産婦人科の実際 Vol.74 No.12【電子版】

- 出版社
- 金原出版
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2025/12/12
- ページ数
- 336ページ
- 判型
- B5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥9,350 (本体¥8,500+税10%)
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- 印刷版ISSN
- 0558-4728
- 印刷版発行年月
- 2025/12
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概要
生殖医療は,産婦人科の4分野のなかで最も理解が難しい分野とも言われています。ホルモン療法の複雑さ,卵胞のダイナミックな変化,受精後の胚の発達過程の理解など多岐にわたる知識が求められるためです。本誌では,一般的な教科書では網羅しきれない生殖医療の基本から実践的な治療戦略まで,実臨床で“本当に役に立つ”知識を凝縮しました。排卵や胚着床に関する初学者向けの入門的な解説コラム「Mini Tutorial」も収載。臨床現場で迷ったとき,困ったときにすぐに手に取りたくなる一冊です。
目次
CQ1 すべての産婦人科医が,生殖医療の知識をもっておくべき意味は? 堀江 昭史
CQ2 検査,治療のフローチャートは? 山本 貴子,村上 幸祐
CQ3 いつ生殖医療の介入を提案するか?治療のステップアップ時期の考え方は? 岩佐 武
Ⅱ 検査
CQ4 調べるべきホルモンの項目は何か? 谷 洋彦
CQ5 卵巣予備能はどのように評価すればよいか? 北島 道夫
CQ6 MRIは何に注目すればよいか? 八代 憲司,折坂 誠
CQ7 きれいな子宮卵管造影のコツは? 結果をどう評価する? 泉 玄太郎
CQ8 精液検査のやり方の実際は? 結果をどう評価する? 谷口 久哲
Ⅲ 外科的治療介入のポイント
CQ9 内膜症性囊胞摘出術の適応は? いつ手術する? 奥宮 明日香
CQ10 子宮筋腫摘出(核出)術の適応とアプローチは? いつ手術する? 北脇 佳美
CQ11 子宮腺筋症病巣除去術の適応と子宮破裂リスクは? 松尾 光徳,廣田 泰
CQ12 帝王切開子宮瘢痕症と不妊の関係は? 子宮瘢痕部修復術の適応は? 辻 俊一郎,賀勢 諒
CQ13 子宮内膜ポリープ切除術の適応は? 小さなものでも取ったほうがよいのか? 齊藤 寿一郎
CQ14 卵管閉塞に対する卵管鏡下卵管形成術の実際は? ARTとどちらがよい? 福田 愛作
CQ15 子宮形態異常の種類と手術適応は? 松田 繁
Ⅳ 一般的な生殖医療
CQ16 タイミング指導,排卵時期の推定はどのように行うか? 福原 理恵,横山 良仁
CQ17 人工授精の適応とやり方は? 沖村 浩之
CQ18 排卵誘発法(内服,注射)はどのように選べばよいか? 竹澤 美紀,立花 眞仁
CQ19 PCOSの治療は? 大須賀智子,仲西 菜月
CQ20 潜在性甲状腺機能低下症は治療したほうがよいのか? 前沢 忠志
CQ21 男性因子に対する治療は? 市岡 健太郎
CQ22 生殖医療中のワクチン接種のタイミングや影響は? 太田 邦明
Ⅴ 高度生殖医療
CQ23 GnRH アゴニスト法の適応とスケジュールの実例は? 鈴木 達也,室井 美樹,髙橋 美紀
CQ24 GnRH アンタゴニスト法の適応とスケジュールの実例は? 小野 政徳
CQ25 PPOS法の適応とスケジュールの実例は? 田村 功
CQ26 低刺激法の適応とスケジュールの実例は? 北島 遼,塩谷 雅英
CQ27 経腟採卵のやり方と注意点は? 吉田 淳
CQ28 通常媒精と顕微授精はどうやって使い分ける? 脇本 裕,脇本 謙
CQ29 受精卵の培養と品質の評価のしかたは? 奥山紀之,京野 廣一
CQ30 胚移植(新鮮,凍結)のやり方と注意点は? 辰巳 嵩征
CQ31 OHSSへの対策は? 石川 博士
Ⅵ 不育症
CQ32 不育症の原因となる疾患にはどのようなものがあるか? 後藤 志信
CQ33 一般外来でできる範囲の不育症のスクリーニングは? 市川 智子
Ⅶ 着床前遺伝学的検査(PGT)
CQ34 PGTの種類は? 澤井 英明
CQ35 PGTの適応は? 何がわかるのか? 瀧内 剛
Ⅷ がん生殖
CQ36 がん・生殖医療はどのような疾患で適応になるのか? 源 祥子,髙井 泰
CQ37 がん生殖における胚,未受精卵子凍結のスケジュールの実例は? 杉下 陽堂,鈴木 直
CQ38 卵巣組織凍結の適応は? どのように行われるか? 高江正道,鈴木 直
Ⅸ 医療経済
CQ39 保険診療でカバーされる検査や治療は? 費用の概算は? 髙橋 望,原田 美由紀
CQ40 先進医療として行われている治療にはどのようなものがあるか? 黒田 恵司
Ⅹ Column
胚培養士の役割 入江 真奈美,水野 里志
生殖看護認定看護師の役割 徳永 しげみ
生殖医療における基礎研究の意義 寺田 幸弘
難治性着床障害に対する挑戦 川井 清考,小川 達之
生殖医療と周産期リスク 左 勝則Mini Tutorial このMini Tutorialは,不妊治療の理解に役立つ排卵の生理に関する“初心者向けの入門的な解説”です。ごくごく初歩的な内容となりますが,「不妊治療って,腫瘍とか周産期よりもとっつきにくいんだよな…」「医学部の3回生で習った講義内容,ちょっと自信ないかも…」と少しでも感じている先生がたはぜひ読んでみてください。排卵現象と胚着床の生理についてやさしく解説します。① 不妊治療とは「成熟卵子をいかに取り出すか」
② 卵胞=卵母細胞+顆粒膜細胞+莢膜細胞
③ 卵胞がエストロゲンとプロゲステロンを分泌する
④ 卵胞の発育開始から排卵までの流れはどうなっている?
⑤ 卵母細胞が減数分裂をして卵子になる
⑥ 視床下部‒下垂体‒卵巣系が卵胞発育や排卵を調節している
⑦ 不妊治療には「一般不妊治療」と「高度生殖補助医療」がある
⑧ 卵胞を1つだけ育ててみよう<一般不妊治療>
⑨ 卵胞をたくさん育ててみよう<高度生殖補助医療>
⑩ LHとhCG
⑪ 排卵現象は「局所の炎症反応」である
⑫ 排卵現象から考えるOHSS
⑬ 排卵障害についてひも解く:視床下部のGnRHパルス状分泌の抑制
⑭ 排卵障害についてひも解く:PCOS(多囊胞性卵巣症候群)
⑮ 女性にとってアンドロゲンは,単なるエストロゲン合成の中間産物ではない!―高アンドロゲン血症と卵胞発育
⑯ インスリン抵抗性と高アンドロゲン血症
⑰ 女性体内での寿命は排卵卵子が約24時間,精子は約72時間
⑱ 着床には正しい向きと時期がある
