J. of Clinical Rehabilitation 30巻2号
感覚障害に対するリハビリテーションアプローチ
感覚障害に対するリハビリテーションアプローチ
老眼や難聴等,加齢とともにあらゆる感覚器の機能は衰えてくる.それとは別にさまざまな疾患や外傷によっても感覚器の機能は衰える.COVID-19 感染症による味覚障害・嗅覚障害は大きな話題となった.感覚障害はその機能障害のみならず,続発性の障害を容易く引き起こす点でも重要である.味覚・嗅覚の障害は食欲低下を介して栄養障害を引き起こし,サルコペニア・フレイルの原因となる.視覚障害・平衡感覚障害は転倒・骨折と密接な関係があり,また抑うつ等の精神障害にもつながる.さらに,聴覚障害と認知症発症の関係等も注目されている.触覚の失認等のQOL 低下も著しい.そのような感覚障害の病態生理の理解について近年多くの進歩があった.そしてその理解に基づいて感覚障害に対する対応にも大きな進展がみられる.機能障害そのものの治療法に加えて,環境調整や補助具等機能低下を補完する方法論が確立されてきたのである.つまり包括的なリハビリテーションが感覚障害に対しても有効な手立てとなるケースが近年飛躍的に増加してきたのである.このような感覚障害に対する包括的なリハビリテーションを理解するために,この特集を企画した.
本特集では視覚障害については東北大学の鈴鴨よしみ先生に,味覚障害については同じく東北大学の歯科の笹野高嗣先生,嗅覚障害に対しては高知大学の奥谷文乃先生,聴覚情報処理障害というまだ耳慣れない障害については国際医療福祉大学の小渕千絵先生,平衡感覚障害については日本福祉大学の浅井友詞先生,咽頭感覚障害については東邦大学の海老原 覚先生,触覚障害については文京認知神経科学研究所の武田克彦先生にご執筆いただいた.いずれもその道で活躍している研究者である.とりわけ武田克彦先生は神経心理学の大家であり,恐る恐る原稿を依頼させていただき,書いていただけたのは感激である.それぞれの先生に,その障害の発症機序について中枢性・末梢性を意識しながら概説いただき,そのメカニズムに基づく介入法・リハビリテーションについて執筆いただいた.
感覚受容の究極のターゲットオーガンは脳であるが,脳での感覚受容はその人の経験に大きく左右される.生命にかかわる生態警告系の感覚信号でなければ,快・不快等が経験により決まってくる.有名なプルーストの『失われた時を求めて』の「紅茶とマドレーヌ」の挿話にみられるように,「素晴らしい快感に襲われ,何か貴重な本質で満たされ」たと感じるのは,幼いときに親戚の叔母がハーブティーに浸して出してくれたマドレーヌの味だったりするのである.このような事実は,すべての感覚障害に対してリハビリテーションの介入の余地があることの証である.COVID-19 感染症では,治癒後でも後遺症が長く続くことが報告されており,感覚障害も例外ではない.今後ますます,感覚障害のリハビリテーションは重要になってくると考えられ,本特集がその理解の一助となれば幸いである.(編集委員会)
大人のトラウマを診るということ
こころの病の背景にある傷みに気づく
幼少期の虐待やいじめの経験など、精神科患者はトラウマを抱えているケースが多い。本書はそんなトラウマへの気づき方や対応のコツなどを解説する一冊。精神科医が日常の外来で遭遇するような症例を取り上げながら、明日の臨床から参考にできるコツを披露する。発達障害とトラウマの関係についても詳述しており、まさに今日の精神科臨床で必要とされる知識が盛り込まれた内容となっている。
新訂版看護・医療系のための情報科学入門 第2版
情報、パソコン、ネットワーク、統計など、それらと看護との接点は非常にわかりにくい。本書は、身近な看護の状況を例に取り上げているので、入り込みやすく、しかもわかりやすい。
問題集 解剖生理をおもしろく解く
好評を博している『解剖生理をおもしろく学ぶ』から生まれた解剖生理学の問題集。本文を読み解きながら進める穴埋め記述問題を中心になっており、空欄に語句を記入することで、重要な内容を効率よく確認ができ、自然とその内容を理解することができる。
事例で学ぶ 医療者のためのWeb会議システム活用メソッド
「先生のWebレクチャー,わかりやすいですね!」と言われるようになりたいならこの1冊! Withコロナ時代のスタンダードとなったWebセミナーや学生実習,Web手術カンファも完璧にマスター.腹腔鏡実技トレーニングやオンライン外科教育,学会向け動画編集スキルなど,医療従事者が使うシチュエーションに特化した解説ですぐに使える! ずっと役立つ!これからの医療界で絶対に欠かせない内容をわかりやすくまとめた,初心者にも嬉しい内容.
理学療法ジャーナル Vol.55 No.2
2021年2月発行
特集 関節可動域評価のABC 治療計画につなぐ応用的解釈まで
特集 関節可動域評価のABC 治療計画につなぐ応用的解釈まで -
臨床整形外科 Vol.56 No.2
2021年2月発行
特集 ダメージ・コントロールとしての創外固定
特集 ダメージ・コントロールとしての創外固定 -
検査値早わかりガイド 第3版
第3版では全体の見直しを行うとともに、新たに、シスタチンC、グリコアルブミン、アンジオテンシンなど、21の検査項目を加え、より充実した内容となった。また、小児の検査値において、とくに注意すべき検査とそのポイントについてをまとめ、必要に応じて、各検査項目に小児の数値を別掲載した。
医学のあゆみ276巻7号
難聴の治療――再生医療から人工聴覚器まで
難聴の治療――再生医療から人工聴覚器まで
企画:大森孝一(京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)
・難聴は人と人とのコミュニケーションや社会生活に支障をきたし,最近は認知症のリスク因子といわれている.難聴には伝音難聴と感音難聴と,両者を伴う混合性難聴がある.
・難聴の治療は従来の薬物,手術,医療機器に加えて,多くの新しい治療法が開発されており,基礎医学や医工学の発展とともに急速に進歩している.
・本特集では,難聴治療に関する最新情報を“基礎医学を応用した日本発の先端的治療法”と“人工聴覚器など医療機器の世界的な潮流”の2つの視点から,専門の先生方に解説していただく.
基本がわかる!異常がみえる!運動器エコー
「走査と正常像」「疾患」の二部構成で全身の各部位を解説.運動器エコーの基本がコンパクトにわかる初めてでも安心の入門書.運動器の日常診療でエコーを使用するなら読んでおきたい一冊!Web動画つき.
実験医学増刊 Vol.39 No.2
【特集】パンデミック時代の感染症研究
【特集】パンデミック時代の感染症研究 病原体はどのように進化し宿主と相互作用するのか―COVID-19パンデミックの今こそ学びたい感染症研究のホットトピックを網羅.感染症の歴史やインフォデミック,巻末鼎談などメタ的視点も学べる決定版の1冊
レジデントノート増刊 Vol.22 No.11
【特集】がん患者の診かた・接し方 病棟・外来の最前線でできること
【特集】がん患者の診かた・接し方 病棟・外来の最前線でできること がんの治療中に頻発する症状や,患者とその家族が抱える不安への対応を解説!また,今後も役立つ薬物療法の基本・最新治療も紹介!治療開始時や進行期,緩和ケアなど,様々な時期ですぐに活用できる1冊です!
産婦人科の実際 Vol.69 No.12
2020年11月臨時増刊号
発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス[Web動画付]
発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス[Web動画付] エコー動画111点、エコー画像500点以上!胎児疾患が見てわかる!
≪産科婦人科臨床シリーズ 5≫
悪性腫瘍
子宮,卵巣,卵管,外陰,腟,絨毛―小骨盤腔から発生する婦人科悪性腫瘍の最大の特徴は,生物学的な多様性にある.
多種多様な腫瘍の組織分類・進行期分類・遺伝子解析をふまえた診断・治療方針を主軸に,妊娠中の患者への根治療法から将来妊娠・出産を希望する患者への妊孕性温存療法まで言及し,婦人科腫瘍学の基礎研究に基づく個別化治療を示す.
精神科臨床 Legato Vol.6 No.3
2020年12月号
座談会 わが国におけるshared decision making(SDM)のさらなる可能性
座談会 わが国におけるshared decision making(SDM)のさらなる可能性
統合失調症や気分障害を中心に精神科領域全体を広く取り上げ,そのときのトレンドに沿った話題や読者が診療において役立つ情報を提供し,精神科臨床の向上に貢献することを目指したものである。
LiSA Vol.28 No.2 2021
2021年2月号
徹底分析シリーズ:一時総括 COVID-19時代の麻酔/症例カンファレンス:高度肥満患者のm-ECT/ 快人快説:麻酔メカニズム研究シリーズ(7)物理化学的特性から迫る麻酔作用
徹底分析シリーズ:一時総括 COVID-19時代の麻酔/症例カンファレンス:高度肥満患者のm-ECT/ 快人快説:麻酔メカニズム研究シリーズ(7)物理化学的特性から迫る麻酔作用
新OCT・OCTA便利手帖
ポケットに携帯できるコンパクトなサイズと,使い勝手の良い紙面構成で必要なときに必要な情報がすぐに得られることで,好評を博した『OCT便利手帖』を全面アップデート。
新版では,症例をすべて刷新し,OCTやOCTAで疾患の理解や画像解析が向上したことによる最新情報を掲載。またレイアウトも初版の横向きから縦向きの配置になって,より読みやすくなりました。ポイント解説や撮り方のコツを充実させ,視能訓練士にもお薦めの一冊。
Frontiers in Glaucoma 2020年60号
座談会 英語論文執筆のポイント
座談会 英語論文執筆のポイント
「緑内障」を中心に眼科疾患の最新知識,情報を平易に解説。
実地診療に役立つノウハウを盛り込んで,情報交換の場としての機能を目指します。
Fetal & Neonatal Medicine Vol.12 No.2
2020年10月号
注目のTopics 周産期の栄養管理
注目のTopics 周産期の栄養管理
より一層の連携が求められる周産期・新生児・小児医療領域において,各領域の最新情報だけでなく,頻出の病態や治療法を視覚効果を用いてわかりやすく解説。
診療科間,病診連携における情報の相互理解とさらなる連携に役立つ情報を提供。
Epilepsy Vol.14 No.2
2020年11月号
Special Articles 結節性硬化症とてんかん:最新の進歩
Special Articles 結節性硬化症とてんかん:最新の進歩
本誌は,分散している情報を集約し,てんかんの適切な医療とケアの向上に貢献することを目的として創刊された。てんかんに関する既存の情報誌の橋渡しとなり,また不足する部分を補うことによって,充実した情報源として役立ちたいと願うてんかんの総合学術誌である。
