循環器医のための実践臨床循環生理学【電子版】
- 出版社
- メジカルビュー社
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2021/03/29
- ページ数
- 172ページ
- 判型
- B5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥5,500 (本体¥5,000+税10%)
- 印刷版ISBN
- 978-4-7583-1972-0
- 印刷版発行年月
- 2021/03
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概要
本書を読み解けば,今までと患者の見方,心エコー図の読み方などがガラリと変わるかもしれない。
ワンステップ上を目指す臨床医必読の一冊。
目次
左室の役割
SVの規定因子
心筋固有の(前負荷・後負荷に独立した)収縮能とは?
遊離心筋において収縮能,前負荷,後負荷の関係から心筋収縮の基本を理解する
In situの左室において,可変弾性モデルで左室の挙動を考える
成犬においてPV loopを描く
左室前負荷の指標とは?
左室後負荷の指標とは?
左室後負荷をさらに理解するために:Hagen‒Poiseuilleの法則と電気回路におけるオームの法則
心機能曲線とは?
収縮能と心機能曲線
後負荷と心機能曲線
後負荷とSVの関係
Guytonの理論から心不全の病態を考える
Guytonの理論の前提は静脈還流量=心拍出量
臨床的な視点からGuytonの理論を検証してみる
左室容積-圧平面における前負荷,収縮能,後負荷と SVの関係
前負荷とSVの関係
収縮能,後負荷とSVの関係
正常の収縮能を有する左室と収縮能の低下した左室の前負荷増加に対するSVの応答性(心機能曲線を左室PV loopで考える)
正常の収縮能を有する左室と収縮能の低下した左室の後負荷軽減に対するSVの応答性
左室容積-圧平面における可変弾性モデルで左室の挙動を考える
臨床的な左室収縮能の指標:LVEF
LVEFを掘り下げる
後負荷不適合をまとめる
左室の構造と機能-どのようにSVは生み出されるか?
左室長軸方向ストレインと左室収縮能
Global longitudinal strain(GLS)の背景
ストレインとLVEFの関係を精密に検討する
ストレイン心エコー図法による局所壁運動の評価
左室のエナジェティックス(エネルギー論)
収縮不全心における左室エナジェティックス
左室-動脈カップリングとは?
心拍数の左室PV loopに与える影響,force-frequency relationと左室-動脈カップリング・機械効率
収縮末期左室壁応力
【Appendix】
右室-肺動脈カップリング
TAPSE/PASPと右室後負荷の関係
第Ⅱ章 左室拡張能
収縮と弛緩の連関
左室弛緩の遅延
急速流入血流左室内伝搬速度Vpとelastic recoilの関係
左室弛緩の評価法
左室弛緩能の規定因子
左室弛緩時定数の求め方
後負荷と左室弛緩
左室のsuctionを可視化する
等容弛緩期心尖部方向血流
等容弛緩期に心尖部方向血流が観察される理由
等容弛緩期心尖部方向血流の速度と心機能の関係
Vector Flow Mapping(VFM) による左室内相対圧較差の表示,suctionの定量化
僧帽弁口血流速波形の意義
左室suctionの拡張期僧帽弁口血流速波形への反映
収縮性心不全(Heart Failure with reduced Ejection Fraction:HFrEF)にみられる僧帽弁口血流速波形の拡張障害パターン
拡張性心不全(Heart Failure with preserved Ejection Fraction: HFpEF)が示す僧帽弁口血流速波形の拡張障害パターン
僧帽弁口血流速波形の弛緩障害パターン(Grade I拡張不全)
左室弛緩能を組織ドプラ法で評価する
e’に与える前負荷の影響
左室拡張能は収縮能と異なり加齢の影響を強く受ける
E/e’の有用性と限界
E/e’を左房圧評価に使用してはいけない症例群
American Society of Echocardiography/European Association of Cardiovascular Imaging (ASE/EACVI)のガイドライン2016による左室拡張能の評価
LVEFが正常の対象で左室拡張障害を診断する
左室流入圧の評価
左室拡張能と運動耐容能̶運動負荷時の左室PV loopの変位
運動耐容能を左室急速流入血流からみる
心拍数と左室弛緩 :relaxation-frequency relation
第Ⅲ章 左房機能
左房機能を肺静脈血流速波形から考える
左房機能を左房ストレインで考える
左房機能と左室拡張能
左房機能と心不全
左房機能の拡張期僧帽弁輪動態への影響-左房機能は左室収縮能と関係する
第Ⅳ章 心不全を考える
循環動態の視点による心不全の定義
HFpEF
HFpEFのいままで
HFpEF最近の知見
HFpEFの心臓力学:40%≦LVEF<58%の心不全を考え直す
LVEFによる患者層別化の意義
PV loopを用いた筆者の見解
LVEF≧58%を呈するHFpEFの病態
左室-動脈のカップリングからHFpEFを考える
薬剤による心不全の発症,再発予防
左室エナジェティックスからHFpEFを考える
脈波の理論から考える孤立性収縮期高血圧と左室後負荷
NT-proBNP,BNPで拡張障害を診断する
左脚ブロック最近の知見
Low-fl ow Low-gradient(LFLG) severe ASの病態を心臓力学的に考察する
第Ⅴ章 総括