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J. of Clinical Rehabilitation 30巻3号【電子版】

これからの災害リハビリテーションのありかた

出版社
医歯薬出版
電子版ISBN
 
電子版発売日
2021/03/15
ページ数
100ページ
 判型
B5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥2,640 (本体¥2,400+税10%)

印刷版ISSN
0918-5259
印刷版発行年月
2021/03
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概要

これからの災害リハビリテーションのありかた
 日本は世界有数の災害大国といわれているが,これは日本の位置や地形,地質,気象条件等により,多くの自然災害が起こりやすいからだとされている.自然災害については「被災者生活再建支援法」において,暴風,豪雨,豪雪,洪水,高潮,地震,津波,噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害と定義されるが,中でも地震の発生率は世界4位であり,これまでも東日本大震災等をはじめとした巨大地震により多くの被害を被ってきた.大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(JRAT)は,その東日本大震災に対して活動したリハビリテーション支援10団体(2011年4月13日設立)を基に,さらにリハビリテーション関連3団体が参画し2013年7月26日に再結成された組織で,2020年4月1日には一般社団法人 日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)と法人化・名称変更されているものである.
 災害は発災直後からの状況変化で支援内容も異なり,発災直後である第1期の被災混乱といわれる時期は救命救護が必要であるが,第2期の応急修復期には疾病処置や慢性疾患管理等の救護とリハビリテーショントリアージが,第3期の復旧期においては生活不活発病(廃用症候群)により生じる高齢・障害者の生活機能低下に対するリハビリテーション支援が,そして第4期の復興期においては健康支援として地域に根付いたリハビリテーションへの移行支援が重要になる.このようなリハビリテーション支援を災害リハビリテーションとし,JRATでは2019年4月に「被災者・要配慮者等の生活不活発病および災害関連死等を防ぐために,リハビリテーション医学・医療の視点から関連専門職種が組織的に支援を展開することで,被災者・要配慮者等の早期自立生活の再建,復興を支援する活動のすべてをいう」と定義している.今回,この災害リハビリテーションに対する理解を深め実践につなげられるようにと考え,本特集を企画した.
 本特集では,災害リハビリテーションの基礎知識については栗原正紀先生(長崎リハビリテーション病院,JRAT代表理事)に,災害リハビリテーションの実際については近藤国嗣先生(東京湾岸リハビリテーション病院,JRAT理事)に,災害時のリハビリテーション医療と支援における感染症の問題-特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応については冨岡正雄先生(大阪医科大学総合医学講座リハビリテーション医学講座)に,日本医師会からみた災害医療と災害リハビリテーションについては長島公之先生(公益社団法人日本医師会常任理事 救急災害医療担当)に,災害リハビリテーションにおける地域の活動については浅見豊子先生(佐賀大学医学部附属病院リハビリテーション科,佐賀JRAT代表)にご執筆いただいた.またコラムとして,豪雨災害におけるDHEATの活動とJRATへの期待については藤田利枝先生(長崎県北保健所所長)に,DHEATと災害支援と災害支援における地域リハへの流れ:撤退をどうしていくかについては長谷川麻衣子先生(長崎県福祉保健部医療政策課)に,令和元年房総半島台風の振り返りとJRATへの期待については松本良二先生(千葉県野田保健所所長)にご執筆いただき,いずれもとても興味深い内容となっている.
 本特集を契機に,災害の多い日本において必要な災害リハビリテーションについて興味を持っていただければ何よりである.(編集委員会)

目次

災害リハビリテーションの基礎知識  栗原正紀
災害リハビリテーションの実際  近藤国嗣
災害時のリハビリテーション医療と支援における感染症の問題ー特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応についてー  冨岡正雄,森川明・他
コラム
豪雨災害におけるDHEATの活動と,JRATへの期待  藤田利枝
日本医師会からみた災害医療と災害リハビリテーション  長島公之
DHEATと災害支援と災害支援における地域リハへの流れ:撤退をどうしていくか  長谷川麻衣子
災害リハビリテーションにおける地域の活動ー佐賀災害リハビリテーション推進協議会(佐賀JRAT)の活動を通してー  浅見豊子
令和元年房総半島台風の振り返りとJRATへの期待  松本良二
■新連載
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臨床研究 
総合病院の回復期リハビリテーション病棟における精神障害をもつ患者へのリハビリテーション治療の特徴  中村智之,黒崎修平
臨床経験 
回復期リハビリテーション病棟において化膿性脊椎炎を発症した2症例  徳永誠,重本弘文・他