医学のあゆみ271巻2号
腫瘍免疫研究の最近の進歩
腫瘍免疫研究の最近の進歩
企画:河上 裕(国際医療福祉大学医学部,慶應義塾大学医学部 先端医科学研究所細胞情報研究部門)
・近年,CD8+T細胞を主要エフェクター細胞とする免疫療法は,複数のがん種で標準治療抵抗性の進行がんに対しても持続的な腫瘍縮小効果を示す症例があることが明らかになった.
・腫瘍免疫学の進歩は,臨床的には,治療効果予測や治療法選択のためのバイオマーカーの同定や複合がん免疫療法における治療標的の同定など,新しい個別化・複合がん免疫療法の開発につながる.
・本特集では,それぞれの分野の第一線の研究者により,腫瘍免疫学の最新知見と今後の展望について議論していただく.さらなる腫瘍免疫学とがん免疫療法の発展に向けて,読者の今後の活躍に期待したい.
医学のあゆみ271巻4号
肉腫治療の最前線
肉腫治療の最前線
企画:中 紀文(大阪国際がんセンター整形外科)
・肉腫は,ほかのがん腫に比べて発症頻度は低く“希少がん”に分類されるが,発生部位はさまざまで罹患患者の約1/3は遠隔(肺)転移を生じ,不幸な転帰に至る難治性疾患のひとつとされる.
・2019年5月29日 にはがん遺伝子パネル検査が承認を受け,診療現場で個別化医療の実現に向け“がんゲノム医療”の導入が本格化している.
・本特集では,このような動向を鑑み,基礎・診療の最前線でご活躍の先生方に,肉腫の発生や病態の解明,さらに診断や治療に対する新たな取り組みを多方面から解説していただく.
医学のあゆみ271巻7号
脊髄損傷治療はどこまで可能か
脊髄損傷治療はどこまで可能か
企画:松山幸弘(浜松医科大学医学部附属病院病院長,同整形外科学講座)
・脊髄損傷は年間100万人当たり40.2人発症し,国内で年間約5,000人の新規脊損患者が発症している.また,現患者数は約8万人(18歳以上)で,そのうち労災患者は約1.5~2万人と報告されている.
・脊髄再生治療の可能性については基礎研究,臨床研究を含め世界各国で進められているが,そのなかでも2018年,日本ではじめて保険認可された骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)移植が認められた.
・本特集では,現在どこまで脊髄損傷後の再生治療が進んでいるのか,また実際はどこまで可能なのかを脊髄再生治療のトップリーダーの先生方にご執筆いただく.
医学のあゆみ271巻5号
第1土曜特集
サイトカインのすべて
サイトカインのすべて
企画:村上正晃(北海道大学遺伝子病制御研究所分子神経免疫学分野)
・1980年代のサイトカインクローニングの隆盛期から40年近い年月が経過し,基礎研究から見出されてきたサイトカインシグナルを標的とする治療法が臨床的に効果を示すことが証明されている.
・ここ10年ほどで,慢性炎症が自己免疫疾患ばかりではなく,多くの病気の根底の病態誘導機構として存在することが明らかとなった.さらに,免疫系以外のさまざまな生体応答にもサイトカインが関わることが示された.
・本特集では,サイトカインの発現調節機構や病態に対する最新の知見,さらに神経系や循環器系を含むさまざまな生命現象に対するサイトカインの役割について,それぞれの研究分野の第一人者の先生方に解説いただく.
医学のあゆみ271巻1号
第1土曜特集
トランスポーターのすべて
トランスポーターのすべて
企画:楠原洋之(東京大学大学院薬学系研究科分子薬物動態学)
・トランスポーターは脂質膜内外のイオン・低分子化合物を輸送する膜蛋白質である.分子内に基質結合部位を持ち,基質濃度の増加に伴う輸送速度の飽和,他物質による基質結合部位の競合から輸送速度の低下を生じうる.
・機能未同定のものを含めて400種以上が知られており,その生理機能は多岐にわたる.トランスポーター機能の欠損により基質となる物質の蓄積や欠乏を生じることで,疾患の要因または疾患修飾因子となりうる.
・本特集では,疾患・薬物療法におけるトランスポーターの重要性およびその解析法について,さまざまな角度から最新の知見を紹介する.薬物トランスポーター研究の現状を把握するうえでの一助になれば幸いである.
医学のあゆみ271巻12号・13号
肺高血圧症診療最前線──これからの肺高血圧症診療に向けて
肺高血圧症診療最前線──これからの肺高血圧症診療に向けて
企画:瀧原圭子(大阪大学キャンパスライフ健康支援センター)
・かつて肺高血圧症(pulmonary hyperten-sion:PH)は原因不明で予後不良の難治性疾患であったが,この20年間で診断および治療法は劇的に進化している.
・当初,家族性PH症例から原因遺伝子が解明されたが,遺伝子異常だけでなくPHの病因はきわめて多彩であるとともに複雑でもあり,その発症には “multiple-hits”が関与していることが知られている.
・本特集を通じて,PH病態の理解や治療法の画期的な進歩につながる研究が,近年超速の進歩を遂げていることを感じ取っていただくとともに,PHの臨床および基礎研究の魅力を知っていただきたい.
医学のあゆみ271巻11号
薬物乱用のトレンド:大麻をめぐる諸問題
薬物乱用のトレンド:大麻をめぐる諸問題
企画:舩田正彦(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部依存性薬物研究室室長)
・わが国における大麻事犯の検挙者は,ここ数年で一気に増加している.とくに,20歳未満の大麻事犯検挙者が増加していることが明らかになっており,若年層への大麻乱用拡大が危惧されている.
・大麻に関する規制状況については,わが国では大麻は厳しい規制が施されているが,海外ではここ数年で規制が緩和される傾向にある.
・本特集では,わが国の最近の薬物問題として“大麻”に焦点を当て,大麻の特性と海外の規制システム,乱用実態,薬物依存症の治療および回復支援について総合的に整理し,大麻乱用拡大に対する対応策を考察する.
リシェの美術解剖学
本書は、医師、解剖学者で彫刻家、製図家でもあるポール・リシェの著書『美術解剖学 ANATOMIE ARTISTIQUE: DESCRIPTION DES FORMES EXTETRIEURES DU CORPS HUMAIN』(フランス語)の日本語版である。130年前に出版され、以来、美術解剖学の教科書としてずっと読み継がれている。110以上の図が並べられ、文章は付属物としての位置づけである。
今回、美術解剖学の専門家が日本語に翻訳し、それを解剖学で多くの翻訳本を手がけている坂井建雄氏が監修している内容充実の本。
美術解剖学や解剖学に関する書籍が多く出版されているが、本書は最もスタンダードな教科書であり、美術解剖学の金字塔とも言える本である。
人体を描いたり触れることを生業にしている画家、彫刻家、漫画家、イラストレーター、アニメーター、CGアーティスト、ゲームクリエーター、デザイナーはもちろん、医師、理学療法士などにもぜひ読んでほしい。
レジデントノート Vol.22 No.16
2021年2月号
【特集】救急外来・ICUでの採血検査
【特集】救急外来・ICUでの採血検査 血算・生化学・炎症マーカー・血液ガスなど,救急外来・ICUで頻繁に行う採血検査の意義と使い所,結果の解釈を解説.そこから導かれる適切な治療や検査の精度・限界も押さえ,意味ある検査ができるようになる!
腹腔内内ヘルニア大全
腹腔内内ヘルニアの歴史は非常に古いにもかかわらず,その概念・定義もいまだ明確ではない.この状況を打破するために,最新の論文はもちろん,多数の歴史的な原著・原論文を実際に参照して腹腔内内ヘルニアの歴史を辿った上で,現代の発生学・筋膜解剖学に則った正確な膜構造の理解を礎として,腹腔内内ヘルニアを俯瞰した.添えられた多数の分かりやすいイラストが,読者の理解をさらに深める.まさに唯一無二の1冊.
健康・栄養科学シリーズ
解剖生理学
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
健康・栄養科学シリーズ「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 総論・各論」が3分冊にリニューアル。各臓器の構造と働きをフルカラーでわかりやすく解説。ポイントをおさえた解説だけでなく、豊富なイラストで情報を視覚的に伝え、より深い理解へとつなげる。疾患の病態生理や治療につながる内容についても解説を設け、管理栄養士に最低限必要な臨床の知識も身につけることができる。また、章末問題として、穴埋め問題・記述式問題の2種類を掲載し、暗記にとどまらない思考力を養う構成となっている。人体の構造と機能および主要疾患の系統的な理解に「生化学」「臨床医学」との併用がおすすめ!
救急医学2021年1月号
新型コロナウイルス感染症;何が起きたのか/起きているのか
新型コロナウイルス感染症;何が起きたのか/起きているのか COVID-19の流行下、救急・集中治療の現場では何が起きたのか/起きているのか。今こそそれを俯瞰し考察するために、「第48回日本救急医学会総会・学術集会」で開催されたシンポジウムの発表内容と、最前線で闘いつづける医師たちのナマの声を、お届けします。
消化器外科2021年1月号
知っておきたい外科感染症
知っておきたい外科感染症 感染症は、消化器外科術後のもっとも多い合併症の一つであり、術後成績や在院日数などに大きく影響する。本号では、近年さまざまなエビデンスの蓄積が進んでいる周術期感染症対策や周術期管理などについてわかりやすく解説した。
Heart View Vol.25 No.2
【特集】Physical examination 身体所見を学び,経験を重ね診療に活かす
【特集】Physical examination 身体所見を学び,経験を重ね診療に活かす
LiSA Vol.28 No.1 2021
2021年1月号
徹底分析シリーズ:末梢ルートトラブル 点滴漏れと薬剤性静脈炎/症例カンファレンス:COVID-19陽性患者の開放骨折/ 快人快説:麻酔メカニズム研究シリーズ(6)Na+,K+-ATPaseと全身麻酔薬
徹底分析シリーズ:末梢ルートトラブル 点滴漏れと薬剤性静脈炎/症例カンファレンス:COVID-19陽性患者の開放骨折/ 快人快説:麻酔メカニズム研究シリーズ(6)Na+,K+-ATPaseと全身麻酔薬 徹底分析シリーズ:末梢ルートトラブル 点滴漏れと薬剤性静脈炎
症例カンファレンス:COVID-19陽性患者の開放骨折
快人快説:麻酔メカニズム研究シリーズ(6)Na+,K+-ATPaseと全身麻酔薬
月刊/保険診療 2020年12月号
特集Ⅰ 「事務部門」の発想力!~事務部門主導の企画・改善事例集~
特集Ⅰ 「事務部門」の発想力!~事務部門主導の企画・改善事例集~
Part1 【鼎談】事務部門発で医療機関を変えていく!/久保田巧,中島雄一,藤井将志
Part2 事務部門主導の企画・立案11事例
1 診療報酬請求の精度向上と病棟クラークの活動の見える化/今津好美
2 重症度,医療・看護必要度の整合性を目指す/櫛桁礼
3 煩雑な「入金照合」業務を効率化/後藤義裕
4 業者と業務の総合的な比較検討による経費削減/池上温朗
5 継続的診療記録監査による記載率の向上/小谷野圭子
6 本部の機動力強化~ハイスピードマネジメントによる業績のV字回復~/福垣順三
7 診療案内App「とりりんりん」の利用促進活動/寺本圭
8 “混合介護”の足掛かりとなる生活支援サービスの事業化/相川浩一
9 病院イベント企画を広告数値化し費用対効果を明示/川上勇貴
10 地元企業とのコラボ商品開発によるメディアリレーション/松本卓
11 メディアやWebを活用した透析医療のブランドづくり/岩田裕介
特集Ⅱ 最新時事NEWS総まとめ
連載
厚生関連資料/審査機関統計資料
年間総目次
月間NEWSダイジェスト
介護保険/医学・臨床/医療事故NEWS
めーるBOX
■エッセイ・評論
プロの先読み・深読み・裏読みの技術/工藤高
NEWS縦断「新型コロナと医療計画」/武藤正樹
こうして医療機関を変えてきた!/新村浩明
■医事・法制度・経営管理
病院&クリニック経営100問100答「メンタル不調者をめぐる労務管理」/若林正幸
医療事務Openフォーラム「NPO法人全国連携実務者ネットワークの取組み」/木佐貫篤
かがやく!事務部門/真生会富山病院
■臨床知識
カルテ・レセプトの原風景【肺腺癌,癌性疼痛】安心して人生の最期まで過ごせる社会を目指して/小澤竹俊,武田匤弘
■請求事務
実践DPC請求Navi/須貝和則
レセプト点検の“名探偵”/秋山貴志
パーフェクト・レセプトの探求/株式会社ソラスト・志賀靖樹
点数算定実践講座/圓山研介
保険診療オールラウンドQA
読者相談室/長面川さより
休載:日本の元気な病院&クリニック
姿勢から介入する摂食嚥下 パーキンソン病患者に対するトータルアプローチ
パーキンソン病患者のほとんどに発生する誤嚥を防ぎ,誤嚥性肺炎を起こさせないためのノウハウが詰まった1冊。
実際のリハビリテーション場面(病院,患者自宅など)の写真を多数掲載し,食事時に咽せたり誤嚥を生じている患者に対してPT・OT・STが「いま何が出来てどう改善できるか」をトータルアプローチの視点から具体的に解説。
パーキンソン病の特徴的症状に対する薬物療法や,体重減少を予防する栄養管理などの基本事項をおさえつつ,リハビリテーション関連職種として「安全で機能的な摂食」を実現するための「姿勢」と「呼吸」に焦点を当てた介入を紹介する。
がん看護 Vol.26. No.1
2021年1-2月号
これだけは知っておきたい!オピオイド
これだけは知っておきたい!オピオイド がんの医学・医療的知識から経過別看護、症状別看護、検査・治療・処置別看護、さらにはサイコオンコロジーにいたるまで、臨床に役立つさまざまなテーマをわかりやすく解説し、最新の知見を提供。施設内看護から訪問・在宅・地域看護まで、看護の場と領域に特有な問題をとりあげ、検討・解説。告知、インフォームド・コンセント、生命倫理、グリーフワークといった、患者・家族をとりまく今日の諸課題についても積極的にアプローチし、問題の深化をはかるべく、意見交流の場としての役割も果たす。
みんなの研究倫理入門
「研究倫理」は気が重い。提出書類の山、法令や指針の束、退屈な研修会……。「とりあえず念のためにやっておく」手続きにとらわれていませんか。形式的な「法令順守」を離れ、研究倫理のルールの考え方に立ち返り、頭をひねって考えてみよう。
症例報告に倫理審査は必要? 患者への謝礼はいくらまでなら許される?
──身近な疑問をめぐる対話から出合う研究倫理は、こんなに知的で面白い!
J-IDEO (ジェイ・イデオ) Vol.5 No.1
2021年1月号
【Special Topic】新型コロナウイルス感染症と神経筋合併症
【Special Topic】新型コロナウイルス感染症と神経筋合併症 今号のSpecial Topicは『新型コロナウイルス感染症と神経筋合併症』.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)においては神経筋症状も高頻度に合併し,初発症状にもなりうること,また重篤で多彩な神経筋合併症も生じうることがわかってきています.今号では,これまでに明らかとなったCOVID-19の脳神経領域における最新情報を解説していただきます.また,いち早くWEBに公開された,岩田健太郎先生による『非専門家のためのCOVID-19診療(入院管理)の提案』も巻頭に掲載します.
