ブラッシュアップ敗血症【電子版】
- 出版社
- 中外医学社
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2019/09/30
- ページ数
- 216ページ
- 判型
- A5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥3,520 (本体¥3,200+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-498-16614-1
- 印刷版発行年月
- 2019/09
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概要
救急・集中治療における最重要疾患の1つであるにもかかわらず,敗血症はその定義にすら,いまだ流動的な側面を残し,治療・管理においても不分明な点が多い.そのテーマに気鋭の救急救命医が挑んだ.
ハーバード大学で敗血症をはじめとする救急臨床・研究に研鑽を積んだ著者がおくる,類いまれなる1冊.敗血症と闘うすべての医療者のために.
目次
CHAPTER 1 敗血症とは何なのか?
敗血症とは? 歴史から考える
敗血症とは? メカニズムから考える
敗血症治療とは?
敗血症とは? 簡単にまとめると
COLUMN 風邪も敗血症?
CHAPTER 2 メカニズム
敗血症に関わるDAMPsとPAMPs
SIRSとCARS
メカニズムの解明に関する未来像
CHAPTER 3 敗血症の定義
敗血症の定義の変遷
qSOFAはICUで使用可能でしょうか?
病院前診療でのqSOFA
敵か,味方か,qSOFA! qSOFAの限界と可能性とは?
COLUMN qSOFAは肺炎に有効か?
CHAPTER 4 疫学・予後・認知度
敗血症の現況を知る
敗血症は肺の病気? 世間で知られていない敗血症
敗血症の公衆衛生的課題
COLUMN 世界敗血症連盟とは?
CHAPTER 5 診療ガイドラインの比較からみる諸外国の敗血症事情
Dr近藤の視点からみたSSCG 2016(米国と欧州合同の敗血症診療ガイドライン)
Dr近藤の視点からみたJ—SSCG 2016(日本版敗血症診療ガイドライン)
その他の敗血症ガイドライン
CHAPTER 6 敗血症とメタ解析
システマティックレビューとは?
実際にSRやメタ解析をやってみよう
敗血症とメタ解析の実例
COLUMN 重症患者における28日死亡と90日死亡の意義
CHAPTER 7 診断・重症度マーカー
CRP(C反応性タンパク)
プロカルシトニン(PCT:Procalcitonin)
プレセプシン(P—SEP:Presepsin)
インターロイキン6(IL—6)
COLUMN CRPで敗血症を診断していませんか?
CHAPTER 8 敗血症の身体所見
呼吸を評価しましょう
身体所見だけで血圧を推定する
肺の異常が推定できる身体所見とは?
肺雑音では雑音の聴こえる時期を意識する
COLUMN 敗血症の動脈圧波形
CHAPTER 9 敗血症の問診・カルテの書き方
敗血症の問診・カルテ記載で重要なポイント
敗血症における家族への問診の重要性
敗血症のカルテは“by system”で
COLUMN 妊娠と尿路感染性敗血症
CHAPTER 10 外傷後敗血症
外傷後敗血症とtwo—hit
体幹部の外傷後敗血症の予後は悪い
頭部外傷後の敗血症は?
外傷の疫学からみた敗血症
外傷後敗血症の未来
CHAPTER 11 熱傷後敗血症
熱傷の初期は敗血症にならない?
熱傷と水道水
熱傷後敗血症と栄養管理
熱傷後敗血症はなぜ治療が難しいのか?
敗血症管理を意識した熱傷のエキスパート的治療法
COLUMN 本当に熱傷の急性期には敗血症にならない?
CHAPTER 12 軟部組織感染による敗血症
軟部組織感染から敗血症に移行しやすい?
人食いバクテリアとは?
壊死性筋膜炎による敗血症
壊死性筋膜炎診断のTIPS;身体所見,finger test,そしてLRINECスコア
Fournier症候群
COLUMN Waterhouse—Friderichsen症候群を知っていますか?
CHAPTER 13 敗血症関連心停止
敗血症関連心停止の発症メカニズム
敗血症性心筋症とは?
敗血症関連心停止の治療
敗血症関連心停止の心拍再開後の治療
COLUMN 敗血症における体温
CHAPTER 14 敗血症関連脳症
敗血症関連脳症の病態
どのように診断するのか?
その治療法は?
その予後は?
敗血症関連脳症のトピックス
CHAPTER 15 モニター
モニターの特徴と弱点
血管内ボリュームの評価
目標血圧
CHAPTER 16 輸液
フルイドチャレンジは敗血症に有効か?
輸液をして血圧が上がればショック?
敗血症に適した輸液の量と種類は?
CHAPTER 17 抗菌薬治療
経験的抗菌薬投与
デエスカレーションが可能な状態を見極める
培養陰性の時にデエスカレーションは可能か?
病院前抗菌薬投与
細菌培養検査のピットフォール
COLUMN 抗菌薬投与で敗血症性ショックになる,ヤーリッシュ・へルクスハイマー反応を知っていますか?
CHAPTER 18 抗ウイルス薬治療
ウイルスによる敗血症の特徴
どのウイルスが敗血症を引き起こすのか?
各ウイルスの特徴と抗ウイルス薬
ウイルスが原因の敗血症の予後
CHAPTER 19 抗真菌薬治療
真菌による敗血症の診断
真菌の種類
侵襲性カンジダ血症
侵襲性アスペルギルス症
抗真菌薬による治療
CHAPTER 20 ドレナージ治療
膿瘍形成とドレナージ
感染性膵壊死とドレナージ
肝膿瘍とドレナージ
婦人科疾患のドレナージ
外科的ドレナージとカテーテルを用いた経皮的ドレナージ
COLUMN 不明熱と敗血症
CHAPTER 21 循環作動薬
循環作動薬の使い方
バソプレシンは使用すべきか?
腎保護目的の低用量ドパミン投与は有効か?
循環作動薬の最近のトピックス
COLUMN 敗血症で初発の心房細動の意義
CHAPTER 22 ECMO
ECMOの種類
敗血症性ショックに対するVA—ECMOの歴史
ガイドラインでの推奨
敗血症に対するECMOの適応基準
ECMOの禁忌
“これは敗血症性ショックに対するECMOでしょう!”
CHAPTER 23 敗血症性ARDSと人工呼吸管理
敗血症性ARDS
好中球エラスターゼ阻害薬
人工呼吸管理
ドライビングプレッシャー
敗血症性ARDSと気胸
CHAPTER 24 鎮痛と鎮静
鎮痛と鎮静の目的
最適な鎮静とは?
最適な鎮痛とは?
敗血症に合併するせん妄のマネジメント
新しいPADISガイドライン
CHAPTER 25 腎代替療法
RRTが敗血症にどう影響するのか?
RRTは早めにやるべきか?
High flow CHDFは有効か?
RRTは何を改善するのか?
Renal indicationにおけるRRTの日本の未来
CHAPTER 26 造影剤腎症と敗血症性腎障害
敗血症における造影CTの意義
造影CTの危険性
造影剤腎症にならないためには?
実はほとんどの敗血症は単純CTで十分?
薬物による造影剤腎症の防止は可能か?
CHAPTER 27 サイトカイン・エンドトキシン吸着
そもそもサイトカイン・エンドトキシンは吸着したほうがよいのか?
結局,PMX‒DHPは有効なのか?
セプザイリスって何?
エンドトキシン・サイトカイン吸着療法の未来
COLUMN ウロセプシス!
CHAPTER 28 輸血
赤血球と敗血症
凝固因子と敗血症
血小板と敗血症
CHAPTER 29 栄養
栄養が敗血症に及ぼす影響
敗血症患者には栄養が必要か?Permissive underfeedingを理解しよう
栄養はいつ,どこから投与するの?
栄養療法は予後を変えるか?
敗血症と栄養のトピックス
CHAPTER 30 血糖コントロール
敗血症と血糖
なぜ血糖を調節する必要があるのか?
至適血糖値はどのくらいか?
どのような方法で血糖をコントロールするか?
敗血症に人工膵臓を用いるか?
CHAPTER 31 敗血症と補体
補体経路と敗血症病態における変化
敗血症における補体活性化によるDICの発症
敗血症性DICと血栓性微小血管症
補体制御による新規治療薬の可能性
CHAPTER 32 敗血症性DIC
敗血症性DICの病態
敗血症性DICの診断
敗血症性DIC治療の変遷
ヘパリン類投与
リコンビナント・トロンボモジュリン補充療法
アンチトロンビン補充療法
敗血症性DICの未来
COLUMN 重症患者と成長ホルモン
CHAPTER 33 ステロイド補充療法
なぜ敗血症にステロイドなのか?
ステロイド補充は有効か? 無効か?
ステロイド投与による副作用
実際にステロイドを投与するか?
CHAPTER 34 高気圧酸素療法
高気圧酸素療法とは?
敗血症に高気圧酸素療法は有効か?
敗血症に高気圧酸素療法を行う場合,その設定はどうする?
高気圧酸素療法の安全性を意識しながら
CHAPTER 35 深部静脈血栓症予防
DVT発生のメカニズム
敗血症はDVTができやすいのか?
D—DimerでDVTを早期発見する?
敗血症にDVT予防は必要か?
DVT予防のためにすべきこと
COLUMN DVTの身体所見と超音波検査
CHAPTER 36 上部消化管潰瘍の予防
敗血症と潰瘍形成のリスク
抗潰瘍薬投与による敗血症患者への影響
抗潰瘍薬投与は敗血症患者に必要なのか?
抗潰瘍薬の種類による違い(PPI vs H2受容体拮抗薬)
COLUMN アカデミックキャリアの築き方
CHAPTER 37 社会復帰と再発
敗血症とPICS
敗血症とICU—AW
社会復帰に向けた取り組み
社会復帰後の敗血症の再発率
敗血症生存者のがんリスク
COLUMN 敗血症で認知機能障害は悪化する?
CHAPTER 38 小児敗血症
小児敗血症は何が難しい?
小児敗血症の定義はSepsis—3を使用すべき?
小児敗血症の1時間バンドル
小児敗血症のカテコラミンは何を使用すべき?
小児の敗血症は呼吸の評価が重要
COLUMN 小児敗血症の初期治療って誰がやるの?
CHAPTER 39 人工知能と敗血症治療
AIって何?
AIと敗血症
敗血症治療戦略においてAIドクターは人間を上回るか?
AIが人間を俯瞰する
COLUMN エンターテイメント エデュケーションと敗血症教育
CHAPTER 40 敗血症バンドル治療の変遷
EGDTとは?
EGDTからELGTヘ
敗血症とHour—1 bundle(1時間バンドル)
CHAPTER 41 医学英語論文の書き方
医学論文を書く前に準備すべきこと,大事なこと
論文のどこから手をつければいいの?
敗血症の臨床論文作成の特徴と注意点
COLUMN ナッジ理論を用いた臨床研究
CHAPTER 42 これからの敗血症の行く先
COLUMN 海外留学で世界と競う力をつける
索引