社会保険旬報 №2942【電子版】
2024年10月11日
《論評》 『地域ブロック別の新型コロナ流行による病院経営医療法人の損益への影響推移』荒井耕
- 出版社名
- 社会保険研究所
- 発行年月
- 電子版発売日
- ページ数
- 42ページ
- 判型
- B5
- 印刷版ISSN
- 1343-5728
- 電子版ISBN
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概要
《論評》 『地域ブロック別の新型コロナ流行による病院経営医療法人の損益への影響推移』荒井耕
新型コロナ流行への関心が薄れつつあるなか、流行による医療機関への財務的影響を多様な観点から分析し、歴史的教訓として生かせるようにその知見を遺しておくことは意義深い。現在、各分野で新型コロナ流行の事後検証がなされており、医療機関への財務的影響の分析も進められつつあるが(荒井、2023)、まだ都道府県別や地域ブロック別に影響を分析した研究は見られない。ところが従来、地域によって医療機関の損益状況には大きな差があり(荒井、2017)、また中長期的に変化してきたことがわかっており(荒井、2021a)、地域別に流行の影響を分析する必要性があることが示唆されている。
医療機関の財務状況を明らかにする代表的な公的調査である『医療経済実態調査』では、従来、都道府県別や地域ブロック別の分析はなされていない。一方、厚生労働省医政局の『病院経営管理指標』(以下『指標』)では、従来、地域ブロック(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)別の分析が見られる。しかしながら、任意回答の質問票調査であり回収率が低いことから、分析対象客体数は極めて少なく、回収対象群による偶然的なブレの影響を受け易いほか、経営管理に対する関心が高い病院群中心に回答がなされているなどのバイアスがある可能性も高い。おそらくこうした理由からだと考えるが、『指標』(厚生労働省医政局、2022bc・2023b)では地域ブロック別の新型コロナ流行による影響を分析していない。なお、本調査は毎年実施されているが、任意回答の調査で回答病院群は年々異なるため、その調査結果を経年的に比較することは本来適切ではない。また本調査では、決算月が統制されていないため、各年度の財務状況とされているものの、多様な時期の財務データが混在しており、特定の期間(各財政年度など)における財務的影響を分析する上では必ずしも適切ではないという課題もある。
以上を踏まえて、本稿では、毎期義務としてすべての医療法人が提出している『事業報告書等』(決算届)を活用することによって、非回答バイアスや極めて少ない回答数、年度による分析対象群の大きな違いによる精度・信頼性の課題を解決しつつ、病院経営医療法人群における地域ブロック別の損益面の影響推移を分析する。その際、3月末決算の法人群に限定して分析することによって、各財政年度における新型コロナ流行の影響をズレなくきっちりと捉えた分析をする。
目次
《視点》 医師偏在対策の規制的手法
《座標》 石破内閣が発足/「出産なび」掲載44施設が不同意
《座標》 10月から長期収載品の選定療養が開始/国立大病院は235億円のマイナス収支
《論評》 『地域ブロック別の新型コロナ流行による病院経営医療法人の損益への影響推移』荒井耕
《動向》 『マイナ保険証の利用促進を図る廃止方針は堅持―福岡資麿厚労大臣が就任会見』
《動向》 『厚労省要求額は4547億円増で過去最大の34兆2763億円―令和7年度概算要求』
《ジュネーヴからの便り》 『コミュニケーション』中谷祐貴子
《潮流》 新地域医療構想の医療機関機能を議論
《潮流》 情報利活用検討会4WGが報告
《潮流》 日本年金機構の業務実績評価を了承
《潮流》 マイナ保険証利用促進を議論
《潮流》 全国総合健保組合協議会が総会
《潮流》 中医協薬価部会が次期改定を議論
《潮流》 介護9団体が物価・賃上げ状況調査
《NEWS》 石破首相が所信表明 ほか
《雇用・労働の動き》
《編集室 ワードカプセル》 「石破内閣」
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