
社会保険旬報 №2979
《論評》「製薬・医療機器メーカーにおける患者中心主義と理念としての浸透」日笠山聡・真野俊樹
患者中心主義(Patient Centricity:ペイシェントセントリシティ)は、医療提供のあらゆる場面で患者の価値観やニーズ、治療アウトカムを最優先に考える理念である。医療現場のみならず、近年、グローバル市場での競争激化や規制強化を背景に、製薬・医療機器産業においてペイシェントセントリシティは企業の信頼性や持続的成長の条件として認識されつつある。欧米では臨床試験設計や上市後の安全性管理など、事業プロセス全般にペイシェントセントリシティを反映する事例が多く、日本でもこの動きは加速している。
国内の主要製薬・医療機器メーカーの経営理念を分析すると、表現や重点領域は異なるものの、多くの企業が「患者の健康」「命」「生活の質」など、ペイシェントセントリシティの要素を理念の中に組み込んでいることが確認できる。ただし、その具体化や強調度合いは企業ごとに差があり、事業構造や歴史、企業文化が影響していると考えられる。
こうした背景から、本稿では製薬・医療機器メーカーを対象に、経営理念および患者中心主義の共感度・浸透度に関するアンケート調査を実施し、その現状と課題を分析した。

小児科 Vol.66 No.10
小児感染症関連の症例報告
特集では小児診療の場で見逃せない,小児感染症にかかわる貴重な症例報告を集めました.そのほか,生成AIの小児診療における活用法・注意点や,市販薬の乱用防止,最新の母乳の科学的知見など幅広い話題を掲載しています.

国立スポーツ科学センター メディカルチェックハンドブック
国立スポーツ科学センター(JISS)が,2001年の開所以来実施してきたアスリートのメディカルチェックに関して,現在の具体的な実施内容や活用が可能な範囲のデータを凝縮した実践書.事前準備から評価・フィードバックまでに至る流れをはじめ,各診療科の評価時の注意点や問診票・帳票の見本なども収載し,解説.全国のメディカルチェックを実施,または検討している機関や団体,それらに携わる医療者に役立てていただきたい一冊.

エキスパートナース Vol.41 No.13
◆「この冬/これから流行するかも?」な感染症に備えよう
◆学び直し+実践力アップ 看護に必要な知識の総復習

エキスパートナース Vol.41 No.14
入退院支援&社会資源の最新ポイント
退院後の生活を支える25の制度・サービスに関する解説つき!
・病院での治療から在宅療養までを、切れ目のないものとするために
・院内の多職種や地域の医療従事者と連携していくために
→病棟の看護師が知っておきたい入退院支援&社会資源の最新知識を徹底解説!
PART1 最新の動向&入退院支援の流れをつかもう
PART2 社会資源の制度・サービスについておさえよう
PART3 入退院支援を行うにあたっておさえたい患者対応の要点

新 発達心臓病学
先天性心疾患,小児循環器のバイブルが大きくアップデートし新装版になりました.
1989年の初版から受け継ぐ伝統と最新のエビデンスを合わせた唯一無二の教科書!多様性や個体差を尊重した診療の視点が強調されると同時に、近年整備されてきた国際的な診療ガイドラインや分類体系との整合性、国内のガイドラインに配慮し、読者が国内外の標準的診療にも対応できるように配慮しました。
循環器内科・心臓外科・産婦人科・麻酔科、そして取り巻く社会との密接な連携による包括的診療体制が整備され、ライフステージを見据えた継続的ケアが実践されるようになった今日の臨床現場で必要となる小児循環器,先天性心疾患を体系的に学ぶための最良書.

えあちゃん的「とうにょうびょう」論
医者(糖尿病専門医)で患者(1型糖尿病当事者)だからこその視点で描く
ケアにつながる新感覚のわかりやすい糖尿病の本ができました
・糖尿病は日本人の6人に1人がかかるといわれます。医療者であれば、病棟でも外来でも、日常的に糖尿病の患者さんと接していることでしょう
・糖尿病の患者さんは、生活習慣を整えて血糖管理を行い、将来合併症で困らないよう、日々がんばっていますが、偏見による不利益を被ったり、医療者の何気ない言葉やふるまいによってつらい思いをしたりこともあります
・当事者だからこそわかる「患者さんのほんとの気持ちや知りたいこと」と、専門医だからこそわかる「医療者が知っておきたい、治療やケアにつながる、ささやかだけれど大事なこと」がバランスよく学べる1冊です
<おもな内容>
Part1 “糖尿病/diabetes”って何?
Part2 医療者ができる支援は基本的に2つだけ
Part3 医者で患者のわたしが伝える支援のポイント
Part4 医者で患者のわたしが伝えるお役立ち情報

小児看護2025年11月号
重症心身障害児の「生きる」を支える 医学の発展により、重い障害のあるこどもが在宅で暮らせるようになっている。いのちを保つために質の高い医療処置や看護ケアが提供されているが、彼らが「生きる」ためには本人・家族のQOLや、本人の意思決定が尊重されることも重要である。本特集では重症心身障害児の「平常時」、またレスパイトなどの「準緊急時」、災害時などの「非常時」に焦点をあてて、彼らが「生きる」ために行われている支援を紹介する。

ねころんで読めるアレルギー
【最新の知見に基づいたアレルギーの入門書】
原因や症状が多岐にわたるため理解しづらく、臨床現場での対応がむずかしいアレルギーを、ユーモラスな例えと四コママンガを交えてわかりやすく解説する。日本人の約1/3が罹患しているアレルギーに興味がある医療者にとって最適な1冊。

医学のあゆみ295巻3号
肺炎診療マネジメント――ガイドライン改訂のポイントと今後の課題
企画:迎 寛(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器内科学分野)
・「成人肺炎診療ガイドライン2024」は,欧米のガイドラインを参考にしながら,超高齢社会である日本の医療情勢にフィットするよう医療・介護関連肺炎(NHCAP)を残すという独自性をもつ.さらに,さまざまなウイルスが呼吸器感染症の原因微生物として認知されるようになってきたことから,ウイルス性肺炎の項目を追加するなど,質の高いガイドラインとして進化した.
・本特集では,ガイドライン作成の中心的役割を担ったエキスパートたちが,市中肺炎や院内肺炎,NHCAP,ウイルス性肺炎,誤嚥性肺炎,検査法や予防法などについて,ガイドラインにおけるポイントや課題をあげながら,そのエッセンスを解説する.

臨牀消化器内科 Vol.40 No.12
■特集:肝疾患治療の最新動向 ―新薬の情報とともに
今回の特集ではC型肝炎を含めたさまざまな肝疾患の治療薬を,現在それぞれの分野の最前線で治療に当たっている医師にまとめていただいた.ウイルスを排除することがそのまま予後の改善につながったC型肝炎と違い,他の疾患の制圧への道は平坦ではないかもしれないが,治療薬の登場はそのマイルストーンであることは間違いない.

J. of Clinical Rehabilitation 34巻11号
Spastic Movement Disorder(SMD)に対する総合的リハビリテーション治療
●痙縮に起因する運動障害は,Spastic Movement Disorder(SMD)とよばれており,筋痙縮という神経症候のみをとらえたものではなく,それに伴う運動機能の障害を含み,日常生活活動への障害を含めた広範な概念でもあり,「活動を育む」リハビリテーション医療にとって重要な概念である
●本特集では、痙縮のみに留まらす,痙縮をSMDというが概念から捉えなおし,長期的ケアや多角的な治療を含めて,総合的なリハビリテーション治療の道筋を解説する.

Medical Technology 53巻10号
在宅輸血のいろは ―現状と課題をおさえる
●在宅医療の広がりとともに,赤血球だけでなく血小板輸血も増加しています.輸血検査,血液の保管・搬送,副反応への対応など,在宅ならではの課題も多く存在します.
●本特集では,医師・看護師・血液センター・学会・在宅医療機関など多職種の視点から,在宅輸血の現状と課題を多角的に紹介します.

生体の科学 Vol.76 No.5
増大特集 ワクチン開発 生命科学・生物科学領域における最先端の研究を、毎号特集形式により紹介。神経科学はもとより分子生物学・酵素科学・栄養科学にいたる領域も含め、注目されるトピックテーマの最新情報を提供する。 (ISSN 0370-9531)
隔月刊(偶数月)、増大号を含む年6冊

medicina Vol.62 No.11
特集 深掘り! エッセンシャル漢方 1対1対応の一歩先へ 内科診療に不可欠な情報をわかりやすくお届けする総合臨床誌。通常号では内科領域のさまざまなテーマを特集形式で取り上げるとともに、連載では注目のトピックスを掘り下げる。また、領域横断的なテーマの増刊号、増大号も発行。知識のアップデートと、技術のブラッシュアップに! (ISSN 0025-7699)
月刊、増刊号と増大号を含む年13冊

胃と腸 Vol.60 No.10
「胃と腸」式 読影問題集2025 症例から学ぶ診断のポイント 消化管の形態診断学を中心とした専門誌。毎月の特集では最新の知見を取り上げ、内科、外科、病理の連携により、治療につながる診断学の向上をめざす。症例報告も含め、消化管関連疾患の美麗なX線・内視鏡写真と病理写真を提示。希少疾患も最新の画像で深く学べる。年2回増大号を発行。 (ISSN 0536-2180)
月刊、増大号2冊を含む年12冊

総合リハビリテーション Vol.53 No.10
特集 どうしていますか 下肢装具 リハビリテーション領域をリードする総合誌。リハビリテーションに携わるあらゆる職種に向け、特集形式で注目の話題を解説。入門講座、実践講座をはじめとした連載では、リハビリテーションをめぐる最新知識や技術を簡潔に紹介。投稿論文の審査、掲載にも力を入れている。 (ISSN 0386-9822)
月刊、年12冊

検査と技術 Vol.53 No.11
若手臨床検査技師、臨床検査技師をめざす学生を対象に、臨床検査技師の「知りたい!」にこたえる総合誌。日常検査業務のスキルアップや知識の向上に役立つ情報が満載! 国試問題、解答と解説を年1回掲載。増大号は年2冊(2・8月号)に発行。 (ISSN 0301-2611)
月刊、増大号2冊(2月・8月)を含む年12冊

眼科 Vol.67 No.11
遺伝性網膜疾患の最新情報
今月号の特集は「遺伝性網膜疾患の最新情報」です。一般眼科医には難解で治療手段の乏しかった本疾患ですが、近年は技術革新に伴いその診療についてさまざまな進歩がみられています。日々の臨床現場での対応をアップデートし患者さんからの質問に答えられるよう、本特集で知識を整理してはいかがでしょうか。その他、「薬剤性角結膜障害」と「加齢に伴う視機能変化」に関する有用な綜説、連載や投稿論文共々、是非ご一読ください。

臨床栄養 147巻5号
味覚障害・味覚異常の最新情報
●日本口腔・咽頭科学会の調査によると、味覚障害は60歳以上の高齢者に多く、男女比は2:3. 患者数は過去30年で2倍に増加し、診療体制の整備が急務とされています. QOL低下の観点からも、対応の重要性が高まっています.
●亜鉛補充療法が知られる一方で、効果がないケースも存在. 味覚機能の低下だけでなく、感覚統合や情動の関与による味覚認知機能の歪みが原因となることもあり、フレイルやうつとの関連も指摘されています.
●本特集では、味覚障害の多面性を理解し、患者の「食べる楽しみ」を支えるための栄養指導や食事工夫の実践例を紹介. 栄養士・管理栄養士に向けた、現場で役立つ知識が詰まった一冊です.