精神看護 Vol.29 No.6【電子版】

2026年 11月号

特集1 「統合失調症」は本当にあるのか? 個人化・家族化を乗り越えて社会モデルで捉えなおすために/特集2 本気(ガチ)でスポーツをすることがリカバリーにつながる

電子版販売価格: ¥ 1,650 (本体:¥1,500 + 税10%)
出版社名
医学書院
発行年月
電子版発売日
ページ数
88ページ
判型
B5
印刷版ISSN
1343-2761
電子版ISSN
1347-8370

巻号一覧

概要

特集1 「統合失調症」は本当にあるのか? 個人化・家族化を乗り越えて社会モデルで捉えなおすために/特集2 本気(ガチ)でスポーツをすることがリカバリーにつながる 変革の流れを見据えながら、精神科医療福祉に従事する皆さんにとって役に立つ情報をお届けします。
病や障害をもつ人の“心も身体も”ケアする方法をご紹介していきます。また、あらゆる年代・疾患のニーズに応えながら、社会課題に向き合う記事も取り扱います。挑戦する実践家、変革期を支える臨床家、やさしい環境をつくる人たちに注目します。 (ISSN 1343-2761)

隔月刊(奇数月)、年6冊

目次

特集1 「統合失調症」は本当にあるのか? 個人化・家族化を乗り越えて社会モデルで捉えなおすために

今年3月21・22日に東京で開催された第20回日本統合失調症学会から、世界における統合失調症学の泰斗であるロビン・マーレイ氏による2つの講演(「クレペリン的統合失調症モデルの現在地──終焉に向かう古典的概念」と「精神症を理解する──病因に基づく分類と治療の新展開」)を、編集部が統合&ダイジェストした内容を紹介する。

★

マーレイ氏の講演は、「そもそも統合失調症は1つの疾患単位として成立するのか?」という過激にも見える問いから始まり、今後の治療の方向を明示する画期的内容である。
本特集ではその前に、このマーレイ氏の講演が持つ意味について大会長・西田淳志氏にコメントをしていただいた。「統合失調症の発症率は世界共通で人口の1%である」という端的な誤謬がなぜ今も人々に信じられているかを考えることは、精神医学が陥りがちな個人化・家族化の罠から逃れる第一歩であろう。

以下に記されていることは、日本の精神医療システムにおいて「常識」とされてきたことと食い違う部分もあるかもしれない。しかし臨床現場で働く精神科看護師にとっては、むしろ近い感覚で受け止めやすいのではないか。そんな期待を込めてお伝えする。


*第20回日本統合失調症学会の発表論文の詳細は、『精神医学』2027年1月号の特集で紹介される予定です。

特集2 本気(ガチ)でスポーツをすることがリカバリーにつながる

当事者の困難や葛藤を「無くす」だけでよいのか──。
ソーシャルフットボール(精神障害者フットサル競技)では、大会での勝利や日本代表への選出をめざし、精神障害を抱える当事者が本気で挑んでいます。その競技性の高さゆえに、負けた際の悔しさはもちろん、戦術をめぐっての仲間との衝突といった困難や葛藤も見られます。
こうした困難や葛藤は病状悪化のストレスであり、減じるべきものと考えてしまいがちです。しかし、ピッチ上で起きる衝突や悔しさは、「思い通りにいかない現実」「他者との食い違い」「責任の重圧」といった社会の縮図であり、競技スポーツを通したプロセスそのものが社会復帰や一般就労に向けた予行演習にもなり得ます。

本特集では、競技スポーツが秘める“リカバリーの可能性”をソーシャルフットボールを通した活動からみることで、当事者の余暇活動や支援のあり方について再考します。



特集1 「統合失調症」は本当にあるのか?──個人化・家族化を乗り越えて社会モデルで捉えなおすために

■「環境」を正しく俎上に載せるために──個人化・家族化という罠
・ 「1%神話」はなぜ続いてきたのか?
・ 環境と家族の微妙な関係
・ 当事者と家族が手を取り合うために
・ ロビン・マーレイ先生について
西田淳志

■「統合失調症」を再定義する──古典的概念の終焉
1 「統合失調症」という病気は本当にあるのか?
2 何が統合失調症をもたらすか──発達説vs.変性説
3 「世界中で発症率が同じ」は神話である
4 統合失調症を悪化させる要因は何か
5 統合失調症治療、これからどうなる?
ロビン・マーレイ

特集2 本気(ガチ)でスポーツをすることがリカバリーにつながる

「競技系パラスポーツ」を通した超職種連携と家族支援
別宗利哉

研究から見えてきた精神障害をもつ人たちにとっての競技性スポーツの意味
大江真人

患者の「やりたい」から始まったソーシャルフットボールの歩みと目指す先
日比野暢子

ソーシャルフットボールが私のリカバリーを加速させた
山田浩史

「競技」という高負荷の荒波を生きる山田さんの足元を支える
森木彩奈

■インタビュー
「マニュアルどおりには動けない」を前提に備える──2度の熊本地震を経験して見えた精神科病院の災害対応
平田孝治

■特別記事
中動態から捉え直すアウトリーチ支援
吉田光爾

VRで体験する精神医療の現実と患者の回復──描かれたのは闇か希望か
石丸健二、胡桃澤伸、藤原雅司

●患者さんのあの訴え、実はこうだった!…5
睡眠薬過量服薬で搬送されたものの、「自殺関連行動」のみでは説明できない患者さん
山口達也

●精神症状のある方の身体にまつわる臨床判断…4(最終回)
心電図と突然死リスクを読み解く
榎田園子

●アウトリーチチームの探偵Daytimeスクープ!──暮らしの“七不思議”に会いにいく…3
足立さん(仮名)の時空を超えたキャンパスライフ
五ノ坪洋孝(執筆)、山﨑翔(調査報告)

●突撃! あなたの街の対話ロジカルスペース…9
幸せを生む対話の場
星野概念

●当事者研究のスキルバンク…56
本日の研究者:ひでさん
本日のスキル:武士の名残りをぬぎすて弱さを語る法
べてるの家

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