医学のあゆみ280巻5号【電子版】
- 出版社
- 医歯薬出版
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2022/01/31
- ページ数
- 264ページ
- 判型
- B5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥6,490 (本体¥5,900+税10%)
- 印刷版ISSN
- 0039-2359
- 印刷版発行年月
- 2022/01
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概要
企画:吉村健一(広島大学学術院/病院未来医療センター 生物統計部)
手良向 聡(京都府立医科大学大学院医学研究科 生物統計学)
・医学,生物学,公衆衛生における研究課題に対して統計というツールを使って効率的に,研究デザインを策定し,情報を収集し,統計解析を行い,バイアスのない結論を出すために有用な学問として生物統計学がある.
・現代のすべての科学において,エビデンスとして必要なデータを収集したうえで,それを評価することが必要である.この点において,生物統計学はすべての医科学分野の中心的存在のひとつである.
・現代の医学領域,とくに臨床試験においても,同様に中心的存在のひとつでなければならないし,当然ながら生物統計家もそういう自覚をもって,臨床試験に関わらなければならない.
目次
臨床試験デザインの基礎
臨床試験のエンドポイントの設定――適切なエンドポイントに求められる性質
ランダム化と解析対象集団
研究設計に役立つ検定と信頼区間の基本知識――α,β,期待する群間差,優越性/非劣性試験,サンプルサイズ設計
臨床試験における多重性の問題
これだけは知っておきたい臨床試験における中間解析の基礎
サブグループ解析とその限界
生存時間データの統計解析
メタ解析の基礎と結果を解釈する際の留意点
■観察研究の方法
観察研究(コホート研究タイプ)の基礎と応用
観察分析疫学におけるバイアス
観察研究の報告において大事なこと――STROBE声明より
リアルワールドデータを利活用した臨床試験のデザインと統計的留意事項
■方法論の近年の発展
ベイズ流統計学の臨床試験への応用
バスケット試験,アンブレラ試験,プラットフォーム試験――実例を交えて
アダプティブデザインの基礎――実例とともに
抗悪性腫瘍薬の用量探索試験のためのベイズ流適応的デザイン――3+3デザインからの脱却
PRO/QOLを用いた臨床試験のデザインおよび統計解析――SISAQOLプロジェクトより
ログランク検定・Cox比例ハザードモデルに代わる手法を用いるランダム化比較試験の計画と解析
臨床研究におけるエスティマンド
複数の主要評価変数を用いる臨床試験の実際
臨床試験における多重性の調整
後治療の解析――RPSFTM
操作変数法
臨床試験に基づく費用対効果評価
治療経過に応じて決まる治療方針の因果効果
■バイオマーカー解析
バイオマーカーを用いた検証的臨床試験のデザイン
がんゲノムデータの探索とバリデーション
臨床試験における分子診断シグナチャーの開発と検証
予測/診断アルゴリズムの性能評価に関する統計学的論点――Framingham Risk Scoreから人工知能技術を利用した診断支援まで
■質の担保と有用なガイドライン
臨床試験におけるQuality Management
ランダム化比較試験の報告の質を担保するためのCONSORTガイドライン
ランダム化比較試験の報告の質を担保するためのCONSORTガイドライン
国際共同治験におけるガイドライン――考慮すべき4つのポイント
EMAによるサブグループ解析ガイドライン
■臨床家と試験統計家のよりよい協同に向けて
臨床研究デザイン・医療統計学のセンスとスキルをもった臨床医の育成
生物統計家育成事業――東京大学大学院での取り組み
日本計量生物学会・試験統計家認定制度