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運動失調のみかた,考えかた【電子版】

小脳と脊髄小脳変性症

宇川 義一 (編)

出版社
中外医学社
電子版ISBN
 
電子版発売日
2018/01/01
ページ数
358ページ
 判型
B5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥10,120 (本体¥9,200+税10%)

印刷版ISBN
978-4-498-22890-0
印刷版発行年月
2017/09
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概要

最新の知見から,臨床の現場で役立つ実践的な情報までを各領域の第一人者がまとめた決定版.

目次

小脳の基礎 小脳は何をしているのか
I-1 小脳の解剖  坂井建雄
 I 小脳の位置と外形
 II 小脳の区分
 III 小脳皮質の組織構築
 IV 小脳皮質の神経回路
 V 小脳の入出力経路

I-2 小脳の発生と機能  六車恵子
 I 小脳の内景と小脳皮質の細胞構築
 II ヒトにおける小脳の発生
 III 小脳神経細胞の発生
 IV 発生過程における前駆細胞の移動
 V 深部小脳核細胞の発生
 VI 発生異常と小脳疾患

I-3 小脳の運動学習と運動記憶の特徴  永雄総一
 I 小脳の神経回路
 II 平行線維─プルキンエ細胞シナプスの長期抑圧(LTD)
 III 眼球反射の適応とLTDの因果関係
 IV 片葉仮説をめぐる論争
 V 抑制性介在神経細胞のシナプス伝達可塑性と運動学習
 VI ゲイン学習の記憶痕跡の移動と分散効果
 VII 前庭核のゲイン学習の記憶痕跡の謎
 VIII 瞬き反射の条件付けとLTD
 IX タイミング学習の長期記憶痕跡
 X プリズム適応からみた随意運動における小脳運動学習の役割
 XI 小脳の運動記憶の特徴

I-4 歩行とは何か,小脳の役割  内藤 寛
 I 歩行の神経機構
 II 歩行の誘発
 III 歩行中枢とされるもの
 IV 姿勢制御と脳幹網様体
 V 姿勢制御と小脳
 VI バランス維持と補足運動野
 VII 筋緊張と歩行の制御
 VIII フィードフォワード制御と運動学習
 IX 歩行における小脳の役割
 X 失調性歩行(ataxic gait)とは
 XI 脊髄小脳変性症の歩行障害
 XII 歩行解析
   Cyclogramによる歩行解析

小脳症状の病態生理─診察,検査
II-1 小脳失調の診察,他の失調との鑑別  石井信之 望月仁志
 I 小脳症候診察時の注意点
 II 小脳失調の評価スケール
 III 小脳症候の分類
 IV 小脳症候の診察
 V 他の失調との鑑別

II-2 運動失調の本質,入力・出力・小脳自身  廣瀬源二郎
 I 小脳への入力系と出力系の基本
 II 前庭小脳(片葉・小節)への入力とその出力
 III 脊髄小脳への入力とその出力
 IV 大脳小脳への入力とその出力
 V 運動失調の本質

II-3 姿勢・筋トーヌス(筋緊張)と小脳障害での低トーヌス  高草木 薫
 I 運動制御の基本的な枠組み
 II 姿勢制御の必要条件
 III 姿勢制御に関与する脳幹─脊髄の運動性下行路
 IV 平衡・姿勢(身体のアラインメント)
 V 姿勢筋緊張の調節
 VI 小脳障害に伴う姿勢障害と低筋緊張の病態メカニズム

II-4 小脳と認知機能 東山雄一  田中章景
 I 解剖学的知見
 II 臨床的知見
 III Cerebellar Cognitive Affective Syndrome: CCAS
 IV 脊髄小脳変性症における認知機能障害
 V その他の疾患領域について
 VI 健常者脳画像解析からの知見
 VII 小脳損傷による認知機能障害のメカニズム

II-5 構音障害と小脳  生井友紀子
 I 発話を知る:構音と小脳
 II 発話を診る:構音障害の診察・検査・評価
 III 発話を診る:客観的検査(最近の研究から)

II-6 嚥下障害と小脳 中村雄作  磯野千春
 I 嚥下機能
 II 嚥下運動にかかわる神経支配
 III 嚥下機能と小脳の関連
 IV 嚥下機能の評価法
 V 脊髄小脳変性症の嚥下障害

II-7 小脳の非運動機能とその障害  福武敏夫
 はじめに−小脳は大脳の手綱を引いている
 I 小脳の非運動機能について知るための解剖学と研究史
 II 小脳の非運動機能の概説
 III 精神疾患における小脳の役割
 IV 脊髄小脳失調症(SCA)における非運動症状
 V その他の小脳主体に侵される疾患における非運動症状
 VI 3つの小脳性神経行動学的症候群

II-8 小脳と脊髄小脳変性症−眼球運動検査でわかること  寺尾安生
 I 衝動性眼球運動を調べるための眼球運動課題
 II 小脳疾患でよくみられる眼球運動異常
 III サッカードにおける衝動性眼球運動障害
 IV 小脳出力核のアクセル・ブレーキ機能を評価する
 V 小脳のperformance monitoringにおける役割
 VI 小脳疾患における視線解析
 VII 滑動性眼球運動における小脳の役割

II-9 眼振の発生機構  松本英之
 I 眼振
 II 前庭器と前庭神経
 III 前庭動眼反射と前庭性眼振
 IV 前庭性眼振の緩徐相の神経機構
 V 前庭性眼振の急速相の神経機構
 VI 視運動性眼振,視運動性後眼振
 VII 視運動性眼振の緩徐相の神経機構
 VIII Gaze holding function
 IX 注視眼振,反跳眼振,下眼瞼向き眼振

II-10 プリズム順応でわかること  花島律子
 I 小脳と知覚運動学習
 II プリズム順応
 III プリズム順応と小脳
 IV プリズム順応を用いた小脳機能障害の評価

II-11 タッピング解析でできること  徳重真一
 I タッピングとは
 II タッピング検査の実際
 III 小脳性運動失調とタッピング
 IV 時間認知とタッピング
 V 「時間的統合」と小脳疾患

II-12 文字のトラッキング  筧 慎治 李 鍾昊 鏡原康裕 本多武尊 吉田大峰 近藤敏之 三苫 博
 I 開発の背景
 II 病的運動パターンの計測とそのデジタル化
 III 「フィードフォワード制御」から「予測制御」へ
 IV 予測制御器とフィードバック制御器の分離
 V 小脳性運動障害における並列制御器の病態
 VI Kinect v2を用いた,汎用性の高い運動機能評価システムの開発

II-13 小脳の構造画像  齊藤麻美 青木茂樹
 I Conventional MRIによる画像診断
 II 萎縮の評価:volumetry
 III 鉄沈着の評価:定量的磁化率画像(quantitative susceptibility mapping: QSM)
 IV 微細構造の評価:拡散MRI

II-14 小脳変性疾患のMR:DTI,3DAC,MRSの原理と応用   五十嵐博中 松澤 等 高堂裕平 中田 力
 I DWIの原理
 II 拡散の異方性
 III DTI
 IV 3DAC
 V 1H-MRS
 VI 今後の方向性

II-15 神経機能画像でできること  板東杏太 花川 隆
 I fMRIの原理
 II fMRIの実験デザインと解析方法について
 III 大脳−小脳間の解剖学的結合と機能的結合
 IV 小脳の機能局在
 V SCDのfMRI研究
 VI 小脳を対象としたfMRIの問題点

小脳疾患の分子病態
III-1 遺伝子解析からわかってきたこと・わからないこと
(小脳疾患における分子遺伝学の成果と課題)  ?橋祐二 水澤英洋
 I 脊髄小脳変性症の分子遺伝学
 II 脊髄小脳変性症の遺伝子検査
 III 遺伝子解析からわかってきたこと
 IV 遺伝子解析で(現在のところ)わからないこと
 V SCDの遺伝子検査における課題
 VI J-CAT

III-2 遺伝性脊髄小脳変性症の分子病態  安藤昭一朗 他田正義 小野寺 理
 I ポリグルタミン鎖の異常伸長によるSCD
 II RNA結合蛋白質の機能喪失もしくはRAN translationの関与するSCD
 III 原因遺伝子のハプロ不全もしくは原因蛋白の機能喪失によるもの

III-3 孤発性SCDとはなにか 吉田邦広
 I はじめに ─孤発性とは?─
 II 孤発性SCDの主要病型 ─CCAとOPCA─
 III 孤発性SCDの診断
 IV 孤発性SCDの予後

III-4 ポリグルタミン病  藤田慶大 岡澤 均
 I ポリグルタミン病における核機能異常
 II ポリグルタミン病共通病態としてのDNA損傷修復不全
 III 遺伝子治療による脊髄小脳失調症モデルマウスの病態改善

III-5 シヌクレイン  吉田眞理
 I αシヌクレイン
 II 多系統萎縮症とαシヌクレイン
 III 多系統萎縮症の臨床病理像
 IV 偶発的GCI
 V MSAとパーキンソン病
 VI 家族性MSA
 VII PLA2G6のシヌクレイノパチー

III-6 タウ蛋白  嶋田裕之
 I 進行性核上性麻痺
 II 多系統萎縮症
 III 脊髄小脳失調症

III-7 遺伝性痙性対麻痺  石浦浩之
 I 遺伝性痙性対麻痺とは
 II 診断のポイントと鑑別疾患
 III 遺伝性痙性対麻痺の原因遺伝子と各タイプの特徴

III-8 プリオン仮説  菅野直人 長谷川隆文
 I プリオンの特徴,複製と伝播
 II プリオン仮説の定義
 III 多系統萎縮症におけるプリオン仮説
 IV 脊髄小脳変性症におけるプリオン仮説
 V 異常蛋白伝播を標的とした疾患修飾療法
 VI 神経変性疾患における免疫療法の現状
 VII プリオン仮説にもとづく免疫療法以外の疾患修飾療法の可能性

III-9 脊髄小脳変性症の神経病理  清水 宏 柿田明美
 I ポリグルタミン病
 II SCA31

小脳疾患の治療戦略
IV-1 薬物療法  他田正義 小野寺 理
 I SCDの内科的治療の現状
 II 治療介入試験による新規治療法の探索
 III SCDの治療介入試験の課題

IV-2 リハビリテーション 服部憲明 宮井一郎
 I 小脳障害による運動症状
 II 小脳障害と運動学習
 III リハにおける障害のとらえ方
 IV SCDの機能障害
 V SCDの能力障害
 VI SCDへリハ介入
 VII SCDの短期集中リハ介入研究
 VIII 継時的なリハ介入
 IX SCDのリハの課題

IV-3 HALと小脳障害  佐藤 聡 中島 孝
 I HALを使用した歩行運動療法
 II 小脳障害とそのメカニズムの考え方の概要
 III 小脳の構造と機能の概要
 IV 小脳失調に対する機能回復プログラムの問題点とHAL
 V SCDに対するHALの効果に関する探索的検討

IV-4 多系統萎縮症の治療戦略  三井 純
 I 多系統萎縮症の概略
 II 全体的な治療方針と予後
 III 自律神経障害の治療方針
 IV 小脳性運動失調の治療方針
 V パーキンソニズムの治療方針
 VI 嚥下・呼吸・睡眠障害の治療方針
 VII これまでに行われた無作為化プラセボ対照比較試験
 VIII 病態機序の解明と新たな治療法開発

索引