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NURSING TEXTBOOK SERIES 小児看護学II 子どもへのケア技術と看護過程

守口 絵里(編著) 茎津 智子(編著)

出版社:医歯薬出版

印刷版発行年月:2023/01

豊富なカラーイラスト・写真とともに小児看護学を学ぶ新テキスト!

●小児特有のケア技術と看護展開について,小児看護の実際をイメージしやすいよう構成した新たなテキストです.
●1章・2章では,日常生活援助から診療場面,各種症状への対処まで,各看護技術の流れを写真を用いて紹介しています.
●3章では主要な10疾患の事例を用いて,疾患のポイントを押さえながら関連図とともに看護過程の展開を示しています.

臨床光皮膚科学

日本フォトダーマトロジー学会(監)

出版社:南江堂

印刷版発行年月:2021/06

光皮膚科学の教育・研究を推進する日本フォトダーマトロジー学会の監修により,現在における光線皮膚科学の臨床実践をまとめた成書.皮膚は体表に露出した臓器であるため,太陽光の影響が大きく,光老化,光線による疾患,光発がん,光防御といった,光線にかかわる知識は皮膚科医が実臨床をおこなう上で必須である.光の皮膚への影響から,光を原因とする疾患のメカニズム・診療実践,光による治療(光線治療,レーザー治療)までを正しく理解できる,皮膚科臨床医必読の書.

脊髄損傷の看護 第2版

生活の再構築に向けて

神奈川リハビリテーション病院 看護部脊髄損傷看護編集委員会(編集)

出版社:医学書院

印刷版発行年月:2024/04

脊髄損傷者の社会参加を目指した看護を解説する実践書!

脊髄損傷は、治療法の進歩による軽傷化および患者の高齢化の時代へと変化してきています。本書はそのような変化を受け、『生活の再構築に向けて』をコンセプトに、脊髄損傷者の地域での生活再開と社会参加を目指す、個別性を重視した看護を解説しています。脊髄損傷者の援助に関わる病院看護師と地域で活躍する医療者、そして患者・家族の方へ。

本邦初!目からウロコ! パワーレス大腸内視鏡挿入法マスターガイド【Web動画付】

結城 美佳(著)

出版社:金芳堂

印刷版発行年月:2019/12

「狙うは“ン”」、「くるくるぽん!」、「ぱーっくん」って、なんじゃそりゃ?!
これがガラパゴスな現場から生まれた“大腸内視鏡挿入方法の新機軸”だ!
これまでの常識を覆す、めくるめくコペルニクス的転回を体感せよ!

画像診断 Vol.41 No.1(2021年1月号)

【特集】関節の解剖を再考する ー正常&疾患Case Reviewー

出版社:学研メディカル秀潤社

印刷版発行年月:2020/12

【特集】関節の解剖を再考する ー正常&疾患Case Reviewー 関節の画像診断において最も重要となる基本的解剖構造の「正常像」と「異常像」を,6関節それぞれわかりやすく解説.異常像(疾患)については正常構造との見え方の違い,さらに本疾患の病態や読影ポイントまで原則見開きにて解説する.

抗悪性腫瘍薬コンサルトブック 改訂第3版

薬理学的特性に基づく治療

南 博信(編)

出版社:南江堂

印刷版発行年月:2025/04

主な抗悪性腫瘍薬の適応・副作用,作用機序・耐性機序,投与スケジュールのほか,各薬剤の臨床薬理学的特徴と,それに基づく使用上のノウハウまでをコンパクトかつ明快に解説.さらに各がん種における代表的なレジメンも掲載.今版では分子標的治療薬が94剤と前版から2倍以上に増えたほか,新たに内分泌療法薬18剤を加え,現在のがん薬物療法でカバーすべき薬剤を網羅.抗悪性腫瘍薬を使いこなすための知識を凝縮した一冊.

ステントグラフト内挿術マニュアル胸部編

森下 清文(編著)

出版社:日本医事新報社

印刷版発行年月:2023/09

EVARからTEVARへ―。初心者向けであった「腹部編」から,満を持して「胸部編」の刊行です。
第一線のエキスパートである執筆陣が,豊富な動画を交え,TEVARの真髄を徹底的に解説しました。
実際に手技を行うメイン術者はもちろん,TEVARに入られるすべての先生方にとって,この「何物にも代えがたい充実感(序文より)」を味わってもらうきっかけとなるはずです。

Nursing BUSINESS(ナーシングビジネス)2025年6月号

2025年6月号

特集:診療報酬改定で何が変わった?身体的拘束最小化のためにできること

出版社:メディカ出版

印刷版発行年月:2025/06

特集:診療報酬改定で何が変わった?身体的拘束最小化のためにできること チームケア時代を拓く看護マネジメント力UPマガジン

「管理」にしばられず、よりよい病院づくり、病棟運営を行うためには、マネジメント力、ビジネスマインドが必要です。
『ナーシングビジネス』は、看護師長、看護部長などの看護管理職者が現場で困っていること、知っておきたいことに応える情報を厳選してお届けします。
看護師長と看護部長が一緒になって目指すべきマネジメントのかたちを共有し、前進するための情報源として、ぜひご活用ください!

看護管理 Vol.30 No.6

2020年06月発行

特集 一般病棟における身体拘束をしない看護の実現 入院患者552名の実態調査と質の高いケア事例から考える

出版社:医学書院

印刷版発行年月:2020/05

特集 一般病棟における身体拘束をしない看護の実現 入院患者552名の実態調査と質の高いケア事例から考える 近年,急性期病院における身体拘束の中止が話題となっています。しかし,一口に「急性期病院」と言っても,特定機能病院や都市部の大規模病院と,地域の一般病院とではスタッフ数やリソースに開きがあります。本特集では,桐山啓一郎氏(朝日大学)に企画協力をいただき,一般病棟における身体拘束をしない看護の実現について掘り下げます。一般病棟に入院中で身体拘束をされていた552名の患者の実態調査と考察,そして看護師の工夫によって身体拘束を廃止・減少させた質の高い看護ケア事例を提示します。併せて,本特集テーマを考察する上で重要な「医療行為,身体拘束と高齢者虐待」という論点についても検討します。

誰も教えてくれなかった

血算の読み方・考え方

岡田 定(著)

出版社:医学書院

印刷版発行年月:2011/04

最低限の病歴と血算から、可能性の高い疾患を「一発診断する」力を身につけるための本。血算は、すべての臨床検査の中で最も基本的で頻用される検査。臨床現場では簡単な病歴と血算を中心とした情報だけで、診断を推定しなければならない場面は多く、また実際かなりの疾患の推定ができる。誰も教えてくれなかった血算の読み方・考え方が学べる本書は、研修医、若手血液内科医はもちろん、すべての臨床医、検査技師にも役立つはず。

Hospitalist Vol.11 No.2 2023

2023年2号

特集:透析診療のすべて

出版社:メディカル・サイエンス・インターナショナル

印刷版発行年月:2024/01

特集:透析診療のすべて

All About 開放隅角緑内障 第2版

山本 哲也(他編)

出版社:医学書院

印刷版発行年月:2022/04

緑内障の標準病型である「開放隅角緑内障」について、臨床に必要な基礎研究・疫学の最新知識から、実地診療の最前線までを網羅。「緑内障診療ガイドライン」は最新の「第5版」に準拠。最新の治療薬、白内障/緑内障同時手術、AIとビッグデータなど最新トピックスも満載。第一線で活躍する執筆陣による単独執筆。エキスパートならではの経験、洞察、哲学を存分に披露した、緑内障診療の新しいスタンダードテキスト。

一冊できわめる

ステロイド診療ガイド

田中 廣壽(編) 宮地 良樹(編) 上田 裕一(編) 郡 義明(編) 服部 隆一(編)

出版社:文光堂

印刷版発行年月:2015/03

本書は各領域の第一人者が最新の知見をベースに,ステロイド使用の考え方を徹底的に解説.辞書的な使い方にも耐えるよう診療科・場面ごとに項目を細分化した上で,ステロイドの適応と使用の根拠を明確に記載した.各領域における,現時点での最新の考え方と使い方の指針を示す「かゆいところに手が届く,これだけでいい一冊」を目指した.「薬剤,ガイドライン一覧」を収載するなど付録も充実.

後遺障害の患者さんを救う! 交通事故診療のピットフォール

濱口 裕之(著)

出版社:日経BP

印刷版発行年月:2024/05

ある日突然交通事故患者がやってきたら?全診療科の医師が最低限知っておきたい交通事故診療の基本知識や診断書を書くコツを解説

交通事故診療は通常の保険診療とは異なる点が多く、治療後に予期せぬトラブルに発展することも少なくありません。自分には関係ないと思っていても、ある日突然、交通事故患者はやってきます。その際に慌てないために、最低限の知識を身に付けておきましょう。日経メディカルオンラインの好評連載を再構成、交通事故診療で必要な自賠責保険や後遺障害認定の基礎知識に加え、適正な後遺障害認定を得るために全診療科の医師が知っておきたい後遺障害診断書の書き方のコツを紹介します。

時間経過で診る

NICUマニュアル4版

横田 俊平(監修)

出版社:東京医学社

印刷版発行年月:2011/10

現場から学ぼう!看護師のための多職種連携攻略本

中山 祐次郎(監) 須藤 誠(編) メディッコ(著)

出版社:シービーアール

印刷版発行年月:2021/05

看護師は大変だ。医師の指示を引き出しつつ、PTなどリハビリスタッフにリハビリをお願いし、薬剤師と内服薬を整理し、STに嚥下を尋ね、管理栄養士と食事形態を相談し、シリンジポンプの不調でMEに連絡する。医者の「退院調整すすめて」の一言で、患者家族や家の構造から問題を洗い出し、患者さんとMSWと協同で在宅か転院かを考える。そう、看護師とは、まるで多くの楽器パートをまとめながら一つのハーモニーを奏でる、オーケストラの指揮者なのだ。看護師は、多くの職種のスペシャリティを理解し、引き出しながら、全体として協調させ、患者さんの自立・退院という終章へと導く。本書では、様々な医療職が連携する様をマンガを交え、わかりやすくお見せしながら、シチュエーションごとに各職種が何を考えているのかを紹介しています。多職種連携とは「それぞれの専門職が、相手のことを理解しようとし、共有した目標に向けて共に働くこと」。まずは、普段話す機会のないあの人に、声をかけるところから始めてみませんか?

消化器疾患のゲシュタルト

中野 弘康(編著)

出版社:金芳堂

印刷版発行年月:2022/03

今や巷には診断・治療に関するマニュアル本が溢れています。マニュアル本は、臨床経験の浅い研修医にとっては有益な内容かもしれませんが、一定の臨床経験を経た医師にとっては(一般的に)“つまらなく、味気ない”ものです。

消化器領域においても例外なく、マニュアル本はあまたありますが、消化器疾患の本質をズバッと言い当ててくれるような本はこれまで皆無でした。

この本の面白いところは、マニュアル本でみられる言葉の羅列ではなく、その病気の全体像を知る医師が、エビデンスにとどまらず、自身の経験も交えながら自由気ままに書いている点です。

執筆は、筆者が信頼を置く総合内科医・救急医・消化器内科医の皆さんにお願いしました。個々の内容はかなり自由度が高く、執筆者の個性が文体ににじみ出ています。とても楽しい本になりました。

推薦文

『消化器疾患のゲシュタルト』はオススメだ。ぜひお読みいただきたい。

あくまでも僕の個人的な見解だが、本書の読み手は大きく2つに大別されると思う。

1.消化器内科医、あるいは消化器外科医
2.その他

僕は感染症専門医でありつつ、内科の専門医というスペシャリスト・ジェネラリスト(ジェネシャリスト)であり、上記の分類の2に属する。当然のことながら、下痢も診るし、腹痛も診る。肝機能異常や腹部画像検査での異常所見も日常茶飯事だ。要するに、1に属さない非専門家にとって、本書のニーズは非常に高いのだ。

例えば、慢性下痢。珍しくない現象だ。しかしながら、非専門家にとっては毎日遭遇するコモン・プロブレム、とも言い難い。鑑別疾患を全て列記するのは、ちょっと難しいし、鑑別疾患を全て経験するのはとても困難だろう。僕はまだ、腸リンパ管拡張症とか、副甲状腺機能低下症を原因とする慢性下痢とかは経験がない(見逃してるだけかもしれないが)。

自分たちがわりと経験しやすいけれども、プロフェッショナルなガチの専門医ほどの経験値や学習密度は得にくい現象、「慢性下痢」。こういう現象をどう区分けし、どうアプローチすべきかは、2に属する非専門家にとってはとても重要な学習課題である。本書は多くの筆者によってまとめられた本だけれど、どの章も丁寧で分かりやすく書かれており、経験値の少ない僕にとってはとても嬉しいコンテンツになっている。

しかし、本書は1に属するガチのプロが読んでも、結構、役に立つんじゃないか、と僕は想像する。なかなか、気が利いているなと感心したのは、例えばACNESとか、糖尿病性ケトアシドーシスとか、家族性地中海熱といった、「いわゆる」消化器の病気じゃない、でも消化器のプロが相談されるかもしれない疾患群がちゃんと網羅されていることだ。執筆者が消化器のプロじゃないところもイカシテいる。腹腔動脈起始部圧迫症候群とかは、案外、消化器のプロも見逃してしまうこともある。

いつも申し上げていることだが、「プロ」と「マニア(アマチュア)」には天と地ほどの違いがある。

プロとアマの違いは多々あれど、その最大の違いは、「自らの専門領域そのものを相対化し、説明できる」というものだ。僕はそう思っている。

例えば、プロのジャズ評論家はなにがジャズ特有の現象で、なにがクラシックから援用したジャズの表現で、なにが民謡とジャズの共通点なのかを看破できる存在だ。ジャズとジャズを取り巻く世界が、他のミュージックとどう差別化され、どのように共通項にくくれるのかを俯瞰できる存在だ。そう思っている。

一方、アマチュアのジャズ「マニア」は一日中、ジャズを聴きまくる存在だ。マニアのなかには百科事典的な知識量を誇る人物だっているかもしれない。どこのなんというミュージシャンが何年何月何日に○市のなんとかいうジャズバーでこういう伝説のライブを行った、的なマニアックな知識だ。けれども、アマチュアのマニアはジャズを相対化できない(あくまで想像です)。

医療における「プロ」と「マニア」も似たようなものだと思っている。おりしも、この推薦文を書いている2022年初頭には、世界中で「自称感染症に詳しい識者」が量産されており、「ぼくが考えたコロナ対策」という夏休みの研究課題みたいな万能感に満ちた、あれやこれやの対策案を喧伝している。彼らは、ほとんどどうでもよい些事とすら言える情報を丁寧に暗記していたりするのだが、その周辺事情や歴史的経緯や、数々の複雑な前提条件など「その周辺にあるもの」がすっからかんなので、かなり見当違いな方向に突っ走ってしまっている。

ま、こんな愚痴をここで語っても仕方がないのだけれど、何が言いたいかと言うと、腹痛で呼ばれた消化器内科が、「あ、これACNESですね」なんて言おうものなら、もう僕なんかは「できる! プロだ!」とメロメロになってしまうのである。「超音波と内視鏡は正常でした。では、さようなら」では、いささか、がっかりなのである。そういうことだ。

ゲシュタルトは、プロが見ているその姿だ。目の前に患者がいても、プロが見ている、患者の見え方と、アマチュアが見ている患者の見え方は違うのだ。そのプロが見ているようなやり方で、患者を見る追体験をする。これが本書の目指すところだろう。そんなアクロバティックなことができるのか? と直感的には思うのだが、それをやっちゃうのである。

ここで大切なのはコトバである。「プロが見ているように見える」患者の姿をそのまま目の前に差し出しても、同じようにアマチュアは患者を見ることができない。原理的に、できない。だからこそ、コトバの力でこれを補正する。「そうじゃない、こういうふうに見るんだ」と重ねて説明する。これこそが、本書が読者に提供する「価値」である。

僕は昔、小児の急性虫垂炎を誤診したことがある。アッペと思って外科に送ったら、尿路感染だった。この話には続きがあって、その後、「これは尿路感染だ」と思っていた小児は、実は川崎病だった。それぞれの患者は独立事象であり(感染症のアウトブレイクとかじゃなきゃ)、「アッペと思ってたら実は尿路感染」の小児と、次にやってきた川崎病の小児とは何の関係もない、独立した現象だ。が、前にしくじって印象に残った患者が次のケースにあとを引いてしまう。どうしても、そうなる。有名な先生の講演会を聞いたあとは、その先生が強調していた病名がやたら頭をよぎってしまうのと同じである。

以来、急性虫垂炎にはちょっとした苦手意識がある。大学病院の医者になり、普通の救急外来に普通にやってきそうな疾患経験が下がってきた現在はさらに苦手だ。しかし、「苦手」という意識は僕の中にある観念にすぎない。急性虫垂炎の診断は本来的に難しく、「急性虫垂炎の診断なんて簡単さ」と思った時点で、負けなのである。

――相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している

ジョセフ・ジョースター

本書を読み込む価値の高さが、少しでも伝わったであろうか。

2022年2月
神戸大学医学部附属病院感染症内科
岩田健太郎

序文

ゲシュタルトとは“知覚現象や認識活動を説明する概念で、部分の総和としてとらえられない合体構造に備わっている、特有の全体的構造”と定義されています。私が“ゲシュタルト”という言葉に出会ったのは、岩田健太郎先生の『構造と診断 ゼロからの診断学』(医学書院刊)を読んだ時です。なんとなく“ゲシュタルト”の意味が分かりかけた頃、金芳堂さんから『診断のゲシュタルトとデギュスタシオン』が出版されました。この本は、臨床経験豊富な先生方が、“いろんな病気の全体像”をいまだかつてその病気を診たことのない医師にもわかるように分かり易く解説する内容で、面白過ぎてむさぼり読んだ記憶があります(あまりに夢中になって風呂場まで持って読んでいたので表紙も中身もボロボロになってしまいました)。

“全身が痛いと訴える高齢者を診たらリウマチ性多発筋痛症(PMR)を考える”……当時、これほど端的にズバッと病気の全体像を表現する大胆さに魅了されました。“カンピロバクターの初期症状はむしろ腸管外症状であり、初発症状は頭痛、筋痛、倦怠感でインフルエンザと見紛う(成田先生)”、“ビュンビュンとせわしない熱を出す比較的若めの女性、熱が高いわりにしんどそうではなく、有熱時に皮疹をみたら成人発症スチル病を考える(岩田先生)”等、いずれも病気の全体像が染み出るパールに溢れていました。この本では、病気そのものの本質を見抜くための視点が述べられた後、病気の細部にわたる描写がなされており、病気の本質を理解するための思考過程を重視していた点に好印象を持ちました。

今や巷には診断・治療に関するマニュアル本が溢れています。マニュアル本は、臨床経験の浅い研修医にとっては有益な内容かもしれませんが、一定の臨床経験を経た医師にとっては(一般的に)“つまらなく、味気ない”ものです。その理由の一つに、熟練した臨床医の思考過程が論じられることなく、エビデンスやtipsだけがさらっと書かれている点に物足りなさを感じてしまうからではないでしょうか。消化器領域においても例外なく、マニュアル本はあまたありますが、消化器疾患の本質をズバッと言い当ててくれるような本はこれまで皆無でした。そんな折、たまたま、金芳堂さんから、消化器病の分野で何か本を出しませんか? とお話を頂いたとき、真っ先に消化器分野での“ゲシュタルト本”が頭に思い浮かびました。

この本の面白いところは、マニュアル本でみられる言葉の羅列ではなく、その病気の全体像を知る医師が、エビデンスにとどまらず、自身の経験も交えながら自由気ままに書いている点です。いまだその病気を経験したことのない臨床医が、病気の全体像をみずみずしくイメージでき、日々の臨床が楽しくなる一助となればと願って企画しました。執筆は、筆者が信頼を置く総合内科医・救急医・消化器内科医の皆さんにお願いしました。個々の内容はかなり自由度が高く、執筆者の個性が文体ににじみ出ています。とても楽しい本になりました。

最後に、消化器領域でのゲシュタルト本を発刊させていただくにあたり、金芳堂編集部の浅井健一郎さん、河原生典さんには大変お世話になりました。ここに厚く御礼を申し上げます。

2022年2月吉日
大船中央病院
中野弘康

子どもの偏食Q&A あるある悩みにどう答える

大山 牧子(著)

出版社:中外医学社

印刷版発行年月:2024/10

偏食はそのうち治る?? ⇒⇒⇒ 適切なアプローチと介入時期があります!

10歳までの子どもの15〜30%が偏食といわれています.何もしないで改善する場合もあるため “強制的に食べさせること”は間違いですが,だからと言って“子どもの好きなものを好きなように与える”のも避けなければいけません.子どもに偏食の改善には,適切なアプローチと適切な介入時期があります.本書では,子どもの年齢ごとの“あるある悩み”とその解決方法を提示します.「知らんぷり作戦」「お片付け作戦」「ポイポイボウル」「ループ付き手拭きタオル」「食卓における親子の役割分担」など,子どもの偏食に向き合ううえで重要なアプローチを知ることは,親御さんからアドバイスを求められる小児科医はもちろん,親御さん自身にとっても非常に有用です.

外国人診療で困るコトバとおカネの問題

増井 伸高(著)

出版社:羊土社

印刷版発行年月:2019/09

突然,外国人患者が来院したらどうする? 外国人の外来・入院に備えて何を準備すべき? そんな悩みをもつ医師や医療事務員,病院管理者におすすめ!外国人医療の場で必ず起こる問題とその解決方法をすべて記載!

最新 老年看護学 第4版 2025年版

水谷 信子(監修) 水野 敏子(監修) 高山 成子(監修)

出版社:日本看護協会出版会

印刷版発行年月:2025/01

最新データに更新した2025年版! 時代の変化に応える「老年看護」の本質・基本的な視点を学ぶことができます。
最新のデータや国家試験出題基準を基に内容を更新!
第4版から文字を大きくして読みやすくなっています。
10年後、20年後の社会を見据えて、看護専門職として求められる知識を強化し、時代の変化に応える「老年看護」の本質・基本的な視点を学ぶことができる教科書です。

〇老年期を生きる人の理解から説き起こし、倫理的課題にも触れながら、加齢変化と健康アセスメントや健康障害の看護など、基本事項を丁寧に解説しました。
〇老年期に特有な健康障害とその看護は、エビデンスを示しながら実践に求められる知識・技術の理解を促しています。
〇「厚生統計からみる高齢者像」「認知症高齢者の看護」「高齢者の人生の最終段階における看護」は、章を立てて詳しく解説しています。
≪本書は第4版2025年版第1刷の電子版です。≫

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