
脳卒中・脳外傷者のためのお助けガイド
本書は、理事の約3分の1を障害のある人が占める「日本脳損傷者ケアリング・コミュニティ学会」によって企画された。学会関係の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、その他の職種、総勢40名の執筆による。脳損傷の基礎的な知識から本人・家族の体験談に至るまで絶妙に構成され、お助けガイドを目指した実際的な内容となっている。
医療関係者は、脳損傷の人が通常の経過をたどる中でのうつ状態に接する場面が多い。しかし、心身ともに改善に至った方も少なからずいる。本書には退院後、年単位で活動を展開し、元気になっていかれる姿にも触れられ、励みとなるであろう。
脳損傷を受症すると、援助を受けて不自由な生活の基盤づくりを必要とすることが少なからずある。ただ、さらにその人らしい楽しみ、役割などを主体的に実現することで生活が豊かになる。本書をきっかけに、脳損傷の人、家族、支援者が一体となり、新たに脳損傷になられる人の支援のあり方に一石が投じられることを願う。

リンパ浮腫とわたし
苦悩の日々から今を生きる
重いリンパ浮腫を発症した著者、2年前の子宮頸がん手術の後だった。太もも120cm、足首100cm、体重は118kgにまでなった。歩くことができず、生活活動が限られ、引きこもりとなった。シングルマザーで無職となり、暮らしに困難を極めた。
今、著者はひとつの希望のなかにいる。生きづらさと隣り合わせの方に、少しでも支えになれればという役割を感じるからである。奇跡とも思える回復力で、周囲とのつながりを取り戻した日々の体験や思いが、本にまとめられている。リンパ浮腫と向き合い、新しい一歩を踏み出すメッセージが伏流水となっている。

社会保険旬報 №2932
2024年7月1日
《レコーダ》 虎ノ門フォーラム月例社会保障研究会から『これからの施設整備の課題』筧淳夫
《レコーダ》 虎ノ門フォーラム月例社会保障研究会から『これからの施設整備の課題』筧淳夫
医療介護福祉政策研究フォーラム(虎ノ門フォーラム、中村秀一理事長)の月例社会保障研究会が5月16日に開かれ、工学院大学建築学部教授の筧淳夫氏が「これからの施設整備の課題」のテーマで講演した。
筧氏は病院建築の背景、病院整備のプロセス、建築コストについて解説した。戦後からの人口増加期、人口安定期の時代では「病院の建物は天寿が全うできた」と病院の建物が目的を果たしてきたとする一方、今後の人口減少期では医療需要が減るために空きができて使わないところが増えてくることを指摘。その上で、段階的な施設整備で最小限の投資によって既存の建物の有効活用を提案した。一方、建設コストが高騰していることから、1床当たりの工事費が1億円を超える公立病院も現在計画中であることを明かした。

VisualDermatology Vol.23 No.7(2024年7月号)
【特集】バーチャルスライドでズバッと診断! 皮膚病理演習【炎症編】
【特集】バーチャルスライドでズバッと診断! 皮膚病理演習【炎症編】 バーチャルスライドで読み込んだ病理画像を、【設問】【解説編】【診断のポイント】で展開。解説頁では、バーチャルスライドを実際にみることができるURL付き。PC上で投影し好きな箇所を拡大して見ることが可能!

整形外科 Vol.75 No.8
2024年7月号
1950年創刊。整形外科領域でいちばんの伝統と読者を持つ専門誌。読者と常に対話しながら企画・編集していくという編集方針のもと、年間約180篇にのぼる論文を掲載。その内容は、オリジナル論文、教育研修講座、基礎領域の知識、肩の凝らない読み物、学会関連記事まで幅広く、整形外科医の日常に密着したさまざまな情報が、これ1冊で得られる。

ステップアップ 医師事務作業補助者学習テキスト(改訂3版)
最新の法改正に対応!一番わかりやすい学習テキストが内容を刷新し登場!これから医師事務作業補助者として勤務したいと考えている方,すでに現場で活躍していてさらに知識を深めたい方々にご活用いただきたい. 医師事務作業補助者とは,医師の文書作成業務を代わりに行う業務を主とする職業です.
現在,民間で医師事務作業補助者の資格試験が5団体で実施されています.これら民間試験の平均合格率は約50%と高く,試験自体はそれほど難しくはないのですが,いざ実務に携わるには知識不足となり,また,無資格でも診療情報管理士や医療事務から転属を命じられ,医師事務作業補助者として業務に携わっている人がいます.
本書はそのような方々向けに医師事務作業補助者のための知識の定着をはかる参考書として発行しましたが,時代の流れや法令の改正を受け,内容を一部刷新し新たに改訂3版として発行するものです.
改訂3版にあたって
日本では,超高齢化社会を迎え,5人に1人が75歳以上の後期高齢者になる「2025年問題」に直面しています.社会保障費の負担増大や医療・介護体制の維持の困難化等が問題視され,「医師不足」も深刻な問題です.
医師の仕事の中には,入院の説明や診断書の作成なども含まれています.医師事務作業補助者は,医師の指示の下,診断書・診療記録・処方箋の作成,検査の予約などの医師の行う事務作業を中心に業務を行い,医師が事務作業に割く時間を軽減し,診療行為に集中できるようサポートすることが主な仕事です.
また,勤務医は長時間労働の常態化や休日の確保が困難なことが多いことから,2024年4月より「医師の働き方改革」が適用され,残業時間の上限等が設けられるようになり,今後ますます医師事務作業補助者の仕事は重要になり,必要とされていくことと思います.
弊社会長でありました伊藤典子は,本書の原著作成者であり,文部科学省「専修学校教育重点支援プラン」実施委員会のメンバーとして,長年医師事務作業補助者の育成研修に携わって参りました.
原著作成者は,2016年に他界いたしましたが,昨今では,新型コロナ感染症による医療業界の混乱や,様々な状況における医療体制の対応・改革も必要とされています.周辺環境の変化に対応できるように,最新の医療行政の改訂に合わせて本書の内容を修正,追加いたしました.今後も原著作成者の考えを引き継いで参りたいと思います.
初版の「はじめに」でもお伝えしていますが,本書を通して読者の皆様が,医療現場においてますますご活躍されることを期待いたしております.

エビデンスガール
EBM愛が患者を救う!
●PICOからコホート研究、RCT、システマティックレビューまで、論文の読み方をやさしく解き明かす!
●医師、薬剤師、看護師問わず学べるEBMのレクチャー本
●小説のストーリーに沿って楽しくEBMを学べる!
EBMという言葉を知らない医療者はまずいないと思います。では、EBMを実践するとはどういうことでしょうか? そもそもエビデンスとは何でしょうか?
本書は「論文を自由自在に読めるようになりたい」「自分で解釈できる力を身につけたい」という医療者に向けて、数えきれないほどのEBMワークショップを開いてきた医師が語る、EBMのイロハや論文の読み方のレクチャー本です。大学生が主人公の小説形式で解説が進むので、サッと読めてわかりやすい構成です。本書を通じて学ぶことの楽しさを味わうことができます。

胸部外科 Vol.77 No.7
2024年7月号
新たな時代の大動脈基部置換術
新たな時代の大動脈基部置換術 1948年創刊。常に最近の話題を満載した、わが国で最も長い歴史と伝統を持つ専門誌。心、肺、食道3領域の外科を含む商業医学雑誌として好評を得ている。複数の編集委員(主幹)による厳正な査読を経た投稿論文を主体とした構成。巻頭の「胸部外科の指針」は、投稿原稿の中から話題性、あるいは問題性のある論文を選定し、2人の討論者による誌上討論を行っている。胸部外科医にとって必須の特集テーマを年4回設定。また、「まい・てくにっく」、「1枚のシェーマ」、読み物として「胸部外科医の散歩道」を連載。

J. of Clinical Rehabilitation 33巻7号
臨時増刊号
誤嚥性肺炎とリハビリテーション
誤嚥性肺炎とリハビリテーション
●障害者や高齢者にとって,誤嚥性肺炎への対策は生活の質を維持するために最も重要なものの1つである.
●誤嚥性肺炎の合併が生命の危機であるという理由だけでなく,治療により生命の危機を脱したとしても,生活を一変させるきっかけとなることは珍しくない.
●誤嚥性肺炎の発症を抑止するためには適切に嚥下機能を評価して,機能に見合った経口摂取方法を指導することが必要である.
●誤嚥性肺炎を発症すると,家族やその他の人との関係性,社会とのかかわりなどを変化させるきっかけとなることもある.
●身体的・心理的ダメージに止まらず,生活機能全般にもしばしば大きな影響を与えることが少なくない.
●誤嚥性肺炎の治療は,肺という臓器の炎症制御や経口摂取の推進だけでなくADL,QOLの要素を含めた治療が必要であり,リハビリテーションが果たすべき役割がとても大きい.
●本号では誤嚥性肺炎の予防,疾患病態別の誤嚥性肺炎予防,そして誤嚥性肺炎の治療に焦点を当てている.
●本号を通じて,誤嚥性肺炎予防と治療の真の目的とは何かを学び,その目的を実現するための多職種連携や地域連携を含めたリハビリテーション治療の重要性を再認識していただければ幸いである.

≪講座 精神疾患の臨床 8≫
物質使用症又は嗜癖行動症群 性別不合
アルコールやニコチンなどの嗜好品や薬物による依存,ゲームやギャンブルなどの嗜癖行動,放火・窃盗などの衝動制御の障害,小児性愛やのぞき・盗撮・痴漢などいわゆる性嗜好の障害であるパラフィリア症のほか,これまで「性同一性障害」として知られていた概念を一新した「性別不合」についても詳述.ICD-11に準拠した解説に加え,社会制度や実地臨床等について,症例呈示もまじえてわかりやすく紹介している.

臨床雑誌外科 Vol.86 No.8
2024年7月号
めざせ外科専門医! これだけは押さえておこう一般・消化器外科の手術の基本(2)
めざせ外科専門医! これだけは押さえておこう一般・消化器外科の手術の基本(2) 1937年創刊。外科領域の月刊誌では、いちばん長い歴史と伝統を誇る。毎号特集形式で、外科領域全般にかかわるup to dateなテーマを選び最先端の情報を充実した執筆陣により分かりやすい内容で提供。一般外科医にとって必要な知識をテーマした連載が3~4篇、また投稿論文も多数掲載し、充実した誌面を構成。

細胞診のベーシックサイエンスと臨床の実際
細胞診に携わるうえで必須の基礎知識をわかりやすく解説
細胞検査士をはじめとする細胞診にかかわる人が知っておくべき基礎医学や疾患概念、診療の基本といった知識をコンパクトにまとめたテキスト。標本作製や顕微鏡所見の取り方などといった細胞診業務に携わるうえで不可欠な知識のベースの素養として持つべき知識の要点を解説。

医学のあゆみ289巻13号
第5土曜特集
血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
企画:渡部徹郎(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科病態生化学分野)
・血管,リンパ管の機能不全は,動脈硬化,高血圧,肺高血圧症,浮腫などの疾患を引き起こす.また一方で,過剰形成は,がんや糖尿病網膜症の病態進行を促進する.
・シングルセルRNAシークエンシング技術の進展により,血管を構成する細胞の臓器,疾患における多様性が明らかになるなど,血管研究は大きなパラダイムシフトを迎えようとしている.
・COVID-19でも血管の機能不全が重症化の要因とされたことで,血管の形成や機能を制御するメカニズム解明の重要性は高まった.また,国内において様々な血管疾患への効果的な治療法が開発されつつある.

臨床検査 Vol.68 No.7
2024年 07月号
今月の特集 骨髄腫と類縁疾患の検査学
今月の特集 骨髄腫と類縁疾患の検査学 「検査で医学をリードする」をキャッチフレーズに、特集形式で多領域をカバー。臨床検査にかかわる今知っておきたい知識・情報をわかりやすく解説する。「今月の検査室への質問に答えます」「医療紛争の事例から学ぶ」など連載企画も充実。年2回(4月・10月)、時宜を得たテーマで増大号を発行。 (ISSN 0485-1420)
月刊、増大号2冊(4月・10月)を含む年12冊

臨床眼科 Vol.78 No.7
2024年 07月号
特集 第77回 日本臨床眼科学会講演集[5]
特集 第77回 日本臨床眼科学会講演集[5] 読者からの厚い信頼に支えられた原著系眼科専門誌。厳選された投稿論文のほか、眼科領域では最大規模の日本臨床眼科学会の学会原著論文を掲載。「今月の話題」では、気鋭の学究や臨床家、斯界のエキスパートに、話題性の高いテーマをじっくり掘り下げていただく。最新知識が網羅された好評の増刊号も例年通り秋に発行。 (ISSN 0370-5579)
月刊、増刊号を含む年13冊

臨床婦人科産科 Vol.78 No.7
2024年 07月号
今月の臨床 臨床力をグッとUPさせる「貧血」の知識 鉄代謝の基礎から管理・治療の具体策まで
今月の臨床 臨床力をグッとUPさせる「貧血」の知識 鉄代謝の基礎から管理・治療の具体策まで 産婦人科臨床のハイレベルな知識を、わかりやすく読みやすい誌面でお届けする。最新ガイドラインの要点やいま注目の診断・治療手技など、すぐに診療に役立つ知識をまとめた特集、もう一歩踏み込んで詳しく解説する「FOCUS」欄、そのほか連載も充実。書籍規模の増刊号は、必携の臨床マニュアルとして好評。 (ISSN 0386-9865)
月刊、合併増大号と増刊号を含む年12冊

胃と腸 Vol.59 No.6
2024年 06月号
主題 内視鏡治療後サーベイランスの現状 異時性多発病変を中心に
主題 内視鏡治療後サーベイランスの現状 異時性多発病変を中心に 消化管の形態診断学を中心とした専門誌。毎月の特集では最新の知見を取り上げ、内科、外科、病理の連携により、治療につながる診断学の向上をめざす。症例報告も含め、消化管関連疾患の美麗なX線・内視鏡写真と病理写真を提示。希少疾患も最新の画像で深く学べる。年2回増大号を発行。 (ISSN 0536-2180)
月刊、増大号2冊を含む年12冊

公衆衛生 Vol.88 No.7
2024年 07月号
特集 公衆衛生における行政とアカデミアの連携の在り方 海外の実例とわが国の課題
特集 公衆衛生における行政とアカデミアの連携の在り方 海外の実例とわが国の課題 地域住民の健康の保持・向上のための活動に携わっている公衆衛生関係者のための専門誌。毎月の特集テーマでは、さまざまな角度から今日的課題をとりあげ、現場に役立つ情報と活動指針について解説する。 (ISSN 0368-5187)月刊、年12冊

治療 Vol.106 No.7
2024年7月号
皮膚外用薬を使いこなす!
皮膚外用薬を使いこなす! プライマリ・ケア臨床で皮膚疾患をみるときに,皮膚外用薬の使い分けや患者指導に難しさを感じている方も多いのではないでしょうか.また近年は多数の新薬が登場しており,外用薬について知識のアップデートが求められています.本特集ではプライマリ・ケアでよく遭遇する17のコモンな皮膚疾患の外用療法について,エキスパートの皮膚科医が解説します.鑑別や治療の進め方のほか,外用療法のちょっとしたコツや落とし穴に関するコラムも多数掲載しており,皮膚外用薬を使いこなすためのヒントが満載です!

まずはここから 鎮静管理 実況中継!
鎮静医療の安全性向上のための必携の一冊!
1,500名以上が受講した医学シミュレーション学会の鎮静トレーニングコースを書籍化.鎮静は患者の苦痛を緩和し,診療科や職種を問わずほとんどの医療従事者が関わる一方,一歩間違えれば事故にもつながりかねない危険を伴う医療行為である.本書では鎮静前〜後の評価や薬剤投与,退院時といった場面での危険性とその予防・対応などについて解説.さらに緊急対応システムの整備やシミュレーション講習の開催,トレーニングコースで学修すべきポイントを押さえている.診療科や職種の垣根を超えて鎮静医療の問題点を共有し,安全性の向上させるための第一歩として必読の一冊.