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病態理解で差がつく 栄養療法の進め方【電子版】

栗山 とよ子 (著)

福井県立病院 内科・NST

出版社
中外医学社
電子版ISBN
 
電子版発売日
2025/02/26
ページ数
216ページ
 判型
A5判
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥3,520 (本体¥3,200+税10%)

印刷版ISBN
978-4-498-01804-4
印刷版発行年月
2025/02
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概要

臨床に出たら,まず栄養を学ぼう!

医学部のカリキュラムに栄養学はない,でも経口栄養/経腸栄養/経静脈栄養ともに,投与ルートを選択し,提供する栄養の中身を指示するのは医師の役割です.
本書では,Part 1基礎編で栄養療法に必要な基本的知見を概説し,ベースとなる栄養管理の組み立て方を記載し,栄養療法の骨格をわかりやすく解説.
Part 2 病態編では,特別な栄養療法の知識が必要な8つの病態(胃切除後,重度の栄養障害,重症妊娠悪阻,心不全,重症熱傷,肝性脳症,腎障害,短腸症候群)を取り上げて,各病態のガイドラインや関連する文献をもとに,代謝の特徴に沿った栄養療法の考え方と具体的な栄養処方を記載.
適切な栄養管理は何か,患者ごとに必要なことが見えるようになる1冊.

目次

Part1 基礎編
第1章 栄養療法を実践するために知っておきたいこと
 A 入院患者さんの栄養状態―現状はどうなのだろう?―
 B 特別な栄養療法が必要な患者さんを抽出するために,栄養スクリーニングを実施しよう 
 C 栄養必要量はどのように算出すればいいのだろう?
  1 はじめに総エネルギー必要量を算出する
  ●症例 
  2 たんぱく質必要量を算出する
  3 次に脂質必要量を算出する
  4 残りのエネルギーを糖質で補う
  5 ビタミン,微量元素必要量を決定しよう
  6 水分必要量の推定も大切
 D 経腸栄養か静脈栄養か選択の基準は何だろう?
 E 実践している栄養療法が適切かどうかを判断するにはどうすればいいのだろう? 

第2章 経腸栄養療法を成功させるために理解が必要なこと
  ●症例 
  患者さんの栄養アセスメントを実施しよう 
  経腸栄養剤にはどんな種類があって,どう違うのだろう? 
  患者さんの具体的な経腸栄養治療計画を立てよう 
  経腸栄養療法で起こり得る合併症 ―起こさないための工夫と起こった時の対処方法を理解しよう― 

第3章 静脈栄養療法を成功させるために理解が必要なこと
 A 糖電解質輸液の種類と特徴をおさえよう
  1 等張液:細胞外液補充液
    生理食塩液 乳酸リンゲル液/酢酸リンゲル液
  2 低張液
    開始液(1号液) 維持液(3号液)
  3 グルコース液
 B 栄養輸液の特徴と使い方をおさえよう
  1 末梢静脈栄養輸液
  2 中心静脈栄養輸液
    TPN基本液を使う場合 TPNキット製剤を使う場合
  3 脂肪乳剤を積極的に使おう
 C 様々な体格の患者さんについて,適量の水分量の範囲内で五大栄養素を充足するTPN処方を考えてみよう 
  1 体重60kg男性70歳の場合
  2 体重50kg女性50歳の場合
  3 体重40kg女性85歳の場合
 D PPN,TPN管理中に注意しておきたい合併症
  1 カテーテル関連血流感染症(CRBSI)
  2 リフィーディング症候群(RfS)
    RfSはなぜ起こるのだろう 
  3 そのほか注意が必要な合併症
    血糖値の異常 肝機能障害水分・電解質の異常
    ビタミン・微量元素欠乏 必須脂肪酸欠乏

Part2 病態編様々な病態下での栄養療法を実施するために必要なこと
第1章 重度の栄養障害患者の栄養療法 〜COPDを合併したアルコール多飲患者と神経性やせ症患者を例に 
  ●症例? 
  入院時の検査所見 
  栄養療法を開始する前に注意が必要なことをおさえよう 
  治療開始急性期の栄養療法の考え方 
  投与経路別に具体的な栄養投与計画を立てよう 
  安定後の栄養療法はどう進めれば良いだろう? 
  症例の栄養療法の経過 
  栄養療法中に起こり得るRfS以外の合併症にも注意しよう 
  ●症例? 
  入院時の検査結果 
  SIRMを呈する神経性やせ症について,栄養療法上の注意点をおさえておこう 
  急性期・安定後の栄養必要量を求めよう 
  栄養療法開始時に注意が必要なこと 
  急性期の具体的な栄養治療の実際 
  安定後の栄養療法の実際 
  経口摂取が期待通りに進まない場合はどうする? 

第2章 胃切除・全摘術後の栄養療法
 A 胃切除後の障害
  1 正常な胃の機能についておさえよう
  2 胃切除術後に起こり得る変化と問題点を考えてみよう
    小胃症状 ダンピング症候群術後逆流性食道炎
    著しい体重減少 胃切除後貧血
  ●症例 
  検査結果 栄養必要量を求めよう
  患者さんの栄養療法で注意が必要なこと 栄養管理と薬物治療の経過

第3章 短腸症候群の状態になった患者の栄養療法
 A 短腸症候群の病態を理解しよう
  1 解剖学的にどう変化するのだろう?
  2 消化・吸収上,どんな問題があるのだろう?
  3 病期分類とそれぞれの病期の特徴を理解して,各ステージに適した
    栄養療法を実施しよう 
    I期(術直後期) II期(回復適応期)III期(安定期)
  ●症例 
  検査所見 
  患者さんの推定栄養必要量を求めよう 
  現行の栄養投与量はどれくらいだろう 問題点は何だろう
  患者さんにはどの栄養投与ルートが適切だろう? 
  TPNでの栄養治療計画を立てよう 
  患者さんのその後の栄養治療経過 
 B 短腸症候群患者の長期的な栄養上の問題点をおさえておこう

第4章 重症患者の栄養療法〜とくに重症熱傷を中心に
 A 総エネルギー必要量・各栄養素必要量はどのように見積もれば良いのだろう? 
  1 総エネルギー必要量
  2 たんぱく質必要量
  3 脂質必要量
  4 糖質必要量
 B 経腸栄養,静脈栄養,どちらを優先すれば良いのだろう?
  1 重症熱傷においても,経腸栄養での管理を優先する
  2 熱傷患者への静脈栄養の適応はどう考えるべきだろう?
  3 熱傷患者の栄養評価に適切な栄養指標は何だろう?
  ●症例 
  検査所見 入院後の経過

第5章 心不全患者の栄養療法
 A 心不全患者の代謝にはどんな特徴があるのだろう?
  1 慢性心不全の場合
    骨格筋量が減少して,骨格筋自体の質も低下する 
    脂肪組織が減少する 
  2 急性心不全の場合
 B 心不全患者にはどんな栄養補給法が適切だろう?
  1 経口摂取を優先する
  2 経口摂取での栄養療法が難しければ経腸栄養を選択する
  3 経腸栄養ができない状況では静脈栄養を実施しよう
 C 急性心不全の重症度ステージごとの栄養療法はどう考えれば良いだろう? 
  1 ステージA,Bの場合
  2 ステージC,Dの場合
  3 栄養投与量を設定しよう
 D 慢性心不全の栄養療法はどうすればいいのだろう?
  1 慢性心不全の病態と栄養学的な問題点を理解しよう
  2 具体的にどんな栄養療法が適切だろう
  ●症例 
  入院時の検査所見 入院後の経過

第6章 肝性脳症を伴う非代償性肝硬変患者の栄養療法
 A なぜ肝硬変患者では血中BCAAが低下するのだろう?
 B BCAAが低下すると体内でどんな不都合が起こるのだろう?
 C 肝硬変患者では,なぜ糖の利用障害が起こるのだろう?
 D1 肝硬変患者ではなぜ血中亜鉛濃度が低下しやすいのだろう?
 D2 亜鉛が欠乏すると肝硬変の病態にどんな影響があるのだろう? 
 E 肝硬変患者の栄養代謝の特徴をおさえよう
 F 肝性脳症を繰り返す肝硬変患者には,どんな栄養療法が
 適切だろう? 
  ●症例 
  入院時の検査所見 入院後の経過その後の経過

第7章 腎障害患者の栄養療法
 A 急性腎障害
  1 基本的な栄養療法の考え方
  2 症例に沿って具体的な栄養治療計画を立ててみよう
  ●症例 
  AKI発症時の検査所見 
  栄養必要量を算出しよう 
  具体的な栄養投与計画を立てよう 
 B 慢性腎臓病
  1 CKDの病期は5段階に分類される
  2 進行したCKDではどんな栄養代謝障害が引き起こされるのだろうか
  3 栄養管理のポイントをまとめよう
    栄養投与経路はどう選択すべきだろうか 
    ステージ別の栄養必要量と具体的な栄養療法を考えよう 
  ●症例 
  ステージ1〜3aの場合 
   栄養必要量を算出しよう具体的な栄養療法を考えよう
  ステージ3b〜5(維持透析の導入はない)の場合 
   栄養必要量を算出しよう具体的な栄養療法を考えよう
  血液透析が導入されている場合 
   栄養必要量を算出しよう具体的な栄養療法を考えよう

第8章 重症妊娠悪阻患者の栄養療法
 A つわり〜妊娠悪阻を引き起こす原因は何だろう?
 B 妊娠悪阻時のエネルギー代謝は通常の妊娠時とどう違い,妊婦にどんな影響を及ぼすだろう? 
 C 妊娠悪阻は胎児にも影響するのだろうか
  ●症例 
  検査所見 
  必要栄養量を算出しよう 
  栄養投与経路は何が適切だろう? 
  具体的な輸液の投与計画を考えよう 
  その後の経過 

索引