感染症診療のロジック【電子版】
- 出版社
- 南山堂
- 電子版ISBN
- 978-4-525-98476-2
- 電子版発売日
- 2023/01/17
- ページ数
- 196ページ
- 判型
- B5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥3,850 (本体¥3,500+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-525-23151-4
- 印刷版発行年月
- 2018/06
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概要
目次
■キホン1 抗菌薬に「使われて」いませんか?
Ⅰ 抗菌薬適正使用って何?
Ⅱ 感染症診療-つまずくポイント-
Ⅲ 抗菌薬適正使用-その定義-
Ⅳ 感染症診療には,ロジックがある
■キホン2 事件は現場で起きている-まずは患者背景を理解する-
Ⅰ 患者背景を知ることの実際
Ⅱ 患者背景を知ることがなぜ重要か
1.年齢・基礎疾患から微生物を推定する
2.曝露から微生物を推定する
■キホン3 感染している臓器はどこだ?
Ⅰ 臨床診断推論の,重要な切り口としての「臓器」,「系統」
Ⅱ 臓器を適切に絞っていくことは,感染症を診る目を豊かにする
1.臓器を詰めれば,患者の重症度を正確に把握することができる
2.臓器を詰めれば,微生物を推定することができる
3.臓器を把握しておけば,その後の患者の状態変化を把握するのに役立つ
■キホン4 微生物プロファイリング-原因となる微生物は?-
Ⅰ 微生物を詰めることがなぜ重要か?
Ⅱ 微生物を詰めることと,抗菌薬治療との関係
Ⅲ 微生物を詰めるための2つのステップ-その実際-
1.原因となる微生物を推定する
2.微生物を同定することの意義
Ⅳ 微生物学的検査の実際
1.塗抹検査
2.培養検査
3.抗菌薬感受性試験
Ⅴ 微生物検査室に行こう!
■キホン5 「強い抗菌薬」「弱い抗菌薬」なんて存在しない
Ⅰ 抗菌薬に「強い」「弱い」など,ない
Ⅱ 抗菌薬治療は2ステップ-empiric therapyからdefinitive therapyへ-
Ⅲ まずはempiric therapyを選ぶ
Ⅳ 次にdefinitive therapyに変更する
■キホン6 Empiric therapyの選び方
Ⅰ 抗菌薬の選び方とは
Ⅱ Empiric therapy選択の実際
Ⅲ 「画期的な新薬」に対して,どう接するか?
Ⅳ Empiric therapyの選択-どこまでカバーすべきか?-
Ⅴ Empiric therapyの選択,再び-「常にフルカバーでなければならない」というドグマ?-
■キホン7 Definitive therapyの選び方
Ⅰ Definitive therapyは,そもそも必要なもの?
Ⅱ Definitive therapyへの変更は,なぜ必要?
Ⅲ 抗菌薬変更に抵抗する医師の心理
Ⅳ どの菌が原因菌?-培養結果,ちゃんと読めてますか?-
1.培養で出た菌はすべて原因菌で,すべて治療の対象となるのか?
2.培養で出なかった菌以外は,原因菌ではないのか?
Ⅴ 感受性試験結果の読み方,間違ってないですか?
1.症例から考えてみる
2.「MICが低い薬=効果の期待できる薬」ではない!
Ⅵ じゃあ,いったいdefinitive therapyはどう選ぶ?
<COLUMN> De-escalationとEscalation
■キホン8 適切な経過観察
Ⅰ 経過観察-診るべきところを間違えると,痛い目にあう-
1.CRPの値を「勝手に解釈」して診療をするのは,もうやめよう
2.どこを診るべきか? それは臓器ごとに違う
Ⅱ 改善しているか/悪化しているかの判断-典型的な経過を知っておく-
Ⅲ 適切な指標を用いて経過観察を行う
■キホン9 よくならないときに考えるべきこと
Ⅰ よくならないのは,すべて抗菌薬のせいか?
Ⅱ 「よくならない」ように見える原因
1.診断が違う
2.そもそも自然経過ではないのか?
3.膿瘍や閉塞はないか?
4.そもそも抗菌薬が必要な状態か?
5.感染以外の要因では?
6.抗菌薬は原因微生物をカバーしているか?(耐性菌を含む)
<intermission> 診断が得意になるには?
■■■患者のモンダイ別感染症アプローチ法■■■
■モンダイ1 排尿痛・頻尿がある
Ⅰ 尿路の症状からどう考えていくか?
1.尿路症状を伴う疾患は膀胱炎だけではない
2.頻度の高い疾患さえおさえていればよい?
3.鑑別診断の系統的なあげ方
4.漠然と尿路感染と考えるのはやめよう
Ⅱ 尿路感染:診断から治療へ
1.無計画な検査はやめよう
2.単純性膀胱炎の原因微生物は?
3.膀胱炎のempiric therapyは?
■モンダイ2 咳・痰が出る
Ⅰ 「咳」から何を考えるか?
Ⅱ 肺炎か? 気管支炎か?
1.この患者に胸部X線写真は必要か?
2.肺炎と気管支炎,区別はつくのか?
3.高齢者が「いつもと違う」ときには肺炎も考える
4.肺炎の診断,胸部X線写真はどの程度役に立つ?
5.重症度を知る-CRPのみで判定する?-
Ⅲ 肺炎の原因微生物を突きとめる
1.市中肺炎の微生物学的鑑別診断は?
2.市中肺炎診療でグラム染色を使いこなす!
3.市中肺炎診療における尿中抗原検査の使い方
Ⅳ 市中肺炎の治療,どう組み立てるか?
1.治療はどう選択する?
2.治療はどこでオシマイにするか?
Ⅴ ワクチンで予防を!
■モンダイ3 のどが痛い
Ⅰ それでよいのか,咽頭痛の診療?
Ⅱ 咽頭痛から診断に迫る
1.インフルエンザとウイルス性上気道炎の違い
2.A群β溶連菌感染,どう見分けるか?
3.伝染性単核球症を見落とすな!
4.見落としてはいけない危険な咽頭痛とは?
Ⅲ ウイルス性上気道炎の原因微生物は?
Ⅳ ウイルス性上気道炎のマネジメント
1.痰や鼻汁が膿性だったら抗菌薬の適応?
2.かぜに抗菌薬で七難隠す?
■モンダイ4 下痢がある
Ⅰ 下痢だったらすべて腸炎?
1.「下痢=腸管感染症」ではない
2.下痢症とは-まずは定義が重要-
3.下痢症こそ病歴が重要
Ⅱ 下痢症診断「タイプ分け」のポイント
1.患者情報から下痢を類型化する
2.下痢のタイプ分けに有用な質問は?
3.下痢症の3タイプ:小腸型・大腸型・発熱腹痛症候群型
Ⅲ タイプ分けから原因究明へ
Ⅳ 下痢症のマネジメント
1.身体所見-まずは脱水の評価が重要-
2.便培養なんて意味はない?
3.治療はどうするか?
■モンダイ5 肌が赤くて痛い
Ⅰ 足が赤く腫れているとは,どういうことか?
1.鑑別診断はどう考えるか?
2.「一発診断」は諸刃の剣!
Ⅱ 皮膚軟部組織感染は,解剖学的部位でタイプ分けする
1.皮膚軟部組織感染にもいろいろある
2.せつ・よう
3.丹毒
4.蜂窩織炎
5.壊死性軟部組織感染症
Ⅲ 見落とし,発見の遅れを避けたい病態-壊死性軟部組織感染症を早く見つけ出すには-
Ⅳ 微生物を詰める
1.背景から見えてくるものは?
2.微生物学的検査の意義は?
Ⅴ 治療はどうするか?
1.せつ・よう
2.丹毒
3.蜂窩織炎
4.壊死性軟部組織感染症
Ⅵ 予防だって重要!
■モンダイ6 リンパ節が腫れている
Ⅰ リンパ節腫大:難しいのはなぜか?
Ⅱ リンパ節腫大の診断の鍵
1.構造・分布・支配領域(リンパ領域)を知っておく
2.リンパ節腫大が起こるのはどのような疾患か?
3.リンパ節の所見のとり方-局所の所見と分布(局所性・全身性)が重要-
4.患者背景・診療のsettingで,鑑別診断は違ってくる
5.「リンパ節腫大」以外の情報を聞き出して,診断に役立てる
Ⅲ 実際にはどう読み解くか?
■モンダイ7 発疹がある
Ⅰ 発疹のある患者へのアプローチ
Ⅱ まずは発疹を知ろう
1.代表的な発疹とその表現
2.発疹の診察のポイント
3.便利なリソース
4.鑑別診断のために必要なこと
5.患者背景・診療のsettingで,鑑別診断は違ってくる
6.各発疹ごとの,重要な鑑別診断
■モンダイ8 腹部が痛い
Ⅰ 背景からわかること
Ⅱ 腹痛とは
1.痛みには種類がある
2.とはいえ,痛みの場所は重要
3.痛みのストーリーも重要
4.「やばい」腹痛
Ⅲ 痛み以外の症状は,何を語る?
1.発熱
2.血便・下血
3.嘔吐
4.術後患者の随伴症状
Ⅳ 身体所見のコツ
1.バイタルサイン
2.腹部の診察
3.腹部の疾患と筋硬直
4.骨盤・後腹膜の所見はとりにくい
5.「痛み止めは腹痛の患者には禁忌」は本当か?
Ⅴ 画像診断に頼りすぎない
Ⅵ 早期診断が難しいのは,なぜか
■モンダイ9 これは敗血症?
Ⅰ 敗血症診療はなぜ難しいのだろうか?
Ⅱ まずは敗血症の定義から
Ⅲ 敗血症診療ではスピードが命-1分1秒を絶対にムダにしない-
Ⅳ とはいえ,敗血症診療は難しい-難しくしている問題とは-
Ⅴ 何より,敗血症を可能な限り早期に察知する!
Ⅵ 臓器を無理に絞り込まない…むしろ対象臓器を広くとる!
Ⅶ 原因微生物を詰める…やはり対象微生物を広くとる!
1.まずは微生物の推定
2.適切に同定するためには-とくに血液培養に注目-
Ⅷ 抗菌薬選択の基準
Ⅸ 全身支持療法が重要!
Ⅹ 敗血症診療のポイント-手落ちがないようにする,ということ-
1.早く察知する
2.原因臓器・系統を広く推定する
3.原因微生物を広く推定する
4.支持療法をきっちりと施行する
<COLUMN>「是か」「非か」の二元論での議論はやめよう!!(CRPを例に)
■モンダイ10 これは「かぜ」?
Ⅰ なかなか渋く奥の深い疾患「急性上気道炎」-たかが「かぜ」,されど「かぜ」-
Ⅱ まずは「典型的な急性上気道炎」を知ろう!
Ⅲ 急性上気道炎「的な」状態の患者の鑑別疾患は?-なんでもかんでも「かぜ」ではダメ!!-
1.アレルギー性鼻炎
2.インフルエンザ,RSウイルス感染
3.アデノウイルス感染(咽頭結膜熱,流行性角結膜炎),エンテロウイルス感染(アポロ病)
4.咽頭炎,伝染性単核球症など
5.副鼻腔炎,中耳炎
Ⅳ 急性上気道炎の主な原因微生物
Ⅴ 急性上気道炎の治療はどうする?-急性上気道炎に抗菌薬はそもそも不要-
Ⅵ 「急性上気道炎」をゴミ箱診断に用いない!不用意に抗菌薬を出さない!
■モンダイ11 急性上気道炎が治らない
Ⅰ 「かぜが治りません!」…そのときにどうするか?
Ⅱ 「治らない急性上気道炎」の鑑別診断
1.「鼻づまりがとれない」
2.「耳が痛い」
3.「咳が続く」
Ⅲ 「かぜだと思ったのに,まさか…」の罠
1.ベースレート(疾患存在可能性)のヒューリスティクス
2.Anchoring(係留)と修正のヒューリスティクス
■モンダイ12 高齢者の様子がおかしい
Ⅰ 高齢者は感染症に罹患しやすい!
1.高齢者は栄養状態がよくない
2.加齢による免疫不全状態にある
3.施設内での流行に曝されやすい
4.デバイスの使用率が高い
Ⅱ 高齢者の感染症は,わかりにくく,扱いにくい
Ⅲ 高齢者の感染症診療には,コツがある
1.背景から入る-高齢者に多い感染症を知っておく-
2.症状・所見を丹念にとり,軽微なものでも軽く扱わない!
3.一般的に症状・所見が出にくい疾患も改めて押さえておく
Ⅳ とはいっても難しい…問題を絞り込みきれないときにはどうすればよいのか?
■モンダイ13 抗菌薬で副作用が出た
Ⅰ 抗菌薬によるアレルギー
1.出現頻度
2.種類
3.実際の対応方法
Ⅱ 抗菌薬関連の下痢症
1.診断方法
2.治療マネジメント方法
Ⅲ 抗菌薬による肝・胆道系副作用-肝・胆道系の酵素上昇,肝炎から黄疸まで-
1.種類
2.起こしやすい主だった抗菌薬と具体的な反応