看護 Vol.75 No.14【電子版】
- 出版社
- 日本看護協会出版会
- 電子版ISSN
- 2437-0193
- 電子版発売日
- 2023/11/29
- ページ数
- 120ページ
- 判型
- A4変
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥2,200 (本体¥2,000+税10%)
- 印刷版ISSN
- 0022-8362
- 印刷版発行年月
- 2023/11
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概要
患者の生活は、意思決定の積み重ねの上にあります。「食べること」「排泄すること」「眠ること」、さらに「外に出かけたい」「〇〇さんに会いたい」といった“小さな願い”。時に、看護職との対話によって、本人も気づかなかったような願いが顕在化し、また、信頼関係が生まれることで患者が語り出す願いもあるでしょう。こうした“小さな願い”は、その人にとって人生のかけがえのない価値です。看護職には、その願いを言葉にする支援を行うこと、そして、それをかなえようと努力することが求められるのではないでしょうか。
本総特集では、まず“小さな願い”をすくい上げるための方策について、医療職ができることを解説するとともに、日ごろの忙しさから疎かになりがちな「対話」の意味を問い直します。その上で、 “小さな願い”をかなえる意思決定支援のあり方を考えます。
さらに、看護管理者の立場から、看護職が患者のそばに居る/患者と対話する時間をどう確保するのか、労働環境の整備、DX推進などを踏まえて論じます。併せて、新型コロナウイルス感染症がアドバンス・ケア・プランニング(ACP)に与えた影響や、ACPの目的についてあらためて確認します。
目次
1-1 “小さな願い”とは何か 村上 靖彦
1-2 患者の望みを尊重する日常ケア――あらゆる場面における意思決定支援 梅田 恵
2章 解説 “小さな願い”を聴くこと――当事者の思いを引き出す対話
2-1 当事者に関心を持つ 海津 未希子
2-2 そばに居て触れるケア 川嶋 みどり
2-3 お互いを理解し合うための5つの対話軸――訪問看護師の視点から 小瀬古 伸幸
2-4 対等の関係性の中で新たな価値を見いだす――医師の視点から 西 智弘
2-5 心の奥底の思いを伝えるために――当事者の視点から 金子 稚子
3章 報告 「その人らしさ」をつくるケア
3-1 長期療養生活の中で患者と家族をつなぐ 宇梶 智子
3-2 患者の「食べる喜び」に寄り添う 杉山 理恵
3-3 食支援を通して患者・家族のコミュニケーションを支援する 望月 智子
3-4 対話を重ねて希望を実現する多職種でのかかわり 伊藤 麻紀
3-5 そのときの状況によって変化する患者の意思決定への理解と支援 竹川 幸恵
3-6 「放っておいてほしい」利用者の意思を尊重したかかわり 宮子 あずさ
3-7 利用者と看護師の相互作用の中で生まれる願い 田中 和子
3-8 次の意思決定につながる支援を 木島 祐子
4章 提言 看護師の心のゆとりをつくる――管理者に求められること
4-1 対話を通して“患者にとっての最善”を明確にし、看護サービスを創造する 岡村 奈緒美
4-2 間接業務時間の削減と看護師のノンテニクニカルスキルの獲得支援 村岡 修子
4-3 患者の思いを大切にする看護現場をつくる 大岡 恵利子
5章 関連論考 ACPの現在地
5-1 ACPに与えた新型コロナウイルス感染症の影響 近田 藍・竹之内 沙弥香
5-2 誰のための何のためのACPなのか? 山岸 暁美