
市場原理に揺れるアメリカの医療
『週刊医学界新聞』に好評の連載が一冊の本になった。マサチューセッツ総合病院に勤務する筆者が、豊富な情報と交友関係、自らの経験をもとに、市場原理による米国のマネージド・ケアの仕組みを紹介、その光と影を伝える。わが国のこれからの医療の方向を示唆するとともに、医療者はいかに行動すべきかを考えさせる好著。

生きるための緩和医療
有床診療所からのメッセージ
2007年施行の「がん対策基本法」では、緩和医療について初めて「早期から適切に行われるようにすること」が謳われた。「緩和医療=ターミナルケア」という図式から離れ、「死ぬまで生きる」患者を支えるために真に必要な医療とは何か。有床診療所での緩和医療を積極的に行ってきた先駆者たちが、真に患者のニーズにかなう“緩和医療のかたち”を問う。

ことばもクスリ
患者と話せる医師になる
あなたの何気ないその一言に、患者さんは喜んだり傷ついたりしています。医療職の言葉には強い力があり、とくに医師の言葉は絶対です。本書では病院に寄せられた苦情や多くの症例をもとに、医療現場で使われている言葉の問題点を示します。苦情を目の当たりにするのは勇気がいりますが、言葉をうまく使いこなせれば、特別な医療技術を使わなくても患者さんを元気にできるかもしれません。「言葉」は重要なのです。

術者MITSUDOの押さないPCI
日本が世界に誇るインターベンショナリストの光藤和明医師が、生前に書き溜めていた原稿をもとに、倉敷中央病院循環器内科の協力により書籍化。数万例を超える治療経験と膨大な研究データを解析した上に成り立つ、“押さない”PCIテクニックの神髄に触れることができる。生涯、一術者として日々カテ室に入り続け、患者の治療に当たった医師の根底に流れる哲学が脈々とつづられている。

≪≪がん看護実践ガイド≫≫
病態・治療をふまえた
がん患者の排便ケア
がんの進行・病状の悪化、治療や症状緩和に用いる薬剤など、複数の要因が関連し生じることが多いがん患者の排便障害。慢性的に経過し生命に直接かかわることは少ないが、患者のQOLに影響する。看護師は病態や治療をふまえたアセスメントを行い、日常生活や自尊心に配慮したケアが求められる。本書では、排便ケアの基礎知識から、治療や病態に伴う排便障害とそのケア、スキントラブル時の対応や術前からのストーマケアを解説。

≪≪シリーズ ケアをひらく≫≫
介護するからだ
目利きで知られる人間行動学者が、ベテランワーカーの「神対応」をビデオで分析してみると……そこにあったのは“かしこい身体”だった! ケアの現場が、ありえないほど複雑な相互作用の場であることが分かる「驚き」と「発見」の書。なぜ真似で関係が動き出すのか、延長ジェスチャーとは何か、ズレと転用のテクニックはどう使われるのか、そしてマニュアルがなぜ現場で役に立たないのか——。暗黙知を言語化するとこうなる。

快をささえる
難病ケア スターティングガイド
2015年、42年ぶりの難病医療法。2016年、史上はじめての障害者差別解消法。難病当事者をとりまく社会環境が大きく動いている現代、医療者の知識・技術、そして目標を飛躍させよう。患者がみな快く暮らしてゆけるために、斯界の第一線で活躍する当事者・看護師・保健師・介護士・医師・セラピストたちがその知見、ノウハウを結集。入院療養と在宅ケアが互いに高めあう、新時代の難病ハンドブック。

DSM時代における精神療法のエッセンス
こころと生活をみつめる視点と臨床モデルの確立に向けて
21世紀の現在、精神療法はその方向性を見失っていると言っても過言ではない。しかしどのような患者にとっても、その人に見合った社会適応的な自己像を獲得できるよう導いていくのが精神療法である。本書では、著者の臨床経験をもとに、うつ病、統合失調症、自閉症スペクトラム障害を対象に、精神病理学的・人間学的な臨床モデルを提示。操作的診断の時代だからこそ、精神科医にとって個々の臨床の核づくりが求められている。

下肢運動器疾患の診かた・考えかた
関節機能解剖学的リハビリテーション・アプローチ
理学療法士・作業療法士が治療を行ううえで、関節機能解剖学および生理学の知識は必須である。本書は、2011年に発刊し好評を博した上肢版と同様、下肢(腰椎/股/膝/足)の代表的疾患により生じる症状を関節機能解剖学的観点および生理学的観点から捉え、各々の臨床症状に応じた疼痛の解釈のしかた、そして可動域改善を得るためのアプローチ方法など、適切な治療を行うためのポイントをわかりやすく解説している。

看護学生の主体性を育む協同学習
本書は、看護教育界でいち早く協同学習法を用いた授業を展開している著者の、長年の経験からまとめられた書である。協同学習法を用いた授業が看護教育に適している理由から、その具体的な授業展開を丁寧に紹介。「グループ学習がうまくいかない」「学生の能動的学修行動を促す授業を考えたい」「自律的なナースとして学生を育てたい」などのときに、ぜひ活用していただきたい。

乳癌診療のための分子病理エッセンシャル
乳癌は,患者のサブタイプを見極め,治療効果や予後を予測しながら治療選択を行うことが標準的になってきた.本書では,サブタイプの違いの背景にある遺伝子変異や分子の変化が,治療効果や予後の違いにどのように直結し,どこまで予測が可能になっているのか,臨床医がおさえておくべきポイントを病理と臨床の両側面からわかりやすくまとめた.

ジョーシキ! 腎生検電顕ATLAS
腎生検の電顕は腎臓病の病態を把握するのに有用だが,実地ではどこでどのように使用すれば良いのかがわかりにくいのが実情である.本書は臨床で腎病理を見続けてきた医師が,電顕でどこまで見ることができてどのように使えるかをわかりやすく解説.明日からの診断に使える知識が満載の一冊.

糖尿病医療学入門
こころと行動のガイドブック
治らない病気と言われてきた糖尿病も、糖尿病学の着実な進歩により、良好なコントロールが得られるようになった。しかし一方で、病気であることを受け入れられず、適切な治療を拒否・中断してしまう患者が多いのも現状である。糖尿病の患者心理の第一人者である著者が、この問題を解決するために臨床現場に行動科学などを採り入れ実践。本書は、糖尿病患者と医療を繋げることに成功した著者の集大成。

アセスメントとケアが変わる
褥瘡エコー診断入門
褥瘡のエコー診断についてまとめた、本邦初の本格的な実践書。エコー機器が小型化・高性能化するなか、DTI、ポケットの正確な評価など、褥瘡診療の分野でのエコーの活用に注目が集まっている。本書では、先進的に褥瘡エコー診断を行なっている著者らの実践事例とノウハウを紹介する。

異端の看護教育
中西睦子が語る
きれいごとで塗り固めたものには嘘がある。しかし、ナースたちはイノセント(無知)であるように教育されていて、現実が見えない、現実に気づかない。事実に目を向けられるナースを育てることはできないのだろうか。本書では、著者中西睦子氏がこれまでの看護教育で隠されていた部分を明確にするため、鍵となる視点を提示する。

ガイドライン準拠
C型肝炎治療Q&A
異なる作用機序のDAAsの登場により,経口薬のみによるC型肝炎治療が可能になった.ガイドライン作成委員で肝臓専門医のエキスパートが,C型肝炎ウイルスタイプ別,臨床検査値,併存疾患や併用薬剤の有無により,どのような患者に,どのような治療を行うべきか,新しい抗ウイルス療法を中心に,C型肝炎治療における疑問をQ&A形式で答える.

コメディカルのための邪道な脳画像診断養成講座
治療や支援で脳のどこが良くなったの? と患者さんや家族に尋ねられたら、答えられますか?
本講座の目標は、
●脳の異常所見は画像でどのように見えるのか、
●それぞれの脳疾患により、どのように正常な脳は減るのか、
●羅患後の患者さんに、正常な脳がどれくらい残っているのか、
をCT・MRI脳画像で理解・評価できるようになることです。
脳画像上で正常な脳の量を見積もれるようになれば、患者さんのADLや自己管理能力、社会復帰のための潜在能力をアセスメントできるようになります。
【本書の特長】
★漫画中心で解説されているから、楽しく学べる!
★各年代別の正常CT・MRI画像を掲載!
臨床で持ち歩いて患者さんの脳画像と比べてみよう!

マトリックスでわかる!
漢方薬使い分けの極意
患者さんの状態に合わせて処方するべき漢方薬がマトリックスからひと目でわかる!「日本内科学会認定医制度の研修カリキュラム」をもとに,漢方薬がよく使われる疾患・症状を厳選して掲載.(1)「マトリックス」から候補薬を選び出し,(2)「処方一覧表」で処方薬を決定できる.漢方医学の基礎知識や,漢方薬の便覧も収載.はじめて漢方薬を使う,もっと幅広く使ってみたい医師・研修医必携の1冊.

乳房ソナゾイド造影超音波診断ガイドブック
ソナゾイド造影超音波検査法の原理と乳腺疾患の診断・治療における有用性をまとめた入門書.ソナゾイドは血管構築像をリアルタイムで明瞭に抽出でき,腫瘍の広がりや治療効果判定に非常に効果的である.病変の検出・鑑別診断,治療方針の決定や術後のフォローアップにおいて本法を使いこなすための基本的知識を豊富な画像で解説している.

治療 特別編集
診療ガイドラインが教えてくれないこともある
総合診療医の皆さまへ。
診療ガイドラインとのおつき合い、うまくいっていますか? 欠かせない存在ではあるけど、いいなりになってもいられない。こと総合診療の現場において、その距離感は絶妙です。だから、実情に即した、本当に使える診療ガイドラインのむこう側、まとめてみました。ちょっくらのぞいて、みませんか?