
連続写真と動画で学ぶ
白内障手術パーフェクトマスター 改訂増補版
基本から難症例への対処法まで
大好評のロングセラーが10年ぶりの大改訂で内容を増補・刷新!
白内障手術のエキスパートが連続写真とイラスト,動画を駆使して白内障手術のすべてを徹底的に解説.これから白内障手術をはじめる初級医はもとより,中級~上級医にも役立つ内容.改訂増補版では,多数の手術症例を増補したほか,水晶体乳化吸引術の刷新やトーリックIOL,多焦点IOL,IOL強膜内固定術などの新項目と最新のトピックスを多数追加.動画も100本以上追加して一層の内容充実を図った.

小児科診療 Vol.88 No.5
2025年5月号
【特集】小児の下痢をもっと知ろう!
【特集】小児の下痢をもっと知ろう!
小児の下痢の病因,病状の把握とともに診断するための検査,慢性下痢症のおもな疾患群について解説しました.
体外からは見えない腸管に関連した下痢症について小児科医であれば知ってほしい情報を網羅しています.

脊椎脊髄ジャーナル Vol.36 No.5
2023年5月号
■特集
脊髄および末梢神経鞘腫瘍のすべて

≪理学療法マネジメント≫
脊柱理学療法マネジメント
病態に基づき機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く
関節の機能障害に対する評価・解釈・アプローチ法を詳細に解説する『理学療法マネジメント』シリーズ。
本書では頸部痛・腰痛に重点を置き,脊柱各部位における代表的な疾患の病態を整形外科医が解説し,それを受け理学療法士が,評価法や評価結果の解釈の仕方,理学療法アプローチについてエビデンスを交えながら詳細に解説。また,代表的な疾患別のケーススタディも併せて掲載し,臨床実践するうえでのポイントや判断,実際の理学療法について解説している。
さらに,頸部・腰部に対するトレーニングや徒手療法,妊婦・産褥婦の腰痛に対するアプローチも紹介。
病態に対する理解を深め,限られた期間でも効果的で計画的なリハビリテーションを実施する「理学療法マネジメント能力」を身に付けられる1冊となっている。

医療・ケア従事者のための
哲学・倫理学・死生学
哲学の扉を、開けてみる。
臨床では、常に「どうしたらよいか」を判断する場面に出合います。状況を適切に把握し、的確に実行に移す力が医療・ケア従事者に求められているのです。
自らの実践を振り返り、ケアする姿勢と専門的知識や個別状況を把握し整理するために。哲学と倫理学、そして死生学の新しい扉が開きます。

ねころんで読める救急患者のみかた
【100分で読める身につく救急のキホン】
「ショックは血圧で判断するな!」などバイタルサインのキホンから、病歴聴取のポイント、身体所見の知識まで、救急患者のみかたがわかるエッセンスが満載! 楽しい4コマ漫画つきで、パッと読めてポイントが頭と心に残る日々の業務ですぐに役立つ一冊。

≪認知症plusシリーズ≫
認知症plus行動・心理症状のケア
「認知症だから」で諦めないでください。行動・心理症状はケアの工夫で改善します。
認知症の症状を大まかに分けると、中核症状と行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia;BPSD)の2種類があります。脳のダメージによって生じる中核症状は治りにくいのに対し、妄想や幻覚、徘徊や焦燥などの行動・心理症状は、ケアの工夫によって予防・改善することが可能です。本書は認知症の症状のうち、この「行動・心理症状」のケアについて徹底解説。「そもそも行動・心理症状とは何か」といった基本から、行動・心理症状を予防・改善するためのさまざまなケアの工夫について、事例を通して学ぶことができます。

古田師範の褥瘡薬道場
フルタ・メソッド連戦連勝の極意
●フルタ・メソッドで、治らない褥瘡が治る
褥瘡は、治療ではなく管理するもの――そんな認識をもっている医療現場は少なくありません。その背景には、「褥瘡は治らないもの」という間違った思い込みが定着している現状があります。しかし、病態を的確にとらえ、適切な外用薬を正しく使えば、褥瘡は治ります。
本書は、数多くの薬物治療実績を誇る“古田師範”が、自ら考案したフルタ・メソッドの極意を豊富な症例写真とともに解説。ベッドサイドや在宅で褥瘡に苦しみ、諦めている患者・家族、薬剤師、看護師など、すべての人を救う1冊です。

関節外科 基礎と臨床 Vol.41 No.10
2022年10月号
【特集】運動器疾患に対する体外衝撃波療法
【特集】運動器疾患に対する体外衝撃波療法

マイナー外科救急レジデントマニュアル
専門医「以外」のための、マイナー外科領域の当直本の決定版! 扱うのは形成外科、口腔外科、整形外科、眼科、耳鼻科、泌尿器科、皮膚科の7領域。各領域の専門医が初期研修医、看護師、他科の非専門医に向けて、当直の際に役立つマイナー外科の「ちょっとしたコツ」をまとめた。「まず何をするべきか(してはいけないか)」「何に注目して診察を進めるべきか」など、初期対応に自信が持てる1冊。もう外科系当直なんて恐くない!

総合診療医がみる「性」のプライマリ・ケア
本書では都市型総合診療クリニックでプライマリ・ケアを実践する著者が性に関して問題を抱えた患者を診る際のノウハウを豊富な具体例を交えて解説します。
そもそも、医療に携わるうえで多様化した昨今の「性」について正しい理解ができているでしょうか?
総論では多様な「性」について解説しており、外来を受け持つ医師はもちろんのこと、すべての医療従事者が知っておくべき多様な「性」やそれに付随した問題を解説します。
各論ではより具体的な性感染症について、豊富な経験と具体例を交えて疾患ごとの対処法などを紹介します。
プライマリ・ケアにおいては「性」について、単純に性感染症についての知識を得るだけでは十分と言えず、患者の精神症状や社会背景、さらには「差別」などへの理解も必要となり、患者を診る際に「性」の観点を持つことが重要となってきます。
本書を通じて是非新たな視点を身に着けてください。
かのフロイトは人格形成をすべてリビドー(性的欲求)に求めようとし、今もこの汎性欲論が一部の人たちから根強く支持されていると聞く。それが正しいかどうかは筆者にはわからないが、いつの時代も“性”が多くの人にとって人生のなかで重要な位置を占め、ときにその“性”のために生きる方向が変わったり、病気になったり、あるいは人生が狂ったりする人も少なくないのは事実だ。
性の悩みと共に生きるのが人間といっても過言ではないだろう。
当院の住所は「大阪市北区太融寺町」。オフィス街と繁華街が一緒になったようなところだ。
この地でGP(General Practitioner:プライマリ・ケア医、家庭医、総合診療医と様々な呼び方があり、厳密にはこれらの定義は異なるのだが、本書ではGPで通す)としてプライマリ・ケアを実践し、はや14年が過ぎた。
当院のミッション・ステイトメントの第4条は「年齢・性別(sex,gender)・国籍・宗教・職業などにかかわらず、すべての受診者に対し平等に接する」だ。
ミッション・ステイトメントの全条項の見直しは、年に一度スタッフ全員参加の会議で行っており、たびたび変更・修正が加えられているが、この第4条だけは15年間不変だ。新しく入ったスタッフには“sex”と“gender”の違いを伝え、様々な「性」があること、その「性」が原因で医療機関で嫌な思いをしている患者が少なくないことも理解してもらっている。
「性」はときに「人間のidentityそのもの」とさえ言える。そして、大半の人が人生のなかで「愛のために生きる」ことを経験する。医療者のなかにも「愛する人のためなら命を差し出せる」という気持ちになったことがある人もいるだろう。そこまでいかなくても、四六時中パートナーのことを考え、行動のすべてがパートナーが基準になった恋愛経験のある人は少なくないだろう。だから、我々医師、特にGPは患者を診る場面で、ときにはその患者の“sexual identity”も診なければならない。
たとえば、禁煙・減量のモチベーションをあげてもらうためには「その患者にパートナーがいるのか、そのパートナーのために努力できるか」いったことも考えるべきだ。これは医療現場でよく言われる「家族の協力」とは異なる概念だ。わかりやすい言い方をすると「パートナーのためにがんばれるか」あるいは「パートナーにいい恰好をするためにがんばれるか」が重要であり、このようなモチベーションはときにどんなに優れた薬剤よりも効果がある。
禁煙治療を考えてみよう。当院では禁煙希望者には必ず「動機」を尋ねるようにして、パートナーがいるかどうか、いるならそのパートナーが喫煙者か、そして同棲しているかどうかを確認している。興味深いことに、長年のパートナーよりも「交際できることになるかもしれない好きな相手が非喫煙者」というときに成功率がぐっと上がるのだ。
パートナーについて尋ねるとき、可能であればその人は同性か異性かも聞くようにしている。もちろん、こういった質問ができる“空気”がなければそのときには聞かないほうが賢明である。そのあたりの空気を読むのは簡単ではないが、早い段階で患者の“sexual identity”について確認することができれば、医療者と患者の間の距離が縮まり良好な関係が構築できることが多い。
禁煙治療なら再診時に「(禁煙が続いて)パートナーの方も喜ばれているんじゃないですか?」といった会話はときに有効だ。
当院には皮膚疾患の患者も少なくない。多くはアトピー性皮膚炎(以下、単に「アトピー」とする)や尋常性乾癬といった「目に見える疾患」だ。アトピーを主訴に受診した初診の患者にsexual identityを尋ねるようなことは通常はしないが、それでも「この患者はこれまでどんな恋愛をしてきて、今後はどのようなことを考えているのだろう?」といったことは考えるようにしている。
もちろん、そのようなことを考えること自体がいくらかの患者にとってはお節介であるし、こういった話題を持ち出すのは十分慎重にすべきである。しかし「皮膚をきれいにしたい」という気持ちのベースには「パートナーがほしい」あるいは「モテたい」という欲求がある場合が多い(というよりほとんどがそうだ)。医療者側が「ここまで改善したんだから十分だろう」と考えても、「いえ、もっともっときれいになってモテるようになりたいんです」と(口にはしなくても)患者は思っていることが多い。ここを理解しなければ患者と医療者の治療の「目標」に乖離が生じ、コミュニケーションの齟齬が生まれることもある。
「性」はとても難しい。その理由のひとつが「性には反モラルの要素がある」ということだ。最もわかりやすい反モラルの例は「性暴力(レイプ)、痴漢、ストーカー」などの明らかな犯罪行為だが、こういったわかりやすい行為だけではない。
当院でしばしば相談を受けるのが「性依存症」だ。これを“疾患”と呼ぶかどうかには議論があると思うが、いずれにせよ苦しんでいる者は多い。「夫の性依存症を治したい」といって相談にくる主婦が当院をときどき受診するし、「フーゾク通いが止められない」が主訴の男性もしばしば受診する。
なお、文化や慣習を意味する「風俗」と区別するために、性風俗を本書では「フーゾク」と表現することにする。性依存症が高じて借金を繰り返す者もいるし、夫がフーゾク通いをやめないことが原因で精神を病んでいく主婦もいる。
単なるGPがこういった“症例”に貢献できることはわずかしかないかもしれないが、それでも彼(彼女)らが悩みを打ち明けられるのは、日ごろ健康のことなら何でも相談できるGPしかいない、ということは多い。
「性」はときに取り返しのつかない悲劇も生む。嫉妬からくる殺人、あるいは無理心中といった事例に医療者が関わることはそう多くないだろうが、我々が診ている患者が「自殺」をしたとき、そこに「性」の問題が孕んでいた可能性がある。
当院の患者でいえば過去2年で自殺した女性2人はいずれも「性」の問題を抱えていた。ひとりはAV女優、もうひとりはsex workerであった。二人とも心の病を持っていて精神科にも受診してもらっていたのだが、共に自殺するようなそぶりはみせていなかった(と言うより筆者が気付けなかった)。二人とも遺書を残しておらず自殺の原因に「性」がどこまで関与していたのかはわからないが「我々にできることがなかったのか?」今も考えている。
「恋愛感情ではないリビドー(性的欲求)による行動で、その後の人生を大きく変えてしまう疾患に罹患した」、わかりやすく言えば「一時的な性欲で人生が狂った」という患者も少なくない。実際、当院で診ているHIV陽性者のなかには、気軽に関係をもった相手から感染したという患者も多い。彼(彼女)らのなかには、そのときの後悔の念が拭えずに精神状態が安定しない者もいる。診察で毎回その「後悔の念」について触れるわけではないが、精神状態については常に注意を払わねばならない。
客観的には軽度の症状なのに患者は深刻に考えているような事例にも「性」が関与している場合がある。さらにそのせいで受診をためらっているケースも多い。
たとえば、Covid-19が流行している時期に「1週間続く感冒症状」で当院の発熱外来を受診した20代女性はCovid-19を心配しているのかと思いきや、「交際することになった男性からクラミジア(性器クラミジア感染症)を咽頭にうつされたのではないかが心配」が真の主訴であった。外陰部の炎症が悪化しているが半年間放置していたという40代の女性は「1年前に夫以外の男性と性行為を持ったことが原因ではないかと考え、夫にも言い出せず一人で悩み続けていた」ことが問診からわかった。単なる非感染性の外陰部炎を市販の軟膏で悪化させていただけだった。それを伝えると安堵し涙を流し始めた。
当院では診察室の扉は防音効果のある頑丈なものを使用しており、さらに扉の前にマスキング音が出るスピーチプライバシーシステムを設置している。さらに、必要であれば看護師にも退席してもらい入口と反対側の扉(こちらも防音効果のある扉)も閉めて、完全な“密室”とすることもある。このようにプライバシーを確保したうえで話しやすい環境にすると本音を話し涙を流す患者が少なくないのだが、改めて考えてみるとその多くで”性”が関与していることがわかる。
また、その逆に(特に患者がストレートの女性の場合)、男性である筆者よりも女性看護師が話を聞いた方がいい場合も少なくない。したがって、性を診るクリニックでは看護師や他のスタッフとも勉強を重ね、コミュニケーションを密にしておく必要がある。
当院で月に一度開催している主に看護師を対象とした勉強会(ちなみに、この勉強会は毎回外部の医療者も参加している)では性が関与したテーマを取り上げることも多く、その勉強会では毎回ひとりの看護師が症例報告を行っている。そこで、性の問題を抱えたケースが取り上げられることも少なくない。優秀な看護師がいなければ性を幅広く診るのは困難なのだ。
精神症状を呈する患者のなかで「性」が関係しているケースは多い。不眠、抑うつ感、不安感などが生じたきっかけが「性」に関することであったり、あるいは先にこういった症状がありそれを悪化(ときには改善)させたりするのが「性」であるというケースは数多い。
性暴力、ストーカー、domestic villence(以下DVとする)の被害者も少なくない。これらの被害者のなかには男性もいる。DVの被害者というと女性が想定されることが多いが、妻から身体的な暴力を受けている男性も珍しくはない。そして、精神科の敷居が高いことや、訴える自覚症状が精神症状ではなく、嘔気、めまい、しびれといった不定愁訴であることなどから、精神科を受診していないことが多く、また精神科受診を勧めても拒否されることも少なくない。
となると、最初に相談を受けたGPが初期診療を担うことになる。
直接的な「性」のことで当院を繰り返し受診する患者には、性的にactiveなゲイの男性や(男女とも)sex workerが目立つ。
定期的に性感染症の検査をしているsex workerは、通常、当院のようなGPのクリニックではなく性病科を標榜しているクリニック、あるいは婦人科や泌尿器科で性感染症を積極的に診ているクリニックなどを受診するのが一般的だが、内科的な疾患、または他の疾患で当院を受診している患者は当院でこれらの治療と性感染症の検査を同時に希望することがある。
そして、こういった性にactiveな人たちは、抑うつ感、不眠、不安感などの精神症状を有していることも多い。つまり先述したように、精神症状を聞いたときには、その患者の「性」を考えることが必要なだけでなく、その逆に、性的にactiveな患者を診たときには精神疾患を呈していないかどうかにも注意する必要がある。
さらに難しい問題もある。筆者の経験で言えば性にactiveな人は(違法)薬物に手を出していることが多いのだ。sex workerの喫煙率が高いことはおそらく間違いなく、そして薬物にはもちろんタバコ以外のものも考えねばならない。合法・非合法の分類にはあまり意味がないが、合法的なものでいえばアルコール依存症、ベンゾジアゼピン依存症(ベンゾジアゼピンについては本書では以下BZとする)はかなり多い(BZを非合法的に入手している者も少なくない)。ブロン(コデイン+エフェドリン)やナロンエース(ブロモバレリル尿素)の依存症になっている者もいる。違法なものでは、大麻、覚醒剤、MDMAあたりが多い。もちろんこれらを使用していることを初診時に患者が言い出すことはなく、ある程度時間がたってから患者の方から話をしてくる場合がほとんどだ。
セクシャルマイノリティ(LGBT、あるいはSOGIという言葉が人口に膾炙していると思われるが、本書では「セクシャルマイノリティ」または単に「マイノリティ」とする)については本文でじっくりと述べるが、セクシャルマイノリティのひとつの特徴として、ストレートの男女よりも(違法)薬物の経験者が多いことが挙げられる。
本書ではセクシャルマイノリティの診察についても十分なページをとった(第1章参照)。マイノリティに対する何気ない一言で、医療者と患者の関係が崩れることは想像に難くないだろうが、単に「NGワード」を覚えればいい、という単純な話ではない。
GPが「性」を診るときに忘れてはならないひとつが「差別」だ(似た言葉に「偏見」「スティグマ」などがあり、これらは厳密には意味が異なるのだが本書ではそれには深入りせず「差別」で統一する)。
セクシャルマイノリティへの差別については論をまたないが、HIV陽性者への差別、sex workerへの差別、性犯罪者(加害者のみならず被害者も)への差別という問題は根深く、そして誤解を恐れずに言うならば、こういった人たちに対して最も理解が「ない」のは我々医療者だ。
また、狭義の差別には該当しないが、世の中に「恋愛ヒエラルキー」があるのは明らかであり、そのヒエラルキーに囚われすぎたがゆえに身体や精神を病んでいる者、つまり「恋愛弱者」であることを自覚し、精神的に不健康になっていく者も少なくない。
「性のプライマリ・ケア」と聞いてこの本を手にとったあなたは、どのような問題に興味をお持ちだろうか? セクシャルマイノリティへの対処法だろうか? 性感染症の診断と治療だろうか? それとも、GPが診るべき泌尿器科及び婦人科疾患だろうか?
本書で取り扱うのはもっと広い範囲のものだ。多くの身体症状や精神症状を診るときに「性」の観点からの考察が必要であり、患者から「性的」な訴えがあったときには精神症状や社会背景にも留意しなければならず、ときには薬物依存症の知識も必要で、さらに「差別」についても考察せねばならないのが「性のプライマリ・ケア」だと筆者は考えている。
なお、本書を読まれる前にひとつお断りしておかねばならないことがある。
通常、医師が書く書籍というのはエビデンスに基づいていなければならない。しかし、本書はお世辞にもエビデンスが豊富とは言えない。むしろ、エピソード重視で構成されており、学術的には価値がない。それでも、最終的に本書を上梓することを決心したのが、他に同様の書籍がないことに加え、エビデンスを出しにくい内容が多いからだ。たとえば、性感染症を繰り返す者は依存症が多いという印象を筆者は持っているが、性感染症を繰り返す患者が毎回当院を受診するわけではないことや、依存症の定義があいまいなことなどからデータを示すのは困難なのだ。
それでも、都市に位置する総合診療のクリニックで日々おこなわれている「性に関する診療」に興味を持っていただければ幸いである。

≪Skill-Upリハビリテーション&リコンディショニング≫
ランニング障害のリハビリテーションとリコンディショニング
リスクマネジメントに基づいたアプローチ
ブームの再来に伴い,ランニング障害は増加の一途をたどっている.本書ではスポーツ医科学の基礎知見から評価のコツやポイントまで,ランニング障害治療の必須事項を網羅.特にリハとリコの実際の章では,ベテランの理学療法士・トレーナーにより,患部のみを診るのではなく,障害の全体像の評価を行いアプローチすることを主眼に解説.また,「予防」の観点から競技現場での取り組みの実際を紹介している.

チクチク療法の臨床
自然治癒力を引き出す
脳外科医が考案! 西洋医学の神経解剖と東洋医学の経絡の考えを融合させた新しい治療体系!!
“行列のできるクリニック”の膨大な治療症例とその治療理論を詳説!
チクチク療法は、西洋医学とも東洋医学とも違うメイド・イン・ジャパンの治療体系です。—副交感反応を呼び起こし自律神経を調整するチクチク刺激を、脳・脊髄につながる神経走行に着目した「デルマトーム理論」にもとづいた治療ポイントに加える—本年3月に一般向けの入門実用書として刊行し、売れ行き好調の『自分でできるチクチク療法』よりワンランク上の知見を求める読者のために、専門家のニーズにも応えられる内容として、難病を含む広汎な疾患に効果のあるこの治療法の治療症例を疾患別に数多く紹介、また、その治療理論を解説しました。
巻頭にチクチク療法の治療ポイント図解付き!

外来リハ・通所リハ・通所介護のリハビリテーション
運動器疾患編
外来リハ・通所系リハの運動器疾患の評価と対応が学べる!
高齢化が進む現代では、さまざまな病気を有する人が増えているが、運動器疾患は高齢者全般に発症する疾患である。しかし、肩、腰、膝の痛みや各関節の可動域制限などは「歳のせい」として認識され、早期の適切な治療を受けずに経過することが多い。慢性的な運動器疾患において、より早期に適切な評価や治療を受けることは将来へのQOLを高めるために重要である。
本書では、外来リハビリ・通所リハビリ・通所介護の利用者の多くが有している運動器疾患の評価と治療について、各分野のエキスパートが解説をしている。各関節の解剖学、運動学、および評価や治療の解説では、理学療法士でメディカルイラストレーターでもある福山真樹氏のイラストを用いて、視覚的な理解がいっそう得やすくなっている。
外来リハビリ・通所リハビリ・通所介護における、利用者の有する運動器疾患への適切なケアや運動療法の質を高める必携の1冊である。
『外来リハ・通所リハ・通所介護のリハビリテーション』~組織マネジメントと高齢者リハビリ編~の姉妹編である。

運動器の傷害と機能障害
その病態とメカニズム
リハビリテーション医療における適切な介入戦略を選択・実践するうえで不可欠な“傷害の治癒”と“機能障害の発生”にかかわるメカニズムを整理
本書は、15章の構成としている。1章(総論)では、リハビリテーション医療の対象となる運動器の傷害ならびに機能障害の発生状況の実態を紹介し、傷害と機能障害の因果関係について解説している。続いて2章(炎症)と3・4章(疼痛)では、どのような組織が傷害を受けても共通して発生する症候をまとめており、これらの章は以後の10章までの内容を理解するうえでの基礎となる部分でもある。ただし、疼痛に関しては症候として発生するのみならず(急性痛)、それ自体が機能障害あるいは疾病に発展する(慢性疼痛)ことも解説しており、運動器の機能障害としての位置付けにもなっている。そして、5章~10章(創傷、靱帯損傷、腱損傷、骨損傷、末梢神経損傷、筋損傷)では、組織区分に基づき傷害の病態とメカニズムを解説している。なお、創傷は運動器の傷害には含まれないものの、熱傷と褥瘡といった創傷はリハビリテーション医療の対象であり、しかもその治癒過程のメカニズムは靱帯や腱、骨など、結合組織で構成される組織にも汎用・応用できることから、本書では取り扱っている。続いて11・12章(筋力低下)、13・14章(関節可動域制限)では、典型的な運動器の機能障害を取り上げ、その病態とメカニズムを解説している。そして、最後の15章(フレイル)では、高齢社会の到来によってリハビリテーション医療の対象患者の多くが高齢者であることを踏まえ、高齢者の健康問題の基盤にあるフレイルを取り上げ、これが運動器の傷害ならびに機能障害の発生に深く関与していることを解説している。加えて、学生の自己学修にも活用できるよう多くの章に共通する基礎的事項やメカニズムに関する最新知見などはコラムとしてまとめている。
本書は、未だに臨床で目にする旧態依然の対症療法的な介入戦略からの脱却を図り,“メカニズムを基盤としたリハビリテーション医療(Mechanism-Based Rehabilitation)”の実現に必要な知識を集約した一冊である。

Heart View Vol.28 No.3
2024年3月号
【特集】LVADを理解し現状を知る
【特集】LVADを理解し現状を知る

レジデントノート Vol.26 No.10
2024年10月号
【特集】救急の問診術 限られた時間でどう聞く?どう考える?
【特集】救急の問診術 限られた時間でどう聞く?どう考える? 忙しい救急外来…限られた時間でも必要な情報をしっかり集めて適切に解釈し,次の対応や診断に素早くつなげていくための,上級医の〔問診術〕を大公開!キーフレーズも満載で,救急での問診に自信がもてる!

非がん性呼吸器疾患の緩和ケア
全ての人にエンドオブライフケアの光を!
日本では健康保険の緩和ケアの対象が,がんとAIDSに限定されているが,COPDや間質性肺炎など呼吸不全患者の苦痛は大きく,緩和ケアを必要としている.また実際,現場では多職種によるケアが行われ,エビデンスも確立されつつある.本書では,包括的リハビリテーションから薬物療法,支持療法,意思決定支援まで,患者を支える手段を解説する.

≪YORi-SOU がんナーシング2019年別冊≫
改訂2版 がん疼痛治療の薬-オピオイド鎮痛薬・非オピオイド鎮痛薬・鎮痛補助薬・オピオイドの副作用対症療法薬-はや調べノート
【がん疼痛治療薬の最新情報をピックアップ!】
がん疼痛治療の柱である「オピオイド鎮痛薬」「非オピオイド鎮痛薬」「鎮痛補助薬」「オピオイドによる副作用の対症療法薬」の最新情報がこの1冊に!使いやすいと大好評のミニブックは、最低限押さえておきたい内容に絞って薬の特徴が載っており、患者説明などにすぐに使える内容になっている。

よくわかる医療脱毛
テクニックとトラブル対策
医療脱毛のスキルアップから経営まで。日本医学脱毛学会理事の先生方が、ぜんぶ教えます。医療脱毛をマスターして、これからは「選ばれる」クリニックへ!