ケーススタディで学ぶ 脳動脈瘤クリッピングの5ステップ
脳動脈瘤に対するクリッピング手術は、脳神経外科医にとっては基本的な手術手技で、日常的に行われる手術である。その手技を、わかりやすく、具体的に解説したもの。
動脈瘤の部位別に述べるのではなく、動脈瘤の画像診断を行って手術戦略を立案するステップから手術を実施して振り返るまでの時系列に沿い、5つのステップに分けて詳述したものである。それぞれのステップにおいて、大切にすべき幾つかのポイントを挙げ、その理解を助けるためのケーススタディを数多く集めて理解しやすく工夫している。主として基本的なコンセプトや手技を中心にまとめてある。
序文
脳動脈瘤に対するクリッピング手術は、脳神経外科医にとっては基本的な手術手技に分類される。一般的な脳神経外科施設においては、破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術は日々行われる可能性がある手術である。施設によっては、未破裂脳動脈瘤の手術も日常的に行われる手術であろう。
一言で「クリッピング手術」と言っても、極めて広範な手術内容を含んでおり、当然その難易度の範囲も非常に広い。専門医試験前の専攻医が対応可能なものもあれば、限られた施設でしか対応出来ないような手術も含まれている。従って、一通りの「クリッピング手術」を習得するためには、数多くの経験と時間を要する。
一方、脳動脈瘤の治療ということに関しては、血管内治療の使用機器・材料および技術の進歩は、急速な適応の拡大をもたらしつつある。これまではクリッピング手術の適応と考えられていた動脈瘤が、問題なく血管内治療にて治療される時代となっている。その進歩の速度には目を見張るものがある。
しかしながら、全ての動脈瘤が血管内で治療される日が直ちにやって来るとは考え難い。さらには、クリッピングを含む直達手術に託される症例は複雑な症例に偏るという考えもある。この状況において脳神経外科医は、確実に少なくなりつつある手術症例数で、「クリッピング手術」という技術を効率良く習得していかねばならない。
この教科書は、脳動脈瘤のクリッピング手術を、動脈瘤の部位別に述べるのではなく、動脈瘤の画像診断を行って手術戦略を立案するステップから手術を実施して振り返るまでの時系列に沿い、5つのステップに分けて詳述するものである。それぞれのステップにおいて、大切にすべきいくつかのポイントを挙げ、その理解を助けるためのケーススタディを数多く集めて理解しやすく工夫している。主として基本的なコンセプトや手技を中心にまとめてある。
「脳神経外科医になったからには脳動脈瘤クリッピング術の術者であると胸を張って言えるようになりたい!」と切に考えるような、これから「クリッピング手術」を学ぼうという初学者はもちろん、ある程度の経験を経た術者の考え方のまとめとしても役に立てるのではないかと思っている。
臨床栄養 136巻6号
臨時増刊号
糖尿病エキスパートブック 食事療法・栄養指導に活かす最新情報
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循環器ジャーナル Vol.70 No.2
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理学療法ジャーナル Vol.57 No.3
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原因不明消化管出血(OGIB)
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臨床での評価と支援にさらに役立つ改訂第2版!
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新訂版 パワーアップ問題演習薬理学 第3版
第3版では、理解を深め、解答を導くために「穴埋め記述問題」には語句群を用意し、最新の情報を盛り込むなど内容を全面的に見直した。また、「実践問題」においても内容を見直し、新たに19の問題を追加した。「穴埋め記述問題」と「実践問題」を合わせて423問(第2版より25問増)となり、より充実した内容の問題集となった。
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理学療法ジャーナル Vol.52 No.5
2018年5月号
特集 視床出血と理学療法
特集 視床出血と理学療法 視床出血のなかの約40%は四肢体幹の体性感覚の中継核である後外側腹側核を中心に発生する.しかし,その血腫は同核を越えてさらに広範囲に及ぶ.また,残りの60%の出血は他の視床核で発生する.視床核は脊髄,小脳,脳幹,大脳基底核,大脳皮質を中心として極めて機能的な線維連絡をなしている.さらに視床の周囲には内包や視床下部などが存在していることから,視床出血という診断には多種多様の病態が内在していることを知る必要がある.
障害別 運動療法学の基礎と臨床実践 第1版
理学療法の治療体系の中でも核となる運動療法は「疾患別」と「障害別」の2階層に区分されるが、本書は「障害別運動療法」に焦点を当て、系統的にわかりやすくまとめたものである。
各障害の運動療法に対し9つの共通項目を立てて網羅的に解説し、一部は動画で実際の動きを確認できるようにした。
著名な執筆陣により、理論や経験則、さらに最新のエビデンスを交えた実践方法を紹介。これから臨床現場に出る学生や新人理学療法士必読の書。
画像診断 Vol.44 No.1(2024年1月号)
【特集】症例から学ぶ心臓血管放射線診断
【特集】症例から学ぶ心臓血管放射線診断 冠動脈病変,心筋疾患,腫瘍,大動脈疾患について,短い総論と実際の症例をCase-baseスタイルで提示し解説.循環器画像診断になじみの少ない初学者が,日常の画像読影に取り組むうえで役立つ知識が満載の一冊.
レジデントノート増刊 Vol.23 No.2
【特集】症候診断ドリル
【特集】症候診断ドリル 明日から実践できるエキスパートの診断戦略を現場でよく遭遇する23症候をもとに解説!患者の訴えを的確な症候に置き換え,鑑別をあげ,必要な診察・検査を行い,診断を下すまでの道筋をドリル形式でトレーニング!
Dr.平岩 動画で直伝 子どもの発達障害 外来診療の工夫
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臨床放射線 Vol.68 No.11
2023年11月号
エキスパートによる輪郭入力のコツとノウハウ
エキスパートによる輪郭入力のコツとノウハウ
今月の特集は「エキスパートによる輪郭入力のコツとノウハウ」です。放射線腫瘍医にとって、自身のすべてが反映される最重要治療プロセスである輪郭入力のコツを、脳腫瘍、肺癌、食道癌、直腸癌、小児腫瘍の5項目に分け、各々を達人に教えていただきました。放射線腫瘍医はもちろん、治療部門と連携する診断医の先生方にも役立つ貴重な特集です。診療1篇に6篇の症例報告、好評連載「今月の症例」ともども、是非ご覧ください。