Medical Technology 50巻3号
画像で学ぶ 病理の正常像と疾患像
画像で学ぶ 病理の正常像と疾患像
疾患に対する理解を深める方法は多々ありますが,ミクロレベルでの正常像と特殊染色を含めた病変像を比較することによって,疾患への知識のみならず,HE染色や特殊染色の正確性を判断する目を養うことができます.
そこで本特集では,以下に記す6つの領域について正常像と疾患像の画像,また必要に応じマクロ写真もご提示いただき,どこが異なるのかご解説いただきます.疾患において細胞レベルで起こっている変化をビジュアル的に学んでいただくことで,専門知識の会得や,ご自身の技術を見直す一助となれば幸いです. (編集部)
J. of Clinical Rehabilitation 31巻3号
介護負担感とリハビリテーション医療
介護負担感とリハビリテーション医療
リハビリテーション医療は急性期,回復期,生活期のあらゆる時期に障害を予防し,機能を最大限に高め,生活を豊かにするために必須な医療機能であり,適切なリハビリテーション医療の実践により,医療の質は飛躍的に向上する.われわれリハビリテーション医療者はチーム一丸となって,対象者の最大限の機能回復と日常生活活動(ADL)自立度の向上,早期の社会復帰を目指して日夜努力を続けている.一般的にこれらの取り組みは,在宅生活で問題となる介護の負担を軽減するうえで有用なアプローチと考えられており,実際にそのような効果が得られる場合も少なくない.
一方では,ADLの自立度が高まったにもかかわらず,介護者の負担感がかえって増してしまう場合もしばしば経験される.たとえば私事になるが,脳卒中で倒れ,嚥下障害,失語症が残った親を自宅介護したことがあった.当初,日常生活は全介助であり,身体的にはきつかったが,介護は家族のペースで行えたため,負担感はそれほど高くなかった.ところがリハビリテーション治療により機能が向上すると,負担感がどんどん高まっていった.少し動けるようになるとベッドから一人で起き上がりトイレに行こうとして倒れ,尿を漏らし,衣服も廊下も汚してしまうということが頻繁に起こるようになり,絶えず見守りや介助が必要になったためである.ある時,誤嚥性肺炎の発症を機に再び寝たきり状態になると,家族の負担感は大幅に軽減した.ADLが向上すると介護負担感が増し,ADLが低下すると負担感が減るという,この時の逆説的な経験から,単に機能の向上だけでなく,家族の介護負担感にも目を向けることの重要性を痛感させられたものである.
2000年当時,リハビリテーション領域において「介護負担感」に着目した取り組みや研究は極めて限られていたが,このような中で本誌2001年10月号(10巻10号)では,「介護負担感:リハビリテーションからの取り組み」のテーマのもと,介護負担感の概念と研究の動向および代表的疾患(脳卒中,頸髄損傷,脳外傷,認知症,神経筋疾患)における介護負担感研究の動向と課題が取り上げられた.前回特集から20数年が経過し,その間に介護保険制度の定着が進むとともに,介護にかかわる新たなトピックスにも注目が集まるようになった.
このような背景を踏まえ,本特集では,前回特集以降の当該分野の研究動向を探るとともに,高次脳機能障害,摂食嚥下障害,排泄障害,医療的ケア児,ヤングケアラー,ライフサイクルを通した障害児の介護を取り上げ,それぞれ造詣の深い著者に解説していただいた.本特集が,「介護負担感」をリハビリテーション医療における重要なアウトカムとして位置付けた取り組みや研究が進展する契機となれば幸いである.(編集委員会)
≪15レクチャーシリーズ 理学療法テキスト≫
内部障害理学療法学 呼吸 第3版
呼吸理学療法のニーズが高まるなか,呼吸器の専門的な知識を有することが求められ,教育現場においても臨床につながる生きた知識を効率よく学ぶことが必須の課題である.本書は呼吸に関する解剖学的,生理学的知識から具体的な呼吸理学療法(評価,プログラムの立案,治療手技など)に至るまで,臨床での活用を前提にまとめた.改訂にあたり,写真・イラストをはじめ,オールカラーとし,よりイメージしやすく,わかりやすい内容に刷新.
≪15レクチャーシリーズ 理学療法テキスト≫
義肢学 第2版
理学療法士は,切断のリハビリテーションにおいて,断端機能を改善させ,適合した義肢で生活動作が獲得できるよう理学療法を行う.本テキストでは,下肢切断を中心に,切断のリハビリテーションの流れ,義肢の構造とその操作に必要な身体機能,理学療法,理学療法士の役割について講義する.第2版では,アライメントの理論を理解・イメージしやすいよう新たに工夫を加え,最新の義肢や治療技術の進歩について補足.図・写真をフルカラーとした.
≪新DS NOW 13≫
リンパ節郭清手技を究める[下部消化管編]
消化器外科医が避けては通れない「リンパ節郭清」にスポットを当て,安全な郭清手技について丁寧に解説。経験豊富な執筆陣が,基本となる手技だけでなく安全かつ効率のよい郭清手技のコツについても説明している。また各項目では,知っておかなければいけない解剖学的知識や,合併症の予防法,また合併症が起きてしまった場合の対処法も詳しく解説した。イラストや写真も多数掲載し,動画も豊富に付録しているため,手術のイメージを膨らませながら読み進めることができる。
疾患や症候の概要がわかる!
臨床医学 基礎のキソ
メディカルスタッフには,専門領域はもちろんのこと,その専門性を生かすために幅広い臨床医学の基礎知識が求められます.本書は,臨床医学の基礎を学ぶなかでも重要なポイントに絞り,図表を多用しながら可能な限りシンプルな内容としてまとめました.また,外科系疾患を盛り込み,専門用語にはできるだけ注釈や読み仮名をつけるなど,理解の助けとなるように工夫した教科書です.
看護学テキストNiCE
家族看護学 改訂第3版
臨床場面と事例から考える
家族看護を初めて学ぶ学生向けにつくられた好評テキストの改訂版.家族看護実践に用いられる理論やモデル,概念等について臨床場面や事例をとおして具体的に解説.ジェノグラム・エコマップも多数掲載.今改訂では、①理論やモデル,概念等を解説する章の構成・内容の見直し,②事例の追加(全10事例)やコラム類の見直し・更新、③オールカラー化により、初学者によりわかりやすく、いっそう充実した内容となった.
看護学テキストNiCE
成人看護学 成人看護技術[Web動画付] 改訂第3版
生きた臨床技術を学び看護実践能力を高める
成人看護学における看護技術を「検査の介助」「周手術期」「救急・集中治療時」「慢性疾患患者のセルフマネジメント」に分け、看護技術の手順を具体的に示すSkill表が好評なテキストの改訂版.今改訂では,体外式膜型人工肺(ECMO)などの項目を追加し,Skill表に臨床判断能力を養えるよう患者状態の「評価・記録を行う際の視点」を追加.さらに,確実に習得すべき技術や日頃の実習で見る機会の少ない技術についてWeb動画を収載し,ますます充実.
関節外科 基礎と臨床 Vol.41 No.4
2022年4月号
【特集】発育性股関節形成不全の基礎と臨床
【特集】発育性股関節形成不全の基礎と臨床
医学のあゆみ280巻12号
熱傷治療の進歩
熱傷治療の進歩
企画:櫻井裕之(東京女子医科大学形成外科)
・重症熱傷は外傷のなかでも最も侵襲が高度で,大量の医療資源・人的資源の投入を必要とする.受傷後早期は大量輸液と循環・呼吸管理などと並行して,熱傷創部壊死組織(焼痂)切除と植皮術による皮膚再建を要する.
・広範囲熱傷においては,患者自身から採取できる皮膚面積は限られているため,日本スキンバンクネットワークによる同種皮膚の役割は非常に大きなものである.
・社会復帰に向けて大きな障害となる,瘢痕拘縮に対しては形成外科的再建手術,リハビリテーションによる機能回復訓練,瘢痕の質的改善を目的とした再生医療な度が近年の進歩として注目されている.
MRIで理解するスポーツ外傷・障害
スポーツ外傷・障害診療において最適解を求めるために不可欠なMRI.このMRIを臨床医が適切にとり入れることを目的に制作されたのが本書である.整形外科医を中心としたスポーツ医療の最前線を走る執筆陣が治療者の視点からMRIの役立て方・とり方・読み方を解説し,臨床に直結するアドバイス,臨床上の洞察を与える仕立てとしている.スポーツ医療関係者に自信と確信をもたらす一冊.
原発性悪性骨腫瘍診療ガイドライン2022
希少がんとされる原発性悪性骨腫瘍(骨肉腫,Ewing肉腫,骨内異型軟骨腫瘍,軟骨肉腫,脊索腫,骨巨細胞腫)および骨肉腫肺転移の治療について,第一線の専門医が集学的治療の観点からまとめた診療ガイドライン.分類・病期,疫学,臨床的特徴,薬物療法の基本的知識を網羅し,重要臨床課題として診断、手術および放射線治療に関する25のQuestionを設け,その概要と推奨を示した.医療従事者および患者・家族の相互理解の基礎かつ指針となる一冊.
なんで使うの? そのくすり
医師が考えるくすりの立ち位置
薬剤師のギモン「医師は,なぜあの薬を処方するのか?」に答えるため,医師が108の薬の「基本の使い方」「気にする副作用」「愛されている理由」をスッキリ解説.各薬剤のオリジナルキャッチフレーズつきで,立体的な視点から薬のすがたが見えてくる! 医師の処方意図がわかれば,服薬指導や投与後のフォローアップにも役立つ.新人薬剤師はもちろん,新人教育担当薬剤師やブランク明け薬剤師にもお勧め.
眼科疾患最新の治療2022-2024
3年毎の改訂で,主要な眼疾患を網羅し,その最新の治療法の実際に焦点を絞って解説した,日常診療の指針となる一冊.巻頭トピックスでは,「近視が緑内障に与える影響」「眼疾患のゲノムワイド関連解析」「角膜再生医療の進歩」「斜視に対するボツリヌス療法ガイドライン」「ヘッドアップサージェリーの現状と問題点」「COVID-19 に対する感染対策」など,注目の10テーマをレビュー.
感染症最新の治療2022-2024
感染症医および一般臨床医のために,3年ごとの改訂で年々進歩する感染症領域における最新情報と治療指針を整理し,簡潔にまとめて提供.巻頭トピックスでは,COVID-19や新型インフルエンザ,インバウンド感染症,市中型MRSAなど最近注目されているテーマ12題を取り上げる.各論では,感染症の基本的な診断・治療から各臓器別感染症の治療,感染症予防策までを解説.最新の動向を踏まえた日常診療の指針となる一冊.
産婦人科の実際 Vol.71 No.3
2022年3月号
産婦人科医リクルートへの効果的なアプローチを考える
産婦人科医リクルートへの効果的なアプローチを考える
周産期、婦人科腫瘍、生殖・内分泌、女性ヘルスケアの4つの柱を中心に、臨床医に必要な知識や技術をわかりやすく丁寧に解説します。毎号充実した内容を提供し、産婦人科医の「あれ知りたい!」「これ知りたい!」「いま知りたい!」にお応えします。明日からの診療に即役立つプラクティカルな知識が満載です!
小児科 Vol.63 No.3
2022年3月号
JRC蘇生ガイドライン2020
JRC蘇生ガイドライン2020
日常診療のコツから、いま知るべき他科の知識・時事的課題まで。査読をクリアした信頼度の高い論文が、豊富な話題を解説します。診療の質を上げる、子どもを診るすべての医師のための専門誌です。
臨床放射線 Vol.67 No.3
2022年3月号
MRIによる中枢神経画像診断の進歩
MRIによる中枢神経画像診断の進歩
放射線科診療に関わる幅広い層に愛され続ける老舗雑誌!「画像診断」と「放射線治療」の両面から臨床に役立つ情報が充実。多数の診療例・症例を毎号掲載。特集・連載も勉強になると大好評。
皮膚科の臨床 Vol.64 No. 3
2022年3月号
間葉系腫瘍
間葉系腫瘍
今月号の特集は「間葉系腫瘍」です。良性・悪性を問わず,多くの症例が掲載されています。臨床講義では,円形脱毛症の診断と最新の治療について,大日輝記先生にご解説いただいています。その他,症例報告やミニレポート,エッセイ憧鉄雑感や巻頭言など毎号好評の連載記事も,もちろん変わらず掲載されています。日々の診療に是非,お役立てください。
眼科 Vol.64 No.3
2022年3月号
眼瞼下垂の外科的治療
眼瞼下垂の外科的治療
トピックス、診療のコツ、症例報告、どこから読んでもすぐ診療に役立つ、気軽な眼科の専門誌です。本号の特集は「眼瞼下垂の外科的治療」と題し、近年ニーズが高まっている眼瞼下垂手術について、方法・コツや適応、効果をエキスパートに解説いただきました。加えて、3D手術と小児ぶどう膜炎についてわかりやすくまとめられた綜説2篇や、ウェットラボに役立つ連載企画、4篇の投稿論文も掲載されております。是非ご一読ください。
