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総合リハビリテーション Vol.50 No.8【電子版】

2022年8月発行

特集 摂食嚥下障害と加齢/サルコペニア/低栄養

出版社
医学書院
電子版ISSN
1882-1340
電子版発売日
2022/08/15
ページ数
128ページ
 判型
B5
フォーマット
PDF(パソコンへのダウンロード不可)

電子版販売価格:¥2,530 (本体¥2,300+税10%)

印刷版ISSN
0386-9822
印刷版発行年月
2022/08
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3
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概要

特集 摂食嚥下障害と加齢/サルコペニア/低栄養 リハビリテーション領域をリードする総合誌。リハビリテーションに携わるあらゆる職種に向け特集形式で注目の話題を解説。充実した連載ではリハビリテーションをめぐる最新知識や技術を簡潔に紹介。投稿論文の審査、掲載にも力を入れている。5年に一度の増大号は手元に置いて活用したい保存版。雑誌電子版(MedicalFinder)は創刊号から閲覧できる。 (ISSN 0386-9822)

月刊,増大号を含む年12冊

目次

摂食嚥下障害と加齢/サルコペニア/低栄養

 サルコペニアによる嚥下障害を発見することはできても,そうなってしまった目の前の症例をよくすることはなかなか難しいのが現実です.栄養を増やそうと思っても,糖尿病や腎機能障害のある症例でそれらとの兼ね合いに苦労したり,経口摂取量がなかなか増えないことなどもあります.また,栄養状態が低い場合には訓練効率は低いことになりますが,低栄養だから訓練をしない,というわけにもいきません.本特集では,臨床家に向けて概念の整理,他者説得やプランニングのための知識,そして具体的戦略について,第一線の先生方にご執筆いただきました.

高齢者のサルコペニアと嚥下障害 若林 秀隆氏
 サルコペニアの定義概念は変遷しており,骨格筋量より筋力や身体機能に重きをおかれるようになっている.原因としては,加齢,低活動,低栄養のほかに,医原性も注目されている.診断基準も変遷しており,複数があるが,現時点では日本では(Asian Working Group for Sarcopenia:AWGS)2019の診断基準を用いることが望ましい.サルコペニアの嚥下障害の診断のポイントは,全身にサルコペニアを認めること,嚥下障害を認めること,明らかな嚥下障害の原因疾患がないことの3点である.

サルコペニアが「のど」に与える影響はここまでわかった 柴田 斉子氏
 嚥下に関連する筋肉は横紋筋ではあるものの,四肢骨格筋とは別の特性を持ち,廃用に陥りにくいとされていたが,加齢や低栄養によって委縮などは生じる.舌厚・舌圧の低下,舌の脂肪浸潤の増加,オトガイ舌骨筋と顎二腹筋の断面積の低下,筋の脂肪浸潤の増加(MRI輝度の増加)が報告されている.高齢者では咽頭壁の厚みの減少・咽頭筋収縮筋の委縮による咽頭腔の拡大,収縮率の低下,喉頭蓋告残留の要因となる.咽頭内圧や舌骨上筋群については,代償的に働いている可能性も指摘されている.

口の機能の低下はどのように評価し予防できるか 渡邊 裕氏
 加齢によって生じる無症候性の嚥下機能の低下「老嚥」は,嚥下機能の予備力を低下させ,嚥下障害関連疾患のリスクを高める.オーラルフレイルは口腔の健康啓発運動の新たなスローガンで,老嚥や口腔機能低下症の前の段階である.いずれも評価方法が提唱されており,かつ全身状態との関連が報告されている.随意的コントロール下におかれている口腔機能は,改善の余地があるため,オーラルフレイルの段階からの発見と適切な対応が重要である.

落ちてしまった「のど」の機能を改善させる訓練法 福岡 達之氏
 舌は食物の咀嚼と食塊形成のみならず,口腔から咽頭への送り込みにかかわる嚥下過程の重要な器官であり,レジスタンストレーニング方法が報告されている.前舌保持嚥下でも,上咽頭収縮筋の筋活動が上昇することが報告されている.舌骨上筋群は,舌骨咽頭の前上方挙上に寄与し,複数の方法でのレジスタンストレーニングの効果が報告されている.

サルコペニアと筋力低下のピットフォール 山田 実氏
 サルコペニアの診断においては,体液貯留により骨格筋量を過大評価してしまって正常と誤診されることもあり,また,筋量が正常で筋力が低下しているダイナぺニアでも,各種アウトカムにはサルコペニアと同様の影響があることから,高齢者診療においては,常に筋力を測定することが重要である.サルコペニアの研究は増加しているが,機能改善に関する研究,その筋力改善が各種転帰に与える影響の研究はまだ十分に行われていない.サルコペニアの特性を理解しつつ,高齢者診療と向き合うことが望まれる.

高齢者は何をどのように食べたらよいのか 新開 省二氏
 高齢者の低栄養は,公衆衛生上の重要な健康課題である.低栄養は重要な交絡要因による影響を除いても死亡リスクを上げる独立要因であり,生活機能が低下すると低栄養はより深刻化する.その予防は,栄養素密度の高い食事であり,食品摂取の多様性スコア(Dietary Variety Score:DVS)は有用で,7点以上が望ましい.「さあにぎやか(に)いただく」がうたい文句である.腎機能障害者や糖尿病症例でも基本は多様食であり,糖尿病性腎症の予防においては,一定以上の蛋白摂取は必要であるという研究結果も最近報告されている.サルコペニア予防においては栄養補助食品の利用も含めて,対処法を検討する.

なってしまった「低栄養」からの改善の支援 西岡 心大氏ら
 低栄養の診断基準を示しているGlobal Leadership Initiative on Malnutrition(GLIM)基準では,低栄養を4種に分類している.①炎症を伴う慢性疾患関連低栄養,②炎症がわずかまたは炎症が認められない慢性疾患関連低栄養,③重症炎症を伴う急性疾患・外傷関連低栄養,④飢餓関連低栄養である.それぞれにおいて特徴的な対処方法があるので,管理栄養士や栄養サポートチームにより適切な栄養管理を提供することが不可欠である.