
日本看護協会機関誌
看護 Vol.74 No.9
2022年7月号
特集1 看護のめざす方向性 新たな3カ年の重点政策・重点事業、重点課題、基盤強化事業
特集1 看護のめざす方向性 新たな3カ年の重点政策・重点事業、重点課題、基盤強化事業
多岐にわたる日本看護協会の事業全体の中から社会状況や政策の動向、看護現場の実態等に鑑みて、特に今、集中的に力を注ぎ、一定程度の成果を急ぐものが「重点政策」であり、その実現に向けて具体に取り組むのが「重点事業」です。一方、看護の発展に極めて重要であるが、関係者間の合意を十分に得た上で法律改正を要するものは「重点課題」として位置づけました。さらに今回は、組織全体を支える取り組みや体制を強化する「基盤強化事業」というフレームも新たに設けています。
特集では、今回示された新たな重点政策・重点事業、重点課題、基盤強化事業の具体的な内容に加え、その背景にあるものや、これらから看護がめざしていく方向性を示します。
特集2:地域の感染対策を強化 感染対策向上加算の算定に向けて
2022年度診療報酬改定において、重点課題「新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療の提供体制の構築」を受け、感染対策が高く評価されました。感染防止対策加算1・2が感染対策向上加算1・2に改組されて大幅に引き上げられ、感染対策向上加算3、外来感染対策向上加算が新設。これらの改組・新設は、新興感染症発生に備え、大規模病院・中小規模病院・診療所・医師会・保健所が平時からの連携を強化することで地域での感染対策の向上を促すものです。
特集では、改定の内容や、各加算を算定する医療機関に期待される役割を解説。さらに「報告」として、今改定を受けた2つの病院の取り組みを、「関連論考」として、高齢者施設で感染症が発生した場合の効果的な支援の取り組みを紹介します。

別冊整形外科 No.81 骨・関節感染症の治療戦略
骨・関節感染症は,現代の進んだ整形外科治療においても大きな課題である.人工関節置換術や脊椎インストゥルメンテーション手術の増加により,人工関節周囲感染(PJI)が増加しており,手術部位感染(SSI)対策が重要である.近年,重症骨・関節感染症に対するMasquelet法,血管柄付き骨移植法,bone transport 法,骨髄内または軟部組織内抗菌薬灌流(iMAP,iSAP)療法など新しい治療法の開発が進んでいる.本号では骨・関節感染症の治療の基本から最新の診断,治療方法まで広く網羅した.

保育の心理学
育ってほしい10の姿
新しい保育所保育指針に基づいた保育士養成課程のテキスト「保育の心理学」.現在の保育の指針となる「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を視座に,発達心理学の知見も踏まえながら,現代の子どもたちの心のありようを解説する.多数のイラストや図,事例を加えて,学生たちの興味を引き,考えるもととなるテキストブックとなっています.

≪講座 精神疾患の臨床 7≫
地域精神医療 リエゾン精神医療 精神科救急医療
病院やクリニック,診療科に限定されず、さらには開かれた社会の中で展開していく臨床精精神医学においては,エビデンスどおりにはいかないことが多い.そうした特性を踏まえ、本書では「地域精神医療」「リエゾン精神医療」「精神科救急医療」について,一つの事象を異なる視点から論じることを重視.過去を振り返りつつ最新情報を盛り込み,現状と課題について,わかりやすく解説している.

≪15レクチャーシリーズ 作業療法テキスト≫
高次脳機能障害・実習
高次脳機能障害の病態の基礎知識から評価・介入方法,社会的支援,自動車運転,歴史など,学生がおさえておくべき学習内容を網羅.「実習」では,各症候を代表する検査を取り上げ,検査の流れがイメージできるよう解説した.また,症候ごとに実習課題(統合と解釈やICFを用いた評価等)を提示.難解といわれる高次脳機能障害の臨床推論(思考プロセス)が鍛えられる.臨床実習のレジュメ作成時にも役立つ教科書.

≪ペリネイタルケア2022年夏季増刊≫
事例でまなぶ 助産師ができる周産期のメンタルヘルスケア
【すぐに生かせる知識とケアを網羅した実践書】
病態生理、各種ガイドライン、向精神薬といった基礎知識を踏まえて、妊産褥期を通した14事例から助産師によるスクリーニングやケアの実際を紹介。最新トピックス、対応のピットフォール、多職種連携のポイントについても解説し、知識とケアを体系立てて学べる。

高齢者理学療法学
◎高齢者理学療法学の決定版!!
●真に高齢者(加齢変化)の理解を深め,最適な理学療法を行うために必要な内容を網羅.
●接遇のあり方から認知症,フレイル,栄養と運動の併用療法など今日的話題を豊富に紹介.
●理学療法の視点,評価・実践がわかりやすく解説され,養成校教育から臨床,専門研究まで役立つ.
●フレッシュな著者の総力を結集させた渾身の一冊.

言語聴覚士のための機能性構音障害学
◎「特異な構音障害」に対する評価と訓練方法を詳細に解説
●機能性構音障害は,器質的な問題がないので,理論的には,正しい構音動作の誘導で完全に治癒するもので,治癒するか否かの責任はすべて言語聴覚士の技量に委ねられる.しかし,短期間の訓練で完全に治癒する場合がある一方で,訓練に長期を要し,完全な治癒に至らない場合も少なくない.本書では,後者の一群を「特異な構音障害」と位置づけ,経験に基づく評価と訓練方法について可能な限り詳細に記述した今までにないテキストである.
●機能性構音障害の臨床では,言語聴覚士の音声や構音運動についての知識とその誘導の技術が明確に問われ,全くごまかしが効かない.臨床においてはもちろん,言語聴覚士の養成においても,発話への基本的なアプローチの原点である機能性構音障害への対応の助けとなる一冊.運動障害の特徴にそっての手技の応用,鼻咽腔閉鎖不全等への対処を踏まえての手技の実施,言語発達の内容にあった発話指導などを具体的に記載し,実践で役立つテキストとなった.
●言語聴覚士養成校のテキストとしてはもちろん,臨床の言語聴覚士,特別支援学校や特別支援学級などで発話の障害をもつ子どもに関わる教師の方々にもおおいに役立つ.

臨床栄養 141巻1号
栄養管理に必要な輸液療法の実践ポイント
栄養管理に必要な輸液療法の実践ポイント
経静脈的に輸液療法を実施する際,栄養素や電解質のみならず,水分が直接的に血管内へ投与されます.そのため,輸液療法を行う場合は,栄養状態の把握と並行してバイタルや検査値の把握が重要となり,患者の疾患が異なれば輸液療法の方法・種類も異なってきます.また,これからの管理栄養士の病棟活動や地域医療においては,ビッグデータから輸液療法の傾向を確認することや,患者が語る症状や徴候から循環動態を把握しながら輸液療法を考える思考プロセス(臨床推論)も重要となります.
本特集では,上記トピックを含めた輸液療法の基本的な考え方をはじめ,がん化学療法時や感染症患者といった急性期の輸液療法,小児や終末期がん患者といったライフステージ別の輸液療法など,輸液療法に関するさまざまな事項や症例について,最新の知見を含めてご解説いただきます.

糖尿病プラクティス 39巻4号
糖尿病性足病変:治療の実践を見直す-歩いて外来に通い続けるために-
糖尿病性足病変:治療の実践を見直す-歩いて外来に通い続けるために-
糖尿病性足病変は,早期の段階で適切な介入が行われないと,回復が困難な状態まで進行することも多く,患者のQOLを大きく損なう重篤な合併症のひとつである.しかし,診療する医師・医療スタッフの足病変に対する認識にはばらつきが大きく,足に関する問診や診察が標準化されているとは言い難い状況である.また,患者は足壊疽といった病名に漠然とした恐怖感をもっているが,具体的にどういった状態から発症するのか,予防には何が重要かといった正しい知識の啓発は不十分である.すなわち,医療者・患者の双方において糖尿病性足病変の理解が不十分なことが,一部の患者の不幸な転帰を招いている一因であると懸念される.
糖尿病性足病変に関するフットケアや治療のスタンダードは,すでに確立されている.そのなかでも,糖尿病性足病変に関する評価スケールやガイドラインが開発・改訂され,また外科的治療法の成績や日常生活での注意点についての考えかたも日々アップデートされているが,広く周知される機会は少ない.本特集は,糖尿病性足病変治療の実践を見直すことをテーマに,診療科や職種を横断したエキスパートの先生方が執筆された6編の論文から構成される.はじめに,日常的な糖尿病外来診療において内科医ができる足の診察について富田益臣先生に実践的な指導をいただき,次に大浦紀彦先生らに外科的アプローチについて,糖尿病診療医・医療スタッフ向けにわかりやすく,最新の保険診療改定も含めて解説をいただいた.続いて,足病変の悪化予防に欠かすことのできないフットケアを継続するコツとチーム医療の重要性について,楢原直美先生より経験に基づく助言をいただいた.後半では,四津里英先生らが開発された糖尿病性足潰瘍に特化した客観的な創部評価スケールに関して,実際の症例を基に具体的な活用を紹介いただき,杉本崇行先生らにはADLの維持に向けた適切なフットウエアの選びかたと運動療法の指導方法について明解に解説いただいた.最後に,尹 庸先生らに糖尿病性足病変国際ワーキンググループ(IWGDF)の改訂ガイドラインのなかで,特に重要な感染症対策について,国際的な状況も含めて詳細におまとめいただいた.
本特集を通読していただくことで,読者の皆様のもとに定期通院されている糖尿病患者が,1日でも長く歩いて外来に通い続けるために,足病変に注意を向けるとともに,チーム医療が発展する機会になれば幸いである.〔特集にあたって 梶尾裕,石垣泰〕

Medical Technology 50巻7号
血液検査がわかる20の疑問
血液検査がわかる20の疑問
血液検査に関する素朴な疑問やお悩みについて,誌面上でわかりやすく解説!
現場から寄せられたさまざまな質問の中から,血液検査をより深く理解できる「20の疑問」としてピックアップ.「検体採取編」「血球検査編」「形態検査編」「血栓・止血関連検査編」に分けて答えていきます.(編集部)

J. of Clinical Rehabilitation 31巻8号
小児発達障害のリハビリテーション-運動機能発達に着目して
小児発達障害のリハビリテーション-運動機能発達に着目して
小児を含む発達障害(神経発達症)は2004年に制定された発達障害者支援法を契機に社会的にも広く認知されるようになり,最近では,各地の小児のリハビリテーション医療・療育機関を受診・利用する児のかなりの程度を占める状況になっている.子どもを取り巻く育児・保育・教育の領域では,「気になる子」が多く見出されるようになっており,早期発見・早期対応につながっているところであるが,必ずしも十分であるとは言い難い現状がある.発達障害(神経発達症)は,協調運動,感覚受容,コミュニケーション,対人関係等,小児の発達全体にかかわり,多領域・多職種での対応が求められている.
リハビリテーション診療の領域では,運動の不器用さや日常生活動作スキルの獲得遅延等,運動発達面からのサポートを求めての受診が多いと考えられる.また肢体不自由を主病像とする疾患においても,発達障害の要素が認められる例も少なくない.
しかし,現場では,「発達障害(神経発達症)はわかりにくい」という声もしばしば聞かれるところである.また,養育者が発達障害(神経発達症)のある子どもへの対応に困難さを自覚し,極端な場合には疲弊していることもあり,リハビリテーション診療を進めるうえでの課題となっている場合もある.
発達障害(神経発達症)のある子どもを成人後はどのようにフォローしていくのか,移行期医療の問題も今後重要視されていくものと思われる.
本特集では,発達障害の中でも特に運動機能に着目して,専門的に診療研究されている執筆者の方々に,それぞれのご専門・ご経験を踏まえて多面的な視点から解説をお願いした.すなわち,小枝達也先生には発達障害全体の概要について,橋本圭司先生には早期発見の手がかりとなるツールを中心に,小池純子先生には総合療育施設における発達障害児へのリハビリテーション診療の基本的な考え方について,岩永竜一郎先生には発達性協調運動障害に焦点を当てた具体的な介入方法の詳細を,井上雅彦先生には養育者へのサポートともなり得るペアレントトレーニングの紹介とリハビリテーション実地診療における応用の考え方を,丹治和世先生には成人と小児における発達障害診療の比較と小児から成人へのトランジションにかかる問題についてそれぞれご執筆いただいた.
本特集が読者各位の,発達障害児への多職種・多施設連携の下でのリハビリテーション診療を進めて行くうえで一助となれば幸いである.(編集委員会)

シンクロと自由
介護現場から「自由」を更新する!
「こんな老人ホームなら入りたい!」と熱い反響を呼んだNHK番組「よりあいの森 老いに沿う」。その施設長が綴る、自由と不自由の織りなす不思議な物語。万策尽きて、途方に暮れているのに、希望が勝手にやってくる。誰も介護はされたくないし、誰も介護はしたくないのに、笑いがにじみ出てくる。しなやかなエピソードに浸っているだけなのに、気づくと温かい涙が流れている。

理学療法ジャーナル Vol.56 No.7
2022年07月発行
特集 人工関節置換術後の理学療法
特集 人工関節置換術後の理学療法 理学療法の歴史とともに歩む本誌は、『PTジャーナル』として幅広い世代に親しまれている。特集では日々の臨床に生きるテーマを取り上げ、わかりやすく解説する。「Close-up」欄では実践的内容から最新トピックスまでをコンパクトにお届けし、その他各種連載も充実。ブラッシュアップにもステップアップにも役立つ総合誌。 (ISSN 0915-0552)
月刊,年12冊

総合リハビリテーション Vol.50 No.7
2022年07月発行
特集 身体障害児者施設・機関のサービスとその課題
特集 身体障害児者施設・機関のサービスとその課題 リハビリテーション領域をリードする総合誌。リハビリテーションに携わるあらゆる職種に向け特集形式で注目の話題を解説。充実した連載ではリハビリテーションをめぐる最新知識や技術を簡潔に紹介。投稿論文の審査、掲載にも力を入れている。5年に一度の増大号は手元に置いて活用したい保存版。雑誌電子版(MedicalFinder)は創刊号から閲覧できる。 (ISSN 0386-9822)
月刊,増大号を含む年12冊

臨床泌尿器科 Vol.76 No.7
2022年6月発行
特集 トラブルゼロを目指した泌尿器縫合術 今さら聞けない! 開放手術のテクニック
特集 トラブルゼロを目指した泌尿器縫合術 今さら聞けない! 開放手術のテクニック 泌尿器科診療にすぐに使えるヒントを集めた「特集」、自施設での手術テクニックを紹介する「手術手技」、話題のテーマを掘り下げる「綜説」、そして、全国から寄せられた投稿論文を厳選して紹介する。春に発行する書籍規模の増刊号は、「外来」「処方」「検査」「手術」などを網羅的に解説しており、好評を博している。 (ISSN 0385-2393)
月刊,増刊号を含む年13冊

日本内視鏡外科学会雑誌 Vol.27 No.4
2022年07月発行
日本内視鏡外科学会の機関誌。1万4千人を超える学会員から寄せられた投稿論文を、厳正な審査を経て掲載する。隔年で全国の医療機関に対して実施されている「内視鏡外科手術に関するアンケート調査」の結果も掲載。掲載論文だけでなく、この調査のデータも多くのジャーナルで引用されている。 (ISSN 1344-6703)隔月刊(奇数月),年6冊

医学のあゆみ282巻3号
めまい――治療と研究の最前線
めまい――治療と研究の最前線
企画:武田憲昭(徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科学)
・めまいはさまざまな疾患により発症する.最近,メニエール病や遅発性内リンパ水腫の難治例に対する中耳加圧治療が保険収載された.また,良性発作性頭位めまいに対する耳石置換法のエビデンスも確立されてきた.
・内耳造影MRIを用いた内リンパ水腫画像検査が広く行われるようになり,メニエール病の病態である内リンパ水腫が画像診断できるようになった.本特集では,これらの新しい検査法についても解説する.
・また最近,デバイスを用いた前庭リハビリテーションが開発され,有効性が報告されている.これまで両側前庭機能障害によるめまいは治療が困難であったが,ノイズ前庭電気刺激治療が開発され,有効性が報告されている.

アフターコロナの検疫
「そのとき,検疫では何が起きていたのか?」2019年に始まった地球規模の新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクで,検疫所でのコロナウイルスとの戦いは想定外に次ぐ想定外の問題が発生し,現場は混乱を極めていた.検疫は,感染症から日本を守る水際対策の砦である.しかし,東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴う選手や関係者の入国という難問も加わり,首都東京を守る成田空港検疫所にとっては前代未聞の問題が山積みとなっていた.本書は,そのようなコロナ禍での東京五輪の開催に際し,成田空港検疫所で日本の感染症水際対策の中枢を担った検疫所長による,検疫業務の実際と具体的な問題解決の過程を詳細に記した書籍である.新型コロナウイルス感染症の感染拡大により,検疫に関しての興味・関心は高まっているが,検疫業務の目的やその実践についての認知度はいまだ高いとは言えない.再び同様の惨禍が発生した場合に備え,コロナ禍への対応の経験から導き出された実践知を提言としてまとめた貴重な一冊である.

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