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見えない痛みをどう見るか 痛覚変調性疼痛の診かた【電子版】

臼井 千恵(編著)

順天堂大学医学部精神医学講座先任准教授

出版社
金芳堂
電子版ISBN
 
電子版発売日
2025/12/25
ページ数
250ページ
 判型
A5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥5,610 (本体¥5,100+税10%)

印刷版ISBN
978-4-7653-2074-0
印刷版発行年月
2025/12
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概要

近年注目される「痛覚変調性疼痛(nociplastic pain)」は、侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛に続く“第3の痛み”として、原因の特定が難しい慢性痛の背景を説明する新たな概念です。

本書では、その成立の経緯から代表的疾患(線維筋痛症、慢性腰痛、顎関節症、膀胱痛症候群など)、併存しやすい睡眠障害・抑うつ・発達性トラウマまでを包括的に解説。さらに、薬物療法・心理療法・運動療法・マインドフルネスなど、多職種による集学的治療の実際を豊富な知見に基づいて示します。

“検査では異常がない”にもかかわらず続く痛み。その背後にあるメカニズムを理解し、どう診て、どう支援するか――。臨床現場での迷いに応え、痛み診療の新しい理解を深める一冊です。

目次

Part1 痛覚変調性疼痛
1 痛みの機序の第3のカテゴリー「痛覚変調性疼痛(nociplastic pain)」が気づかせてくれたこと
はじめに
|1| 痛覚変調性疼痛という概念の誕生まで
|2| 痛覚変調性疼痛がもたらした痛み理解の発展
おわりに

2 疼痛分類(ICD-11、DSM-5TR、IASP)と痛覚変調性疼痛
はじめに
|1| 痛みの定義
|2| 痛みの成因・病態による分類
|3| 急性疼痛と慢性疼痛
|4| 国際疾病分類(ICD)第10、11版による痛みの分類
|5| 国際疼痛学会(IASP)による痛みの分類
|6| 慢性疼痛の精神医学的分類(DSM-5)
|7| ICDとIASPの痛み分類の関係・補完性
おわりに

3 代表的な痛覚変調性疼痛
|1|線維筋痛症
|1| 診断基準と疫学
|2| 関連・合併しやすい疾患・症状
|3| 注意を要する鑑別疾患
|4| 診療のすすめかた
|5| 治療について
おわりに

|2|筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)
|1| 診断基準と疫学
|2| 関連・合併しやすい疾患・症状
|3| 注意を要する鑑別診断
|4| 診療のすすめかた
|5| 症例報告
|6| ME/CFSに陥るメカニズム(仮説)
おわりに

|3|緊張型頭痛
|1| 診断基準と疫学 疾患の特徴
|2| 関連しやすい疾患・症状
|3| 注意を要する鑑別疾患
|4| 診断のすすめかた
おわりに

|4|慢性腰痛(慢性非特異的腰痛)
|1| 診断基準と疫学
|2| 関連・合併しやすい疾患・症状
|3| 注意を要する鑑別疾患
|4| 診断のすすめかた

|5|複合性局所疼痛症候群
|1| 診断基準と疫学
|2| 関連・合併しやすい疾患・症状
|3| 注意を要する鑑別疾患
|4| 治療のすすめかた

|6|顎関節症
はじめに
|1| 診断基準と疫学
|2| 関連・合併しやすい疾患・症状
|3| 注意を要する鑑別診断
|4| 診療のすすめかた
おわりに

|7|膀胱痛症候群/間質性膀胱炎
|1| 診断基準と疫学
|2| 関連・合併しやすい疾患・症状
|3| 注意を要する鑑別疾患
|4| 診断のすすめかた
おわりに

|8|若年性線維筋痛症
|1| 診断基準と疫学
|2| 関連・合併しやすい疾患・症状
|3| 注意を要する鑑別疾患
おわりに

4 併存疾患の考え方
|1|睡眠障害
はじめに
|1| 慢性疼痛と睡眠の双方向の関係性
|2| 睡眠が慢性疼痛に与える影響
|3| 線維筋痛症と睡眠障害
|4| がん性疼痛と睡眠障害
おわりに

|2|頭痛
はじめに
|1| 片頭痛(migraine)
|2| 緊張型頭痛(tension-type headache)
|3| 群発頭痛(cluster headache)、三叉神経自律神経性頭痛
|4| その他の一次性頭痛
|5| 顎関節症(TMD)に起因する頭痛

|3|抑うつ
はじめに
|1| 疫学的側面
|2| 診断的な重なりおよび他の疼痛性疾患とMDDの関係
|3| 痛覚変調性疼痛と抑うつの生物学的基盤
|4| 感覚過敏性
|5| MDDにおける説明のつかない疼痛症状
|6| 薬物療法における共通点
おわりに

|4|神経発達症とトラウマ
はじめに
|1| 発達性トラウマ症
|2| トラウマと慢性疼痛
|3| トラウマに伴う慢性疼痛の病理
|4| 発達性トラウマ症の治療
|5| 線維筋痛症とASD

コラム 起立性調節障害に苦しんでいる子どもたちを診ているなかで、若年性線維筋痛症を疑うというときはどういうときなのか

Part2 治療法
1 痛覚変調性疼痛における集学的治療のすすめかた
はじめに
|1| 集学的治療の位置づけと意義
|2| 集学的治療の構成要素と実際
|3| 集学的治療の課題
おわりに

2 薬物療法
はじめに
|1| 消炎鎮痛薬
|2| 抗うつ薬
|3| 筋弛緩剤
|4| 抗けいれん薬
|5| 弱オピオイド
|6| オピオイド
|7| ボツリヌス毒素A型(BTX-A)
おわりに

3 心理療法
はじめに
|1| 種々の痛覚変調性疼痛
|2| 痛覚変調性疼痛の難治化要因と心理的介入
|3| 段階的心身医学的療法の実際
おわりに

4 痛覚変調性疼痛に対する東洋医学的治療
はじめに
|1| 痛覚変調性疼痛の発生機序と治療抵抗性
|2| 痛みに対する一般的な漢方治療
|3| 痛みに対する一般的な鍼灸治療
おわりに

5 痛覚変調性疼痛の認知行動療法
はじめに
|1| 痛覚変調性疼痛における認知行動療法の位置づけ
|2| 認知行動療法の具体的な流れ
|3| 痛覚変調性疼痛の認知行動療法で役立つこと・重要なこと
おわりに

6 運動療法
はじめに
|1| 痛覚変調性疼痛の病態と評価
|2| 痛覚変調性疼痛におけるライフスタイル指標の活用
|3| 痛覚変調性疼痛に対する運動療法
おわりに

7 マインドフルネス
はじめに
|1| マインドフルネス療法のエビデンス
|2| マインドフルネスとは
|3| Doing mode とBeing mode
|4| マインドフルネスの概念整理
|5| 慢性痛に対するマインドフルネス療法の実際
|6| プログラムの進行と患者の変化
|7| 慢性痛の認知行動モデルとマインドフルネス療法
|8| 適応と禁忌
おわりに