J. of Clinical Rehabilitation 32巻4号【電子版】
- 出版社
- 医歯薬出版
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2023/04/17
- ページ数
- 100ページ
- 判型
- B5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥2,640 (本体¥2,400+税10%)
- 印刷版ISSN
- 0918-5259
- 印刷版発行年月
- 2023/04
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概要
医療は治療の標準化,診療の質への評価が問われる時代でもある.安全で質の高い医療を効率的に提供するためには,医療機関ごとに継続的な改善への取り組みを定着させる仕組みが必要である.
わが国の医療機関が受ける第三者評価として代表的なものは1995年に設立された日本医療機能評価機構による病院機能評価,日本品質保証機構のISO(International Organizationfor Standardization),国際的な評価機構としてJC(I Joint Commission International)審査が挙げられる.いずれの機能評価も,受審そのものが目的ではなく各医療機関における医療の質の担保,さらには改善を組織全体で実践,定着化するための契機となるものである.2022年の診療報酬改定では,回復期リハビリテーション病棟入院料の算定,急性期充実体制加算算定に医療機能評価を求める項目が新設され,都道府県がん診療拠点病院および地域がん診療拠点病院の要件にも加わり,病院組織にとって第三者評価受審の重要性・必要度は増している.
本特集では,このような医療の流れを受け,さまざまな機能の病院組織においてリハビリテーション部門で実践されている機能評価への準備,対応,ひいては質管理の実践書となるよう特集した.冒頭では日本医療機能評価機構の横山氏らより病院機能評価,ISO,JCIについて概説いただき,続いて病院機能別に代表的な特定機能病院,急性期病院,回復期リハビリテーション病院から,日本医療機能評価機構による病院機能評価,JCI,ISO受審を経験され,また審査にかかわられてきた精鋭担当者より,準備,経過,受審後の組織の変化を含めその実際をお伝えいただいた.
質の高い組織運営の根幹は,理念,基本方針を明確にしたガバナンスである.医療現場では安全で質の高い医療を提供するための臨床業務の継続的な改善に加え,病院機能ごとに求められる役割は,医療職の教育・人材育成,高度医療の提供や技術開発,地域への啓発・連携等,多岐にわたる.災害等,不測の事態に備える事業継続計画(BCP)は新型コロナ感染症への組織対応としても有用であった.
機能評価で求められる項目は,医療とともに常に変化・多様化しており,継続的な改善と変化への対応が求められている.本特集が,病院機能評価へ備える管理者,マネージャー,そして現場を支える医療チームメンバーの一助となれば幸いである.(編集委員会)
目次
病院 機能評価への準備と実際 渡邊進
病院機能評価(特定機能病院)実際例 根本明宜
病院機能評価(急性期病院)実際例 馬場尊,北岡清吾・他
病院機能評価(回復期リハビリテーション病院/病棟)実際例 岡本隆嗣
ISO受審例 加藤俊明,松田徹・他
■新連載
リハビリテーション医療における安全管理の一工夫 <I.急性期病院における安全管理>
1.転倒予防対策の現状と課題 北村新,大高洋平
■連載
リハビリテーションと薬剤
22.リハビリテーションにおける疾患・病態に応じた薬剤管理:⑥生活動作(食事,排泄,睡眠) 社本博
ニューカマー リハ科専門医
岩佐沙弥
知っておきたい神経科学のキィワード
14. 運動イメージと運動実行 柴田恵理子
オンライン診療とリハ
4.生活期リハビリテーションスタッフによる沿革施設でのオンライン介護予防サービスの実践 望月武,平林克之・他
リハビリテーション治療中のリスクに備える医療機器管理
3. 気道管理にかかわる機器管理 土岐明子
リハ科医・専門職に薦めたい! とっておきの学会・研究会ガイド
2.臨床神経学・神経生理学を学べる学会 眞野智生
リハビリテーションスタッフがかかわるチーム医療最前線
24. 群馬大学医学部附属病院の取り組みー摂食嚥下支援チームと誤嚥性肺炎予防の取り組みー 伊部洋子
リハビリテーション医学・医療の歴史秘話“あの時なにが?”
4. 日本作業療法士協会 中村春基,髙島千敬
臨床研究
ゲーム形式を用いた医学生のリハビリテーション科臨床実習 山口朋子,中積智・他
TOPICS
脳卒中患者の歩行再建 吉尾雅春
書評
書評『治せる?治せない? 摂食嚥下障害への視点と対応 まだまだあるぞ!できること』 藤島一郎