免疫力を見極める 非結核性抗酸菌症(MAC症)診療
近年,非結核性抗酸菌症(MAC症)は呼吸器科医の悩みの種となっている.ガイドラインに従って治療をしてもなかなか菌が根絶できず,ようやく長い治療を終えてもすぐに再発して戻ってくる.かと思えば,特段の治療をせずとも,10年以上も健康に過ごす患者さんもいる.空洞と見間違えやすい気管支拡張症,見落としやすい肺癌の陰影,関節リウマチとの合併症例……などなど.悩んでいるのは医師だけではない.患者は終わりの見えない長期服薬治療に不安を抱え,味覚障害などの副作用によって著しくQOLが損なわれている.そのような悩みに真摯に向き合い,医師・患者の両方から高い評価を得ている著者が,どのようにすればMAC症をコントロールできるのか理論化を試みる!1人1人の患者に丁寧に接することで見えてきたものとは? 免疫力,運動療法,結核病との比較……ガイドラインに書いていないけれども,本書を一読したあなたは思わず「その経験が自分にもある!」「それが知りたかった!」と膝を叩くことだろう.著者20年の経験とわが国の結核病学の蓄積に基づく,まさに集大成とも言うべき一冊.
実験医学増刊 Vol.43 No.2
【特集】創薬の不可能を可能にする 中分子ペプチド医薬 もはやペプチドを医薬品にするのは難しい時代ではない! 環状化やアミノ酸の改変により,経口投与が可能となり,研究・開発が加速度的に進行中.その最新知見を把握し新薬開発に活かすための1冊.
看護のピンチ2
現場でよく見られるピンチの場面を振り返って、何をどうすればトラブルを防ぐことができたのか、予見と防止のポイントと鉄則を示します!
3つのポイントで現場の『ヒヤリ』を切り抜けよう!
・気管挿管困難であるのはわかっていたが挿管に30分以上かかってしまった!
・昇圧薬のノルアドレナリンを開始したが血圧が上昇しない! 指示量の1/10で調剤していた!
・体位変換で抜けかかった気管切開チューブを押し込んだ。数分後、SpO2が低下した!
・せん妄状態で暴れている患者さんに襲いかかられ、看護師が持っていたPHSの紐で首を絞められてしまった!
臨床眼科 Vol.78 No.5
特集 第77回 日本臨床眼科学会講演集[3] 読者からの厚い信頼に支えられた原著系眼科専門誌。厳選された投稿論文のほか、眼科領域では最大規模の日本臨床眼科学会の学会原著論文を掲載。「今月の話題」では、気鋭の学究や臨床家、斯界のエキスパートに、話題性の高いテーマをじっくり掘り下げていただく。最新知識が網羅された好評の増刊号も例年通り秋に発行。 (ISSN 0370-5579)
月刊、増刊号を含む年13冊
臨床皮膚科 Vol.77 No.2
さまざまな症例や治療成績が全国から寄せられる原著系皮膚科専門誌。写真はオールカラーで、『臨床皮膚科』ならではのクオリティ。注目の論文は「今月の症例」として、編集委員が読み処のアドバイスを添えて掲載する。増刊号「最近のトピックス」は、知識を毎年アップデートできる定番シリーズ。 (ISSN 0021-4973)
月刊、増刊号を含む年13冊
在宅ケアのための判断力トレーニング
訪問看護師の思考が見える
複雑な状況を前に一人での判断が求められる在宅ケア現場での「判断力」を養う本。何を見て、何を考え、どう道筋をつけてケアを組み立てるのか。そしてどう動き、何に備えるのか。在宅医療の現場で「命と暮らしを守る訪問看護師」の思考過程を深読みしながら、包括的情報のなかでの判断力を身に付ける。判断力を高める方法として臨床推論、フレームワーク、リフレクション、認知バイアスについても分かりやすく解説する。
J. of Clinical Rehabilitation 29巻3号
社会的行動障害へのアプローチ
高次脳機能障害へのリハビリテーション(以下リハ)医療の取り組みとして,2001年より開始されたモデル事業時代の実態調査でも,社会的行動障害は高次脳機能障害の症状として頻度の多い4大症状の一つとして挙げられた.社会的行動障害と一言で表されるが,その状態は多岐にわたり,固執性,易怒性,意欲低下,病識欠如等多くの病態を含む「社会参加の制限につながる行動障害」の総称である.リハ医療がどのようにこの障害に取り組んでいけばよいのか,現場では日々苦慮している状況にある.
高次脳機能障害の支援が全国的に事業化され,10年余り経過する中で支援のうまくいかない困難事例の大部分が社会的行動障害の強い事例であると考えられ,2016年~2018年に厚生労働科学研究で社会的行動障害の実態調査が実施された.その詳細な報告およびその成果物として「社会的行動障害への対応と支援」というマニュアルが昨年7月に公開された.そのような動きの中,本誌で社会的行動障害にスポットライトを当てる特集を企画した次第である.
本特集では,まず社会的行動障害についての概説,さらに2016年度より実施された実態調査の結果について,高次脳機能障害支援事業の開始当初から中心的にご活躍された中島八十一先生に解説していただいた.次に,多くの精神症状・行動障害の中で頻度の多い「易怒性,感情コントロール障害」「意欲・発動性低下」にターゲットを絞り,それぞれ京都大学の上田敬太先生,埼玉総合リハビリテーションセンターの先崎 章先生に執筆いただいた.これらの精神科医療との狭間にある症状に対する薬物治療の実際と,リハ医療でも実践可能な非薬物的治療(心理療法,環境調整等)にも言及していただいている.また社会的行動障害は当事者の社会参加を制限するにとどまらず,介護者,特に家族に大きな負担感を与える障害であることから,家族支援をテーマに東京慈恵会医科大学の渡邉 修先生に執筆いただいた.最後に,社会的行動障害の一端ではあるが,起きてしまうと大きな問題となる「触法行為」を取り上げ,触法行為と精神障害の関係,鑑定書・意見書を求められたときの留意点等を弁護士の中井克洋先生に解説いただいた.
本特集では,「明日からの診療に役に立つ情報をお届けする」をテーマに企画したが,それぞれの領域の第一人者の先生方にご執筆いただくことができ,大変充実した内容になったと考えている.本特集が高次脳機能障害患者の社会的行動障害の対応に日々苦慮する先生方の診療の一助となればと期待している.(編集委員会)
もっとよくわかる!エピジェネティクス
環境に応じて細胞の個性を生むプログラム
生物にとってエピジェネティクスはなぜ必要なのか,その本質を丁寧に解説した入門テキスト.分子メカニズムから関連する生命現象や疾患までを収載し,基本原理と分子・現象をつなぎ合わせて理解できる一冊.
流行る! 翔和仁誠会流クリニック開業術
約20年前にクリニックを開業,その2年後には法人化・分院展開を行い,出店と撤退を繰り返しながらも店舗数を増やし続け,現在は首都圏で15院を経営する翔和仁誠会.その道程は常に順風満帆ではありませんでしたが,確固たる経営戦略に基づき盤石な経営体制を築き上げました.本書では翔和仁誠会の医院経営における成功と失敗を具体的に分析しながら,経験ベースで「流行る」クリニックの経営術を紹介します.
臨床外科 Vol.72 No.5
特集 百花繚乱! エネルギーデバイスを使いこなす〔特別付録Web動画付き〕 超音波凝固切開装置と血管シーリング装置の登場で内視鏡手術が大きく進歩し,開腹手術にも使用されるようになった.以前からあるモノポーラに代表される高周波手術機器についても,さまざまな出力モードを備え,内視鏡下で使用されるようになってきている.近年,腹腔鏡下肝切除が普及したのは,このような各種エネルギー機器の進歩が大きい.
これらの機器の特徴を生かし,場面ごとで使い分けたいところではあるが,多くがディスポーザブル機器であるのでコストの問題もあり,手術の時間や出血量の軽減,クオリティと,経済性とのバランスが求められている.また,超音波凝固切開装置では当初からキャビテーションによる周囲組織損傷が指摘されていたが,これらのエネルギー機器全般において,発生する熱による臓器への影響や損傷が重要な問題点である.
本特集では,各種エネルギー装置の原理,特性,使用法のコツ,注意点などをエキスパートが解説する.
