≪シリーズ ケアをひらく≫
イルカと否定神学
対話ごときでなぜ回復が起こるのか
対話という「魔法」の謎をひらく。
対話の謎に魅入られた著者の探求は、気づくとデビュー作以来の参照先に立ち返っていた。精神分析のラカンと、学習理論のベイトソンである。そこにバフチン(ポリフォニー論)とレイコフ(認知言語学)が参入し、すべてを包含する導きの糸は中井久夫だ。こうして対話という魔法はゆっくりとその全貌を現しはじめた。この魔法のすばらしさは、謎が解けても効くことである。さあ、オープンダイアローグを「ゼロ」からはじめよう!
≪シリーズ ケアをひらく≫
あらゆることは今起こる
私の体の中には複数の時間が流れている。
眠い、疲れる、固まる、話が飛ぶ、カビを培養する。それは脳が励ましの歌を歌ってくれないから?──ADHDと診断された小説家は、薬を飲むと「36年ぶりに目が覚めた」。私は私の身体しか体験できない。にしても自分の内側でいったい何が起こっているのか。「ある場所の過去と今。誰かの記憶と経験。出来事をめぐる複数からの視点。それは私の小説そのもの」と語る著者の日常生活やいかに。SFじゃない並行世界報告!
そうだったのか! 精神科の病気
その人には何が起きていて、どうケアすると助けになるのか
精神科の病気を理解したいすべての人へ
精神科における主要な9つの疾患(統合失調症、うつ病、双極症、依存症、パーソナリティ症、発達障害、認知症、強迫症、不安症)の核心を、看護の立場でズバリ解説。どういったかかわりが相手を助けるのかが、根拠とともに理解できる。精神疾患を持つ人を支えるあらゆる立場の人が押さえておきたい1冊!
精神科の薬がわかる本 第5版
精神科全領域の薬がこの1冊で丸わかり! ざっと広くのことを知りたい方へ。
精神科全領域の薬に関する最新かつ正確な情報を、第一線で診療を行う著者が厳選して紹介。精神科を専門とする医師、研修医、精神科看護師はもちろん、精神科以外の科の医療者で「精神科の薬」を使用する機会のある方にとっても有益な1冊。第5版では、なぜその薬が効くのかを知ることで、「精神科の薬」の誤用と乱用を防ぐことに注力しています。
≪シリーズ ケアをひらく≫
傷の声
絡まった糸をほどこうとした人の物語
現在の精神科医療に不足している視点を教えてくれる。
本書は複雑性PTSDを生きた女性が、その短き人生を綴った自叙伝である。過酷な家庭環境に育ち、複雑性PTSDを持つ著者が、ふり幅の大きな人生を描く。なぜ自分を傷つけるのか、という疑問への回答と、傷ついた人に必要なのは、権力や物理的力で抑え込むことではなく、ケアであるべきではないかという気づきとヒントを医療者に与えてくれる。
子どものための精神医学
発達障害? アスペルガー症候群? 知的障害? 自閉症? ADHD? LD? ところでスペクトラムって何?-本書を読めば、錯綜する診断名を「認識と関係の座標軸」のもとに一望できるようになる。読めば分かるように書いてある、ありそうでなかった児童精神医学の基本書。事例の機微をすくい上げる繊細な筆さばき、理論と実践の生き生きとした融合、そして無類の面白さ! マニュアルでは得られない「納得」がここに。
●新聞で紹介されました!
《463ページにも及ぶ分厚い専門書なのに、興奮しながら一気に読み切った。タイトルには精神医学とあるが、内容は「何かにつまずく全ての子ども」についての考察と助言だ。》―鈴木大介(ルポライター)
(共同通信社配信、『熊本日日新聞』2017年5月14日 書評欄、ほか)
《著者は、日本を代表する児童精神科医の一人。育つ側の難しさを語りつつ、育てる側の難しさも平等にフォローした。》
(『読売新聞』2017年4月26日より)
《〈疾患〉ではなく〈障害〉と言われる概念の理解に主眼をおき、教員・保育士・看護師・心理士向けにわかりやすく解説する。》
(『東京新聞』2017年6月18日より)
●雑誌で紹介されました!
《児童精神科医学者である著者は五十年間の研究の末、子どもの「精神発達の座標軸」を発見した。その原理と実践をつないで体系化したのが本書だ。》―本田哲也(toBe塾主宰)
(『児童心理』2017年8月号 BOOK REVIEWより)
《この書物は、児童精神医学の教科書ではない。しかし、その道へ進みつつある臨床家に向けての教導書ではある。》―清水將之(三重県立看護大学理事)
(『こころの科学』2017年7月号、BOOKS ほんとの対話より)
発達障害Q&A
臨床の疑問に応える104問
現場の「困った」「わからない」を経験豊かなエキスパートたちが真摯に解説
発売直後から圧倒的な支持を得た『精神医学』誌2023年5月号増大特集「いま,知っておきたい発達障害 Q&A98」が待望の書籍化。発達障害に携わる医療者が日常診療で困っていること、わからないことをQ&A形式で解説。実臨床に沿った質問に、日本のエキスパートが勢ぞろいで応える! 精神科領域の医療職(精神科医、心理職、OT)をはじめ、小児科医、産業医を務める内科医まで幅広い読者の知りたかったことがこの1冊に。
精神疾患をもつ人を,病院でない所で支援するときにまず読む本
“横綱級”困難ケースにしないための技と型
病院以外の場所で支援する人が、対人関係的な困難さを乗り越えて、利用者を自立、卒業へ導くための具体的ノウハウ。在宅時代に必須のテキスト。
対話でリカバリーを支える
ストレングスモデル実践活用術[Web動画付] 第2版
対話を通じて、リカバリーに向かうストレングスをともに見出すための1冊
ストレングスモデルは個人がもつ強み・希望や、その人を取り巻く環境の強みに着目し、ケアの資源として活かす支援方法。当事者中心のこのモデルを真に実践し活用するためには、わかりやすい強みに着目して弱点から目をそらすのではなく、当事者と対話するなかで、本人の言葉を通じてストレングスを理解する必要がある。著者オリジナルのストレングス・マッピングシートを使った対話の様子を、付録動画として収載した。
≪シリーズ ケアをひらく≫
庭に埋めたものは掘り起こさなければならない
壮大な勇気をもって「自分の傷」を見ようとした人の探求の書。
自閉スペクトラム症により世界に馴染めない感覚をもつ著者。急性骨髄性白血病に罹患するも、病名が告知されなかったことで世界から締め出された感覚に。周囲の期待に応えて残る人生を終える予定だったが、白血病は寛解し、「生き残ってしまった」なかで始まる摂食障害と、繰り返し見る庭の夢。しかし、「もうそのやり方では通用しないよ」と告げに来るものが……。壮大な勇気をもって自分の「傷」を見ようとした人の探求の書。トラウマと回復についての示唆を与えてくれる。*「ケアをひらく」は株式会社医学書院の登録商標です。
ここからの精神医学入門
精神科医はどう診ているの?
●問診のコツ、患者との接し方を知る
●患者・家族のケアがわかる
●疾患のリアルなイメージを掴む
本書は、こころの病気のありよう、患者さんの実像、そして診療の流れをベテラン精神科医がわかりやすく解説したものです。読者は、精神科医療に関わったことがないか経験の少ない医療者を念頭に置いていますが、医療系の学生はもちろん、精神疾患に関心のある一般の方でも十分に読むことができます。精神疾患や診療の全体像について、具体的なイメージをつかむのに最適な入門書です。
認知症ケアガイドブック
認知症の病態の知識、ケアにおける倫理、症状アセスメント、日常生活のアセスメント、多様な場でのケアマネジメント、家族支援等について、わかりやすく解説しました。認知症ケアに、はじめて取り組む方、認知症ケアに悩んでいる方、院内の体制づくりをしていくリーダーの方など、すべての看護職に役立つ本です。
日本うつ病学会診療ガイドライン 双極症2023
双極症に携わる医療者のための羅針盤。「治療」から「診療」へスコープを広げて大改訂
従来の「治療」ガイドラインの内容に、疾患情報や臨床疑問、心理社会的支援、周産期、薬物療法に関する安全性とモニタリングなどの情報が加わり、実臨床に一層役立つ「診療」のためのガイドラインとして大改訂。一部の臨床疑問ではシステマティックレビューも行い、書籍版限定の解説や資料も掲載している。当事者・治療者双方が正しい知識に基づき納得して治療を選択できる、双極症診療の羅針盤となる一冊。
精神看護ぜんぶガイド
大人気の「ぜんぶガイドシリーズ」続刊。
精神看護学実習に必要な基礎知識、アセスメント、症状や疾患の知識、薬物療法・ケアなどを1冊にぎゅっと凝縮しました!
よくある出合う疾患の知識から、患者さんの生活、観察やコミュニケーションなど実習中の不安をすっきり解消。
図表・イラストが豊富で“わかりやすい”のもポイントです。
実習の事前学習や実習中のレポートなど全部を通して使える1冊です。
精神疾患にかかわる人が最初に読む本
精神医学の必要最小限の知識を、イラストを用いながら、ひとめでわかるように解説した精神医学の入門書。
いろんな人とうまくかかわることが出来るようになるための精神症状と疾患がわかるようになる1冊。
≪シリーズ ケアをひらく≫
その後の不自由
「嵐」のあとを生きる人たち
暴力などトラウマティックな事件があった“その後”も、専門家がやって来て去って行った“その後”も、当事者たちの生は続く。しかし彼らはなぜ「日常」そのものにつまずいてしまうのか。なぜ援助者を振り回してしまうのか。そんな「不思議な人たち」の生態を、薬物依存の当事者が身を削って書き記した当事者研究の最前線!
エビデンスに基づく精神科看護ケア関連図 改訂版
代表的な16の症状と10の疾患のケア、4の治療についてエビデンスに基づいて関連図を作成した。定義と具体的な症状、成り立ち、心理社会的反応、診断・検査、治療、経過・予後、看護の観察ポイント、治療段階に基づく看護ケアを詳解。DSM-5に対応しアップデートした。
心理社会的プログラムガイドブック
「何となく」から卒業しよう!
デイケアで40年以上にわたり精神疾患リハビリテーションに取り組んできた著者が、心理社会的プログラムをどのように実践すればよいかを丁寧に解説する。さまざまなプログラムを「対人交流-課題達成」「身体活動-言語」の軸で分類・整理し、その使い方を伝授。急性期病棟、慢性期病棟、外来、デイケアなど場面別での使い分けについても詳しく手ほどき。これから始める人も、現場で困っている人も誰が読んでも気づきがある1冊。
うつ病ダイバーシティ
最近、世間ではうつ病は心の風邪、誰でもかかる病気というキャンペーンがはられ、すっかりスティグマは軽減した。抗うつ薬のマーケットは拡大し、副作用の少ない薬が開発されて、極論だが「うつかどうかよくわからないけど、大して害はないから薬でも飲ませとけ」という時代にまで変化している。
うつ病はいったん世間で脚光を浴びたが、いまや関心は斜陽、アカデミアではいつでもちょっと日陰者。それでも、もう一度うつ病についてきちんと考えようという意見を共有する精神科医は少なからずいるが、まだまだ不十分だ。
診断基準やガイドラインだけでは立ち向かえないうつ病の臨床のリアルに、精神病理学の扉が開く。エッセイと学術が行き来する軽妙な筆致で描き出す、新感覚の精神医学書。
≪シリーズ ケアをひらく≫
安全に狂う方法
アディクションから掴(つか)みとったこと
人を殺すか自殺するしかないと思った。
そんなわたしに女性セラピストは、このうえない毅然さと丁寧さでこう言った。「あなたには、安全に狂う必要が、あります」──そう、自分を殺しそうになってまで救いたい自分がいたのだ。そんな自分をレスキューする方法があったのだ。著者はあらゆる生きづらさの底にアディクションを発見するが、「アディクション=依存症」ではないと言う。それは物との恋愛であり、思考への固着なのだと。愛と思考とアディクションをめぐる感動の旅路!