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J. of Clinical Rehabilitation 29巻6号【電子版】

小児のリハビリテーション

出版社
医歯薬出版
電子版ISBN
 
電子版発売日
2020/12/21
ページ数
100ページ
 判型
B5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥2,640 (本体¥2,400+税10%)

印刷版ISSN
0918-5259
印刷版発行年月
2020/06
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概要

小児のリハビリテーション
 わが国では少子高齢化の進行が止まらない.厚生労働省の発表によれば,2019年の日本人の国内出生数は86万4千人となり,1899年の統計開始以降初めて年間出生数が90万人を下回った.第1次ベビーブーム期の約270万人,第2次ベビーブーム期の約210万人という数に比べれば少子化がいかに進んだかがわかる.この小児人口の減少は,医療の現場にもさまざまな変化をもたらしている.臨床現場全体では,経験する小児疾患の頻度が少なくなり,分野によっては小児患者への対応に苦慮することが多くなっている.一方で,小児疾患の診断や治療の進歩は著しく,小児の成長を取り巻く環境も変化している.その結果,リハビリテーション医として知っておくべき新しい疾患概念や治療法が登場している.そこで本特集では最近の小児リハビリテーション医療のトピックを取り上げ,以下のように解説いただいた.
 オーバービューでは井之上寿美先生ら(島田療育センターはちおうじ)に小児におけるリハビリテーションの特徴と最近の課題を示していただいた.近年,児童・生徒の運動器検診が推進されている.帖佐悦男先生(宮崎大学)には膨大なご自身の調査結果から小児の運動器の機能不全を早期に見い出し,将来のロコモティブシンドロームを予防することの重要性を提示していただいた.小児を対象としたロボットリハビリテーションに関する最近の話題を上野友之先生(筑波大学整形外科)に執筆いただき,脳性麻痺児に対する歩行練習・歩行補助具としてのロボット,装着型歩行訓練ロボットの最新の話題を紹介いただいた.また,小児の心疾患術後のリハビリテーションについて,鈴木孝明先生(埼玉医科大学国際医療センター)に疾患の特徴と術式を詳説していただいた.NICUを有する施設では超未熟児に対する理学療法や言語聴覚療法の依頼が多いため,欅 篤先生(高槻病院リハビリテーション科)にNICUで必要なポジショニング,呼吸理学療法,哺乳指導,発達支援について解説いただいた.半澤直美先生(よこはま港南地域療育センター)にはリハビリテーション医が知っておくべき発達障害の診断や支援のあり方等を解説いただいた.
 小児に対するリハビリテーション医療は長い期間にわたることが多く,その中で最適な治療を実施することが求められる.本人へのアプローチと同時に,両親や家族に対する対応も必要で,リハビリテーション医が最新の知識を確認しておくべき分野である.本特集が小児リハビリテーション医療の現場に貢献できれば幸いである.(編集委員会)

目次

オーバービュー(低出生体重児の発達予後含む)  井之上寿美,小沢浩
小児のロコモティブシンドロームーなぜ今,子どもの頃からのロコモ予防が必要か?  帖佐悦男
脳性麻痺に対するロボットリハビリテーション  上野友之
先天性心疾患術後のリハビリテーション  鈴木孝明
NICUでのリハビリテーション  欅篤,飯塚崇仁・他
発達障害に対するリハビリテーション  半澤直美
■連載
巻頭カラー  リハの現場で役立つ! 目で見る動作・歩行分析 
6. 脳性麻痺の歩行分析  伊藤忠 
運動器・末梢神経の診察テスト法 
9.足関節の基本的な診察テスト  森裕祐 
ニューカマー リハ科専門医 
  伊勢真人 
筋電図を症例から学ぶ 
6.頸椎症性神経根症  長谷公隆 
脳神経内科領域の診療ガイドラインup date 
2.脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン  宮井一郎 
急性期リハビリテーションの実際─なにを、いつ、どのように 
16. 造血幹細胞移植前・後のリハビリテーション医療  石川晴邦,佐浦隆一・他 
オーストラリアのリハの現場より 
第3回 成人リハビリテーションの研修プログラム  渡辺百合子 
こういう工夫でこんなに変わった! アドヒアランスやコンコーダンスを高めるリハビリテーション 
5.慢性腎臓病患者に対する腎臓リハビリテーション  平木幸治,柴垣有吾 
心に残ったできごと―リハビリテーション科の現場から 
医師としての人生を支えた恩師の言葉  染矢富士子 
臨床経験 
回復期リハビリテーション病棟において嚥下障害で発症した老年発症重症筋無力症の1例  徳永誠,宮本詩子・他

TOPICS 
神経筋疾患患者の生活に合わせたICT, ATの活用─テクノロジーで生活を作る─  渋谷亮仁,山口俊光