
社会保険旬報 №2967
《論評》今こそ、診療報酬に“アウトカム”の視点を 鈴木康裕
米国のA. Donabedianはその1966年の論文 の中で、医療の質を評価する指標としてストラクチャー、プロセス、アウトカムの3つをあげ、これは後にDonabedian modelと呼ばれるものとなった。翻って、我が国における診療報酬の評価は、医薬品、医療材料や機器等の「モノ」の費用に関する部分を除けば、主に、「良い医療」を提供するにふさわしい体制が整っているかを評価すると考えられるストラクチャー(体制)評価の側面から行われている。例えば、一般病棟入院基本料を区分するための基準のひとつとして用いられる看護配置基準は、病床数に対して常時勤務する看護師の数等を規定するものであって、ストラクチャーを評価する指標として用いられている。これは歴史的経緯から、医療保険制度の設立当初、まずもって一定水準の保険医療が提供できる体制を速やかに全国で整備することが求められたことと密接に関連しており、これに引き続き診療報酬の制度が整備されていく過程においてもストラクチャーの評価に重点がおかれ続けてきたのは、当時の社会的要請を反映したものであった。加えてストラクチャーの充実度は、医療機関の運営のための費用の多寡によく反映されるため、診療報酬の評価の在り方としては,ある意味「公平」な手法であるとみなされてきたこともまた、これが現在まで診療報酬の評価の軸であり続けてきた理由であろう。

小児看護2025年7月号
研究をとおして小児看護を解き明かそう 小児看護に関する研究のプロセスは一見すると難しく思われるが、小児看護に携わる医療者が日常的にこどもを取り巻くさまざまな状況を把握して、課題への解決策を実行するという看護実践と同じものであり、実践と研究は相利共生の関係にあるといえる。本特集では、小児看護研究に関連する調査の手法、データの分析方法、研究計画・論文作成の方法に関するポイントなどについて、丁寧かつ具体的に紹介する。

手術 Vol.79 No.7
転移性肝腫瘍に対する肝切除
手術がうまくなりたい消化器・一般外科医のための専門誌。マニアックなほど深堀りした特集内容やビジュアルでわかりやすい手術手技の解説を特長とする。今回の特集テーマは転移性肝腫瘍。いわゆるStageⅣの病態であるが,最新の化学療法と適切な外科治療を組み合わせた集学的アプローチにより,近年では少なからぬ予後延長が,症例によっては根治の期待すら,もてるようになってきた。進化した治療戦略に刮目してほしい。

眼科 Vol.67 No.6
コンタクトレンズ:研修医のための一般診療でのポイント
今月号の特集は、研修医レベルでも押さえておくべきコンタクトレンズ診療のポイントを、6名の先生方にまとめていただきました。近視や円錐角膜への応用が進んだり、合併症等のトラブル対応が増えたりという昨今の情勢を踏まえ、基本を今一度おさらいしつつ臨床現場での患者対応等に活用できる内容となっております。Coats病、先天鼻涙管閉塞の話題をわかりやすく解説いただいた2本の綜説や連載・投稿論文ともども、ご一読ください。

訪問看護、介護・福祉施設のケアに携わる人へ
コミュニティケア Vol.27 No.7
特集:地域住民のニーズに応える多事業展開
わが国は現在、2040年を見すえ、地域包括ケアシステムの深化・推進をはかっており、各地域の実情に応じて持続可能な医療・介護サービスの基盤確保を進めています。同時に、すべての世代のあらゆる人がともに支え合い、暮らし続けられる地域共生社会の実現をめざしています。
そのような状況下で、地域に根ざしたサービスである訪問看護ステーションには大規模化・高機能化・多機能化などにより、地域住民の多様なニーズに応えられる拠点の形成が求められています。
本特集ではまず〈総論〉で経営的視点から訪問看護ステーションを成長させる際の選択肢を提示します。その上で、多事業展開に焦点を当て、さまざまな視点から考えられるメリット、クリアしなければならない課題、その対応策を挙げます。
さらに〈報告〉では、これまで実際に地域住民の「困った!」という声に応じて、さまざまな事業を展開し続けた訪問看護ステーションから、事業を立ち上げたきっかけや実施体制、訪問看護師がその事業を行う意義等について述べます。
この機会に一歩、踏み出してみませんか?

皮膚科の臨床 Vol.67 No. 7
薬疹
薬疹の種類や原因薬はさまざまです。今月の特集は薬疹として,丘疹紅斑型(湿疹型)薬疹に加え,中毒性表皮壊死症,乾癬型薬疹,固定薬疹,TNF-α阻害薬によるparadoxical reaction,アナフィラキシーなど,薬疹に関する多種多様な症例報告をまとめました。豊富な臨床写真とともにお届けします。日々の診療に是非お役立てください。エッセイ「憧鉄雑感」なども好評連載中!

整形・災害外科 Vol.68 No.7
安全な脊椎・脊髄手術のための術中脊髄モニタリング
日々進歩する脊椎脊髄手術において,安全な手術を行うための術中脊髄モニタリングの知識は必須である。本特集では臨床に沿った術中脊髄モニタリングの解説を中心とし,歴史,偽陽性アラームや偽陰性症例に対する手術室での対応に加え,マルチモダリティによるモニタリング,脊磁計などの最新のモニタリング知見について解説した。

産婦人科の実際 Vol.74 No.6
発展する子宮鏡Ⅱ―診断から治療,そしてオフィス手術へ
臨床に役立つ知識や技術をわかりやすく丁寧に紹介する産婦人科医のための専門誌です。面白くてためになる,産婦人科の“実際”をお届けします。近年、海外で開発された細径子宮鏡器具が日本にも導入され、子宮鏡を用いた検査や手術の進歩が目覚ましいものとなっています。約10年前までは軟性子宮鏡による検査のみが行われていましたが、現在では従来の入院手術が外来で可能となり、患者の負担軽減が実現されています。2か月にわたる特集企画の後半となる6月号では,最新の子宮鏡器具についての臨床,研究,実用化への道筋などについて解説し,次世代の子宮鏡診療のビジョンをお示しいただきました。

小児科 Vol.66 No.6
大災害と子どもたち―Excluded and InvisibleⅠ
いつどこで発生するかわからない、大規模災害。発災後は長期にわたって小児医療のニーズが高まり、発達段階に応じたケアも必要となりますが、災害医療制度のなかでは子どもたちやその支援者の声は届きにくいのが現状です。今号は過去の大災害で直面した課題と、医師が知っておくべきDMATなど災害対応のシステムを解説します。

看護 Vol.77 No.7
特集1:看護小規模多機能型居宅介護の設置推進に向けて
高齢者の単独世帯、高齢者のみの世帯が増加する中、訪問看護・訪問介護・通い・泊まりという複合的なサービスにより地域での療養継続を支援する看護小規模多機能型居宅介護(看多機)の設置推進が求められています。
特集では、全国調査に基づいて看多機の4類型を示し、どのような利用者に対して看多機のサービスが有効であるかを解説。さらに病院・行政等へのヒアリングから、若年層の看多機ニーズも明らかにし、これからの看多機のあり方について考えます。
特集2:実践知の言語化 思考発話を学ぶ
複数の患者を受け持ち、多重課題に対応する臨床の看護師には、確かな臨床判断能力が求められます。
では、この臨床判断能力はどのように育成することができるでしょうか。
近年、注目されている教育方法に「思考発話」があります。これは「経験」に働きかける手法で、指導者が実践しながら頭に浮かんだこと、考えていることなどを声に出して伝えます。
臨床判断の思考発話では、「なぜ」それを選択したのか、「なぜ」そう結論づけたのかを話すわけですが、言語化するのは決して簡単なことではありません。そこで本特集では、臨床判断能力、思考発話の概要を説明した上で5つの実践事例を紹介し、さまざまなシチュエーションから思考発話のコツを学んでいきます。

小児内科57巻5号
いま話題の5歳児健康診査を詳しく学ぶ

小児外科57巻4号
最近の胃瘻の話題

周産期医学55巻4号
ちょっと気になる新生児―お母さんの不安に答える

JOHNS41巻4号
耳鼻咽喉科と薬の副作用―薬物副作用マニュアル―

JOHNS41巻3号
耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の手術手技トレーニング

エキスパートナース Vol.41 No.8
◆もし身近で災害が起こったらどう動く? 災害発生時に看護師としてできること
◆看護に必要な知識の総復習Part2

関節外科 基礎と臨床 Vol.44 No.7
【特集】小児スポーツ傷害の病態と治療

小児内科57巻3号
漢方で支える子どものQOL

産科と婦人科 Vol.92 No.7
【特集】エキスパートに聞く!不妊治療施設における指針と工夫
性と生殖に関する健康と権利(SRHR)という結婚する・しない,妊娠する・しない,不妊治療する・しない,産む・産まないなどを女性自身が決める権利について知られてきているように,不妊治療の開始時期や向き合い方は人それぞれです.
仕事と治療日程の調整が難しかったり,上司や周囲に相談しづらかったり,月経困難症や過多月経があったりと不妊治療になかなか専念できない方もいます.そうした様々な背景をもつ患者さんに対し,不妊治療施設では独自の治療指針や工夫がなされています.
本特集ではそうした工夫についてエキスパートの先生方に解説いただきました!ぜひご一読ください.

臨牀消化器内科 Vol.40 No.7
■特集:肝硬変 ―病態と診断の最新知見
本特集では,肝線維化・肝硬変のメカニズムの解明に加え,近年著しく進展した画像診断技術やAI の活用,さらには疫学的変化や肝硬変症患者の予後に関する知見を含め,多角的な視点から本疾患を再考する構成とした.慢性肝疾患の終末像とされる肝硬変は,かつて不可逆的な病態と認識されてきたが,近年ではその進行抑制や部分的な可逆性に関する知見が蓄積されつつあり,診療の在り方も大きく変化し始めている.