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これからの小児救急電話相談ガイドブック

福井 聖子(著)

出版社:へるす出版

印刷版発行年月:2017/07

「電話相談で一生懸命話したのに保護者はわかってくれない」「電話では症状の把握ができず判断を誤る」「電話相談では何もできない」と思っていませんか?
電話相談には、理論に基づいたスキルが必要です。

【本書の概要】
小児救急電話相談事業が拡大されるなか、その事業に携わる相談員の疑問や困り事などに応えるため、「症状別の相談内容と対応」を中心に解説。
病気やけがの子どもを家庭で看る保護者を支えるために、必携の一冊。
また本書は、公益社団法人日本小児保健協会主催の小児救急電話相談研修会に準拠しております。
【特徴/ポイント】
・小児救急電話相談で対応にあたる相談員のために、知っておくべき考え方と、緊急受診の必要な子どもを受診につなげるよう保護者に伝える症状の見分け方に重点を置いて解説。
・さらに応用として、小児科クリニックでの電話応対についても紹介。
・最後に取り上げた事例により、電話相談における具体的な注意点と大切なポイントを把握でき、より理解が深まります。

世界一やさしい皮膚科の教科書

病理と免疫を理解すれば臨床がもっと面白くなる!

杉田 和成(編)

出版社:南江堂

印刷版発行年月:2024/04

皮膚の奥”を知り,臨床力を鍛える教科書である.よくある疑問を出発点に,各皮膚疾患の臨床所見,病理所見,免疫メカニズムの三段階を順に深堀していく書籍である.豊富な写真とイラスト,簡潔な文章,用語解説でかつてないわかりやすさを追求している本書は,確かに教科書であるが,初学者にもベテランにも非皮膚科専門医にも必読の実用書でもある.クリニカルインサイトを磨いて,一歩進んだ臨床をしよう!

関節外科 基礎と臨床 Vol.40 No.2

2021年2月号

【特集】人工股関節再置換術 最前線から難易度の高い症例まで

出版社:メジカルビュー社

印刷版発行年月:2021/01

【特集】人工股関節再置換術 最前線から難易度の高い症例まで

みんなの呼吸器Respica(レスピカ)2026年2号

2026年2号

特集:まるごと解説! 呼吸ケアの「薬のトリセツ」

出版社:メディカ出版

印刷版発行年月:2026/04

特集:まるごと解説! 呼吸ケアの「薬のトリセツ」 超急性期から生活期の呼吸管理・呼吸ケアに携わるすべての医療者のためにの専門誌です。

人工呼吸管理と酸素療法を中心に、診療・看護・リハビリの実践に役立つ知識を総合的に取り上げます。
誌名の由来は「Respiratory Care(呼吸療法)」を縮めた造語であり、その語感からは、現場を支える看護師/医師/臨床工学技士/理学療法士のスキル・専門性を「磨き、輝かせる」という願いも込められています。

看護管理 Vol.28 No.11

2018年11月号

特集 1冊まるごと特集!これからの入退院支援・在宅移行支援 ケアプロセスを切れ目なくつなぎ,意思決定を支える

出版社:医学書院

印刷版発行年月:2018/10

特集 1冊まるごと特集!これからの入退院支援・在宅移行支援 ケアプロセスを切れ目なくつなぎ,意思決定を支える 2018年の診療報酬改定では,「入退院支援」が改定項目のトップに掲げられました。入院前からの退院支援を評価するもので,病院看護部の推進力に期待が寄せられています。本特集では,この領域の第一人者である宇都宮宏子氏をゲストエディターに迎え,入退院支援・在宅移行支援の取り組みを大きく前に進めるための考え方と実践を紹介します。特に,地域包括ケアシステムの中で,その方に必要な医療・看護・介護・福祉をつなぎ切れ目なく提供する「ケアプロセスマネジメント」と,最期までその人らしく生ききることを支える「意思決定支援」を重視したこれからの支援のありようを考察します。

カパンジー機能解剖学 全3巻 原著第7版(3巻セット)

出版社:医歯薬出版

●世界的名著の原著第7版が待望の完訳!シリーズ全3巻同時刊行! ●豊富なイラストを用いた図解,わかりやすい解説によりまとめられた,世界的名著の原著第7版の完訳版.機能解剖学の名著として高い評価を得てきたシリーズ全3巻について,待望の完訳版を同時刊行! ●骨・関節・筋の機能解剖学,生体力学,運動学について,簡明で理解しやすいイラストと明解な文章でわかりやすく解説した,機能解剖学の集大成! ●「I 上肢」では,「進化」に関する新項目が追加.「II 下肢」では,「跳躍」「歩行」に関する新項目が追加.「III 脊椎・体幹・頭部」では,「重心」「関節」に関する新項目が追加.また「解剖学用語一覧」も新たに追加された. ●リハビリテーション科医,整形外科医,理学療法士,作業療法士,柔道整復師など,臨床の現場で活躍する医療職に役立つのはもちろんのこと,機能解剖学・運動学のテキストとして養成校の学生にも活用いただける内容. ●セット価格でご提供する「全3巻セット」は,本体価格4,700円分がお得になり,大変お求めやすくなっています!

麻酔科医が切り拓く周術期漢方の可能性

出野 智史(イデノサトシ)(著)

出版社:克誠堂出版

印刷版発行年月:2026/05

周術期漢方の概念・臨床で漢方薬を活用するための知識や考え方・漢方の基本病態に対応する生薬と基本方剤・周術期漢方を効果的に使うポイント、さらに周術期に用いられる漢方薬を病態ごとに整理。単に病名と漢方薬を羅列するのではなく、西洋医学的な病態と東洋医学的な病態を対比して記載し、「なぜその病態にその漢方薬が有効であるのか」が分かるよう、構成生薬の組み合わせ(方意)を解説。研究論文や症例報告なども併記し、西洋医学を学んできた医師に漢方の有効性を理解していただけるよう工夫。

精神症状から身体疾患を見抜く

内田 裕之(著) 國松 淳和(著) 尾久 守侑(著)

出版社:金芳堂

印刷版発行年月:2020/03

内科医が精神症状をみたときに、精神科コンサルタントを頼む前に何をしたらいいのかを解説

病院内/免疫不全関連感染症診療の考え方と進め方 第2集

IDATEN感染症セミナー実況中継

IDATENセミナーテキスト編集委員会(編)

出版社:医学書院

印刷版発行年月:2019/07

IDATEN(日本感染症教育研究会)による、好評のセミナーテキストの1冊。遭遇頻度が高い病院内感染症、免疫不全関連感染症をテーマとした第2集。世界的な潮流である「抗菌薬の適正使用」を切り口に、気鋭の講師陣が感染症診療の考え方と進め方をわかりやすく解説する。

SKILL 一流の外科医が実践する修練の法則

クリストファー・S・アーマッド(著) 宮田 真(訳)

出版社:メジカルビュー社

印刷版発行年月:2023/03

一流はなぜ一流となりえたのか?
どのように修練を積んできたのか?
どのような思考が成功へとつながっているのか?
極限状態のプレーシャーに耐えうる精神はどのように培われたのか?

一流には一流たりうる理由が必ず存在する。

タイガー・ウッズ、マイケル・ジョーダン、ペレ、フランツ・ベッケンバウアー、デレク・ジーター、カルロス・アルベルトなどのスポーツ選手から、サム・ウォルトン、スティーブ・ジョブズ、ウォルト・ディズニー、アーノルド・シュワルツェネッガーまで、世界のトップパフォーマーを取り上げ、ニューヨーク・ヤンキース チームドクター長であり、コロンビア大学整形外科教授である著者が、一流の外科医になるための思考法や戦略、鍛錬の方法を導き出している。

米国では「外科医を目指すなら必ず読んでおきたい」と評される名著を、日本人で唯一の米国小児外科医が翻訳。「抜きんでた何者かになりたい」と願う、すべての外科医のためのバイブルである。

松井 秀喜 氏(元 ニューヨーク・ヤンキース)
ヤンキースにとって彼の経験と知識とスキルは大きなアドバンテージです。
私が両膝の手術後に安心してプレーできたのも彼の存在があったからです。

北原大翔 氏(チームWADA代表/本物の外科医YouTuber/シカゴ大学心臓外科)
誰よりも優れた外科医になりたい。そんな漠然とした理想を現実化させうる本。
これを読んで胸を熱くしない外科医はいない。 

田尻達郎 氏(九州大学大学院医学研究院 発達医学講座小児外科学分野教授) 
プロフェッショナルの外科医になるための心得と方法は、全ての職種で一流になるためのそれと、驚くほど共通のものである。 

菅谷啓之 氏(東京スポーツ&整形外科クリニック院長/医療法人社団TSOC理事長)
自らの経験に照らし合わせても、ひとつひとつが納得できる至高の書。
グリットとレジリエンス:一番大切です。 

町淳二 氏(ハワイ大学医学部外科教授・国際医療医学オフィス部長)
システマティックにサステイナブルに効率よくSKILLを自分のものにする方法が望まれますが、本書「SKILL」はその答えと信じます。
SKILL修得と向上のためのコツ・パールが分かりやすくまとめられ、今日からでも実践可能です。 

原著者
Christopher S. Ahmad
ニューヨーク・ヤンキース チームドクター長。
メジャーリーグ野球チーム医師協会メンバー。
コロンビア大学整形外科教授。
肘、膝、スポーツ医学に関する100以上の論文や原稿を執筆し、国内外で100以上の講演を行う。
スポーツ医学の分野における優れた研究で多くの賞を受賞。
トミー・ジョン手術が必要となる肘外傷の多発に対処する、メジャーリーグの研究委員会にも参加。
松井秀喜氏をはじめ、多くの日本人メジャーリーガーの診療にも携わる。

翻訳
宮田 真
米国ミズーリ州セントルイス大学・カーディナル・グレノン小児病院小児外科医。
同院 小児外科フェローシッププログラムディレクター。
米国一般外科・外科集中治療・小児外科専門医。
2003年岡山大学医学部卒。日本で5年の研修を経て2008年に渡米。

一冊できわめる

ステロイド診療ガイド

田中 廣壽(編) 宮地 良樹(編) 上田 裕一(編) 郡 義明(編) 服部 隆一(編)

出版社:文光堂

印刷版発行年月:2015/03

本書は各領域の第一人者が最新の知見をベースに,ステロイド使用の考え方を徹底的に解説.辞書的な使い方にも耐えるよう診療科・場面ごとに項目を細分化した上で,ステロイドの適応と使用の根拠を明確に記載した.各領域における,現時点での最新の考え方と使い方の指針を示す「かゆいところに手が届く,これだけでいい一冊」を目指した.「薬剤,ガイドライン一覧」を収載するなど付録も充実.

ドックのキホン――専門外の医師のための人間ドック健診ポケットガイド

南端 朝美(著)

出版社:中外医学社

印刷版発行年月:2022/11

本書は「ドック健診を本職としない医師」「これから初めてドック健診にあたる医師」を主な対象として,各検査の判定・画像検査に関する必要知識・診察の基本・健診時に知っておいて損をしないハナシなど,日常における一般臨床の知識だけではカバーしきれない「ドックのイロハ」についてコンパクトにまとめました.

人間ドック健診の実際

基礎知識から判定・事後指導までのすべてがわかる

篠原 幸人(編)

出版社:文光堂

印刷版発行年月:2017/04

あらゆる検査項目を網羅し,その判定区分やフォローアップの実際を解説するとともに,各種オプションドック健診の実際も解説し,人間ドック健診のすべてにおいて役立つ日本人間ドック学会監修の実践的なガイドブック.また,現在の人間ドックの施設運営およびこれから人間ドックを始める場合,また施設認定を受ける場合,専門医の資格を取る場合などを想定した項目も用意.人間ドック健診にまつわることはこれ一冊で理解できる.

消化器疾患のゲシュタルト

中野 弘康(編著)

出版社:金芳堂

印刷版発行年月:2022/03

今や巷には診断・治療に関するマニュアル本が溢れています。マニュアル本は、臨床経験の浅い研修医にとっては有益な内容かもしれませんが、一定の臨床経験を経た医師にとっては(一般的に)“つまらなく、味気ない”ものです。

消化器領域においても例外なく、マニュアル本はあまたありますが、消化器疾患の本質をズバッと言い当ててくれるような本はこれまで皆無でした。

この本の面白いところは、マニュアル本でみられる言葉の羅列ではなく、その病気の全体像を知る医師が、エビデンスにとどまらず、自身の経験も交えながら自由気ままに書いている点です。

執筆は、筆者が信頼を置く総合内科医・救急医・消化器内科医の皆さんにお願いしました。個々の内容はかなり自由度が高く、執筆者の個性が文体ににじみ出ています。とても楽しい本になりました。

推薦文

『消化器疾患のゲシュタルト』はオススメだ。ぜひお読みいただきたい。

あくまでも僕の個人的な見解だが、本書の読み手は大きく2つに大別されると思う。

1.消化器内科医、あるいは消化器外科医
2.その他

僕は感染症専門医でありつつ、内科の専門医というスペシャリスト・ジェネラリスト(ジェネシャリスト)であり、上記の分類の2に属する。当然のことながら、下痢も診るし、腹痛も診る。肝機能異常や腹部画像検査での異常所見も日常茶飯事だ。要するに、1に属さない非専門家にとって、本書のニーズは非常に高いのだ。

例えば、慢性下痢。珍しくない現象だ。しかしながら、非専門家にとっては毎日遭遇するコモン・プロブレム、とも言い難い。鑑別疾患を全て列記するのは、ちょっと難しいし、鑑別疾患を全て経験するのはとても困難だろう。僕はまだ、腸リンパ管拡張症とか、副甲状腺機能低下症を原因とする慢性下痢とかは経験がない(見逃してるだけかもしれないが)。

自分たちがわりと経験しやすいけれども、プロフェッショナルなガチの専門医ほどの経験値や学習密度は得にくい現象、「慢性下痢」。こういう現象をどう区分けし、どうアプローチすべきかは、2に属する非専門家にとってはとても重要な学習課題である。本書は多くの筆者によってまとめられた本だけれど、どの章も丁寧で分かりやすく書かれており、経験値の少ない僕にとってはとても嬉しいコンテンツになっている。

しかし、本書は1に属するガチのプロが読んでも、結構、役に立つんじゃないか、と僕は想像する。なかなか、気が利いているなと感心したのは、例えばACNESとか、糖尿病性ケトアシドーシスとか、家族性地中海熱といった、「いわゆる」消化器の病気じゃない、でも消化器のプロが相談されるかもしれない疾患群がちゃんと網羅されていることだ。執筆者が消化器のプロじゃないところもイカシテいる。腹腔動脈起始部圧迫症候群とかは、案外、消化器のプロも見逃してしまうこともある。

いつも申し上げていることだが、「プロ」と「マニア(アマチュア)」には天と地ほどの違いがある。

プロとアマの違いは多々あれど、その最大の違いは、「自らの専門領域そのものを相対化し、説明できる」というものだ。僕はそう思っている。

例えば、プロのジャズ評論家はなにがジャズ特有の現象で、なにがクラシックから援用したジャズの表現で、なにが民謡とジャズの共通点なのかを看破できる存在だ。ジャズとジャズを取り巻く世界が、他のミュージックとどう差別化され、どのように共通項にくくれるのかを俯瞰できる存在だ。そう思っている。

一方、アマチュアのジャズ「マニア」は一日中、ジャズを聴きまくる存在だ。マニアのなかには百科事典的な知識量を誇る人物だっているかもしれない。どこのなんというミュージシャンが何年何月何日に○市のなんとかいうジャズバーでこういう伝説のライブを行った、的なマニアックな知識だ。けれども、アマチュアのマニアはジャズを相対化できない(あくまで想像です)。

医療における「プロ」と「マニア」も似たようなものだと思っている。おりしも、この推薦文を書いている2022年初頭には、世界中で「自称感染症に詳しい識者」が量産されており、「ぼくが考えたコロナ対策」という夏休みの研究課題みたいな万能感に満ちた、あれやこれやの対策案を喧伝している。彼らは、ほとんどどうでもよい些事とすら言える情報を丁寧に暗記していたりするのだが、その周辺事情や歴史的経緯や、数々の複雑な前提条件など「その周辺にあるもの」がすっからかんなので、かなり見当違いな方向に突っ走ってしまっている。

ま、こんな愚痴をここで語っても仕方がないのだけれど、何が言いたいかと言うと、腹痛で呼ばれた消化器内科が、「あ、これACNESですね」なんて言おうものなら、もう僕なんかは「できる! プロだ!」とメロメロになってしまうのである。「超音波と内視鏡は正常でした。では、さようなら」では、いささか、がっかりなのである。そういうことだ。

ゲシュタルトは、プロが見ているその姿だ。目の前に患者がいても、プロが見ている、患者の見え方と、アマチュアが見ている患者の見え方は違うのだ。そのプロが見ているようなやり方で、患者を見る追体験をする。これが本書の目指すところだろう。そんなアクロバティックなことができるのか? と直感的には思うのだが、それをやっちゃうのである。

ここで大切なのはコトバである。「プロが見ているように見える」患者の姿をそのまま目の前に差し出しても、同じようにアマチュアは患者を見ることができない。原理的に、できない。だからこそ、コトバの力でこれを補正する。「そうじゃない、こういうふうに見るんだ」と重ねて説明する。これこそが、本書が読者に提供する「価値」である。

僕は昔、小児の急性虫垂炎を誤診したことがある。アッペと思って外科に送ったら、尿路感染だった。この話には続きがあって、その後、「これは尿路感染だ」と思っていた小児は、実は川崎病だった。それぞれの患者は独立事象であり(感染症のアウトブレイクとかじゃなきゃ)、「アッペと思ってたら実は尿路感染」の小児と、次にやってきた川崎病の小児とは何の関係もない、独立した現象だ。が、前にしくじって印象に残った患者が次のケースにあとを引いてしまう。どうしても、そうなる。有名な先生の講演会を聞いたあとは、その先生が強調していた病名がやたら頭をよぎってしまうのと同じである。

以来、急性虫垂炎にはちょっとした苦手意識がある。大学病院の医者になり、普通の救急外来に普通にやってきそうな疾患経験が下がってきた現在はさらに苦手だ。しかし、「苦手」という意識は僕の中にある観念にすぎない。急性虫垂炎の診断は本来的に難しく、「急性虫垂炎の診断なんて簡単さ」と思った時点で、負けなのである。

――相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している

ジョセフ・ジョースター

本書を読み込む価値の高さが、少しでも伝わったであろうか。

2022年2月
神戸大学医学部附属病院感染症内科
岩田健太郎

序文

ゲシュタルトとは“知覚現象や認識活動を説明する概念で、部分の総和としてとらえられない合体構造に備わっている、特有の全体的構造”と定義されています。私が“ゲシュタルト”という言葉に出会ったのは、岩田健太郎先生の『構造と診断 ゼロからの診断学』(医学書院刊)を読んだ時です。なんとなく“ゲシュタルト”の意味が分かりかけた頃、金芳堂さんから『診断のゲシュタルトとデギュスタシオン』が出版されました。この本は、臨床経験豊富な先生方が、“いろんな病気の全体像”をいまだかつてその病気を診たことのない医師にもわかるように分かり易く解説する内容で、面白過ぎてむさぼり読んだ記憶があります(あまりに夢中になって風呂場まで持って読んでいたので表紙も中身もボロボロになってしまいました)。

“全身が痛いと訴える高齢者を診たらリウマチ性多発筋痛症(PMR)を考える”……当時、これほど端的にズバッと病気の全体像を表現する大胆さに魅了されました。“カンピロバクターの初期症状はむしろ腸管外症状であり、初発症状は頭痛、筋痛、倦怠感でインフルエンザと見紛う(成田先生)”、“ビュンビュンとせわしない熱を出す比較的若めの女性、熱が高いわりにしんどそうではなく、有熱時に皮疹をみたら成人発症スチル病を考える(岩田先生)”等、いずれも病気の全体像が染み出るパールに溢れていました。この本では、病気そのものの本質を見抜くための視点が述べられた後、病気の細部にわたる描写がなされており、病気の本質を理解するための思考過程を重視していた点に好印象を持ちました。

今や巷には診断・治療に関するマニュアル本が溢れています。マニュアル本は、臨床経験の浅い研修医にとっては有益な内容かもしれませんが、一定の臨床経験を経た医師にとっては(一般的に)“つまらなく、味気ない”ものです。その理由の一つに、熟練した臨床医の思考過程が論じられることなく、エビデンスやtipsだけがさらっと書かれている点に物足りなさを感じてしまうからではないでしょうか。消化器領域においても例外なく、マニュアル本はあまたありますが、消化器疾患の本質をズバッと言い当ててくれるような本はこれまで皆無でした。そんな折、たまたま、金芳堂さんから、消化器病の分野で何か本を出しませんか? とお話を頂いたとき、真っ先に消化器分野での“ゲシュタルト本”が頭に思い浮かびました。

この本の面白いところは、マニュアル本でみられる言葉の羅列ではなく、その病気の全体像を知る医師が、エビデンスにとどまらず、自身の経験も交えながら自由気ままに書いている点です。いまだその病気を経験したことのない臨床医が、病気の全体像をみずみずしくイメージでき、日々の臨床が楽しくなる一助となればと願って企画しました。執筆は、筆者が信頼を置く総合内科医・救急医・消化器内科医の皆さんにお願いしました。個々の内容はかなり自由度が高く、執筆者の個性が文体ににじみ出ています。とても楽しい本になりました。

最後に、消化器領域でのゲシュタルト本を発刊させていただくにあたり、金芳堂編集部の浅井健一郎さん、河原生典さんには大変お世話になりました。ここに厚く御礼を申し上げます。

2022年2月吉日
大船中央病院
中野弘康

≪Clinical Engineering≫

Clinical Engineering2025年臨時増刊号

峰島 三千男(編)

出版社:Gakken

印刷版発行年月:2025/10

【特集】ダイアライザの種類・特徴・選び方
クリニカルエンジニアリング大好評企画がパワーアップして登場!
透析患者一人ひとりに合った治療を実践するうえで決め手となるダイアライザ.
適切なダイアライザを選択するうえで必要な基礎知識をまとめた,透析スタッフ必携の1冊!

日本小児科学会新生児委員会編

新生児のプライマリ・ケア

日本小児科学会新生児委員会(編)

出版社:診断と治療社

印刷版発行年月:2016/05

NICUに入院するようなハイリスク新生児の診断・治療に重点がおかれがちな新生児領域では,ローリスク新生児のために知っておくべき診療・ケアについて,これまで十分には語られてこなかった.本書はそうした背景もとに企画された,日本小児科学会新生児委員会編による,日常的にローリスク新生児の診療に携わる小児科医・産科医,また助産師や看護師に向けた,新生児のプライマリ・ケアに役立つ1冊.

超入門!スラスラわかる リアルワールドデータで臨床研究 第2版

康永 秀生(著)

出版社:金芳堂

印刷版発行年月:2025/01

本書は、データベースの特徴の解説と使い方、因果推論の入門、両方を兼ね備えています。初版刊行から5年が経ち、めまぐるしく変わる法律、増えるデータベース、研究デザインの流行に対応して最新のリアルワールドデータ研究に必須の一冊に大改訂しました。初版でも大好評だった査読コメントとファイトする方法もさらにパワーアップ。急速に普及しつつある傾向スコアマッチングのピットフォールに対する警鐘、狭きNDBの山門をくぐり抜けた先にある禅問答など新コラムも充実しています。

慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー,多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン2024

日本神経学会(監修)

出版社:南江堂

印刷版発行年月:2024/06

日本神経学会による慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP),多巣性運動ニューロパチー(MMN)のオフィシャルなガイドラインの改訂版.前版刊行以降に蓄積されたCIDP・MMNの臨床・基礎研究の進歩や最新の国際ガイドラインの内容を盛り込みつつ,日本におけるCIDP・MMNの実臨床に即して策定.臨床上重要となるクリニカルクエスチョン(CQ)について,その回答・推奨グレード,背景・目的,解説をエビデンスに基づいて詳述しているほか,疾患に関する基本的な内容やQ&Aも掲載し,臨床医の日常診療を支援する必携の一冊である.

頭痛の診療ガイドライン2021

日本神経学会(他監)

出版社:医学書院

印刷版発行年月:2021/10

頭痛に携わる医療者必携の診療指針、最新のエビデンスをもとに大幅改訂!

頭痛診療のバイブル『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』が8年ぶりの改訂。二次性頭痛についてのCQが加わり、頭痛に携わる医療者のニーズにさらに幅広く対応。

パーキンソン病診療ガイドライン2018

日本神経学会(監)

出版社:医学書院

印刷版発行年月:2018/05

治療に特化していた前版「パーキンソン病治療ガイドライン2011」から7年、名称を“診療”ガイドラインに変更した改訂版が、満を持して登場! 最新治療はもちろん、新たに国際的な診断基準や画像検査、病因なども網羅した。厳選したクリニカルクエスチョン(CQ)と50のQ&Aで、臨床の課題を徹底解説する。

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