超改訂版 流れがわかる学会・発表論文作成 How To【電子版】
- 出版社
- メディカルレビュー社
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2024/02/12
- ページ数
- 248ページ
- 判型
- B5判
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥4,180 (本体¥3,800+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-7792-2673-1
- 印刷版発行年月
- 2023/12
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概要
症例報告をテーマとしている本書の読者として想定しているのは,若手の医師や医学生はもちろん,薬剤師,看護師,理学療法士など,臨床に携わりながらさまざまな形で「症例」に関する報告を行う可能性のある医療関係のみなさんです。きっと今この文章を読んでくださっているのは,学会や研究会で症例発表をしなければならないけれど,何かよい参考書はないだろうか? あるいは論文を書いてみたいけれど,どこから手を付けてよいのだろう? といった疑問や不安を抱いている方ではないかと思います。本書はまさに,そんなあなたのために書かれています。本書には,私自身がこれまでに見出したさまざまなノウハウを系統立てて盛り込んでいますので,本書を片手に症例報告の準備を進めていただければ,あるいは発表準備の過程で必要に応じて本書に立ち返っていただければ,きっとあなたのご期待に沿うことができるでしょう。
加えて本書の役割は,目の前の症例発表の準備にとどまらないと考えています。医師の世界で症例報告は,どちらかというと初心者向けと思われがちです。しかし,症例報告にしっかり取り組むことで,将来本格的な研究を行ううえで欠くことのできないさまざまな技術や考え方,すなわちアカデミックスキルを学ぶことができます。本書のサブタイトル「症例報告で身につける,『一生モノ』のアカデミックスキル」には,まさにそうした症例報告が果たすべき役割についての私の思いを込めたつもりですし,今回の全面改訂にあたっては,読者のみなさんが症例報告の準備のなかで,「その先にあるもの」にも目が向くように配慮しました。
振り返れば本書の初版は,私がまだ研修医を修了したばかりの20 代の頃,当時は書籍という形では見当たらず,一子相伝で学ぶのが主体だった症例報告に関するノウハウを,師匠である和田洋巳先生(京都大学名誉教授)と先輩である故 中村隆之先生のお力を借りて一冊の本にまとめたものでした。それから約20 年,私自身は国内外での臨床・研究の経験を経て多くの学会発表,論文執筆を行い,また数多くの後輩たちを指導してきました。自分のキャリアを振り返ってあらためて強く感じるのは,症例報告を通して身につけるアカデミックスキルが,いかにその後の本格的な研究において役に立つかということです。読者のみなさんが本書を通じて目の前の症例報告をしっかりやり遂げ,さらにはこの機会を通じて今後の学術活動に必要な基本を身につけて,将来の医学・医療の発展に貢献してくだされば,著者としては望外の幸せです。
(佐藤 雅昭「超改訂版 序」より)
目次
1 すべては「症例報告」から始まった
2 - 1 学会発表・論文作成の意義① ─日常臨床にくさびを打つ!
2 - 2 学会発表・論文作成の意義② ─エビデンスとしての症例報告
2 - 3 学会発表・論文作成の意義③ ─情報発信型医師として成長する
3 日常臨床から症例報告までのホップ・ステップ・ジャンプ
第1 章 テーマ選びから土台づくりまで
1 症例報告─テーマの選び方
2 3段階の文献検索
3 文献管理ソフトを使いこなす
4 データ収集と効果的な発表準備
第2 章 学会発表をしてみよう!
1 抄録の準備と演題名
2 - 1 一生モノのスライド作成法① ─見やすいスライドづくりのコツ
2 - 2 一生モノのスライド作成法②─「魔法の6行ルール」でイイタイコトを極める
2 - 3 一生モノのスライド作成法③─ビジュアルに訴えるスライドづくり
3 プレゼンテーションの全体像とパート別のスライド作成
4 口頭発表のコツとPitfall
5 オンライン発表のコツとPitfall
6 ポスター発表をしてみよう
第3 章 論文を執筆してみよう!
1 論文を書く意義を知ろう
2 症例報告の戦略的な執筆
3 英語論文執筆のエッセンス
4 英借文7つのテクニック
5 【緒言・Introduction】を書く
6 【症例・Case】を書く
7 【図表・Figure/Table】を整える
8 【考察・Discussion】を書く
9 【要約・Abstract】をまとめタイトルを再考する
第4 章 論文をFINISH させよう!
1 執筆を終えてからpublicationまでの長い道のり
2 他人に読んでもらえる論文に仕上げる
3 Rejectされても立ち上がれ!
4 査読者のコメントに答えreviseする
5 論文がacceptされたら
Epilogue より戦略的な発表と,その先へ
1 戦略① 学会発表と論文執筆はセットで考える
2 戦略② 学会発表や予演会でのディスカッションを論文に生かそう
3 戦略③ 学会発表・論文執筆のための時間術を身につける
4 戦略④ 自分の成果を記録に残す
5 戦略⑤ 症例報告の先にあるものを目指す