ゴールドバーグ/ストール 精神科医のための臨床推論と意思決定【電子版】
- 出版社名
- MEDSi
- 発行年月
- 電子版発売日
- ページ数
- 408ページ
- 判型
- A5
- 印刷版ISBN
- 978-4-8157-3157-1
- 電子版ISBN
- 978-4-8157-0381-3
概要
診断も治療も「一度決めて終わり」にしない。精神科医の「考え方」を、見える形に。
精神科診療で求められる、DSMと実臨床を結びつけるための考え方と意思決定の姿勢を体系的に学べる実践書。臨床推論の基本から診断・鑑別・治療方針の選択まで、複雑な臨床場面で暗黙に行われている思考過程を明示化し、どのように情報を整理し判断するかを丁寧に解説。リアリティのある豊富な臨床例を通し、「何を考えるか」ではなく「どのように考えるか」を鍛える。
目次
第1章 不可解を解く:関連情報の収集と整理
すべてはナラティブにある
首尾一貫した病歴の整理:最初から始める
診断基準は満たされているか?
DSM 基準は主に臨床家のために書かれたものか,それとも研究者のためか?
階層的な診断治療アプローチ:トリアージの方法
徴候と症状
情報処理の障害としてのうつ病
境界領域の症状:妄想と強迫観念が出会うとき
精神科診断の縦断的安定性
診断定式化への手がかりとしての愛着スタイルの理解
情報の流れ
過去の薬物療法から学ばぬ者は同じ過ちを繰り返す
収集した臨床情報を解釈するアート
第2章 診断の曖昧さへのアプローチ
何を治療しているのかわからないとき,どうするか
症状の重複
診断を混乱させる要因としての物質使用
精神科診断を裏付ける要素
診断スクリーニングの長所と限界
診断の曖昧さへの取り組み:仮説検証と診断的試行としての薬物療法の役割
診断的評価および「急性期の安定化」のための入院
心理検査の依頼が有用となりうる場合
遷延する症状
第3章 患者が語らないこと:見えるものが真実とは限らないとき
患者の言葉はすべて信じてよいのか
家族からの周囲情報は通常,正確といえるのか
家族歴 遺伝情報は通常,正確といえるのか
物質使用の真相を探る
病態失認
アレキシサイミア
精神症
自殺について嘘をつくとき
苦痛耐性の低い患者に対する意思決定
逆説的薬物反応とノセボ現象
一過性の変動か傾向か
動機づけ面接
逆説的指示
第4章 共同意思決定
なぜ共同意思決定なのか
共同意思決定の基本原則
共同意思決定が臨床転帰に及ぼす影響
反復的薬物療法における共同意思決定:患者の選好を見定める
患者の目標と臨床家の目標を明確にする
リスクを共に引き受ける
十分な情報に基づく決定を下す能力
患者が誤った推論を行うとき
不適切な要求
臨床家が誤った推論を行うとき
最後通告
怒りと敵意
動機づけ面接としての共同意思決定
精神症
患者の意に反する治療
情報の共有:基礎研究から臨床の場へ
よくなったのだから治療をやめてもいいですか?
欺瞞と操作が治療的機能を果たすとき
一方に腹づもりがあるときの共同意思決定
患者がただ指示してほしいと望むとき
第5章 適切な治療法の選択:薬物療法,精神療法,入院およびその他のケアの水準
疾患修飾的治療と疾患管理的治療
状況的な要因と素因の認識
薬物療法はいつ適応となるか
すべてのメンタルヘルスの病態は薬物療法に反応するか
精神療法はいつ適応となるか
精神療法はいつ薬物療法の増強として検討すべきか
精神力動的視点を取り入れた薬物療法
薬物療法が奏効しない場合に精神療法を選択する
治療アドヒアランスが不安定な状況での意思決定
慢性の自殺念慮と急性の自殺念慮の管理
より高い水準のケアの必要性
入院の代替選択肢
村全体で育てる
治療のエンドポイントと減処方のアート
効果の欠如に基づく減処方
無治療が最善の治療選択肢であるとき
第6章 測定に基づくケアと個々の患者への統計的概念の適用
評価尺度は臨床転帰を改善するか
何を測定するか
評価尺度の心理測定学的妥当性検証
診断スクリーニング
うつ病関連の評価尺度
心理社会的機能
薬物有害作用の測定
疾患のステージング
統計学的概念の臨床上の意思決定への橋渡し
測定に基づくケアにおける機械学習の役割
第7章 仮説の検証と患者固有の決定木の作成
すべては検証可能な仮説である
パターン認識
アポフェニア的精神薬理学
仮説の生成と検証
仮説の生成と検証の区別
期待バイアスとは何か,それは評価と意思決定にどのように影響するか
逸話的観察が仮説の定式化に着想を与えるとき
起こりうる帰結と起こりにくい帰結
仮説の枠組み:具体的に Yes/No で答えうる問いを立てる
薬剤の用量反応関係に関するバイアス
患者自身が仮説を定式化し検証する方法を教える
患者固有の決定木の作成
文献の活用
第8章 反復的薬物療法における決定ポイント
適切な薬剤の中からの選択
反復的な臨床的思考態度を身につける:薬理学のチェスマスターになる
治療アルゴリズムと診療ガイドラインの限界
うつ病における反復的薬物療法
外れ値と一過性の変動
ある治療と別の治療の長所と短所を明確にする
最善 最悪尺度
精神症における反復的薬物療法
最初に変えるべき変数がどれかを知る
バックアップ計画と,バックアップ計画のバックアップ
臨床家自身のワーキングメモリはどうか
治療薬物モニタリングまたは薬理遺伝学は反復的薬物療法にどう位置づけられるか
薬物療法の無益性の認識と薬物療法に代わる選択肢
第9章 階層的で複雑な薬物療法の意思決定
反復的治療への階層的トリアージアプローチ
薬理学的作用機序のスペクトラム拡大
薬剤の切り替えとクロス テーパーの原則
うつ病に対するSSRIへの無反応:さてどうするか
危険な賭け:治療困難な疾患に対する積極的な薬剤併用
リスクとベネフィットの比較検討をさらに
症状クラスター:薬剤選択の指針となりうるか,なるべきか
難治性OCD
ADHD 治療における中枢刺激薬の耐性
困った,困った,困った不眠
薬物療法の意思決定に資する臨床検査ツール:薬理遺伝学の役割328
SNPで遊ぼう
(さらに)意思決定ツールとしての治療薬物モニタリング336
減処方のアート
薬理学的ジェンガ®
第10章 あらゆる意思決定モデルの構成要素の優先順位づけ
臨床的意思決定において最も重要なただ1 つの要因
臨床的意思決定において2 番目に重要な要因
特定の精神療法に対する基準と適応
適切な仕事に適切な道具を
意思決定プロセスにおける第三者の制約の影響についてひとこと
適応内/適応外使用とエビデンスに基づく薬物療法の区別
壊れていないなら直すな
その姿勢を保て
投与 中止 再投与( on-off-on )デザイン
いつ,どのようにして内なる統計家を呼び出すか
治療のエンドポイント再考
薬物療法の無益性に直面した際の緩和モデル
索引
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