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高度救急へとつなぐ

とりあえずいまを乗り切る救命の考え方&テクニック【電子版】

竹内 一郎 (編著)

横浜市立大学救急医学主任教授/高度救命救急センター長

出版社
中外医学社
電子版ISBN
 
電子版発売日
2022/02/08
ページ数
265ページ
 判型
A5判
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥5,280 (本体¥4,800+税10%)

印刷版ISBN
978-4-498-16634-9
印刷版発行年月
2022/02
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概要

患者の移送には危険が伴う.目の前の患者をいかに安定化させ転院につなげるか,移送手段はどのように選択するか,行政や消防との連携はどうするのか.少ない人的,物的資源でもこれらの問題を解決し,治療成績向上を目指すためのエッセンスを凝縮.ますます集約化が進む医療現場において,高度救急まで患者を適切に届けるために「とりあえずいまできること」を整理し,次の一手の引き出しを増やすことは,臨床上の大きな武器となるだろう.

目次

第1章 緊急の患者の転院にあたっての注意事項
総論
  1.転院にあたっての総論 〈竹内一郎〉
  2.コロナ患者の転院搬送と集約化 〈本澤大志〉
   転院搬送中の二次感染予防について
   変化する感染フェーズと転院搬送の考え方
   COVID-19患者の集約化と病院間の役割分担
   重症呼吸不全症例におけるECMO装着下での転院について
  3.転送にあたっての患者状態の評価 〈古谷良輔 佐藤公亮 大塚 剛〉
   患者転送はdispositionの1つである
   救急患者の転送:都市部の実情と中小病院の問題点
   患者転送時に考慮すべきこととは何か

各論1.搬送手段の確保とそれぞれの移送中の注意事項
  1.ドクターヘリ 〈藤田健亮〉
   ドクターヘリとは
   ドクターヘリの運用
   ドクターヘリの活用
   ドクターヘリ搬送が適切かどうかの判断
   ドクターヘリを要請する
   ドクターヘリを要請したら
     ■Column 実際の症例を元に
  2.ドクターカー 〈栩木愛登〉
   ドクターカーとはなにか
   ドクターカーの車両
   ドクターカーの運用形態
   ドクターカーができることとその準備
   ドッキングの際の注意点
     ■Column 「ドクターカー休眠・・・」
  3.救急車 〈大井康史〉
   転院搬送のメリットを知ろう
   転院搬送のデメリットを知ろう
   転院搬送は患者のここに目を向けよう
   救急車について知ろう
   転院搬送ガイドラインを知ろう
  4.消防ヘリ 〈竹内一郎〉
   搬送手段の選択─救急車かヘリか固定翼か─
   消防ヘリによる転院

各論2.転院先病院が必要な情報とは 〈土井智喜〉

第2章 それぞれの疾患の緊急転院にあたり,いますべきこと
  1.ICUからの転院 〈岩下眞之〉
   二次救急医療機関のICUから三次救急医療機関への転院を考慮するべき症例
   三次救急医療機関への転院搬送基準
   ICU入室トリアージツール
   安全な搬送のための患者の安定化と準備
   転送前の挿入デバイスチェック
   詳細な患者情報は後からで良く,まずは迅速な転送
   ICU患者の転院搬送中の患者管理
  2.ERからの転院 〈高橋耕平〉
   ERからの転送に関わる原則
   緊急度・重症度の判断
     ■Column 輸液に反応しない出血性ショックに確定診断をしている場合ではない
   医療リソースの把握
   転送に関わるリスク評価
   転送のためのパッケージング
   病院間ネットワークの構築
     (Column)  サブスペシャリティをもたぬ救急医 〈高橋耕平〉
  3.外傷患者の転院:緊急手術・IVRが必要な症例 〈船曵知弘〉
   緊急手術とは
   IVRとは
   外傷患者における緊急の観血的止血術やIVRの適応
   転送先では何が行われるのか
   advancedな知識
   高度救命からの提言
   転送において注意すべきこと
   緊急IVRの具体的ケース
     (Column)  救急医としてのサブスペシャリティについて 〈船曵知弘〉
  4.敗血症患者の転院 〈中山祐介〉
   敗血症の診断と初期蘇生
   感染症への介入
   画像検査
   感染巣への外科的介入
   抗菌薬投与
  5.循環器救急の症例 〈佐藤伸洋 目黒健太郎 阿古潤哉〉
   救急現場での心疾患
   循環補助装置
   初期治療と転院搬送の判断
   循環補助装置装着患者の搬送
  6.脳疾患患者の転院:転院決定の判断と搬送までの対処 〈横堀將司〉
   患者の初期評価と転院決定の判断
   病歴聴取のポイント
     (Column)  救急医学におけるチーム医療を考える 〈横堀將司〉
  7.整形外科外傷の転院 〈普久原朝海〉
   多発外傷
     ■Column 脊椎外傷
   骨盤輪骨折
     ■Column 高齢者脆弱性骨盤輪骨折
   開放骨折
   関節内骨折・骨幹部粉砕骨折・転位の大きな骨折
   関節脱臼
   血管損傷・切断肢・切断指
   コンパートメント症候群
     ■Column 整形外傷医とは
     (Column)  救急医療における「整形外科外傷」という専門性について 〈普久原朝海〉
  8.VV-ECMO症例の転院 〈萩原祥弘 小倉崇以〉
   重症呼吸不全症例の施設間搬送の形態とは
   なぜVV-ECMO症例を集約化する必要があるのか
   どのような場合に三次医療機関に転送を考慮すべきか
   転院までにどのように安定化して,どのような準備をすべきか
   ECMO primary transportの概略を理解する
   集約化のために必要なこと
     (Column)  “総合病院の中の救急科の立ち位置”〈小倉崇以 萩原祥弘〉
  9.特殊な感染症(はしかや中毒など) 〈赤坂 理 阿南英明〉
   麻疹
     ■Column 国内の麻疹発生状況について
   破傷風
   壊死性筋膜炎(重症軟部組織感染)
   インフルエンザ(インフルエンザウイルス感染症)
     ■Column 季節性インフルエンザと新型インフルエンザ
   マラリア
   感染性心内膜炎
   急性中毒
  10.重症熱傷患者の転院 〈黒柳美里〉
   重症熱傷の初期対応
   重症熱傷患者の転院搬送
   高度救命救急センターからの提言

第3章 転院にあたっての留意事項
  1.看護の視点から 〈友永知恵〉
   救急看護とは
   救急部門の看護師の役割と看護実践
   患者転送のタイミングと,転送に関わる看護師の役割
  2.ソーシャルワーカーの視点から 〈青柳一輝〉
   入院時の患者の社会背景の確認について
   社会的ハイリスクを抱えた方への対応について
   どのような社会的・公的制度が活用できるのか
  3.消防の視点から 〈長嶌惣一郎 下枝昌司〉
   転院搬送ガイドラインの作成に至った経緯
   救急車以外の搬送手段
   転院搬送ガイドライン運用後の効果
   医療機関との連携
   回転翼航空機を活用した転院搬送
   国による検討

索引