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J. of Clinical Rehabilitation 30巻8号【電子版】

腎臓リハビリテーションUpdate

出版社
医歯薬出版
電子版ISBN
 
電子版発売日
2021/07/19
ページ数
100ページ
 判型
B5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥2,640 (本体¥2,400+税10%)

印刷版ISSN
0918-5259
印刷版発行年月
2021/07
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概要

腎臓リハビリテーションUpdate
 わが国の慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)患者は1,330万人と推計され,国民の8人に1人が罹患する国民病であり,糖尿病患者1,000万人を遥かに凌ぐ.また,腎代替医療としての透析患者数は約34万人に達している.CKD患者ではフレイルやサルコペニアの割合が極めて高く,ADLが低下し,リハビリテーションや運動療法の必要性が増している.
 CKD患者では起立性蛋白尿や運動後の蛋白尿増加等から,これまでは安静にすることが治療の基本であった.しかし,最近の基礎的・臨床的な研究の知見により,腎臓リハビリテーション・運動療法がCKD患者のサルコペニア・フレイルの予防・改善,ADL・QOLの改善,心血管疾患予防による生命予後改善のみならず,腎機能改善・透析移行防止のための新たな治療としての可能性が指摘され,CKDの治療は「運動制限から運動療法へ」のコペルニクス的転換を果たした.
 本誌では2015年10月号で「リハビリテーションで若返る慢性腎臓病(CKD)患者」という特集を組んだ.それから,丸6年が経過した.この間に,「腎臓リハビリテーションガイドライン」の刊行,腎臓リハビリテーション指導士制度の発足,診療報酬化,国際化等が実現するとともに,腎臓リハビリテーションのエビデンスが大きく進歩を遂げた.そこで,本特集では,腎臓リハビリテーションに関する最新情報をわが国の腎臓リハビリテーションにおけるトップランナーに解説いただいた.
 すなわち,上月先生からは,総論としての腎臓リハビリテーションの現状と課題を,山縣先生からは腎臓リハビリテーションガイドラインの内容を,音部先生らからは保存期CKD患者の腎臓リハビリテーションを,松永先生らからはCKD透析患者の腎臓リハビリテーションを解説していただいた.また,コラムとして伊藤先生からは運動の腎臓保護効果を,三浦先生からは透析患者に対する電気刺激による筋力増強訓練を,武居先生からは腎臓リハビリテーションに関する診療報酬を解説していただいた.
 国民の70歳代では3人に1人,80歳以上では2人に1人はCKD患者であり,リハビリテーション医療関連職はもはやCKD患者を避けて通れない状況にある.本特集が,リハビリテーション医療関連職にとって自身が患者や社会に対してどのような役割を果たせるのか,どのように「変化」していかねばならないのかを考えるきっかけになることを期待している.(編集委員会)

目次

オーバービュー:腎臓リハビリテーションの現状と課題  上月正博
腎臓リハビリテーションガイドライン  山縣邦弘
コラム
運動の腎臓保護効果  伊藤修
保存期CKD患者に対する腎臓リハビリテーション  音部雄平,平木幸治・他
コラム
透析患者に対する電気刺激による筋力増強訓練  三浦美佐
CKD透析患者の腎臓リハビリテーション  松永篤彦,鈴木裕太
コラム
腎臓リハビリテーションに関する診療報酬  武居光雄,上月正博
■新連載
新型コロナウイルス感染症とリハビリテーション医療 
1. COVID-19患者へのリハビリテーション医療と感染対策のアップデート  平田知大,今井晋二・他 
リハビリテーションと薬剤 
1.リハビリテーションと薬剤管理のキホン  吉村芳弘 
■連載
巻頭カラー  見て学ぶ 脳卒中診察手技 
6. 失調症状  中馬孝容 
ニューカマー リハ科専門医 
  村田和樹 
リハスタッフが知っておくべきプレゼン(学会発表・講演)のコツ 
2.プレゼンテーションを成功に導くために  森岡周 
ヘルステックとリハビリテーション医療 
2. VR技術のリハビリテーション医療への応用  原正彦 
リハビリテーション職種が知っておくべき臨床統計:基礎から最新の話題まで 
10. 回帰モデルでできることと多変量解析の変数選択  佐藤俊太朗 
重度障害、重複障害に対する私のリハビリテーション治療経験 
12.極度低栄養状態の重症嚥下障害に対して集約的リハビリテーションで改善が得られた一例  黒川雅史,藤島一郎 
リハビリテーションスタッフがかかわるチーム医療最前線 
5. 奈良県立医科大学附属病院における周術期管理・プレリハビリテーションのチーム医療  眞野智生,川口昌彦・他 
心に残ったできごと―リハビリテーション科の現場から 
リハビリテーション医療を受ける目線から  永田智子 
臨床研究 
脳卒中患者の回復期リハビリテーション病棟退院時における歩行自立をロジスティック回帰分析を用いて予測した報告のレビュー