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淺村・呼吸器外科手術【電子版】

淺村 尚生 (著)

出版社
金原出版
電子版ISBN
978-4-307-80288-8
電子版発売日
2021/05/24
ページ数
488ページ
 判型
B5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥35,200 (本体¥32,000+税10%)

印刷版ISBN
978-4-307-20288-6
印刷版発行年月
2012/07
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概要

呼吸器外科医としてこれまでに蓄積した手術手技の実際のノウハウを、単著でわかりやすくまとめた。単著であるからこそ書くことのできる“本音”の手術手技を解説している。手術手技の理論的背景を重視し、あえて失敗談などをも交えて解説することで、手技の本質に迫った。オリジナルの図を500枚以上掲載し、視覚的な理解を助けている。合併症に対するリカバリー手術、小手術、再手術なども解説した。

目次

序章
 1.私の呼吸器外科手術のルーツ
 2.外科医の心構え
  A.論理的な思考解析過程をもつ
  B.誤りを受け入れて修正する謙虚さと柔軟性をもつ
  C.外科医として患者への仁義を果たす
  D.常に状況を悪いほうに考える
  E.次はないと思え
  F.自分が知らないことは虚心坦懐に学ぶ
  G.よく勉強する
 3.呼吸器外科チームの在り方
  A.富士山型と八ヶ岳型の診療体制
  B.診療の方針

I.総論:呼吸器外科基本手技の総合的な理解
 I-1.呼吸器外科手術における開胸法と体位
  A.国立がんセンターにおける開胸術の変遷史
  B.“後側方開胸基本線”
  C.後側方小開胸法-通常の肺切除術で私が用いる開胸法
  D.前方開胸法-開胸基本線にのらない開胸法
  E.小開胸法
  F.開胸における体位の取り方
  G.閉胸について

 I-2.低侵襲手術に関する私の基本的な考え方
  A.私の胸腔鏡手術経験
  B.胸腔鏡手術の特性
  C.小開胸手術の特性
  D.私の現在の手術スタイル

 I-3.呼吸器外科基本手技のエレメント
  1.気管支に用いる基本手技
   A.気管支の“構造”(肺外気管支と肺内気管支)
   B.気管支断端の創傷治癒:“治癒しにくい理由”
   C.気管支の剥離法
   D.気管支断端閉鎖の基本-いわゆるSweet方向といわゆるOverholt方向-
   E.気管支断端の被覆
  2.肺血管に用いる基本手技
   A.肺血管に関する解剖学的考察
   B.血管壁の取扱い方
   C.肺血管剥離のための道具:電気メスかハサミか?
   D.肺血管の剥離法
   E.肺血管の切離
   F.止血のめどが立たない肺動脈の剥離はやってはいけない
   G.胸腔鏡下肺葉切除術と肺動脈の剥離法
   H.出血への対処
   I.重篤な出血
  3.肺実質に用いる基本手技
   A.肺実質、臓側胸膜損傷の修復・補修
   B.匍匐前進法
   C.厄介な肺(気腫性肺)への対応
  4.呼吸器外科手術のための手術器具
   A.呼吸器外科手術の器具の組合せ
   B.小開胸手術でぜひとも必要な器具類
   C.いざという時に備えておかなければならないもの
   D.必要な時に備えておきたい器具類
   E.ステープラー考
  5.胸腔ドレーン
   A.胸腔ドレーンの目的
   B.ドレーンの入れ方
   C.抜管の基準
   D.ドレーン挿入中の管理
   E.抜管の手技
  6.今日の呼吸器外科で必要とされる基本手技
   A.胸腔内手術と胸腔外手術
   B.深部でも通用する運針
   C.結紮方法(器械結紮)の工夫
  7-1.高度な呼吸器外科の基本手技-心嚢内血管処理
   A.心嚢内血管処理が必要な時
   B.心嚢の解剖-心嚢の折れ返りの構造
   C.心嚢内血管処理のテクニック
  7-2.高度な呼吸器外科の基本手技-癒着剥離術
   A.癒着剥離を行う手順
   B.癒着剥離の範囲:全面的か部分的か?
   C.横隔膜付近の癒着剥離
   D.胸膜癒着の剥離法の実際

II.各論:呼吸器外科手術手技
 II-1.肺葉切除術 Lobectomy
  A.肺葉切除術の基本的な考え方
  B.肺葉切除術の特性
 1.右上葉切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
 2.右中葉切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
  C.手順に関する考察
 3.右下葉切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
  C.上下・中下葉間の分葉不全に対する対処
 4.左上葉切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
  C.手順に関する考察
 5.左下葉切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
  C.上下葉間の分葉不全に対する対処
 6.右上中葉切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
 7.右中下葉切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
  C.手順に関する考察

 II-2.肺全摘術 Pneumonectomy
  A.肺全摘術の基本的な考え方
  B.肺全摘術の特性
  C.肺全摘術のテクニカルな特徴
 1.右肺全摘術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
 2.左肺全摘術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順

 II-3.肺楔状切除術あるいは肺部分切除術 Wedge resection
  A.肺楔状切除術の基本的な考え方
  B.楔状切除術のテクニカルな特徴
  C.手術手順

 II-4.肺区域切除術 Segmentectomy
  A.区域切除術の基本的な考え方
  B.区域切除術の特性
  C.区域切除術における肺実質の離断方法
  D.区域切除術の適応の考え方
  E.肺癌における根治術としての区域切除術-“テクニックマニア”に陥らないしっかりした考え方をもとう
 1.S6区域切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
 2.左上区域切除術(簡便型区域切除術)
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
 3.左舌区域切除術(簡便型区域切除術)
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
  C.左上下葉間に分葉不全がある時の上区域切除術、舌区域切除術に関する考察
 4.右上葉S3区域切除術(古典的区域切除術)
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
  C.縦隔型肺動脈のある場合の上区域切除術

 II-5.肺門・縦隔リンパ節郭清術 Hilar/mediastinal lymph node dissection
  A.リンパ節郭清とは?
  B.リンパ節マップ:歴史とIASLCマップの作成
  C.IASLCマップの特徴
  D.選択的縦隔郭清ということ
  E.縦隔郭清手技

 II-6.気管支形成術 Bronchoplastic procedures
  A.気管支形成術の基本的な考え方
  B.気管支形成術の考察
  C.気管支形成術における気管支の切断部位の決定
  D.粘膜下縫合と全層縫合
  E.一括結紮と順次結紮
  F.気管支形成術の吻合糸
  G.口径差の調整
  H.吻合部被覆の意義
 1.右スリーブ上葉切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
 2.右楔状スリーブ上葉切除術
  A.解剖学的な考察
  B.吻合手技
 3.左スリーブ上葉切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
 4.右スリーブ肺全摘術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手順
 5.左スリーブ肺全摘術に関するコメント

 II-7.気管管状切除術・吻合術 Tracheal resection/anastomosis
  A.気管の局所解剖
  B.気管へのアプローチ法の選択
  C.吻合テクニックの実際

 II-8.血管形成術のいろいろ Angioplasty
  A.肺動脈欠損部の縫合閉鎖
  B.肺動脈欠損部のパッチ閉鎖法
  C.肺動脈-肺動脈の端々吻合
  D.腕頭静脈-人工血管の端々吻合
  E.手順の実際

 II-9.他臓器の切除を含む拡大切除術 Extended resections
  A.拡大切除術の基本的な考え方:是か非か?
 1.胸壁合併切除術
  A.胸壁の切除と再建
  B.手術手順
 2.心膜合併切除術
  A.解剖学的な考察
  B.手術手技
 3.左房合併切除術
  A.症例(1)
  B.症例(2)
  C.手術手順

 II-10.肺尖部胸壁浸潤癌の切除術 Surgery for superior sulcus tumor(SST)
 1.“Superior sulcus tumor(SST)”についての歴史的な理解:肺尖部胸壁浸潤癌の臨床病理学的特性
 2.Superior sulcusはどこか?
 3.SSTに対する基本的な治療方針
 4.後方浸潤を主体とするSSTの切除術
  A.皮切とアプローチ
  B.手順考
  C.手術手技の実際
 5.前方浸潤を主体とするSSTの切除術
  A.皮切とアプローチ
  B.切除法の実際

 II-11.胸膜肺全摘術 Pleuropneumonectomy
  A.胸膜肺全摘術の基本的な考え方
  B.胸膜肺全摘術の特性
  C.右胸膜肺全摘術の手術手順

 II-12.呼吸器外科で必須とされる小手術 Minor procedures
 1.縦隔鏡検査
  A.縦隔鏡の目的
  B.麻酔と体位
  C.手術手順
 2.心嚢ドレナージ術
  A.心嚢ドレナージの考え方
  B.剣状突起下の解剖:心嚢との関係
  C.剣状突起下アプローチによる心嚢ドレナージ術の手技
 3.胸膜癒着術(タルク撒布術)
  A.胸膜癒着術の適応
  B.癒着剤について
  C.胸膜癒着術の実際

 II-13.合併症に対するリカバリー手術 Surgery for complications
 1.膿胸に対する開窓術
  A.開窓術の考え方
  B.開窓術に至る手順と注意点
  C.どのような時に開窓を決意するか
  D.開窓術の外科的な側面
  E.手術手順
 2.胸郭成形術
  A.胸郭成形術後の病態
  B.胸郭成形術のタイミング
  C.胸郭成形術の手術手技
 3.乳糜胸に対する胸管結紮術
  A.術後乳糜胸の考え方
  B.準備と方針
  C.手術手順
 4.胸骨正中切開後の胸骨接合部のし開
  A.胸骨接合部し開の原因
  B.胸骨接合部のし開時のメカニズム
  C.胸骨正中切開創感染の管理
  D.感染性の胸骨接合部のし開の管理
 5.術後出血に対する再開胸止血術
  A.術後出血における出血量の評価「ドレーン排液量と同量の血腫が胸腔内に存在すると思え」
  B.再開胸止血術におけるドレーン排液量と胸腔内血腫量の関係
  C.再開胸止血術の決断に至る考え方
  D.再開胸止血術の手術手技

 II-14.再手術 Re-operations
  A.再手術の特性
  B.再手術の外科的側面
  C.初回手術の術式が及ぼす影響
  D.再手術の各論

索引