医学のあゆみ281巻5号【電子版】
- 出版社
- 医歯薬出版
- 電子版ISBN
- 電子版発売日
- 2022/05/02
- ページ数
- 216ページ
- 判型
- B5
- フォーマット
- PDF(パソコンへのダウンロード不可)
電子版販売価格:¥6,490 (本体¥5,900+税10%)
- 印刷版ISSN
- 0039-2359
- 印刷版発行年月
- 2022/04
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概要
企画:和田 尚(大阪大学大学院医学系研究科臨床腫瘍免疫学)
・2010年の抗CTLA-4抗体と2012年の抗PD-1抗体医薬の臨床効果報告が,免疫を用いたがん治療を世間に浸透させた.
・腫瘍免疫には非常に多くの因子が関与し相互に作用しあう免疫ネットワークの存在がある.免疫による抗腫瘍効果を理解するには,この複雑なネットワークを俯瞰的に観察することが大事である.
・本特集では,絡み合った腫瘍免疫ネットワークを各因子・細胞に個別化して解説し,それぞれがネットワーク全体にどのように影響を及ぼすかに言及する.
目次
■ネットワークの各因子と,その因子を応用or標的とした基礎研究の現在と可能性
【がん免疫ネットワークに影響を与える因子】
腫瘍細胞からネットワークへ――遺伝子変異とサイトカインネットワークによる腫瘍微小環境の形成と制御
ネットワークにおけるT細胞の役割――CTL,活性疲弊,チェックポイント
ネットワークにおける自然免疫の役割――NK, ILCs
がん免疫ネットワークへの制御性T細胞の影響およびその治療応用
腸内細菌とがん免疫微小環境
腫瘍微小環境の“3低”の改善による腫瘍免疫の向上
【がん微小環境TME内の免疫ネットワーク解明の研究手段】
免疫組織化学技術の勘どころとマルチプレックス免疫組織化学の特性
フローサイトメトリー,マスサイトメトリーを用いた腫瘍微小環境の病態解明
網羅的ゲノム解析によるTME評価――全ゲノム/全エクソーム/RNAシークエンス解析
シングルセル解析による抗腫瘍免疫応答の解析
【ICI臨床的バイオマーカーの理解への基礎知識】
腫瘍におけるPDーL1発現とそのバイオマーカーとしての意義
腫瘍免疫におけるがん抗原の役割――ネオアンチゲン,TMB,MSIの基礎知識
■免疫チェックポイント阻害薬の成功から続く展望
【腫瘍別の免疫作動薬の現状と展望(単剤→併用・新規)】
進行期悪性黒色腫への免疫療法
非小細胞肺がんの免疫療法――開発中の免疫療法を中心に
泌尿器科がん(腎細胞がん・尿路上皮がん)への免疫療法――特殊性と類似性
血液腫瘍に対する免疫療法――ホジキンリンパ腫,成人T細胞白血病リンパ腫
頭頸部がんへの免疫療法――現状と展望
リンチ症候群を中心とした大腸がんへの免疫療法
消化器がん(胃がん・食道がん)への免疫治療
婦人科がんへの免疫療法
【新規治療法】
腫瘍融解ウイルス療法とがん免疫
補助に終わらない免疫アジュバント
iPS細胞から再生したT細胞を用いたがん免疫療法――即納型汎用性T細胞製剤の開発
遺伝子導入T細胞による養子免疫療法
近赤外光線免疫療法(光免疫療法)によるがん免疫の誘導と活性化
【新規がん免疫治療薬の開発】
基礎研究と臨床応用への谷間をつなぐ橋渡し研究の重要性
がん免疫療法のバイオマーカー・コンパニオン診断法の探索
がん免疫療法に起こる,そして起こりうる副作用と対策
がんゲノム医療と免疫治療の現状と展望
人工知能(AI)を用いたがんの不均一性,多様性への挑戦
■結語
がん免疫療法の展望――免疫制御機構に関する最近の知見をもとに