の現状
   地域医療構想を踏まえた病院経営
   今後の展望―2040年のビジョン
2 外来機能報告と病院経営
   外来医療をめぐる問題の経緯
   外来機能報告及び紹介受診重点医療機関
3 かかりつけ医機能と病院経営
   問題の経緯:「古くて新しい」問題
   「かかりつけ医機能」が発揮される制度整備
   医療需要面と医療供給面の課題
4 結論―実現に向かいつつある「岩永構想」

参考文献
添付資料